エコキュートがある家の電気代は、給湯だけで年1,334〜1,874kWhかかります。この電力を何円で焚くかは地域で1.92倍違い、給湯分だけの年間電気代は年20,504円〜55,171円と約2.7倍に開きます。2026年9月7日時点の各社公式単価と資源エネルギー庁の製品データで試算しました。
設備・世帯・地域で結論がどう入れ替わるかの全体像は電力会社の選び方 2026|省エネ設備・世帯・地域で選ぶ乗り換え完全ガイドにまとめています。この記事はそのうち「エコキュートがある家の電力プランの選び方」に絞って掘り下げます。
電力会社は、住んでいる地域と使い方で料金を比べてから決める
どの会社が安いかは、地域と使用量で変わります。比較サイトで今のプランとの差を確かめてから切り替えると、失敗が少なくなります。切り替えの申し込みはWEBで済みます(広告主の案内)。
| こんな人 | 相談先(対応エリアは広告主の案内) | |
|---|---|---|
| 今のプランと比べて、安い会社を探したい | エネチェンジ(電力会社の比較・申し込み) お住まいの地域と使用量で比較(広告主の案内) | 料金を比べる |
| エコキュートが古くなっている | Cools(エコキュートの交換) 北海道・青森・秋田・新潟・沖縄をのぞく地域 | 見積もりを頼む |
情報基準日: 2026-09-07
結論を3行でまとめます。
① エコキュートの給湯だけで年1,334kWh(一般地仕様)〜1,874kWh(寒冷地仕様)を使う。
② 夜間単価は関西15.37円〜北海道29.44円で1.92倍の開きがある。
③ 掛け合わせると給湯分の年間電気代は20,504円〜55,171円。設備より先にプランの時間帯を確認したほうが効く。
この記事の比較基準|公式単価のみ・アフィリエイト順位なし・情報基準日
- 料金は各社の公式サイトと供給約款に記載された基本料金・電力量料金だけを使って計算しています。実際の請求額は使用量・契約アンペア・供給エリアで変わります。
- 請求額は燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金で毎月動きます。本文の数値は特記がない限り、記載の検針月の単価にもとづく計算です。
- 紹介する順序や掲載の有無を広告の成果報酬で変えていません。提携のあるサービスを案内する場合は記事の冒頭にPR表記を置いています。
- 年額の差は前提の使用量と計算式を本文に明記し、条件によって結果が変わるため「最安」と断定する表現は使いません。情報基準日: 2026-09-16
エコキュートは給湯だけで年1,334〜1,874kWh使う
資源エネルギー庁の「省エネ型製品情報サイト」には、エコキュートの機種ごとに「給湯(保温)モード消費電力量」が載っています。これはJIS C9220の標準的な使用条件で1年間運転したときの消費電力量で、メーカーの宣伝値ではなく制度上の届出値です。2026年9月7日に同サイトのエコキュート(目標年度2025)の一覧から40機種を取得して集計しました。
結果は次のとおりです。一般地仕様と寒冷地仕様で1.40倍の差があり、この差がそのまま地域差として効いてきます。
| 仕様 | 集計機種数 | 年間消費電力量の幅 | 平均 | 月あたり |
|---|---|---|---|---|
| 一般地仕様 | 8機種 | 1,300〜1,389kWh | 1,334kWh | 約111kWh |
| 寒冷地仕様 | 32機種 | 1,771〜2,015kWh | 1,874kWh | 約156kWh |
寒冷地仕様は外気温が低い条件でも湯を沸かせるように設計されているぶん、同じ湯量でも消費電力量が大きくなります。北海道・東北・北陸の一部や標高の高い地域では寒冷地仕様が標準になるため、「エコキュートの電気代」を全国一律の数字で見積もると実態から離れます。
カタログの「年間目安電気代」は20円/kWhで計算されている
同じ製品情報サイトには「年間目安電気代(円/年)」の列もあります。ただしこの金額は、同じ行に併記されている「電気料金単価 20円/kWh」を前提に計算された値です。たとえば消費電力量1,771kWhの機種は、年間目安電気代が35,400円と表示されます(1,771×20円=35,420円)。
一方、実際の夜間単価は後述のとおり15.37〜29.44円です。カタログの目安額をそのまま自宅の電気代と考えると、エリアによっては1.4倍前後の開きが出ます。目安電気代は機種どうしを比べるための指標であって、家計の予測額ではない、と割り切って使うのが安全です。
4エリアの夜間単価を並べると1.92倍の差がある
エコキュートは深夜に沸き上げるため、電気代を左右するのは「夜間時間帯の単価」です。旧一般電気事業者4社のオール電化向けメニューを、2026年9月7日に各社公式サイトで確認しました。
| エリア | プラン名 | 安い時間帯 | 夜間単価 | 昼の単価 |
|---|---|---|---|---|
| 北海道電力 | エネとくスマートプラン | 夜間・日祝時間 | 29円44銭 | 38円22銭 |
| 東京電力EP | スマートライフS | 午前1時〜午前6時 | 27.86円 | 35.76円 |
| 中部電力ミライズ | スマートライフプラン | ナイトタイム | 16.52円 | 38.80円 |
| 関西電力 | はぴeタイムR | 午後11時〜午前7時 | 15.37円 | 26.24〜28.87円 |
最も高い北海道電力の29円44銭と、最も安い関西電力の15.37円では1.92倍です。注意したいのは、北海道と東京が高いのは「夜が高い」からというより、寒冷地ほど暖房需要で夜間も電気が使われるため、夜間を極端に安くできないという構造があるためです。関西・中部は夜間を10円台に設定するかわりに、次に述べるとおり基本料金を高く取っています。
給湯分だけの年間電気代は20,504円〜55,171円
図1の年間消費電力量に、図2の夜間単価を掛けます。沸き上げがすべて夜間時間帯に収まる前提での、給湯分だけの電気代です。
| エリア・仕様 | 年間消費電力量 | 夜間単価 | 年間の給湯電気代 |
|---|---|---|---|
| 北海道(寒冷地仕様) | 1,874kWh | 29.44円 | 55,171円 |
| 北海道(一般地仕様で計算した場合) | 1,334kWh | 29.44円 | 39,273円 |
| 東京(一般地仕様) | 1,334kWh | 27.86円 | 37,165円 |
| 中部(一般地仕様) | 1,334kWh | 16.52円 | 22,038円 |
| 関西(一般地仕様) | 1,334kWh | 15.37円 | 20,504円 |
夜間単価が安い=総額が安い、ではない(基本料金の体系が違う)
図3だけを見ると関西と中部が圧倒的に見えますが、この2社は基本料金の取り方が東京電力とまったく違います。関西と中部は契約容量にかかわらず定額に近い基本料金を先に取り、そのぶん夜間単価を下げる設計です。
| エリア | 基本料金の決まり方 | 単価 | 年額の目安 |
|---|---|---|---|
| 関西 はぴeタイムR | 最初の10kWまで定額 | 2,409.40円/月 | 28,913円 |
| 中部 スマートライフプラン | 契約容量10kVAまで定額 | 1,838.44円/月 | 22,061円 |
| 東京 スマートライフS | 契約アンペアに比例 | 311.75円/10A | 60A契約で22,446円 |
| 北海道 エネとくスマートプラン | 実績にもとづく契約電力に比例 | 486円20銭/kW | 使用実績で変動 |
つまり関西と中部の安い夜間単価は、年2〜3万円の基本料金を先に払ったうえで手に入れているものです。給湯以外の電気使用量が少ない世帯ほど、この基本料金が重くのしかかります。エコキュートを入れているかどうかだけでなく、世帯全体の月間使用量とセットで判断してください。
また北海道電力のエネとくスマートプランは、契約電力が「30分ごとの使用電力量の最大値」で自動的に決まるスマート契約です。家電の同時使用を減らせば基本料金が下がる一方、一度大きな値を記録すると11か月間その水準が続く点に注意が必要です。
エコキュートがある家がプランを見るときの5つのチェック
プラン変更前に確認する5項目
- 沸き上げ時刻が安い時間帯に入っているか。関西は23時〜7時、東京は1時〜6時と幅が違い、東京は5時間しかありません
- 基本料金の年額。夜間単価の安さと相殺されていないかを図5の要領で計算します
- 燃料費調整額に上限があるか。自由料金メニューは上限がなく、燃料価格が上がると規制料金より高くなることがあります
- 寒冷地仕様かどうか。型番を製品情報サイトで引くと自宅の実際の年間消費電力量が分かります
- 電化割引などの条件。関西はIHクッキングヒーター設置で5%割引が付きます
- 夜間へ寄せても残る待機電力を測る:節電タップと電力計の選び方2026
- 節電タップと電力計の選び方2026|待機電力は家庭の6%・PSEマークで選ぶ3基準
プランを変える前に、夜間に何kWh使っているかを電力計で実測すると判断がぶれません
なお新電力にも夜間が安いプランはありますが、旧一般電気事業者のオール電化メニューほど夜間を下げた設計は多くありません。すでにオール電化メニューに入っている場合、新電力への乗り換えでかえって高くなることがあります。「最安」を探すより、いま契約中のメニューの夜間単価と沸き上げ時刻が合っているかを先に確かめるほうが確実です。
よくある質問
| よく聞かれること | 先に結論 |
|---|---|
| 夜間単価がいちばん安い会社を選べばよい? | いいえ。関西・中部は夜間15〜16円台ですが、基本料金が年2.2万〜2.9万円かかります。世帯全体の月間使用量とあわせて年額で比べます(図5)。 |
| 給湯分だけの電気代はいくら? | 一般地仕様で月1,709〜3,097円、寒冷地仕様の北海道で月4,598円が目安です。燃料費調整額と再エネ賦課金は別にかかります。 |
| では何をすれば下がる? | 沸き上げ時刻を、契約プランの安い時間帯に合わせます。東京電力EPは2026年11月1日から自由料金プランの単価を見直すため、11月以降は最新の単価表で計算し直します。 |
出典: 本文の図2・図5(各社公式の料金単価表、取得日 2026-09-07)、東京電力エナジーパートナー「託送料金の見直しに伴う料金の見直しについて」(取得日 2026-10-09)
エコキュートの電気代は月いくらぐらいですか?
給湯分だけなら、一般地仕様で月1,709円(関西の夜間単価)〜3,097円(東京の夜間単価)、寒冷地仕様の北海道で月4,598円が目安です。年間消費電力量1,334〜1,874kWhを12で割り、各社の夜間単価を掛けた金額で、燃料費調整額と再エネ賦課金は別途かかります。
オール電化向けプランから新電力に乗り換えたほうが安くなりますか?
一概には言えません。オール電化メニューは夜間単価を15〜30円まで下げるかわりに基本料金を高めに設定しており、この組み合わせは新電力の標準的なプランにはあまりありません。乗り換え前に、現在の検針票から夜間の使用量比率を出し、乗り換え先の単価で計算し直してください。
寒冷地仕様のエコキュートは電気代が高いのですか?
資源エネルギー庁の製品データでは、寒冷地仕様の年間消費電力量の平均は1,874kWhで、一般地仕様の1,334kWhの1.40倍でした。ただしこれは寒冷地で必要な性能を確保した結果であり、寒冷地で一般地仕様を使うと湯切れや凍結のおそれがあります。仕様の選択は地域の条件に従ってください。
2026年11月から電気料金の単価は変わりますか?
東京電力エナジーパートナーは、託送料金の見直しを2026年11月1日から電気料金に反映すると公表しています。対象にはスマートライフなど関東エリアの自由料金プランも入ります。本記事の単価は2026年9月7日時点の値です。11月以降は、契約中の会社の最新の料金単価表で確かめてください。
沸き上げ時刻はどう決めればよいですか?
契約プランの安い時間帯に沸き上げが収まるように設定します。東京電力EPのスマートライフSなら午前1時〜6時、関西電力のはぴeタイムRなら午後11時〜午前7時です(図2)。プランを変えたときは、エコキュート側の時間帯設定もあわせて見直してください。
基本料金が定額に近いプランは、どんな世帯に向きますか?
関西のはぴeタイムRと中部のスマートライフプランは、基本料金を年2.2万〜2.9万円ほど先に払う設計です(図5)。給湯以外の使用量が多く、夜間の比率が高い世帯ほど割安になりやすくなります。使用量が少ない世帯は、検針票の数字で年額を出してから選んでください。
出典
- 資源エネルギー庁「省エネ型製品情報サイト」エコキュート(目標年度2025)製品一覧(取得日 2026-09-07)
- 北海道電力「エネとくスマートプラン」料金単価表(取得日 2026-09-07)
- 東京電力エナジーパートナー「スマートライフS/L」料金単価表(取得日 2026-09-07)
- 中部電力ミライズ「スマートライフプラン」料金単価表(取得日 2026-09-07)
- 関西電力「はぴeタイムR」料金単価表(取得日 2026-09-07)
