都道府県別の電気代の平均【2026年】52市を並べると差の83%は「単価」ではなく「使用量」

電気代の地域差は単価より使用量で決まることを52市で確かめた記事のアイキャッチ

本記事にはプロモーションが含まれます

都道府県庁所在市と政令市の52市を並べると、電気代の年額は最高215,694円・最低111,439円で1.94倍の開きがあります。
ただしこの差は単価の差ではありません。使用量の開きが1.91倍あるのに対し、1kWhあたりの実効単価は1.34倍しか動いていません。
上位10市と下位10市の差64,011円を分解すると、83.0%が使用量、17.0%が単価でした。

この記事の要点(2026年9月5日確認)

  • 全国平均は年149,965円・年4,823kWh。割り戻すと実効単価は31.09円/kWhで、当サイトが試算に使う31円/kWhとほぼ一致した。
  • 金額1位は福井市の年215,694円(月17,975円)、52位は北九州市の年111,439円(月9,287円)。差は年104,255円。
  • 金額と使用量の相関は0.903、金額と実効単価の相関は0.189。地域差はほぼ使用量で説明できる。
  • 実効単価1位は札幌市の36.00円、52位は大分市の26.92円。差は9.08円だが、札幌市の金額順位は19位にとどまる。
  • 電気代1位の福井市は実効単価では39位(28.51円)と全国平均より安い。「電気代が高い=単価が高い」ではない。
目次

全国平均は年149,965円・4,823kWh|割り戻すと31.09円/kWh

都道府県別の電気代を公的統計で見るときの出どころは、総務省統計局の家計調査です。二人以上の世帯について、県庁所在市と政令指定都市の52市の1世帯あたり年間支出金額を公表しています。しかもこの表には金額だけでなく購入数量(kWh)が併記されており、両方が載っているのは光熱費のなかでも電気と都市ガス、プロパン、灯油だけです。

全国平均は年149,965円、年4,823.404kWh。割ると1kWhあたり31.09円になります。当サイトが電気代の試算に使っている資源エネルギー庁の目安単価31円/kWh(全国家庭電気製品公正取引協議会の新電力料金目安単価)とほぼ一致するので、この表の数字は基本料金や燃料費調整、再エネ賦課金まで含んだ実際の支払額として読めます。

以下では金額の多い順に52市を並べ、月額と年間使用量、そして金額を使用量で割った実効単価を同じ表に置きました。実効単価の列は公表値ではなく当サイトの計算です。

図1|52市の電気代・使用量・実効単価(2023〜2025年平均・二人以上の世帯)

順位市年額月額年間使用量実効単価
—全国平均149,965円12,497円4,823kWh31.09円
1福井市215,694円17,975円7,566kWh28.51円
2富山市203,653円16,971円6,978kWh29.19円
3松江市197,957円16,496円6,401kWh30.92円
4山形市196,159円16,347円6,134kWh31.98円
5金沢市194,909円16,242円6,691kWh29.13円
6福島市179,923円14,994円5,577kWh32.26円
7鳥取市174,581円14,548円5,698kWh30.64円
8山口市174,077円14,506円5,636kWh30.89円
9青森市171,061円14,255円5,383kWh31.78円
10高松市170,979円14,248円5,680kWh30.10円
11徳島市170,744円14,229円5,775kWh29.57円
12秋田市167,036円13,920円5,274kWh31.67円
13盛岡市166,888円13,907円5,173kWh32.26円
14岐阜市166,381円13,865円5,327kWh31.23円
15広島市164,789円13,732円5,325kWh30.95円
16水戸市163,282円13,607円4,988kWh32.74円
17新潟市157,217円13,101円4,770kWh32.96円
18宇都宮市155,550円12,963円4,721kWh32.95円
19札幌市154,602円12,884円4,294kWh36.00円
20仙台市153,847円12,821円4,758kWh32.34円
21静岡市153,252円12,771円4,835kWh31.70円
22和歌山市150,778円12,565円5,396kWh27.94円
23高知市150,593円12,549円4,967kWh30.32円
24佐賀市149,446円12,454円5,403kWh27.66円
25岡山市148,675円12,390円4,806kWh30.93円
26浜松市147,293円12,274円4,741kWh31.07円
27松山市147,210円12,268円4,850kWh30.35円
28川崎市146,120円12,177円4,368kWh33.46円
29さいたま市144,565円12,047円4,377kWh33.03円
30相模原市143,548円11,962円4,300kWh33.38円
31堺市143,329円11,944円5,034kWh28.47円
32長野市141,930円11,828円4,593kWh30.90円
33甲府市140,530円11,711円4,238kWh33.16円
34大津市140,527円11,711円5,030kWh27.94円
35那覇市138,848円11,571円4,157kWh33.40円
36奈良市138,255円11,521円4,853kWh28.49円
37名古屋市138,072円11,506円4,415kWh31.27円
38前橋市136,417円11,368円4,144kWh32.92円
39横浜市136,206円11,351円4,102kWh33.21円
40東京都区部136,060円11,338円4,052kWh33.58円
41大分市135,477円11,290円5,032kWh26.92円
42大阪市134,726円11,227円4,766kWh28.27円
43鹿児島市132,922円11,077円4,868kWh27.31円
44津市132,226円11,019円4,198kWh31.50円
45千葉市131,849円10,987円3,963kWh33.27円
46熊本市131,470円10,956円4,784kWh27.48円
47京都市130,900円10,908円4,537kWh28.85円
48宮崎市117,797円9,816円4,360kWh27.02円
49長崎市117,561円9,797円4,234kWh27.77円
50福岡市117,394円9,783円4,202kWh27.94円
51神戸市115,320円9,610円4,017kWh28.71円
52北九州市111,439円9,287円4,044kWh27.56円
出典:総務省統計局「家計調査(二人以上の世帯)品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(2023年〜2025年平均)」の食料以外の表(2026年9月5日確認)。金額と使用量は公表値、月額と実効単価は当サイトが算出した。対象は県庁所在市と政令指定都市の52市で、都道府県全体の平均ではない。

上位は福井市・富山市・松江市・山形市・金沢市と、日本海側が並びます。下位は北九州市・神戸市・福岡市・長崎市・宮崎市と、西日本の都市部が中心です。ここまでは「寒い地域ほど高い」で説明が付きそうに見えますが、札幌市が19位、青森市が9位にとどまる点が説明できません。次の章で数字を分解します。

差の83.0%は使用量|相関は0.903対0.189で決着している

52市の金額と使用量の相関係数は0.903、金額と実効単価の相関係数は0.189でした。地域による電気代の違いは、ほぼ使用量の違いです。単価はほとんど効いていません。

効果の大きさも分解できます。金額上位10市の平均は年187,899円・6,174kWh・実効30.43円、下位10市の平均は年123,888円・4,321kWh・実効28.67円です。差の64,011円のうち、使用量の差(1,853kWh)が生む分が53,148円で83.0%、単価の差(1.76円)が生む分が10,864円で17.0%でした。

図2|上位10市と下位10市の差の内訳

区分年額年間使用量実効単価
金額上位10市の平均187,899円6,174kWh30.43円
金額下位10市の平均123,888円4,321kWh28.67円
差64,011円1,853kWh1.76円
うち使用量で説明できる分53,148円(83.0%)——
うち単価で説明できる分10,864円(17.0%)——
出典:総務省統計局「家計調査(二人以上の世帯)品目別ランキング(2023年〜2025年平均)」から当サイトが算出。使用量効果は(上位の使用量−下位の使用量)×下位の実効単価、単価効果は(上位の実効単価−下位の実効単価)×上位の使用量で計算した。合計が差と一致しないのは交差項の分。

図3|年間使用量の上位・下位(kWh)

1世帯あたり年間電気使用量(kWh・二人以上の世帯) 福井市 7,566 富山市 6,978 金沢市 6,691 全国平均 4,823 札幌市 4,294 東京都区部 4,052 千葉市 3,963 最大の福井市と最小の千葉市の比は1.91倍。金額の比1.94倍とほぼ同じ。
出典:総務省統計局「家計調査(二人以上の世帯)品目別ランキング(2023年〜2025年平均)」(2026年9月5日確認)。

札幌市の使用量は4,294kWhで52市中41位、東京都区部より少し多い程度です。寒い地域ほど電気を使うわけではありません。北海道と東北北部は暖房と給湯を灯油に寄せているためで、その裏付けは後の章で光熱費の内訳として示します。

実効単価で並べ替えると順位が入れ替わる|札幌36.00円・大分26.92円

金額を使用量で割った実効単価で並べ直すと、ランキングの顔ぶれが大きく変わります。上位は札幌市・東京都区部・川崎市・那覇市と、旧一般電気事業者の料金水準が高いエリアと大都市が並び、下位は九州と関西の各市が占めます。

図4|実効単価の上位8市と下位8市

単価順位市実効単価年額金額順位
1札幌市36.00円154,602円19位
2東京都区部33.58円136,060円40位
3川崎市33.46円146,120円28位
4那覇市33.40円138,848円35位
5相模原市33.38円143,548円30位
6千葉市33.27円131,849円45位
7横浜市33.21円136,206円39位
8甲府市33.16円140,530円33位
…(中略)…
45大津市27.94円140,527円34位
46長崎市27.77円117,561円49位
47佐賀市27.66円149,446円24位
48北九州市27.56円111,439円52位
49熊本市27.48円131,470円46位
50鹿児島市27.31円132,922円43位
51宮崎市27.02円117,797円48位
52大分市26.92円135,477円41位
出典:総務省統計局「家計調査(二人以上の世帯)品目別ランキング(2023年〜2025年平均)」から当サイトが算出(2026年9月5日確認)。実効単価は年間支出金額を年間購入数量で割った値で、基本料金・燃料費調整額・再エネ賦課金をすべて含む。

注目したいのは右端の列です。単価1位の札幌市は金額では19位、単価2位の東京都区部は40位。逆に金額1位の福井市は単価では39位(28.51円)で、全国平均の31.09円より2.58円安い水準です。単価の高い地域に住んでいても、使う量が少なければ支払額は平均を下回ります。

実効単価の幅は26.92円から36.00円で、最大でも1.34倍です。契約プランを見直して動かせるのはこの範囲の一部にすぎません。プランごとの単価差がどれくらいかは、関東の電力会社おすすめ比較など地域別の記事で実額を並べています。

電気代が高い市=光熱費が高い市ではない

同じ表には都市ガス・プロパンガス・灯油の年間支出も載っています。4つを足すと、電気代のランキングだけを見ていたときとは違う姿になります。

図5|主要市の光熱費の内訳(年額・二人以上の世帯)

市電気都市ガスプロパン灯油4費目の合計
全国平均149,965円39,035円20,309円15,094円224,403円
青森市171,061円6,491円27,987円92,401円297,940円
札幌市154,602円32,698円38,382円71,654円297,336円
山形市196,159円13,580円38,079円39,024円286,842円
富山市203,653円26,084円18,395円28,558円276,690円
福井市215,694円10,616円24,708円20,464円271,482円
東京都区部136,060円65,409円1,359円2,044円204,872円
那覇市138,848円27,764円35,825円2,203円204,640円
北九州市111,439円51,268円8,700円6,101円177,508円
出典:総務省統計局「家計調査(二人以上の世帯)品目別ランキング(2023年〜2025年平均)」(2026年9月5日確認)。都市ガスとプロパンは使っていない世帯も母数に含む平均値のため、1世帯が4費目すべてを支払っているという意味ではない。合計は当サイトが単純に足した参考値。

電気代1位の福井市は、4費目の合計では271,482円で、電気代9位の青森市(297,940円)と19位の札幌市(297,336円)を下回ります。青森市の灯油92,401円・817.11リットルは全国平均の6.1倍で、暖房と給湯を灯油が担っていることがはっきり出ます。逆に福井市・富山市・金沢市は灯油が全国平均の1.2〜1.9倍にとどまり、そのぶん電気の使用量が6,691〜7,566kWhまで積み上がっています。

東京都区部は電気代が全国平均より9.3%安い一方、都市ガスが65,409円と全国平均の1.68倍です。電気代だけを他地域と比べても、家計の実態はつかめません。比較するなら4費目の合計か、少なくとも「何で暖房と給湯をしているか」をそろえる必要があります。

自分の家をこの表に当てはめる手順

図6|検針票と図1を突き合わせる4ステップ

  1. 検針票の年間使用量(12か月分のkWh)を出す。図1の使用量の列と比べれば、多いのか少ないのかが分かる。
  2. 年間の支払額を年間使用量で割って自分の実効単価を出す。図1の実効単価の列と比べる。
  3. 使用量が地元の平均より多いなら、削るのは設備と建物。プランを替えても実効単価は1.34倍の幅の中でしか動かない。
  4. 実効単価が地元の平均より高いなら、プランと契約容量を見直す。とくにアンペア契約と時間帯別プランの選び違いが効く。

家計調査は二人以上の世帯の平均なので、世帯人数が違えば当然ずれます。人数別の実額は世帯人数別の電気代の平均で扱っています。また、使用量そのものを減らす手段は運用・設備・建物の3層に分かれ、それぞれの上限額が違います。

【PR】市場価格で単価が動くプランも比べてみる

電力会社の標準的な料金メニューのほかに、30分ごとに単価が変わる「市場連動型」のプランもあります。単価が安い時間帯に洗濯や食洗機を回せる家ほど、差が出やすい仕組みです。夏と冬は市場価格が上がりやすいので、8月と1月の使用量で試算してから決めてください。

  • Looopでんき「スマートタイムONE」:解約手数料0円、契約期間の縛りなし
  • リミックスでんき「Styleプラス」:基本料金0円、解約手数料0円。契約容量30A未満の家とオール電化向けプランの家は申し込めません

出典:各社公式サイト(2026年10月21日確認)

▶ Looopでんきの料金を見る
▶ リミックスでんきの料金を見る

よくある質問

Q. これは都道府県の平均ですか、市の平均ですか?

県庁所在市と政令指定都市の52市の平均です。家計調査は都道府県単位の集計を公表していないため、都道府県別として引用されている数字の多くは、実際にはこの県庁所在市の値です。県内でも都市部と郡部では住宅の広さや暖房方式が変わるので、県全体の平均とは一致しません。

Q. 電力会社を替えれば地域差は埋まりますか?

埋まりません。実効単価の幅は26.92円から36.00円の1.34倍で、金額の幅1.94倍より小さいためです。上位10市と下位10市の差64,011円のうち、単価で説明できるのは10,864円(17.0%)にとどまります。残る83.0%は使用量の差なので、契約の見直しだけでは届きません。

Q. 北陸の使用量が突出しているのはなぜですか?

この統計だけでは断定できません。ただし同じ表で灯油の支出を見ると、福井市20,464円・富山市28,558円・金沢市18,520円と、青森市92,401円や札幌市71,654円に比べてかなり小さいことが分かります。暖房と給湯に灯油をあまり使っていないぶんが電気に乗っていると読むのが自然ですが、住宅の広さや世帯人員の違いも混ざるため、原因の特定には別の統計が要ります。

出典

  • 総務省統計局「家計調査(二人以上の世帯)品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(2023年(令和5年)〜2025年(令和7年)平均)」食料以外(2026年9月5日確認)
  • 資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」の金額換算単価31円/kWh(全国家庭電気製品公正取引協議会 新電力料金目安単価・令和4年7月改定)

あわせて読みたい

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

省エネ住宅ナビ編集部です。国・自治体の公式情報をもとに、補助金・太陽光・蓄電池・エコキュート・リフォームの「いくらかかる?いくら戻る?」を中立の立場で整理しています。数値・期限は必ず一次情報で確認し、情報基準日を明示する編集方針です。

目次