給湯器の号数は下げても大丈夫?【2026年】16号・20号・24号の実力は冬に3割落ちる

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給湯器の号数は「1分間に出せるお湯の量」ではなく、「水温プラス25℃のお湯を1分間に何リットル出せるか」という能力の単位です。

この前提があるため、給水温度が5℃まで下がる冬は、どの号数も表示の約3割減で頭打ちになります。

一方で熱源効率は16号0.93・20号0.94・24号0.93〜0.94とほぼ横並びで、号数を下げてもガス代は下がりません。変わるのは本体価格だけで、差は16号と24号で15,458円です。

この記事の要点

  • 号数の定義は「水温+25℃のお湯が1分間に出る量(L)」。1号あたり1.744kWの加熱能力に相当し、リンナイが国へ届け出た16号27.9kW・20号34.9kW・24号41.9kWと0.1%以内で一致する
  • 号数どおりの湯量が出るのは給水17℃の春と秋だけ。給水5℃で42℃を出す冬は係数0.676まで落ち、16号は10.8L/分、24号でも16.2L/分にとどまる
  • 熱源効率(一次エネルギー換算)は16号0.93・20号0.94・24号0.93〜0.94。号数を下げても効率は上がらず、同じ湯量を同じ温度で使う限りガス代は変わらない
  • 本体価格(基本工事費込)の差は16号156,873円→24号172,331円で15,458円。10年使うなら年1,546円・月129円の差にあたる
  • ガス給湯器は給湯省エネ2026事業の対象機器ではないため、号数を変えても補助額は0円のまま動かない
目次

号数は「湯量」ではなく「温度を25℃上げながら出せる流量」

リンナイは号数を「水温+25℃のお湯が、1分間に出る量(L)」と定義しています。1分間に24L出せれば24号です。ここで見落とされやすいのが、25℃という温度差が定義に含まれている点です。号数は「お湯の量」ではなく「25℃ぶん温めながら流せる量」なので、水が冷たくなるほど同じ号数でも出せる量は減ります。

この定義を熱量に直すと、1号あたりの加熱能力が計算できます。水1Lを25℃上げるのに必要な熱は25×4.186=104.65kJ。これを1分間(60秒)で行うので、1号=104.65÷60=1.744kWです。

この計算値は、メーカーが国の一次エネルギー消費量計算プログラム向けに届け出ている実際の数値と一致します。リンナイの自己適合宣言書付表(2025年10月18日版)に載る定格加熱能力は、16号27.9kW・20号34.9kW・24号41.9kW。号数で割るとそれぞれ1.744・1.745・1.746kWとなり、定義から出した1.744kWとの差は0.1%以内です。

図1|号数別の加熱能力・ガス消費量・効率(リンナイ RUF-Eシリーズ)

項目 16号 20号 24号
定格加熱能力(出湯能力)27.9kW34.9kW41.9kW
1号あたりに換算1.744kW1.745kW1.746kW
定格燃料消費量(ガス消費量)29.4kW36.7kW44.2kW
加熱能力÷ガス消費量94.9%95.1%94.8%
熱源効率(一次エネルギー換算)0.930.940.93〜0.94
定格消費電力0.10〜0.13kW0.12〜0.13kW0.12〜0.14kW
出典:リンナイ「2017-D006-02 ガスふろ給湯器 一次エネルギー消費量計算プログラム(非住宅版)計算使用数値一覧」2025年10月18日版(RUF-Eシリーズ・都市ガス)。「1号あたりに換算」と「加熱能力÷ガス消費量」は編集部が公表値から算出。2026年9月2日確認。

号数どおりの湯量が出るのは、春と秋だけ

リンナイは号数の説明ページで、給水温度の前提を2つ示しています。冬は水温5℃、春・秋は水温17℃、どちらも設定温度42℃という条件です。ここで春・秋の側を計算すると、42−17=25℃。号数の定義に使われている温度差25℃とちょうど一致します。

つまり「20号だから毎分20L」が成り立つのは、給水17℃で42℃のお湯を出す春と秋に限られます。冬は42−5=37℃を上げる必要があるため、出せる量は25÷37=0.676倍まで落ちます。号数の数字は年間を通じた保証値ではなく、春秋の値だと理解しておく必要があります。

図2|季節別に見た「実際に出せる42℃のお湯の量」(L/分)

春・秋(給水17℃)/冬(給水5℃) 設定温度42℃ 16号 16.0 10.8 20号 20.0 13.5 24号 24.0 16.2 春・秋(給水17℃) 冬(給水5℃)=春秋の0.676倍
給水温度の前提はリンナイ「号数(能力)について」の記載(冬5℃/春・秋17℃・設定42℃)。冬の値は編集部が25÷37の係数で算出。配管の長さ・太さ・給水圧により実際の出湯量はさらに下がります。2026年9月2日確認。

メーカーの「人数のめやす」は、その場で検算できる

リンナイは人数のめやすを示すとき、算出条件も併記しています。「冬場水温5℃のとき、シャワー40℃で12L/分、台所40℃で5L/分の場合」という条件です。この条件をそのまま計算に戻すと、推奨号数がなぜその数字になるのかを自分で確かめられます。

40℃のお湯を給水5℃から作るので温度差は35℃。号数の定義の25℃に対する係数は25÷35=0.714です。号数にこの係数を掛けると、冬に40℃で出せる量が出ます。

図3|メーカーの推奨条件で検算した「冬に40℃で出せる量」

号数 冬に40℃で出せる量 メーカーの想定する使い方 必要量 過不足
16号11.4L/分単身・1か所のみ(シャワー)12L/分−0.6
20号14.3L/分2人・2か所同時(シャワー+洗面)12L/分+α+2.3
24号17.1L/分4人・3か所同時(シャワー+台所)17L/分+0.1
条件はリンナイ「号数(能力)について」に明記された「冬場水温5℃のとき、シャワー40℃で12L/分、台所40℃で5L/分」。出せる量は編集部が号数×(25÷35)で算出。2026年9月2日確認。

24号は17.1L/分で、シャワー12L/分と台所5L/分の合計17L/分をちょうど満たします。メーカーが4人家族に24号を勧める根拠が、公表条件だけで再現できるわけです。

気になるのは16号です。同じ条件で計算すると11.4L/分となり、シャワー1か所ぶんの12L/分に0.6L/分(約5%)届きません。ただしこれは「シャワー12L/分」という前提が効いています。近年主流の節水シャワーヘッドは毎分6〜8L程度のものが多く、その場合は16号でも余裕が残ります。号数を下げてよいかは、家族の人数より先に自宅のシャワーの流量で決まります。

確かめ方:シャワーの流量は1分で測れる

2Lのペットボトルや計量カップにシャワーのお湯を10秒ためて量を測り、6倍すれば1分あたりの流量になります。10秒で1L(1,000mL)なら6L/分、10秒で2Lなら12L/分です。この値が自宅の必要量そのものなので、カタログの人数めやすより確実です。

号数を下げても、ガス代は下がらない

「16号にすればガス代が安くなるのでは」という期待は、公表値で確かめる限り成り立ちません。理由は2つあります。

1つめは効率が号数でほぼ変わらないことです。図1のとおり熱源効率(一次エネルギー換算)は16号0.93、20号0.94、24号0.93〜0.94。むしろ16号のほうがわずかに低い水準です。加熱能力をガス消費量で割った値も94.8〜95.1%の範囲に収まり、号数による差は0.3ポイントしかありません。

2つめは、使うお湯の量が号数では変わらないことです。ガス給湯器は貯湯せず、蛇口をひねったぶんだけ瞬間的に沸かします。40℃のお湯を100L使うなら、必要な熱量は号数に関係なく同じです。号数が決めているのは「その熱量をどれだけ速く供給できるか」であって、「どれだけ効率よく供給できるか」ではありません。

図4|号数で変わるもの・変わらないもの

号数で変わる

  • 同時に使える箇所の数
  • 冬に出せる湯量(16号10.8→24号16.2L/分)
  • 本体価格(16号と24号で15,458円)
  • 湯温の安定しやすさ(余力の大きさ)

号数では変わらない

  • 熱源効率(0.93〜0.94)
  • 同じ湯量を使ったときのガス代
  • 定格消費電力(0.10〜0.14kW)
  • 給湯省エネ2026事業の補助額(対象外で0円)
  • ガスの基本料金
効率・ガス消費量・消費電力はリンナイの計算使用数値一覧(2025年10月18日版)、価格は東京ガスの公表価格、補助対象機器は給湯省エネ2026事業の公式情報による。2026年9月2日確認。

逆に、号数が足りないほうがガス代を押し上げることがあります。冬に湯温が安定せず「ぬるい」と感じてリモコンの設定温度を42℃から44℃へ上げると、給水5℃からの温度差は37℃から39℃へ5.4%増え、同じ湯量でも必要な熱量が5.4%増えます。余裕のない号数を選んだ結果として設定温度を上げるくせがつくほうが、支出としては大きくなります。

号数で本当に変わるのは本体価格。差は15,458円

東京ガスが公表しているエコジョーズの価格(パロマ製・台所リモコンと浴室リモコン・基本工事費込・税込)は、16号156,873円、20号165,551円、24号172,331円です(2024年7月時点の公表値)。16号と24号の差は15,458円で、16号を基準にすると9.9%の上乗せにあたります。

この差額を1号あたりに割り戻すと、上げるほど割安になる構造が見えます。16号から20号は4号ぶんで8,678円なので1号あたり2,170円、20号から24号は4号ぶんで6,780円なので1号あたり1,695円。号数を上げるほど1号あたりの追加負担は下がります。

図5|号数別の本体価格(基本工事費込・税込)と差額

東京ガス公表価格(パロマ製エコジョーズ・リモコン・基本工事費込) 16号 156,873円 20号 165,551円 24号 172,331円 差額:16号→20号 8,678円(1号あたり2,170円)/20号→24号 6,780円(1号あたり1,695円) 16号→24号 15,458円を10年で割ると年1,546円・月129円
出典:東京ガス「エコジョーズの価格を号数ごとに解説」の公表価格(2024年7月時点・パロマ製・基本工事費込・税込)。1号あたりの差額と年額換算は編集部が算出。10年は日本ガス石油機器工業会が定めるガス給湯器の設計上の標準使用期間。追加工事費が別途かかる場合があります。2026年9月2日確認。

ガス給湯器の設計上の標準使用期間は10年です。15,458円を10年で割ると年1,546円、月に直すと129円。冬に出せる湯量は16号10.8L/分から24号16.2L/分へ5.4L/分増えるので、1L/分あたりの追加負担は2,857円という計算になります。「号数を上げる」という判断は、月々の光熱費ではなく初期費用の1万5千円をどう見るかの話です。

補助金は号数では動かない(ガス給湯器は対象外)

2026年度の給湯省エネ2026事業で補助の対象になる機器は、ヒートポンプ給湯機(エコキュート)、ハイブリッド給湯機、家庭用燃料電池(エネファーム)の3種類です。エコジョーズを含むガス給湯器単体は対象機器に入っていないため、16号でも24号でも補助額は0円で変わりません。

補助を受けたい場合は号数ではなく機器の種類を変える判断になります。基本額はエコキュート7万円、ハイブリッド給湯機10万円、エネファーム17万円。性能加算はエコキュート3万円、ハイブリッド2万円、エネファームはなしです。なお自治体によっては独自にガス給湯器を対象にする制度もあるため、住んでいる市区町村の制度は別に確認してください。

号数を下げてよい人・下げないほうがよい人

図6|号数を下げる判断のチェックリスト

下げてよい条件(すべて当てはまるなら検討可)

  • お湯を同時に使う場所が実質1か所(家族が2人以下、または生活時間帯がずれている)
  • シャワーの実測流量が8L/分以下(節水ヘッドを使っている)
  • 浴槽の湯はり中に台所やシャワーを使う習慣がない
  • 床暖房や浴室暖房乾燥機を給湯器から供給していない

下げないほうがよい条件(1つでも当てはまるなら現状維持)

  • 寒冷地または冬の給水温度が低い地域に住んでいる
  • 入浴が連続し、湯はりとシャワーが重なる時間帯がある
  • シャワーの実測流量が12L/分前後ある(旧型のヘッド)
  • いまの給湯器で冬に「ぬるい」と感じたことがある
  • 家族が増える予定がある、または来客が多い
判断の軸は編集部が本記事の計算(冬の係数0.676、40℃なら0.714)にもとづき整理。設置環境によっては号数を下げると配管やガス管の仕様変更が必要になる場合があります。

号数を下げて浮くのは初期費用の6,780〜15,458円で、光熱費は減りません。一方で足りなかったときは湯温の不安定さという形で毎日返ってきます。迷ったら現状と同じ号数を選ぶのが無難で、下げるのは上のチェックリストの左側がすべて当てはまるときに限られます。

号数が決まっても、総額は業者で数万円変わります

号数の違いが動かす本体価格は6,780〜15,458円ですが、同じ号数・同じ機種でも本体の仕入れ値と工事費の設定で数万円の差が出ます。お湯が出ない.comは給湯器・エコキュートの交換に対応する業者へまとめて見積もりを依頼できるサービスで、入力は無料です。相場の確認だけの利用でも問題なく、条件が合わなければ断って構いません。

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よくある質問

Q. いまの給湯器の号数はどこで確認できますか?

本体前面の型番で判別できます。リンナイのRUF-E240シリーズなら240の先頭2桁が24号、RUF-E200シリーズなら20号、RUF-E160シリーズなら16号です。ノーリツやパロマも同様に型番の数字が号数を表す形式が一般的です。型番が読み取れない場合は、本体側面や下部の銘板に記載された「ガス消費量」を1.84で割るとおおよその号数になります(ガス消費量29.4kWなら約16号)。

Q. 24号に上げるとガス代は増えますか?

同じ量のお湯を同じ温度で使う限り増えません。熱源効率は16号0.93・20号0.94・24号0.93〜0.94とほぼ同じで、待機時の電力も0.10〜0.14kWの範囲に収まります。増えるとすれば「同時に使える箇所が増えたので、実際にお湯を使う量そのものが増えた」場合です。号数の変更ではなく使い方の変化による増加なので、切り分けて考えてください。

Q. 16号でも冬に困らない家はありますか?

あります。16号は冬(給水5℃・40℃設定)に11.4L/分を出せるので、シャワーの流量が8L/分以下で、シャワー中に台所や洗面所でお湯を使わないなら不足しません。目安として、10秒間にためられるお湯が1.3L以下なら8L/分以下です。逆に旧型のシャワーヘッドで12L/分前後出る家では、16号は同条件で0.6L/分足りない計算になります。

出典・参考

  • リンナイ「号数(能力)について|エコジョーズの基礎知識」(号数の定義、冬5℃・春秋17℃の給水温度、人数のめやすの算出条件)2026年9月2日確認
  • リンナイ「2017-D006-02(2017-D006自己適合宣言書付表)ガスふろ給湯器 一次エネルギー消費量計算プログラム(非住宅版)計算使用数値一覧」2025年10月18日版(定格加熱能力・定格燃料消費量・熱源効率・定格消費電力)2026年9月2日確認
  • 東京ガス「エコジョーズの価格を号数ごとに解説」(16号156,873円・20号165,551円・24号172,331円/パロマ製・リモコンと基本工事費込・税込・2024年7月時点)2026年9月2日確認
  • 給湯省エネ2026事業 公式サイト(補助対象機器と補助額)2026年9月2日確認
  • 日本ガス石油機器工業会(ガス給湯器の設計上の標準使用期間10年)

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この記事を書いた人

省エネ住宅ナビ編集部です。国・自治体の公式情報をもとに、補助金・太陽光・蓄電池・エコキュート・リフォームの「いくらかかる?いくら戻る?」を中立の立場で整理しています。数値・期限は必ず一次情報で確認し、情報基準日を明示する編集方針です。

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