卒FIT後の売電と蓄電池どっちが得?10年目以降の最適解【2026年】

卒FIT後は売電より蓄電池? 省エネ住宅ナビ

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太陽光発電のFIT(固定価格買取制度)は、住宅用なら買取期間が10年。期間が終わる「卒FIT」を迎えると、売電単価はそれまでの1/5以下に下がります。「このまま売電を続けるべきか、蓄電池を入れるべきか」と迷う方に向けて、2026年時点の単価データをもとに選択肢を整理しました。

結論:卒FIT後の余剰電力は「売電」より「蓄電池での自家消費」のほうが1kWhあたり約3倍の価値になります。卒FIT後の売電単価が7〜9円/kWh前後まで下がる一方、電気を買う単価は約31円/kWhだからです。ただし得になるかは蓄電池の導入価格しだいなので、相見積もりで実売価格を確認してから決めるのが最適解です。

編集部の見解|卒FIT後、全員が蓄電池を入れるべきではない

卒FIT後は売電単価が大きく下がるため、余剰を自家消費に回す蓄電池は有力な選択肢です。ただし編集部は、蓄電池の価格と、浮く電気代との損益分岐を冷静に見るべきだと考えます。

昼間の在宅が少ない、余剰が小さい家庭では、無理に蓄電池を入れず新しい売電先を選ぶほうが合理的なこともあります。わが家の余剰量を起点に判断してください。

利用者の声から:知恵袋や体験ブログでは「卒FIT後の売電単価は7〜9円程度で、買う電気は25円以上。売るより使うほうが得」という声が多い一方、蓄電池を入れた人の後悔談では「容量を大きくしすぎて元が取れない」「保証期間内に回収できなかった」という声が繰り返し見られます。落とし穴は相場より高い契約と容量の過大選定にありそうです。編集部としては、補助金と適正容量・相見積もりを揃えられるなら蓄電池、揃わないうちは買取単価の高い売電先への切り替えだけでも先に済ませる進め方を少しおすすめします。

※本欄は公式情報をもとにした省エネ住宅ナビ編集部の分析・見解です。最終的な判断は各制度・メーカーの公式情報をご確認ください。

目次

卒FITとは|10年で固定価格の買取が終わる

住宅用太陽光(10kW未満)のFIT買取期間は10年間です。たとえば2016年度に売電を始めた家庭は2026年に順次満了を迎えます。2019年11月に最初の卒FIT世帯が発生して以降、対象世帯は毎年増え続けています。

卒FITを迎えても売電が「できなくなる」わけではありません。ただし買取単価は大きく下がります。FIT開始当初(2009年度)の48円/kWhに対し、卒FIT後の大手電力の標準プランは7〜9円/kWh前後が目安です。

卒FIT後の売電価格はいくら?【2026年・会社別比較】

2026年時点の主な買取単価の例です。大手電力の標準プランに対し、新電力には10円/kWh超の買取プランもあります。

会社・プラン買取単価
東京電力EP(再エネ買取標準プラン)8.5円/kWh
関西電力(再エネ買取サービス)8円/kWh
中部電力ミライズ(シンプルプラン)7円/kWh
エネクスライフサービス(太陽光電力買取サービス)12.5円/kWh
(参考)電気を買うときの単価の目安約31円/kWh
出典:各社公表の買取単価(2026年時点)。買うときの単価は全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価31円/kWh
1kWhあたりの単価比較(2026年) 電気を買う単価(目安)31円 エネクスライフサービス12.5円 東京電力EP(標準)8.5円 関西電力(標準)8円 中部電力ミライズ(標準)7円 ※大手3社は卒FIT向け標準買取プラン。エネクスライフサービスは新電力の高値買取の一例

グラフの通り、卒FIT後に1kWhを売っても7〜9円前後にしかならない一方、同じ1kWhを買うと約31円かかります。この価格差が「売るより使う(自家消費)」が有利になる理由です。

なお、FIT期間中(1〜10年目)の売電収入がいくらだったのかは、太陽光5kWの売電収入シミュレーション(2026年・二段階FIT)で年ごとに試算しています。卒FIT前後で収支がどう変わるかを比べる前提として押さえておきましょう。

卒FIT後の3つの選択肢

卒FIT後の選択肢は大きく3つ ① そのまま売電継続 手続き不要で手軽 単価は7〜9円前後と最安 ② 買取先を乗り換え 新電力なら10円超も 条件・エリア制限に注意 ③ 蓄電池で自家消費 1kWh約31円の価値に 停電対策にもなる 経済価値は最大 ※③は蓄電池の導入費用が別途必要。補助金と相見積もりの活用が前提

① そのまま売電を続ける:多くの大手電力では手続きなしで標準買取プランに移行します。手間はゼロですが、単価は最も低くなります。

② 買取先を乗り換える:新電力の高値プランに切り替えれば、大手標準より3〜5円/kWhほど高く売れるケースがあります。ただしエリアや契約条件(電気とのセット契約が条件など)の制限があるため、適用条件の確認が必要です。

③ 蓄電池を導入して自家消費に切り替える:昼間の余剰電力を蓄電池に貯めて夜に使えば、1kWhあたり約31円の電気代削減になり、売電(7〜9円)の約3倍以上の価値が出ます。太陽光の発電量や売電の仕組みは太陽光5kWの売電収入シミュレーションで詳しく解説しています。

蓄電池の自家消費でいくら得になる?

年間2,000kWhの余剰電力を「売る」場合と「蓄電池で使う」場合を比べると、経済価値の差は年間4万円を超えます。

余剰電力の使い方1kWhの価値年間2,000kWhの経済価値
卒FIT売電(大手標準・8.5円の場合)8.5円17,000円
新電力の高値買取(12.5円の場合)12.5円25,000円
蓄電池で自家消費(買電31円を削減)約31円約62,000円
※買電単価は目安単価31円/kWhで計算。実際の単価は契約プランにより異なります

差額は年間約4.5万円。電気代が高い契約(燃料費調整や時間帯別で35円/kWh超)ならさらに広がります。一方、蓄電池の導入には後述の通り100万円以上かかるため、「何年で元が取れるか」は導入価格で決まります。太陽光本体の回収期間の考え方は太陽光は何年で元が取れる?回収シミュレーションも参考にしてください。

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蓄電池の価格相場と補助金(2026年)

家庭用蓄電池の価格相場は工事費込みで1kWhあたり15〜20万円、売れ筋の7〜10kWhクラスで総額140〜200万円程度です。国のDR家庭用蓄電池事業(2026年度)は2026年5月29日に予算上限へ達し、交付申請の受付を終了しています(2026年8月10日時点で再開の発表はありません)。一方で東京都のように独自の上乗せ補助を続けている自治体があるため、現在は自治体の制度が資金計画の軸になります。

容量別の詳しい相場と補助金の一覧は【2026年】家庭用蓄電池の価格相場と補助金まとめで解説しています。補助金は予算上限に達すると締め切られるため、卒FITのタイミングが決まっている方は早めに動くのが安全です。

蓄電池を導入するなら、DR(デマンドレスポンス)対応機種を選ぶことで補助金が上乗せされる場合があります。対象要件と補助額はDR補助金と蓄電池の解説をご確認ください。

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よくある質問

卒FITを迎えると売電できなくなりますか?

売電自体は継続できます。ただし単価はFIT期間中(2009年度契約なら48円/kWh)から、大手電力の標準プランで7〜9円/kWh前後まで下がります。

何も手続きしないとどうなりますか?

多くの大手電力では自動的に標準の買取プランへ移行しますが、条件は契約先によって異なります。満了前に届く通知で移行先と単価を必ず確認してください。

設置済みの太陽光に蓄電池を後付けできますか?

可能です。既設の太陽光発電に後付けできる機種が多数あります。ただし国のDR家庭用蓄電池事業は2026年5月29日に予算到達で受付を終了しているため、2026年8月時点で使えるのは自治体独自の補助が中心です。

蓄電池は何年で元が取れますか?

導入費用と使い方によりますが、補助金を活用した場合でおおむね10〜15年が目安です。相見積もりで導入費用を抑えるほど回収は早くなります。

出典

この記事の執筆・編集方針について

本記事は省エネ住宅ナビ編集部が執筆・編集しています。補助金・制度に関する記述は、経済産業省・環境省・国土交通省および各自治体の公式サイト・公式資料を確認したうえで作成し、記事内に出典を明記しています。特定のメーカー・施工会社に属さない中立な立場で情報を整理しています。

制度の受付状況・要件・予算の消化状況は変動します。申請の最終判断は必ず各事業の公式サイトでご確認ください。記載内容の誤りにお気づきの場合は、お問い合わせフォームよりご連絡いただければ、確認のうえ速やかに訂正します。

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この記事を書いた人

省エネ住宅ナビ編集部です。国・自治体の公式情報をもとに、補助金・太陽光・蓄電池・エコキュート・リフォームの「いくらかかる?いくら戻る?」を中立の立場で整理しています。数値・期限は必ず一次情報で確認し、情報基準日を明示する編集方針です。

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