4人家族の電力会社の選び方【2026年】月450kWhの乗り換えは年3,460円、アンペア変更は年3,741円

住宅のリビングとエアコンのある室内

4人家族(東京電力エリア・60A・月450kWh)なら、東京ガス「基本プラン」が東京電力「従量電灯B」より年3,460円安くなります。差額の51.5%は300kWhを超えた分から生まれます。2026年9月7日時点の各社公式単価で試算しました。

情報基準日: 2026-09-07(各社の公式料金表を同日に確認)

設備・世帯・地域で結論がどう入れ替わるかの全体像は電力会社の選び方 2026|省エネ設備・世帯・地域で選ぶ乗り換え完全ガイドにまとめています。この記事はそのうち「4人家族の電力会社の選び方」に絞って掘り下げます。

結論1. 月450kWhの乗り換え効果は年3,460円。うち1,782円は300kWhを超えた150kWhから出ています。
結論2. 契約アンペアを60Aから50Aへ落とせば年3,741円。乗り換えより金額が大きくなります。
結論3. 国の値引きは9月使用分4.50円/kWhから10月使用分3.50円/kWhへ縮小。450kWhなら月450円の実質的な負担増です。

この記事の前提

  • エリアは東京電力パワーグリッド管内、契約は60A、使用量は月450kWh
  • ガス併用(オール電化ではない)世帯を想定
  • 金額はすべて税込。燃料費調整額と再エネ賦課金は別途かかります
  • 比較したのは東京電力エナジーパートナーと東京ガスの家庭用メニュー
目次

月450kWhで差がつくのは「300kWhを超えた分」だけ

東京電力の従量電灯Bと東京ガスの基本プランは、基本料金が1円まで同じです。違うのは電力量料金の3段階だけで、しかも段階が上がるほど差が開きます。月450kWhの4人家族は300kWhを超えた150kWhぶんが第3段階に入るため、ここでいちばん大きな差が出ます。

料金の内訳東京電力 従量電灯B東京ガス 基本プラン単価差450kWhでの月差額
基本料金(60A)1,870.50円1,870.50円0円0円
第1段階(〜120kWh)29.80円29.70円0.10円12.00円
第2段階(120〜300kWh)36.40円35.69円0.71円127.80円
第3段階(300kWh超)40.49円39.50円0.99円148.50円
月450kWhの合計18,072.00円17,783.70円288.30円
図1 東京電力エナジーパートナー「従量電灯B」と東京ガス「基本プラン」の単価(いずれも税込)を当サイトが比較し、月450kWhでの差額を計算。出典と取得日は記事末に記載(2026-09-07取得)。

月あたりの差は288.30円、年にすると3,459.6円です。内訳を見ると第3段階が148.50円で全体の51.5%、第2段階が127.80円で44.3%、第1段階はわずか12.00円で4.2%にとどまります。使用量が少ない家庭ほど乗り換えの効果が小さくなるのは、この構造のためです。

4人家族が選べる主なメニューは4つ

東京電力エナジーパートナーは料金プランを世帯人数で案内しており、「スタンダード」は1人から4人、「プレミアム」は5人以上が目安と公式サイトに明記されています。つまり4人家族はスタンダードの範囲で、プレミアムは検討の対象外です。オール電化向けのスマートライフは、夜間蓄熱式機器などがある家だけが加入できます。

プラン基本料金(60A)電力量料金(1kWh)向いている家
東京電力 従量電灯B1,870.50円29.80/36.40/40.49円規制料金。燃料費調整額に上限がある
東京電力 スタンダードS1,870.50円29.80/36.40/40.49円自由料金。単価は従量電灯Bと同額で、違いは燃調の上限がないこと
東京ガス 基本プラン1,870.50円29.70/35.69/39.50円ガス併用で単価そのものを下げたい家
東京電力 スマートライフS1,870.50円昼35.76円/夜27.86円夜間蓄熱式機器やオフピーク蓄熱式電気温水器がある家のみ加入可
図2 各社公式の料金表から当サイトが作成(税込・2026-09-07取得)。スマートライフSの昼は午前6時〜翌午前1時、夜は午前1時〜午前6時。

注目したいのはスマートライフSの夜間単価27.86円です。従量電灯Bの第3段階40.49円より12.63円も安いのですが、その時間帯は午前1時から午前6時までの5時間しかありません。エコキュートや蓄電池がない4人家族が加入しても、昼の35.76円が長時間かかるため得にはなりにくい設計です。

使用量別の年間差額|300kWhから100kWh増えるごとに約1,188円ずつ広がる

差額は使用量に対してきれいな直線になります。300kWhを超えた分にかかる単価差が0.99円で一定だからです。式にすると「年間差額=1,678円+(月の使用量−300)×11.88円」で、450kWhなら1,678円+1,782円=3,460円になります。

使用量(60A)従量電灯B東京ガス 基本プラン月差額年差額
月300kWh11,998.50円11,858.70円139.80円1,678円
月350kWh14,023.00円13,833.70円189.30円2,272円
月400kWh16,047.50円15,808.70円238.80円2,866円
月450kWh18,072.00円17,783.70円288.30円3,460円
月500kWh20,096.50円19,758.70円337.80円4,054円
図3 両社の公式単価から当サイトが計算(税込・燃料費調整額と再エネ賦課金を除く・2026-09-07取得)。網かけは本記事の前提。
使用量別に見た年間差額(東京ガス基本プランに替えた場合)月300kWh1,678円月350kWh2,272円月400kWh2,866円月450kWh3,460円月500kWh4,054円
図4 図3の年差額をグラフにしたもの。黄色は本記事の前提(月450kWh)。

乗り換えより先に、契約アンペアを確かめる

東京電力エリアの基本料金は10Aにつき311.75円です。60Aから50Aへ1段階下げるだけで月311.75円、年3,741円下がります。前の章で計算した乗り換えの年3,460円より大きい金額です。しかも従量電灯BでもスタンダードSでも東京ガス基本プランでも基本料金は同額なので、この節約はプランを変えなくても手に入ります。

契約アンペア基本料金(月)60Aとの差(月)60Aとの差(年)
60A1,870.50円
50A1,558.75円311.75円3,741円
40A1,247.00円623.50円7,482円
30A935.25円935.25円11,223円
図5 東京電力エナジーパートナーの基本料金(10Aにつき311.75円・税込)から当サイトが計算(2026-09-07取得)。

アンペアを下げる前の確認

同時に使う家電の合計が契約容量を超えるとブレーカーが落ちます。4人家族はエアコン複数台・IHクッキングヒーター・電子レンジ・食洗機が重なりやすいので、まず検針票や電力会社のマイページで過去1年の最大需要電力を確認してください。アンペアの変更は一度下げると原則1年間は戻せない会社が多く、機器構成によっては下げないほうがよい場合もあります。

燃料費調整額と国の値引きで、月450円ぶん動く

単価表の比較だけでは実際の請求額は決まりません。上に燃料費調整額と再エネ賦課金が乗り、そこから国の値引きが引かれます。2026年の電気・ガス料金支援の低圧の値引き単価は9月使用分が4.50円/kWh、10月使用分が3.50円/kWhです。月450kWhなら2,025円から1,575円へ減り、単価が変わらなくても月450円ぶん負担が増えることになります。

項目単価(1kWh)月450kWhでの金額
国の値引き(9月使用分)−4.50円−2,025円
国の値引き(10月使用分)−3.50円−1,575円
再エネ賦課金(2026年度)+4.18円+1,881円
図6 東京電力エナジーパートナーの公表値と経済産業省の再エネ賦課金から当サイトが計算(2026-09-07取得)。燃料費調整額は月ごとに変わるため含めていません。

従量電灯Bには燃料費調整額の上限があり、スタンダードSと東京ガス基本プランにはありません。燃料価格が大きく上がった局面では、単価が安いはずの自由料金メニューのほうが請求額で上回ることがあります。年3,460円の差はこの上限の有無と引き換えだと理解しておくのが安全です。

大手以外の新電力はどう考えるか

東京電力エリアには大手2社以外にも多くの小売電気事業者がいます。ただし4人家族が比べるときは、単価表の数字より先に料金の決まり方を見てください。判断が分かれるのは次の3点です。

料金の型単価の決まり方4人家族が確認すべき点
固定単価型段階制または一律の単価が約款で決まっている燃料費調整額の上限があるかを約款で確認する
市場連動型30分ごとの卸電力価格が単価に反映される安い時間に使用を寄せられる家でないと効果が出にくい
基本料金0円型基本料金がなく電力量料金だけ電力量単価が高めに設定されていることが多く、使用量が多い家ほど不利になりやすい
図7 電力・ガス取引監視等委員会が公表する小売電気事業者向けの制度資料と各社の約款をもとに、当サイトが分類(2026-09-07取得)。

月450kWhは家庭用としては多い部類です。基本料金0円型は、基本料金1,870.50円が消える代わりに電力量単価が上がる設計が一般的で、使用量が多いほど電力量料金側の上乗せが基本料金の削減を上回りやすくなります。契約前に自分の使用量で両方を計算し、どちらが小さいかを確かめてください。

プランを変えずに使用量を減らす余地はどれくらいあるか

資源エネルギー庁の省エネポータルに載っている家庭の省エネ行動12項目をすべて実行した場合の削減額は、電気449.37kWhとガス8.80立方メートルを合わせて年15,360円です。月450kWhの4人家族にとっては、乗り換えの年3,460円やアンペア変更の年3,741円より大きい数字になります。

一方で、これは12項目を全部やり切った場合の上限値でもあります。運用でできることには天井があり、そこから先は設備(給湯器やエアコンの買い替え)と建物(窓や断熱)の話になります。プランの見直しは、運用・設備・建物の3層のうち最も手間が小さい入口だと考えると位置づけを間違えません。

4人家族が見落としやすい3点

乗り換えを決める前のチェックリスト

  • 検針票で直近12か月の使用量を見る。300kWhを下回る月が多いなら差額は年1,678円以下にとどまる
  • 契約アンペアを確認する。60Aのままなら、乗り換えより先に見直す価値がある
  • 燃料費調整額の上限があるかを約款で確認する。従量電灯Bにはあり、自由料金メニューにはない
  • ガスとのセット割は電気の単価差とは別枠。条件と割引の計算方法を各社の公式ページで確かめる
  • 解約金・違約金の有無と、次の検針日からの適用になるかを申し込み前に確認する

よくある質問

4人家族の電気使用量はどのくらいが目安ですか

総務省統計局の家計調査(二人以上の世帯・2023〜2025年平均)では年4,823.4kWh、月に直すと約402kWhです。4人家族はこれを上回ることが多いため、本記事は月450kWhを前提に置いています。まず検針票やマイページで自宅の12か月分の実績を確認してください。

東京ガスの基本プランに替えると必ず安くなりますか

単価だけを比べると月450kWhで年3,460円の差が出ます。ただし従量電灯Bにある燃料費調整額の上限がなくなるため、燃料価格が大きく上がった局面では逆転する可能性があります。必ず安くなるとは言えません。

スマートライフSに替えたほうが得ですか

夜間単価は27.86円と安いのですが、対象は午前1時から午前6時までの5時間だけです。加入には夜間蓄熱式機器やオフピーク蓄熱式電気温水器が必要で、エコキュートや蓄電池がない4人家族には向きません。昼の35.76円が長時間かかるため、従量電灯Bより高くなることもあります。

出典と取得日

  • 東京電力エナジーパートナー「ライフスタイル別料金プラン」「スタンダードS/L」「従量電灯B」「スマートライフS/L」(2026-09-07取得)
  • 東京ガス「基本プラン」料金表(2026-09-07取得)
  • 東京電力エナジーパートナー「電気・ガス料金支援による値引き単価」(2026-09-07取得)
  • 経済産業省「再生可能エネルギー発電促進賦課金の単価(2026年度)」(2026-09-07取得)
  • 総務省統計局「家計調査」二人以上の世帯(2023〜2025年平均)

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この記事を書いた人

省エネ住宅ナビ編集部です。国・自治体の公式情報をもとに、補助金・太陽光・蓄電池・エコキュート・リフォームの「いくらかかる?いくら戻る?」を中立の立場で整理しています。数値・期限は必ず一次情報で確認し、情報基準日を明示する編集方針です。

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