蓄電池・EVがある家の電力プラン【2026年】得は「昼夜差×安い時間の広さ」で最大5.5倍違う

蓄電池・EVがある家の電力プランは最大5.5倍の差。昼夜差と時間帯で変わる

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蓄電池やEVがある家の電力プランは、夜間単価の安さだけでは決まりません。得の大きさは「昼夜の単価差×安い時間帯の広さ」で決まり、東京電力スマートライフSと中国電力の電化Styleコースでは5.5倍の開きがあります。2026年9月に取得した各社公式単価で試算しました。

情報基準日: 2026-09-07(各社の公式料金表を2026年9月4日〜9月7日に取得)

設備・世帯・地域で結論がどう入れ替わるかの全体像は電力会社の選び方 2026|省エネ設備・世帯・地域で選ぶ乗り換え完全ガイドにまとめています。この記事はそのうち「蓄電池・EVがある家の電力プラン」に絞って掘り下げます。

結論1. 夜間単価が安い順とお得な順は一致しません。北陸の26.98円は中国の30.35円より安いのに、年間の効果は中国のほうが大きくなります。
結論2. 蓄電池7kWhを毎日1サイクル使った場合の年間効果は、東京20,185円に対し中国35,898円で1.78倍です。
結論3. EVを毎日20kWh充電する家では差がさらに開きます。東京は夜間が5時間しかなく、3kW充電だと15kWhしか安い時間に入りません。

この記事の前提

この記事の比較基準|公式単価のみ・アフィリエイト順位なし・情報基準日

  • 料金は各社の公式サイトと供給約款に記載された基本料金・電力量料金だけを使って計算しています。実際の請求額は使用量・契約アンペア・供給エリアで変わります。
  • 請求額は燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金で毎月動きます。本文の数値は特記がない限り、記載の検針月の単価にもとづく計算です。
  • 紹介する順序や掲載の有無を広告の成果報酬で変えていません。提携のあるサービスを案内する場合は記事の冒頭にPR表記を置いています。
  • 年額の差は前提の使用量と計算式を本文に明記し、条件によって結果が変わるため「最安」と断定する表現は使いません。情報基準日: 2026-09-16
目次

一次データ|4エリアの安い時間帯と単価

まず各社の公式料金表から、安い時間帯・その長さ・単価を並べます。時間帯の長さは1週間168時間に対する割合で示しました。

プラン安い時間帯週あたり割合安い単価高い単価差
東京電力 スマートライフS午前1時〜午前6時35時間20.8%27.86円35.76円7.90円
沖縄電力 Eeスマート23時〜翌7時56時間33.3%34.77円45.32円10.55円
北陸電力 くつろぎナイト1220時〜翌8時84時間50.0%26.98円39.87円12.89円
中国電力 電化Styleコース平日0〜9時と21〜24時+土日祝の終日108時間64.3%30.35円44.40円14.05円
図1 各社公式の料金表から当サイトが作成(税込)。東京電力は2026-09-07、沖縄電力は2026-09-07、北陸電力は2026-09-06、中国電力は2026-09-05に取得。中国電力の差は夏季を除くその他季の値で、夏季は16.11円。

夜間単価だけを見ると北陸の26.98円が最も安く、中国は30.35円で4社中もっとも高い部類です。それでも中国が有利になるのは、高いほうの単価が44.40円と高く、しかも安い時間帯が週108時間と長いためです。安さは「夜が安いから」ではなく「昼が高いから」生まれています。

得の大きさは「昼夜差×安い時間の広さ」で決まる

蓄電池もEVも、やっていることは「安い時間に電気を買って、高い時間に使う」ことです。だとすれば効果は、1kWhあたりいくら得するか(昼夜差)と、どれだけの量を安い時間に押し込めるか(安い時間の広さ)の掛け算になります。この2つを掛けた値を並べると、順位がはっきりします。

昼夜差(円)×安い時間の割合=取り込みやすさの指標東京 スマートライフS1.64沖縄 Eeスマート3.51北陸 くつろぎナイト126.45中国 電化Styleコース9.03
図2 図1の「差」と「割合」を掛けた値。単位のない相対指標で、大きいほど蓄電池やEVで取り込める余地が大きいことを表します。東京1.64に対し中国9.03で5.5倍。

蓄電池やEVがないまま時間帯別メニューへ替えると損をしやすい

時間帯別メニューは、安い時間の代わりに高い時間の単価が上がる設計です。中国電力の電化Styleコースを例にすると、スマートコースと釣り合うために必要な「安い時間帯の使用比率」は月300kWhで99.9%、400kWhで80.0%、600kWhで60.1%になります。使用量が少ない家ほど、ほぼ全部を夜と休日に寄せないと元が取れません。

蓄電池やEVは、この「寄せる」作業を機械にやらせる道具です。逆に言えば、どちらもない家が時間帯別メニューへ替えても、寄せられる量は生活習慣の範囲にとどまります。エコキュートが1台あるだけでは月100kWh前後しか動かず、必要な比率には届きません。

順番を間違えない

時間帯別メニューへ替えるのは、蓄電池やEVを入れたあと、あるいは入れることが決まったあとです。先にプランだけを替えると、安くなるはずの時間帯を使いきれないまま高い時間の単価だけを受け取ることになります。

蓄電池7kWhを毎日1サイクル使ったときの年間効果

容量7kWhの蓄電池を毎日1回だけ充放電する家を想定します。1日の効果は「7kWh×昼夜差」で、年間はその365倍です。ここでは充放電のロスと蓄電池の待機電力は差し引いていないので、実際はこの数字より小さくなります。

プラン昼夜差1日の効果年間の効果東京を1とした比
東京電力 スマートライフS7.90円55.30円20,185円1.00倍
沖縄電力 Eeスマート10.55円73.85円26,955円1.34倍
北陸電力 くつろぎナイト1212.89円90.23円32,934円1.63倍
中国電力 電化Styleコース14.05円98.35円35,898円1.78倍
図3 図1の昼夜差から当サイトが計算(7kWh×差×365日)。充放電ロスと待機電力は含みません。

蓄電池が7kWhなら、どのプランでも1日に取り込める量は7kWhで頭打ちです。だから蓄電池だけを持つ家では、時間帯の広さより昼夜差のほうが効きます。東京と中国の差が指標の5.5倍ではなく1.78倍にとどまるのはこのためです。

EVを毎日20kWh充電すると、東京だけ頭打ちになる

EVは蓄電池と違い、1日に動かす量が20kWh前後まで増えます。ここで効いてくるのが時間帯の広さです。出力3kWの普通充電では、安い時間帯が5時間しかない東京電力スマートライフSは1晩で15kWhしか充電できません。残りの5kWhは35.76円の時間に入ります。

プラン安い時間(1日)3kWで充電できる量20kWhのうち安い時間に入る量1日の効果年間の効果
東京電力 スマートライフS5時間15kWh15kWh118.50円43,253円
沖縄電力 Eeスマート8時間24kWh20kWh211.00円77,015円
北陸電力 くつろぎナイト1212時間36kWh20kWh257.80円94,097円
中国電力 電化Styleコース平均15.4時間46kWh20kWh281.00円102,565円
図4 図1の時間帯と単価から当サイトが計算。中国電力は週108時間を7で割った平均値。網かけは安い時間内に20kWhを充電しきれないケース。

年間効果は東京43,253円に対し中国102,565円で2.37倍になりました。蓄電池だけなら1.78倍だった差が、EVが加わると2.37倍まで広がります。EVを持つ予定があるなら、夜間単価の数字よりも「安い時間帯が何時間あるか」を先に見るべきだ、というのがこの表の読み方です。

太陽光がある家は結論が変わる

ここまでは「夜に電気を買って蓄電池に貯める」前提でした。太陽光発電がある家では、貯める電気の出どころが昼の余剰に変わります。このとき比べる相手は夜間単価ではなく、売らずに自宅で使うことで失う売電収入です。

2026年度に認定を受けた10kW未満の住宅用太陽光の買取価格は、1〜4年目が24円、5〜10年目が8.3円です。余剰1kWhを売らずに蓄電池へ回すコストはこの金額と等しくなります。夜間単価と並べると次のようになります。

プラン夜間に買う単価余剰で貯めたほうが安い額(1〜4年目・24円)同(5〜10年目・8.3円)
東京電力 スマートライフS27.86円3.86円19.56円
沖縄電力 Eeスマート34.77円10.77円26.47円
北陸電力 くつろぎナイト1226.98円2.98円18.68円
中国電力 電化Styleコース30.35円6.35円22.05円
図5 図1の夜間単価と、資源エネルギー庁が公表する2026年度の住宅用太陽光(10kW未満)の買取価格から当サイトが計算(2026-09-07取得)。

どのプランでも、昼の余剰で貯めるほうが夜に買って貯めるより安くなります。5年目以降は買取価格が8.3円へ下がるため、差は18〜26円まで広がります。つまり太陽光がある家では、蓄電池が動く時間の多くが昼の余剰充電になり、時間帯別メニューの夜間単価が効く場面が減ります。

中国電力は自社サイトで「太陽光発電をお持ちのお客さまは昼間の電気を自家発電でまかなうため、最適なメニューにならない場合がある」と明記しています。時間帯別メニューを勧める記事は多いものの、供給側がこの注意を書いている点は押さえておく価値があります。

この記事の計算方法

  • 昼夜差=高いほうの単価−安いほうの単価(税込・燃料費調整額と再エネ賦課金を除く)
  • 指標=昼夜差×(安い時間帯の週あたり時間÷168時間)
  • 蓄電池の年間効果=7kWh×昼夜差×365日
  • EVの年間効果=min(20kWh、充電出力3kW×安い時間)×昼夜差×365日
  • 余剰充電との比較=夜間単価−その年の買取価格

使用量や機器の条件が違えば結論も変わります。自宅の数字を上の式に入れ替えれば、同じ手順で計算し直せます。

市場連動型プランは蓄電池・EVと相性がいいのか

市場連動型は30分ごとの卸電力価格が単価に反映される仕組みで、理屈のうえでは「安い30分に充電し、高い30分に放電する」蓄電池と相性がよさそうに見えます。ただし相性がよくなるのは、価格に追従して充放電できる場合に限られます。

市場連動型を選ぶ前に確かめること

  • 手持ちの蓄電池やEV充電器が価格連動の自動制御に対応しているか。時刻指定のスケジュール充電しかできない機器では、安い30分を狙って動かせません
  • 燃料費調整額や市場価格の上限が約款にあるか。上限のないメニューでは、卸価格が急騰した月の請求がそのまま増えます
  • 時間帯別メニューと違い、単価が事前に確定しないため年間効果を試算できません。本記事の図3・図4のような比較は成り立ちません

時間帯別メニューは単価が約款で決まっているぶん、上のような試算ができます。まず時間帯別で年間効果を出し、それを上回る見込みがあるかどうかで市場連動型を検討する、という順番が安全です。

契約前に確認する5項目

  • 蓄電池・EV充電器が時刻指定の充電に対応しているか。対応していなければ時間帯別メニューの効果はほぼ出ません
  • 充電出力が3kWか6kWか。出力が倍になれば、同じ時間帯に入れられる量も倍になります
  • オール電化割引や機器割引の条件と上限。沖縄電力の全電化割引は割引率10%でも上限が月3,300円です
  • 燃料費調整額に上限があるか。時間帯別メニューは自由料金が多く、上限がないものが目立ちます
  • 太陽光があるなら、昼の余剰で充電する運用と夜間に買って充電する運用のどちらが得かを別に計算する

【PR】市場価格で単価が動くプランも比べてみる

電力会社の標準的な料金メニューのほかに、30分ごとに単価が変わる「市場連動型」のプランもあります。単価が安い時間帯に洗濯や食洗機を回せる家ほど、差が出やすい仕組みです。夏と冬は市場価格が上がりやすいので、8月と1月の使用量で試算してから決めてください。

  • Looopでんき「スマートタイムONE」:解約手数料0円、契約期間の縛りなし
  • リミックスでんき「Styleプラス」:基本料金0円、解約手数料0円。契約容量30A未満の家とオール電化向けプランの家は申し込めません

出典:各社公式サイト(2026年10月21日確認)

▶ Looopでんきの料金を見る
▶ リミックスでんきの料金を見る

よくある質問

よく聞かれること先に結論
蓄電池・EVがある家はどのプラン?夜間単価より「昼夜差×安い時間の広さ」で選びます。本記事の4プランでは中国電力の電化Styleコースが最大で、東京の5.5倍でした。
EVで毎日20kWh充電するなら?安い時間帯の長さが効きます。3kW充電の年間効果は東京電力が43,253円、中国電力が102,565円です。
では何をすれば下がる?蓄電池やEVを入れてから時間帯別メニューへ替えます。先にプランだけ替えると、高い時間の単価を払う場面が増えます。
出典:各社公式の料金表(2026-09-05〜09-07取得)から当サイトが計算。

夜間単価がいちばん安いプランを選べばよいのではないですか

そうとは限りません。本記事の4プランでは北陸電力くつろぎナイト12の26.98円が最も安い夜間単価ですが、蓄電池7kWhの年間効果は中国電力の電化Styleコースのほうが約2,964円大きくなります。高いほうの時間帯の単価と、安い時間帯の長さが違うためです。

蓄電池の充放電ロスはどれくらい見ておけばよいですか

効率は機種によって差があり、公的な統一の測定基準もありません。本記事の試算はロスを含めていないので、実際の効果は図3の数字より小さくなります。検討している機種のカタログや仕様書に載っている効率の値を確認し、その分を割り引いて考えてください。

EVがある家はどのプランを見ればよいですか

まず自宅の充電出力を確認し、1晩で何kWhまで安い時間に入れられるかを計算してください。出力3kWで安い時間が5時間なら上限は15kWhです。EVの1日の充電量がこれを超えるなら、単価の差より時間帯の広いメニューを選ぶほうが効きます。

太陽光発電がある家も、夜に買って蓄電池に貯めたほうが得ですか

昼の余剰を貯めるほうが安くなります。2026年度に認定を受けた住宅用太陽光(10kW未満)の買取価格は1〜4年目が24円です。本記事の4プランの夜間単価は26.98円〜34.77円なので、どのプランでも余剰で貯めるほうが得です。

市場連動型プランは蓄電池やEVと相性がいいですか

価格に合わせて自動で充放電できる機器なら、相性がよくなります。時刻指定の充電しかできない機器では、安い30分を狙えません。市場価格の上限がないメニューは、卸価格が急騰した月の請求がそのまま増えます。

EVの充電出力が6kWだと結果は変わりますか

安い時間帯に入れられる量が倍になります。東京電力スマートライフSの安い時間は5時間なので、3kWなら15kWh、6kWなら30kWhまで充電できます。毎日20kWhなら、6kWで安い時間内に収まる計算です。

出典と取得日

  • 東京電力エナジーパートナー「スマートライフS/L」料金のご案内(2026-09-07取得)
  • 沖縄電力「Eeスマート」料金表および全電化割引の条件(2026-09-07取得)
  • 北陸電力「くつろぎナイト12」料金表(2026-09-06取得)
  • 中国電力「電化Styleコース」料金表および燃料費等調整単価表(2026-09-05取得)
  • 電力・ガス取引監視等委員会 小売電気事業者向け制度資料(2026-09-07取得)

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設備・世帯・地域ごとの選び方の全体像は、電力会社の選び方 2026(総まとめ)で確かめられます。

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この記事を書いた人

省エネ住宅ナビ編集部です。国・自治体の公式情報をもとに、補助金・太陽光・蓄電池・エコキュート・リフォームの「いくらかかる?いくら戻る?」を中立の立場で整理しています。数値・期限は必ず一次情報で確認し、情報基準日を明示する編集方針です。

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