電力会社の乗り換え手続きは最短4日【2026年】検針票の22桁だけで完了し、解約連絡は不要

電力会社の乗り換えは最短4日で終わることを示すアイキャッチ

スマートメーターがあれば切り替えは申込から4日程度。必要なのは検針票の22桁の供給地点特定番号だけで、今の会社への解約連絡は不要です。2026年9月11日時点の資源エネルギー庁の公表による。

情報基準日: 2026-09-11

設備・世帯・地域で結論がどう入れ替わるかの全体像は電力会社の選び方 2026|省エネ設備・世帯・地域で選ぶ乗り換え完全ガイドにまとめています。この記事はそのうち「電力会社の乗り換え手続きは最短4日」に絞って掘り下げます。

手続きは切り替え先への申込1回で完結する。
かかる日数はメーターの状態で決まり、設置済みなら4日程度、未設置なら2週間程度。
費用は原則かからないが、いまの契約に違約金がある場合だけは申込前に確かめる。

この記事の要点

  • 用意するのは検針票にある「お客さま番号」と「22桁の供給地点特定番号」の2つだけ。
  • いまの電力会社への解約手続きは、本人の同意にもとづいて切り替え先が代行できる。
  • 標準的な期間は、スマートメーター設置済みで約4日、交換工事が必要なら約2週間。
  • メーター交換の費用は原則かからないが、交換に伴う工事に費用がかかる場合がある。
  • 2026年8月31日までの累計スイッチング開始申請は全国で約3,867万件。ただしこの数字は低圧だけの件数ではない。
  • 申込前に確認するのは「違約金」「セット割の契約期間」「燃料費調整の上限の有無」の3点。

この記事の比較基準|公式単価のみ・アフィリエイト順位なし・情報基準日

  • 手続きの日数や必要書類は各社の公式サイトと供給約款の記載だけを根拠にしています。実際の所要日数は検針日・スマートメーターの設置状況で変わります。
  • 紹介する順序や掲載の有無を広告の成果報酬で変えていません。提携のあるサービスを案内する場合は記事の冒頭にPR表記を置いています。
  • 手順や日数は条件によって変わるため、「必ず」と断定する表現は使いません

情報基準日: 2026-09-13(単価の改定を確認した場合は本文の表と基準日を更新します)

目次

手続きの4ステップ|申込は1回、解約の電話はいらない

資源エネルギー庁は、電力会社の切り替えの流れを「切り替え先への申し込み」「スマートメーターへの交換(未設置の場合のみ)」「切り替え先との契約開始」の順で説明しています。ここでは、実際に手を動かす順に4つへ分けて整理します。前提は、低圧(一般家庭)の契約者本人が自分で申し込む場合です。

図1 電力会社の切り替え手続きの4ステップSTEP 1検針票で2つの番号を控えるSTEP 2切り替え先に申し込むSTEP 3メーター交換(未設置のみ)STEP 4切替日に自動で切り替わるSTEP3が必要なのはスマートメーターが未設置の家だけ。設置済みなら申込から約4日で切り替わる。いまの電力会社への解約手続きは、本人の同意にもとづき切り替え先が代行できる(資源エネルギー庁)。
出典: 資源エネルギー庁「電力会社を切り替えるには?」(2026年9月11日閲覧)をもとに編集部作成

ステップ1|検針票で2つの番号を控える

申込に必要なのは、いまの電力会社名、お客さま番号、供給地点特定番号、切り替え希望日の4つです。供給地点特定番号は電気の供給場所を特定する22桁の番号で、検針票のほか、検針結果がウェブで通知される契約なら会員ページ、検針が行われない契約ならダイレクトメールや領収書で確認できます。見つからないときは、いま契約している電力会社に直接問い合わせれば教えてもらえます。

あわせて、切り替え先が送配電会社へ過去の使用電力量を照会するために、運転免許証や健康保険証などの本人確認書類を求められることがあります。これは「より適切な料金メニューの選択等に必要な事項」として国が想定している手順で、余計な個人情報を集められているわけではありません。

ステップ2|切り替え先に申し込む

申込は切り替え先の窓口・電話・ホームページから行います。いま契約している電力会社への解約手続きは、本人の同意にもとづいて切り替え先が代行できるため、自分で解約の電話を入れる必要は原則ありません。この点は資源エネルギー庁が明記しています。

申込のときは、料金・契約期間・契約解除の条件についての説明と書面の交付を受けます。これは事業者の努力目標ではなく、電気事業法第2条の13にもとづく供給条件の説明義務・契約締結前の書面交付義務です。書面には日本産業規格Z8305の8ポイント以上の文字を使い、判断に特に重要な事項は枠の中に12ポイント以上で書くことまで、施行規則で決められています。

ステップ3|スマートメーターが未設置なら交換工事を受ける

スマートメーターが設置されていない家は交換が必要です。申込後、いま契約している地域の電力会社から工事予定日の連絡が入ります。交換に原則費用はかかりませんが、メーター交換に伴う工事に費用がかかる場合があるとされています。交換時には1軒あたり15分程度の停電を伴うことがあります。

ステップ4|切替日に自動で切り替わる

切替日が来ると、工事の立ち会いも停電もなく供給元が変わります。送配電網を維持するのは切り替え後も同じ一般送配電事業者なので、電線も引込線もそのままです。具体的な切り替え日は個別の契約によるため、申込時に切り替え先へ確認してください。

切り替えにかかる日数|4日か2週間かはメーターで決まる

資源エネルギー庁は、切り替えに要する標準的な期間を「スマートメーターへの交換工事が必要となる場合はおよそ2週間程度、交換工事が不要である場合はおよそ4日程度」としています。日数を左右するのは料金プランでも会社の規模でもなく、自宅のメーターの状態だけです。

自宅のメーター 標準的な期間 工事・立ち会い 費用
スマートメーター設置済みおよそ4日程度なしかからない
未設置(交換工事が必要)およそ2週間程度交換工事あり。1軒あたり15分程度の停電を伴う場合がある交換は原則無料。ただし交換に伴う工事に費用がかかる場合がある
図2 出典: 資源エネルギー庁「電力会社を切り替えるには?」(2026年9月11日閲覧)。期間はいずれも標準的な目安で、具体的な切り替え日は切り替え先への確認が必要。

ここで見落とされやすいのが、申込から切替までのタイムラグです。電力広域的運営推進機関は、申込のあと契約の切替日までに1か月程度のずれがあると説明しています。4日程度というのはシステム上の処理に必要な最短の期間であって、「今日申し込めば4日後の請求から安くなる」という意味ではありません。検針日をまたぐタイミングによっては、実際に新しい単価で請求されるのは翌月以降になります。

どれだけの世帯が乗り換えたか|公表値をそのまま読むと過大になる

電力広域的運営推進機関は、切り替えの申込を処理するスイッチング支援システムの利用状況を毎月公表しています。2026年9月10日に公表された最新版(8月31日時点)で、制度開始からの累計は次のとおりです。

エリア スイッチング開始申請(万件) 情報照会(万件) 照会÷申請(倍)
北海道201.73,304.616.4
東北217.03,787.417.5
東京1,671.339,833.223.8
中部392.97,341.318.7
北陸29.4695.923.7
関西809.630,538.637.7
中国156.92,782.717.7
四国90.61,254.713.9
九州267.85,101.019.0
沖縄29.5236.58.0
合計3,866.794,875.924.5
図4 出典: 電力広域的運営推進機関「スイッチング支援システムの利用状況について(8月31日時点)」2026年9月10日公表(2026年9月11日閲覧)。件数は2016年3月1日13時からの累計。「照会÷申請」は編集部が算出。
図3 エリア別の累計スイッチング開始申請件数(万件・2026年8月31日時点)東京エリア1,671.3関西エリア809.6中部エリア392.9九州エリア267.8東北エリア217.0北海道エリア201.7全国合計は3,866.7万件。ただしこの件数には500kW未満の高圧の需要家が2〜3%程度含まれ、申込後のキャンセルも1%程度ある。
出典: 同上。上位6エリアを抜粋。

全国の累計は3,866.7万件です。ただしこの数字を「3,866万世帯が乗り換えた」と読むのは正しくありません。公表資料そのものが3つの注意書きを付けているためです。1つ目は、この件数に500kW未満の高圧の需要家が2〜3%程度含まれること。2つ目は、申込後のキャンセルが1%程度あること。3つ目は、申込から契約の切替日までに1か月程度のタイムラグがあることです。前の2つを差し引くと、実際に低圧で切り替わった件数はおよそ3,713万〜3,751万件と見るのが妥当で、公表値より115万〜154万件少なくなります。

もうひとつ、比較サイトなどで「切り替えを検討した件数」として引用されがちなのが情報照会です。これは設備情報と使用量情報の照会の合計で、全国では申請件数の24.5倍にのぼります。ただし公表資料は「当機関は『情報照会』と『契約切替』との間の因果関係を把握しておりません」と明記しています。照会の多さを検討の熱量として読むことはできません。

エリア差も一様ではありません。倍率は関西の37.7倍が最も高く、沖縄の8.0倍が最も低く、4.7倍の開きがあります。同じ照会の回数から実際の申込に進む割合がエリアで違うのか、それとも照会の使われ方そのものが違うのかは、公表資料からは判断できません。判断できないことを判断できないと書いておくのが、この数字の正しい扱い方です。

申し込む前に確認する3つ|違約金・セット割・燃調の上限

切り替えそのものに費用はかかりませんが、いまの契約を解除する側で負担が出ることがあります。経済産業省の「電力の小売営業に関する指針」(令和8年4月9日最終改定)は、切り替え先の事業者が満たすべき説明の水準を定めています。逆に言えば、この指針に書かれている項目が、申込前に自分で確かめるべき項目そのものです。

確認すること なぜ必要か(指針の定め) 確認する場所
いまの契約の違約金・解約金切り替えには旧契約の解除が必要で、条件によっては違約金等の負担が生じうる。切り替え先はこれを説明することが望ましいとされるいまの契約の約款・契約締結後交付書面
セット割の各契約の契約期間電気と他の商品・役務で契約期間が別々だと、複数の契約を同時に解除するとき常に違約金等が発生しうる電気・通信・ガスそれぞれの契約書面
燃料費調整・市場連動の上限の有無料金が変動する仕組みのメニューでは、変動する旨・算出方法・上限の有無の説明が法令上の義務。上限のあるメニューを希望しているのに説明しないことは説明義務違反にあたる申込先の契約締結前交付書面
図5 出典: 経済産業省「電力の小売営業に関する指針」令和8年4月9日最終改定(2026年9月11日閲覧)をもとに編集部作成

3つのうち見落としが最も多いのは2つ目です。指針は、電気と継続的なサービスをセットで契約したとき、それぞれの契約期間が個別に設定されていると更新時期が重ならず、まとめて解約すると常に違約金等が発生する事態が起こりうると指摘しています。そのうえで、事業者側には各契約の契約期間をそろえることや、最も長い契約期間の満了時には違約金なしで同時に解除できるようにすることが望ましいとしています。裏を返せば、そろっていないセット契約は、まとめて乗り換えられない状態に置かれているということです。

なお、料金の安さを比べるときは、単価そのものより「基本料金の体系」と「燃料費調整の上限の有無」で差がつきます。単価が同じでも上限の有無で年間の支払いが変わるため、比較の前提を先にそろえてください。

引き止められたときと、無契約になったとき

申込のあと、いまの電力会社から「解約しないでほしい」という連絡が来ることがあります。指針はこれを「取戻し営業行為」と呼び、スイッチング期間中に行うことを問題となる行為として挙げています。切り替えの手続きが進んでいる最中の引き止めは、事業者側にとって推奨されない行為だと国が明示しているということです。断りにくさを感じる必要はありません。

注意|無契約状態になると電気が止まることがある

クーリング・オフをした場合や、小売電気事業者の側から契約を解除された場合には、どことも契約していない「無契約状態」になり、電気の供給が停止されるおそれがあります。指針は、この場合に他の小売電気事業者と契約するか、最終保障供給(経過措置期間中の低圧は特定小売供給)を申し込む必要があることを、事業者が説明することを望ましい行為としています。切り替えをやめるときは「申込を取り消した」で終わらせず、いまの契約が続いているかを必ず確かめてください。

事業者が倒産・撤退する可能性が気になる場合は、指針が「財務状況等に関する情報提供」を望ましい行為としている点が手がかりになります。財務情報をホームページで公開しているか、需要家から求められたときに調達コストの変動への対応方針を出せるかは、会社を選ぶときの判断材料にしてよい項目です。

賃貸・引越し・オール電化での注意点

賃貸でも、電気の契約者が入居者本人であれば自分で電力会社を選べます。切り替えても電線やメーターの所有関係は変わらないため、原則として大家や管理会社の許可は不要です。ただしマンションが高圧一括受電の場合は別で、一つの需要場所の中での電気のやりとりは電気事業法の規制の対象外となり、住戸ごとに小売電気事業者を選ぶことができません。検針票が電力会社ではなく管理組合や受電事業者から届いているなら、この形にあたります。

引越しを伴う場合は、切り替えではなく新しい需要場所での新規契約です。指針は、入居先で電気を使い始める前に小売供給契約を結ぶのが原則としたうえで、使い始めた後に申し込んだ場合でも、使用開始日まで契約の効力をさかのぼらせて無契約状態を避けることが望まれるとしています。使用開始日を偽ることを助長する行為は問題となる行為とされているため、正直に申告して契約日をさかのぼらせるのが正しい手順です。

オール電化から他社へ移る場合や、逆に他のエネルギーから電気へ切り替える場合は、既存設備の撤去が必要になることがあります。指針も、切り替え前の事業者との供給契約の解除条件によっては、一定期間前に解除を通知する必要が生じる可能性があることを、切り替え先が説明することを望ましいとしています。ガス給湯器の解約や機器の撤去を伴う切り替えは、電気の申込より前に段取りを確認してください。

よくある質問

電力会社を乗り換えると停電しやすくなりますか

変わりません。電線や変電設備を維持して電気を届けるのは、切り替え後も同じ一般送配電事業者だからです。指針は「当社の電気は停電しにくい」といった説明を、需要家の誤解を招く情報提供として問題となる行為に挙げています。停電のしにくさを売りにする勧誘があれば、その時点で内容を疑ってよい材料になります。

賃貸でも自分で電力会社を選べますか

電気の契約者が入居者本人であれば選べます。例外はマンション全体で高圧一括受電をしている場合で、一つの需要場所の中での電気のやりとりは電気事業法の規制の対象外となるため、住戸ごとに小売電気事業者を選ぶことはできません。検針票の差出人が電力会社かどうかで見分けられます。

乗り換えに費用はかかりますか

切り替えの手続き自体に費用はかかりません。スマートメーターへの交換も原則無料です。ただし、メーター交換に伴う工事に費用がかかる場合があるほか、いまの契約の解除条件によっては違約金等の負担が生じることがあります。申込前に、いまの契約の約款と切り替え先の契約締結前交付書面の両方を確かめてください。

電力会社は何社から選べますか

電力・ガス取引監視等委員会によると、2026年3月末時点の小売電気事業の登録件数は808件です。ただし全社が全エリアの家庭向けに供給しているわけではなく、実際に自宅で申し込める会社はこれよりかなり少なくなります。エリアごとの選択肢は、住んでいる地域の比較記事で確かめてください。

出典

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この記事を書いた人

省エネ住宅ナビ編集部です。国・自治体の公式情報をもとに、補助金・太陽光・蓄電池・エコキュート・リフォームの「いくらかかる?いくら戻る?」を中立の立場で整理しています。数値・期限は必ず一次情報で確認し、情報基準日を明示する編集方針です。

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