関東で月180kWhの一人暮らしなら、東京ガスの基本プランが東京電力の従量電灯Bより年656円安く、東京電力のスタンダードSは従量電灯Bと単価が同額です(2026年9月7日時点の公式単価)。
設備・世帯・地域で結論がどう入れ替わるかの全体像は電力会社の選び方 2026|省エネ設備・世帯・地域で選ぶ乗り換え完全ガイドにまとめています。この記事はそのうち「関東の電力会社おすすめ比較」に絞って掘り下げます。
出典はいずれも2026-09-03に取得した内容にもとづきます。情報基準日: 2026-09-07
関東(東京電力エリア)で電力会社を選ぶとき、単価表だけを見比べても答えは出ません。同じ使用量でも、契約アンペアと使う時間帯、そして家に太陽光・蓄電池・エコキュート・EVがあるかどうかで、有利なプランが入れ替わるからです。
公式の単価表だけで計算すると、月180kWhの一人暮らしでは東京ガス「基本プラン」が東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bより年656円安く、ガス・電気セット割まで含めると年1,054円安くなります。月450kWhの4人世帯では差が年4,509円まで広がります。
いっぽうエコキュートや蓄電池で夜間に電気を寄せられる家では、同じ東京ガスでも「時間帯別プラン」のほうが年16,565円安くなる計算になりました。この記事は、公式単価だけを使って同じ条件で並べ直し、設備の有無で結論がどう反転するかを示します。
この記事の要点
- 関東で選べる先は「規制料金(従量電灯B)」「大手ガス会社の電気」「新電力」の3系統に分かれる
- 単価差は1kWhあたり0.1〜1.0円と小さいが、第3段階の差が0.99円あるため使用量が多い家ほど効く
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金は4.18円/kWhで全社共通。比較の対象にならない
- 太陽光・蓄電池・エコキュート・EVがある家は、単価の安さより「時間帯の設計」で決めるほうが差が大きい
- 燃料費調整額の上限の有無と、市場連動型かどうかは、単価表の外にある最重要チェック項目
この記事の比較基準|公式単価のみ・アフィリエイト順位なし・情報基準日
- 料金は各社の公式サイトと供給約款に記載された単価だけを使って計算しています。実際の請求額は使用量・契約容量・燃料費調整額・再エネ賦課金で変わります。
- 紹介する順序や掲載の有無を広告の成果報酬で変えていません。提携のあるサービスを案内する場合は記事の冒頭にPR表記を置いています。
- 年額の差は前提の使用量と計算式を本文に明記し、条件によって結果が変わるため「最安」と断定する表現は使いません。
- 情報基準日: 2026-09-12(単価の改定を確認した場合は本文の表と基準日を更新します)
結論|関東でこの条件ならこの会社
- 使用量が多い家(月400kWh前後〜)は、第3段階の単価が36.50円と低いCDエナジーダイレクトの差が最も大きい(4人家族の試算で年10,879円)。
- 都市ガスを東京ガスで使っている家は、基本プラン+ガスセット割が手続き1回で済み、年4,509円の削減(4人家族の試算)。
- 燃料価格の急騰が不安な家は、燃料費調整額に上限が残る規制料金の従量電灯Bにとどまる選択も合理的。自由料金は上限が外れる。
| 順位 | プラン | 4人家族の年額 (50A・月450kWh) | 従量電灯Bとの差 | 安さスコア | 注意点・リスク |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | CDエナジーダイレクト ベーシックでんきB | 202,244円 | −10,879円 | ★★★★★ | 燃料費調整額に上限なし。都市ガス併用でさらに0.5%引き |
| 2 | 東京ガス 基本プラン +ガスセット割 | 208,614円 | −4,509円 | ★★★★ | 都市ガスの併用が条件。燃調に上限なし |
| 3 | 東京ガス 基本プラン | 209,663円 | −3,460円 | ★★★ | 電気のみでも契約可。燃調に上限なし |
| 4 | 東京電力EP 従量電灯B(規制) | 213,123円 | 基準 | ★★ | 燃調に上限あり=価格急騰時のリスクが最も小さい |
| 5 | 東京電力EP スタンダードS | 213,123円 | 0円 | ★ | 単価は規制と同額だが燃調の上限が外れる |
算出方法: 各社公式の料金表から50A(CDエナジーは契約容量50A)の基本料金と3段階の電力量料金を取り、月450kWhを当てはめて12倍。燃料費調整額は各社で単価が異なるため0円、再エネ賦課金4.18円/kWhは全社共通のため比較から除外。東京電力EPと東京ガスの単価は2026-09-03、CDエナジーダイレクトの単価は2026-09-12に各社公式サイトで確認。順位は年額の試算値の順で、広告の成果報酬では変えていません。条件によって結果は入れ替わるため「最安」とは表記しません。
情報基準日: 2026-09-12
関東で選べる電力会社は3系統に分かれる
東京電力エリア(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・茨城県・栃木県・群馬県・山梨県・静岡県の富士川以東)で家庭が契約できる小売電気事業者は多数ありますが、料金の設計思想でみると3つに整理できます。
1つめは規制料金の従量電灯B。国の認可が要る料金で、燃料費調整額に上限があります。2つめは東京ガスに代表される大手ガス会社の電気で、3段階料金の形はそのままに単価をわずかに下げ、ガスとのセット割で差を付けます。3つめが新電力で、単一単価・市場連動・設備別プランなど設計そのものが多様です。
東京電力エナジーパートナーの自由料金「スタンダードS」は、単価が従量電灯Bと同額です。違いは燃料費調整額に上限がない点で、燃料価格が高いときは従量電灯Bより高くなり得ます。「自由料金のほうが安い」とは限らない、というのが関東の出発点です。
主要プランの単価を同じ条件で並べる
各社の公式単価表から、契約30Aの基本料金と電力量料金を抜き出しました。いずれも税込・2026年9月3日に各社公式サイトで確認した値です。燃料費調整額と再エネ賦課金は各表の外で加算されます。
| プラン | 基本料金 (30A) |
〜120kWh | 120〜300kWh | 300kWh超 | 燃調の上限 |
|---|---|---|---|---|---|
| 東京電力EP 従量電灯B(規制) | 935.25円 | 29.80円 | 36.40円 | 40.49円 | あり |
| 東京電力EP スタンダードS | 935.25円 | 29.80円 | 36.40円 | 40.49円 | なし |
| ★ 東京ガス 基本プラン | 935.22円 | 29.70円 | 35.69円 | 39.50円 | なし |
| 東京ガス さすてな電気(実質再エネ) | 885.72円 | 30.00円 | 36.60円 | 40.69円 | なし |
| 東京ガス 時間帯別プラン | 876.86円 | 終日35.60円 | 深夜27.77円 | なし | |
出典と取得日: 各社の公式料金表・国の公表資料(2026-09-03取得)。料金は改定される場合があります。
3段階の形をそのまま比べられるのは、従量電灯B系と東京ガス基本プランです。差は第1段階で0.10円、第2段階で0.71円、第3段階で0.99円。単価差は使う量が増えるほど大きくなる設計になっています。
世帯別に年額へ引き直すと差はいくらになるか
単価差を実額にするため、使用量と契約アンペアを固定して12か月ぶんを計算しました。試算の前提は、一人暮らし=30A・月180kWh、2人暮らし=40A・月320kWh、4人家族=50A・月450kWhです。国が示すモデル世帯は月400kWhなので、4人家族はそれより少し多い設定にしています。燃料費調整額は各社で単価が異なるため0円として除外し、再エネ賦課金4.18円/kWhは全社共通なので比較から外しました。
| 試算条件 | 東京電力EP 従量電灯B |
東京ガス 基本プラン |
同+セット割 (0.5%引き) |
年間差額 |
|---|---|---|---|---|
| 一人暮らし 30A・180kWh | 80,343円 | 79,687円 | 79,289円 | −1,054円 |
| 2人暮らし 40A・320kWh | 146,218円 | 144,302円 | 143,580円 | −2,638円 |
| 4人家族 50A・450kWh | 213,123円 | 209,663円 | 208,614円 | −4,509円 |
出典と取得日: 各社の公式料金表・国の公表資料(2026-09-03取得)。料金は改定される場合があります。
差は年1,054円から4,509円。月あたりに直すと88円から376円です。乗り換えの手間に見合うかどうかは人それぞれですが、少なくとも「新電力に変えれば劇的に下がる」という規模ではありません。関東で本当に大きな差が出るのは、次の設備別の話のほうです。
エコキュート・蓄電池がある家は「時間帯」で決めたほうが差が大きい
夜間に電気を寄せられる設備があるなら、3段階料金どうしの比較よりも、時間帯別の単価に切り替えたほうが効きます。東京ガスの時間帯別プランは深夜が27.77円、それ以外の時間帯は終日35.60円です。第3段階の39.50円より終日単価のほうが安いので、使用量が多い家では夜間に寄せなくても不利になりにくい構造になっています。
契約を40Aにそろえて月450kWhで計算すると、基本プランは年205,922円、時間帯別プランで使用量の4割(180kWh)を深夜に寄せた場合は年189,357円。差は年16,565円で、前の章で見た会社間の差の3.7倍にあたります。逆に月180kWhの一人暮らしが同じ時間帯別プランを選ぶと年87,418円になり、基本プランより年7,731円高くなります。
月450kWhの条件で損益分岐点を解くと、深夜に寄せる割合が0.8%を超えた時点で時間帯別プランが有利になります。エコキュートは深夜に沸き上げるのが標準動作なので、この条件はほぼ自動的に満たされます。逆に一人暮らしのように使用量が第2段階までで収まる家は、終日35.60円という単価が重く効くため向きません。
設備別に見た関東の選び方
関東は選択肢が多いぶん、設備の前提で絞り込むのが近道です。オクトパスエナジーは「オール電化オクトパス(夜間が安いタイプと日中が安いサンシャインタイプ)」「EVオクトパス」「ソーラーオクトパス」と、設備別のプランを公式に分けて用意しています。LooopでんきのスマートタイムONEは市場連動型で、電源料金が30分ごとに変わります。
図3 設備から絞り込むチェックリスト
- エコキュートがある/深夜単価のあるプランを最優先。3段階料金のままだと沸き上げ分が第3段階に乗る
- 蓄電池がある/深夜に充電して昼に放電する運用なら、昼夜の単価差が大きいプランほど回収が早い
- 太陽光がある(売電中)/日中の買電が少ないので、日中が高く夜が安いプランの不利が小さい。売電先の変更とは別の契約なので混同しない
- EV・PHEVがある/充電は深夜に寄せられる大口需要。EV向けの専用プランを持つ会社に絞る
- いずれもない/3段階料金どうしの比較で足りる。差は年1,000〜4,500円の範囲に収まる
自分の条件で選び直す|世帯人数別・設備別の深掘り
ここまでは関東エリア全体の比較です。実際に選ぶときは「何人で使うか」と「どんな設備があるか」で答えが変わります。上の試算に3人暮らしを足したうえで、それぞれを詳しく扱った記事へ進めるようにしました。
| 世帯 | 試算の前提 | 従量電灯Bの年額 | 東京ガス基本プラン+セット割 | 年間差額 | 詳しい記事 |
|---|---|---|---|---|---|
| 一人暮らし | 30A・月180kWh | 80,343円 | 79,289円 | −1,054円 | 一人暮らしの選び方 |
| 2人暮らし | 40A・月320kWh | 146,218円 | 143,580円 | −2,638円 | 2人暮らしの選び方 |
| 3人暮らし | 40A・月390kWh | 180,229円 | 176,595円 | −3,634円 | 本表で新たに算出 |
| 4人家族 | 50A・月450kWh | 213,123円 | 208,614円 | −4,509円 | 4人家族の選び方 |
| 設備の前提 | 選び方の軸 | 詳しい記事 |
|---|---|---|
| 太陽光がある | 日中の買電が少ないので、昼の単価より夜の単価と基本料金で決まる。売電先の変更とは別の契約 | 太陽光がある家の選び方 |
| オール電化・エコキュート | 深夜単価のあるプランが前提。3段階料金のままだと沸き上げ分が第3段階に乗る | オール電化の選び方 |
| 蓄電池・EVがある | 得は「昼夜差×安い時間の広さ」で決まり、エリア間で最大5.5倍違う | 蓄電池・EVがある家のプラン |
単価表の外にある3つの注意点
比較サイトの表は単価しか並べていないことが多いのですが、実際の請求額を左右するのはむしろ次の3点です。
図4 乗り換え前に必ず確認する3点
1. 燃料費調整額に上限があるか。規制料金の従量電灯Bには上限がありますが、自由料金には上限がない場合があります。東京電力エナジーパートナーは、各月の燃料費調整単価を3か月間の貿易統計価格にもとづいて算定し、2か月後の電気料金に反映すると明記しています。単価表が同じでも、この一項目で請求額は変わります。
2. 市場連動型かどうか。Looopでんきのように電源料金が30分ごとに変わる設計では、電力市場が落ち着いている時期は安く、逼迫時は高くなります。安いか高いかではなく、変動を受け入れられるかで判断する項目です。
3. 解約金と契約期間。オクトパスエナジーは公式サイトで解約金・違約金0円と明記しています。一方で、12か月の固定単価をうたうプランは期間内の条件変更に制約が付くことがあります。
なお再生可能エネルギー発電促進賦課金は4.18円/kWhで、2026年5月検針分から2027年4月検針分まで全社共通です(経済産業省、2026年3月19日公表)。国のモデル世帯である月400kWhなら月1,672円。どの会社を選んでも同額なので、比較材料にはなりません。
切り替えの手順は3ステップで終わる
電線も送電網も東京電力パワーグリッドのままなので、停電しやすくなることはありません。契約先が変わるだけで、届く電気の質は同じです。
もう一つ見落とされやすいのが、契約アンペアです。関東の3段階料金は基本料金が10Aあたり約311円で、40Aから30Aへ落とすだけで年3,741円下がります。ただし東京電力が公表している機器別のアンペアでは、インバータエアコンは暖房の定常が6.6Aに対して立ち上がりが20Aと3.0倍、IHクッキングヒーター200Vは最大使用時58Aです。下げすぎるとブレーカーが落ちるので、乗り換えと同時にアンペアを見直すなら、同時に使う機器を数えてから決めてください。
また、キャンペーンの割引額を年額の比較に混ぜないことも大切です。東京ガスは新規の電気申し込みで基本料金1か月無料を案内していますが、これは初年度だけの一時金です。30Aなら935円で、上の試算で示した年1,054円の差とは性質が違います。2年目以降も続く差だけを、乗り換えの判断材料にしてください。
よくある質問
規制料金の従量電灯Bのままでも問題ありませんか?
燃料費調整額に上限があるため、燃料価格が高い局面ではむしろ有利に働きます。単価そのものは東京電力エナジーパートナーのスタンダードSと同額です。使用量が月300kWhを大きく超えないなら、乗り換えで得られる差は年1,000円台にとどまります。
オール電化の家が3段階料金のプランに変えるとどうなりますか?
エコキュートの沸き上げ分が第3段階の単価で計算されるため、深夜単価のあるプランから移ると高くなる可能性が高くなります。オール電化向けプランは深夜が安いかわりに昼が高い設計なので、単純な単価の大小では比較できません。必ず自宅の時間帯別の使用量で試算してください。
賃貸マンションでも電力会社を変えられますか?
電気を自分名義で契約していれば変更できます。ただし建物一括で高圧受電している物件は、各戸が個別に小売電気事業者を選べません。検針票に管理会社や一括受電サービスの名前が入っている場合は、まず管理規約を確認してください。
出典・参考
- 東京電力エナジーパートナー「従量電灯B・C」(公式)2026年9月3日閲覧
- 東京電力エナジーパートナー「ご契約アンペアの選び方」(公式)2026年9月3日閲覧
- 東京ガス「電気料金単価計算表」(公式)2026年9月3日閲覧
- オクトパスエナジー「電気料金プランの一覧」(公式)2026年9月3日閲覧
- Looopでんき「料金プラン」(公式)2026年9月3日閲覧
- 経済産業省 資源エネルギー庁「再生可能エネルギー発電促進賦課金」2026年3月19日公表(2026年度単価4.18円/kWh)
本記事は特定の事業者と提携せずに作成しています。料金は改定されるため、申し込み前に必ず各社の公式ページで最新の単価を確認してください。
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