2人暮らしの電力会社の選び方【2026年】月300kWhなら乗り換えより先にアンペアで年3,741円

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2人暮らしで月300kWhを使う東京電力エリアの家なら、契約アンペアを40Aから30Aへ下げるだけで年3,741円安くなります。2026年9月7日時点の公式単価での試算です。

情報基準日: 2026-09-07

設備・世帯・地域で結論がどう入れ替わるかの全体像は電力会社の選び方 2026|省エネ設備・世帯・地域で選ぶ乗り換え完全ガイドにまとめています。この記事はそのうち「2人暮らしの電力会社の選び方」に絞って掘り下げます。

結論1|月300kWhは大手電力の段階料金の境界線で、ここを1kWh超えると東京電力では単価が36.40円から40.49円へ跨ね上がります。
結論2|東京電力の自由料金「スタンダードS」は規制料金の従量電灯Bと単価が1円も違わず、違いは燃料費調整の上限の有無だけです。
結論3|月300kWhなら東京ガスの基本プランが年1,678円安く、使用量が多い月ほど差が開きます。

この記事の前提と要点

  • 前提:東京電力エリア・2人暮らし・月300kWh・給湯と厨房はガス(オール電化ではない)
  • 契約40Aから30Aへ下げると基本料金が月311.75円・年3,741円下がる
  • 300kWhを超える部分の単価は36.40円から40.49円へ、一気に11.2%上がる
  • 規制料金(従量電灯B)には燃料費調整の上限があり、自由料金にはない
  • 市場連動型は月300kWhの固定試算ができないため、比較表には固定単価型だけを載せている
目次

月300kWhは段階料金の境界線です

大手電力の従量電灯は、3段階の単価でできています。東京電力の従量電灯Bは、最初の120kWhまでが29.80円、120kWhをこえ300kWhまでが36.40円、その上が40.49円です。つまり2人暮らしでよく見る月300kWhという使い方は、偶然にも第2段階の上限ちょうどに重なっています。

図1|東京電力エリアの主な固定単価型プラン(税込・2026年9月7日取得)
プラン基本料金(30A)〜120kWh121〜300kWh301kWh〜燃調の上限
東京電力 従量電灯B(規制)935.25円29.80円36.40円40.49円あり
東京電力 スタンダードS(自由)935.25円29.80円36.40円40.49円なし
東京ガス 基本プラン(自由)935.22円29.70円35.69円39.50円なし

出典: 東京電力エナジーパートナー「従量電灯B・C」「スタンダードプラン(関東)」、東京ガス「電気料金単価計算表」(いずれも2026-09-07取得)。燃料費調整額と再エネ賦課金は含みません。

この表で目を引くのは、東京電力のスタンダードSと従量電灯Bの単価が完全に同じだという点です。両者の違いは燃料費調整額の上限の有無にあり、同社は公式ページで「規制料金プランには上限がある一方、自由料金プランにおいては上限がありません」と明記しています。値下げを狙って自由料金へ移る意味は、少なくともこの2つの間にはありません。

アンペアを1段階下げると年3,741円|2人暮らしの30Aと40A

東京電力の従量電灯BとスタンダードSは、10Aごとに311.75円の基本料金がつきます。つまり40Aから30Aへ下げれば、使用量が1kWhも変わらなくても月311.75円・年3,741円が下がります。これは月300kWhの世帯でそっくり電力会社を乗り換えた場合の差(年1,678円)を上回ります。

図2|契約アンペア別の基本料金と、-10Aで下がる年額
契約アンペア基本料金(月・東京電力)1段階下げたときの年差額
60A1,870.50円→ 50Aで年3,741円
50A1,558.75円→ 40Aで年3,741円
40A1,247.00円→ 30Aで年3,741円
30A935.25円→ 20Aで年3,741円
20A623.50円→ 15Aで年1,870円

出典: 東京電力エナジーパートナー「従量電灯B・C」(2026-09-07取得)をもとに当サイトが算出。

ただしアンペアは「同時にどれだけ使うか」で決まるもので、月の合計使用量とは別の話です。東京電力は公式ページで「1年を通じてもっとも電気をご使用になるとき」を想定するよう案内しています。冬の夕食時に電子レンジ・炊飯器・ドライヤー・エアコンが重なる家は、下げた結果ブレーカーが落ちて生活が回らなくなります。下げる値打ちは年3,741円と大きいので、まずは同時使用の実態を見てから判断してください。

月30A・300kWhで並べると差は月139.83円

図3|30A・月300kWhのモデル試算(税込・燃調と賦課金を除く)
プラン基本料金電力量料金月額年差額
東京電力 従量電灯B935.25円10,128.00円11,063.25円基準
東京電力 スタンダードS935.25円10,128.00円11,063.25円0円
東京ガス 基本プラン935.22円9,988.20円10,923.42円−1,678円

出典: 図1の公式単価から当サイトが算出(2026-09-07)。電力量料金は120kWh×第1段階+180kWh×第2段階。

年にして1,678円の差です。大きいと見るか小さいと見るかは分かれますが、前節のアンペアダウン(年3,741円)の半分以下だという事実は覚えておいて損はありません。2人暮らしの段階では、乗り換えより先にアンペアを見直すほうが効きます。

300kWhを超える月がある家はどう考えるか

2人暮らしでも真夏と真冬は300kWhを超えることがあります。超えた分の単価は東京電力で40.49円、東京ガスで39.50円で、0.99円の差がつきます。第2段階の差(0.71円)より大きいため、使う月ほど差が開いていきます。

図4|使用量別の年差額(30A・本体料金ベース)
使用量別の年差額(東京ガス基本プランが安くなる額)月200kWh826円月250kWh1,252円月300kWh1,678円月350kWh2,272円月400kWh2,866円0円年差額(円)

出典: 図1の公式単価から当サイトが算出(2026-09-07)。燃料費調整額の差は含めていません。

国の値引きは9月分の4.50円から10月分は3.50円へ

ここまでの金額には燃料費調整額を入れていません。これはどのプランを選んでも同じ方向に動くためですが、手取りの金額を見るときは見逃せません。東京電力エナジーパートナーの公表によれば、国の電気・ガス料金支援による値引き単価(低圧供給)は、2026年9月分が4.50円/kWh、2026年10月分が3.50円/kWhです。

差は1.00円/kWhですから、月300kWhの世帯は使い方を変えていなくても9月分と比べて月10月分の請求が300円上がります。先に見た乗り換えの差額は年1,678円、つまり月140円前後でしたから、支援単価の1円分の動きのほうが2倍以上大きいことになります。「先月より上がった」と感じたときに、それがプランのせいなのか調整額のせいなのかを切り分けられると、不必要な乗り換えを防げます。

もう一点、支援は恒久的な制度ではありません。終了すれば月300kWhで月約1,050円(300kWh×3.50円)がそのまま負担に戻ります。年にして約12,600円で、これはアンペアダウン(年3,741円)と乗り換え(年1,678円)を合わせても追いつかない額です。方策を打つとしても、この規模感を前提に期待値を置いておくのが現実的です。

2人暮らしが手をつける順番

ここまでの数字を、効き目の大きい順に並べ直します。電力会社の乗り換えは「最初にやること」ではありません。月300kWhの世帯にとっては、契約アンペアの見直しのほうが年額では2倍以上のインパクトを持ちます。

図6|手をつける順番と年額の目安

  1. 契約アンペアを見直す(年3,741円)—— 40Aから30Aへ。1回の連絡で完了し、月々の使い方を変える必要がない
  2. 電力会社を乗り換える(年1,678円)—— 月300kWhの場合。使用量が多い家ほど額は大きくなる
  3. 300kWhを超えないようにする(超過1kWhあたり40.49円)—— 第3段階に入った分だけは削減効果が大きい

金額はいずれも東京電力エリア・30A・月300kWhの前提です。

3番目の「300kWhを超えないようにする」は、根性論に聞こえるかもしれませんが、単価が跨ね上がる境目を知っているかどうかで意味が変わります。例えば月320kWhの月に20kWhだけ削ると、削られるのは安い第2段階ではなく高い第3段階の分です。同じ「20kWhの節電」でも、月250kWhの家(728円)と月320kWhの家(810円)では効果が違います。

エコキュートやIHがある2人暮らしは前提が変わる

本記事の試算は、給湯と厨房がガスの2人暮らしを前提にしています。エコキュートや電気温水器がある家は、そもそも従量電灯型ではなく時間帯別のプランが対象になるため、ここでの判断軸がそのままは使えません。

特に注意が必要なのは、時間帯別プランの多くがアンペア制ではなくkVA単位の契約容量制だという点です。本記事で最も効くと書いた「アンペアを1段階下げる」という手は、エコキュートの沸き上げと他の家電が重なる家では使いにくくなります。オール電化世帯の判断は夜間単価と安い時間帯の長さで行うべきで、考え方は別記事にまとめています。

逆に、ガス併用の2人暮らしであれば、電気と都市ガスを同じ会社にまとめるセット割が選択肢に入ります。ただしセット割は「ガス側が安くなる」型と「電気側が安くなる」型があり、現在のガス契約を含めた年合計で見ないと判断を誤ります。電気だけを切り出して比べた結果と、両方を含めて比べた結果が逆になることは珍しくありません。

なお、乗り換え自体は工事も停電もなく、インターネットでの申し込みと検釜日の切り替わりで完了します。申し込みには現在の契約番号(供給地点特定番号)が必要で、これは使用量のお知らせや会員ページで確認できます。

市場連動型を比較表に入れていない理由

2人暮らし向けの比較記事では市場連動型のプランがよく並べられますが、本記事では意図的に外しています。市場連動型は電源料金が30分ごとに変わる方式のため、「月300kWhならいくら」という固定の試算が原理的にできないからです。安い時間帯に家事を寄せられる共働き世帯には向く可能性がありますが、平均値での優劣を断定できる性質のものではありません。

図5|乗り換え前に確認する3点

  1. 燃料費調整の上限の有無。東京電力は規制料金(従量電灯B)には上限があり、自由料金にはないと公式に明記しています。東京ガスの基本プランも上限の設定はありません
  2. 契約アンペアを引き継げるか。乗り換えと同時にアンペアを見直すなら、申し込み時に希望アンペアを伝える
  3. 少額利用時の扱い。東京電力の従量電灯Bには最低月額料金328.08円/契約の定めがある

よくある質問

2人暮らしは何アンペアにすればいいですか?

一律の正解はありません。アンペアは月の使用量ではなく「同時に使う量」で決まるため、電子レンジと炊飯器とドライヤーが重なる時間帯があるかで判断します。下げられれば10Aあたり年3,741円の効果がありますが、ブレーカーが落ちるようなら戻してください。

スタンダードSに変えると安くなりますか?

単価は従量電灯Bと完全に同じなので、基本料金と電力量料金だけを見れば安くなりません。違いは燃料費調整額の上限の有無で、燃料価格が高騰したときは自由料金のほうが高くなる可能性があると同社が公式に記しています。ポイントなどの付帯サービスで判断するメニューです。

月300kWhを超えるとどれくらい高くなりますか?

東京電力の従量電灯Bの場合、300kWh目までは1kWh36.40円ですが、301kWh目から40.49円になります。差は4.09円で、11.2%の上げ幅です。月によってこの線をまたぐ家は、年合計で比べて判断してください。

出典と取得日

  • 東京電力エナジーパートナー「従量電灯B・C」、2026-09-07取得
  • 東京電力エナジーパートナー「スタンダードプラン(関東)」及び「電気の料金プラン一覧」、2026-09-07取得
  • 東京電力エナジーパートナー「ご契約アンペアの選び方」、2026-09-07取得
  • 東京ガス「電気料金単価計算表」、2026-09-07取得
  • Looopでんき「料金プラン」(スマートタイムONEの市場連動について)、2026-09-07取得
  • 東京電力エナジーパートナー「燃料費調整のお知らせ(2026年10月分)」、2026-09-07取得

本記事の金額はすべて税込で、燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金を除いた本体料金です。賦課金はどの会社でも同じ単価がかかるため、比較の差額には影響しません。契約前には必ず各社公式の最新単価と約款をご確認ください。

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この記事を書いた人

省エネ住宅ナビ編集部です。国・自治体の公式情報をもとに、補助金・太陽光・蓄電池・エコキュート・リフォームの「いくらかかる?いくら戻る?」を中立の立場で整理しています。数値・期限は必ず一次情報で確認し、情報基準日を明示する編集方針です。

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