2026年夏の電気・ガス料金支援はいくら安くなった?【3か月で11.5円/kWh】400kWhなら4,600円

日本の住宅のダイニングテーブルに置かれた電気の検針票と電卓、窓の外に夏の日差しと室外機

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2026年夏の電気・ガス料金支援は、電気(低圧)が3か月で合計11.5円/kWh、都市ガスが合計46.0円/立方メートルの値引きでした。

国が標準とする月400kWhの家庭なら3か月で4,600円、都市ガス30立方メートルなら1,380円が請求から差し引かれています。

ただし多くの料金プランでは検針票に「値引き」という行が出ません。値引きは燃料費調整単価の中に埋め込まれているためで、金額を知るには自分で掛け算する必要があります。

この記事の要点

  • 対象は2026年7月使用分から9月使用分までの3か月(検針は8月・9月・10月)
  • 電気(低圧)は3.5円・4.5円・3.5円で合計11.5円/kWh
  • 都市ガスは14.0円・18.0円・14.0円で合計46.0円/立方メートル
  • 申請は不要。契約先が事業に参加していれば自動で反映される
  • LPガス(プロパン)は対象外。電気の高圧契約は低圧のおよそ半分
  • 10月使用分(11月検針分)からは支援が無い前提。400kWhなら月1,400円ぶんの反動になる

値引き単価は月ごとに違う|8月使用分だけ手厚い

経済産業省は2026年6月12日、電気事業者・ガス事業者からの申請に対して特例の認可・承認を行い、2026年7月から9月までの3か月について使用量に応じた値引きを実施すると公表しました。単価は全国一律で、電力会社やガス会社によって変わりません。

3か月のうち、もっとも単価が高いのは8月使用分です。冷房の使用量が最大になる月に合わせて上乗せされています。

適用期間電気(低圧)電気(高圧)都市ガス
2026年7月使用分(8月検針分)3.5円/kWh1.8円/kWh14.0円/立方メートル
2026年8月使用分(9月検針分)4.5円/kWh2.3円/kWh18.0円/立方メートル
2026年9月使用分(10月検針分)3.5円/kWh1.8円/kWh14.0円/立方メートル
3か月合計11.5円/kWh5.9円/kWh46.0円/立方メートル
図1:2026年夏の値引き単価(出典:経済産業省 2026年6月12日公表。合計は当サイトで算出)

低圧(主に家庭)と高圧(主に企業)を比べると、3か月合計で11.5円と5.9円、家庭向けが約1.95倍手厚い設計です。家庭の負担軽減に重心を置いた配分になっています。

「使用分」と「検針分」を取り違えないための1枚

支援の説明でいちばん誤解が多いのが、月のズレです。7月に使った電気は8月に検針され、請求は8月または9月に届きます。「7月の請求に3.5円が入っているはず」と考えると、1か月ずれます。

図2:使用した月と、値引きが乗る検針月の対応7月に使う3.5円/kWh8月に検針ここに反映8月から9月に請求8月に使う4.5円/kWh9月に検針ここに反映9月から10月に請求9月に使う3.5円/kWh10月に検針支援はここまで10月から11月に請求

使用量別|3か月でいくら戻ったかの早見表

値引き額は「値引き単価×その月の使用量」で決まります。基本料金には効かないため、使う量が多い家庭ほど金額が大きくなります。毎月同じ量を使ったと仮定して、3か月合計を計算しました。

月の使用量7月使用分8月使用分9月使用分3か月合計
250kWh875円1,125円875円2,875円
260kWh(東京電力の標準モデル)910円1,170円910円2,990円
300kWh1,050円1,350円1,050円3,450円
400kWh(国の標準的な家庭)1,400円1,800円1,400円4,600円
500kWh1,750円2,250円1,750円5,750円
600kWh2,100円2,700円2,100円6,900円
図3:電気(低圧)の値引き額の目安。毎月同じ使用量と仮定して当サイトが算出
図4:3か月合計の値引き額(電気・低圧)250kWh2,875円300kWh3,450円400kWh4,600円500kWh5,750円600kWh6,900円都市ガス30立方m1,380円横軸は金額に比例(1,000円あたり約43.5px)。都市ガスは月30立方メートルの場合

都市ガスは3か月合計46.0円/立方メートルです。夏は給湯が中心で使用量が落ちるため、月15立方メートルなら690円、20立方メートルで920円、30立方メートルで1,380円になります。冬の支援と比べると金額が小さく見えるのは、単価ではなく使用量が理由です。

使用量が極端に少ない月の扱い
東京電力エナジーパートナーの従量電灯Aなどでは、使用量が8kWhを下回る月は使用量にかかわらず「8kWh×値引き単価」の定額値引きになります。7月・9月使用分は28円、8月使用分は36円です。逆に使用量が0kWhの月は値引きが適用されません。

検針票に「値引き」の行が無いのはなぜか

検針票やWeb明細を探しても「国の支援」「値引き」という行が見つからない、という声は毎回出ます。これは反映されていないのではなく、値引きが燃料費調整単価の中に溶かし込まれているためです。

経済産業省の公表文にも、電気・都市ガス料金の算定に用いる単価(燃料費調整単価、基準単位料金または調整単位料金)から表のとおり差し引いた額とする、と明記されています。つまり請求の末尾で引かれるのではなく、単価そのものが下がる方式です。

単価に溶かす方式(大多数)

燃料費調整単価・原料費調整単価に含めて計算する。明細に値引きの行は出ない。金額を知るには「使用量×値引き単価」を自分で計算する。

請求額から直接引く方式(一部)

燃料費調整制度が適用されないプラン(市場価格連動プランなど)では、請求金額から使用量に応じて値引きする。明細に行として出ることがある。

東京電力エナジーパートナーも、値引き額の確認方法として「ご使用量に値引き単価を乗じた値が値引き額」と案内しています。明細を読むのではなく、掛け算をするのが正しい確認手順だ、ということです。

3ステップで自分の値引き額を出す

  1. 検針票またはWeb明細で、その月の使用量(kWh/立方メートル)を読む
  2. 使用月を確認する。8月に検針された分は「7月使用分」で単価3.5円/kWh
  3. 使用量に単価を掛ける。420kWhの7月使用分なら420×3.5で1,470円

ガスも同じ手順です。都市ガス22立方メートルの8月使用分なら22×18.0で396円になります。なおLPガス(プロパンガス)はこの支援の対象外で、単価の差し引きは行われません。プロパンの世帯は、自治体の重点支援地方交付金による独自策があるかどうかを住んでいる市区町村で確認することになります。

2025年夏との比較|電気は1.80倍に手厚くなった

夏の支援は2025年にも実施されています。東京電力エナジーパートナーが公表している値引き単価の履歴から、同じ7月・8月・9月使用分で並べると差がはっきりします。

区分2025年夏の合計2026年夏の合計倍率
電気(低圧)6.4円/kWh11.5円/kWh約1.80倍
電気(高圧)3.2円/kWh5.9円/kWh約1.84倍
都市ガス26.0円/立方メートル46.0円/立方メートル約1.77倍
図5:2025年夏(7月2.0円・8月2.4円・9月2.0円)と2026年夏の3か月合計の比較。出典の単価から当サイトが集計

400kWhの家庭で金額に直すと、2025年夏は3か月で2,560円、2026年夏は4,600円です。差は2,040円あります。単価が上がった月は8月使用分で、2.4円から4.5円へ1.9倍近くになりました。

支援を外すと単価は上がっていた|東京電力の実数で確認する

ここが今回いちばん見落とされている点です。支援は「値下がりした」という体感を作りますが、支援を除いた素の燃料費調整単価は、この夏むしろ上がっていました。

東京電力エナジーパートナーが公表する関東エリアの燃料費調整単価(低圧・税込)は、2026年7月分がマイナス7.19円、8月分がマイナス10.27円、9月分がマイナス10.96円です。このうち8月分には3.50円、9月分には4.50円の支援が含まれています。含まれている分を戻すと、素の単価が見えます。

検針月公表単価(支援込み)含まれる支援支援を除いた単価
2026年7月分(6月使用分)マイナス7.19円なしマイナス7.19円
2026年8月分(7月使用分)マイナス10.27円3.50円マイナス6.77円
2026年9月分(8月使用分)マイナス10.96円4.50円マイナス6.46円
図6:東京電力エナジーパートナーの燃料費調整単価(低圧・関東エリア・税込)と、支援を除いた単価。除いた欄は当サイトが逆算

マイナス7.19円からマイナス6.46円へ、2か月で0.73円/kWhぶん上振れしています。400kWhなら月292円です。請求額が横ばいに見えたのは、素の値上がりを支援がちょうど覆い隠していたためだと読めます。

10月使用分からどうなるか|400kWhで月1,400円の反動

今回の認可・承認は2026年9月使用分(10月検針分)までです。2026年8月29日時点で、10月使用分以降の延長は公表されていません。

延長がなければ、11月検針分から値引き単価はゼロになります。素の燃料費調整単価が横ばいだと仮定すると、単価は3.5円/kWhぶん上がる計算です。

月の使用量10月検針分(支援3.5円)11月検針分(支援なし)差額
260kWhマイナス910円0円月910円の増
300kWhマイナス1,050円0円月1,050円の増
400kWhマイナス1,400円0円月1,400円の増
500kWhマイナス1,750円0円月1,750円の増
図7:支援終了による請求への影響の目安。素の単価と使用量が変わらない前提で当サイトが試算

加えて11月以降は暖房が立ち上がり、使用量そのものが増えます。単価の反動と使用量の増加が同じ月に重なるため、体感の値上がり幅は表の数字より大きくなります。過去には冬に再開された年もありますが、実施の有無は毎回そのつど決まるため、無いものとして家計を組むのが安全です。

支援が切れる前にやっておくと効くこと

秋のうちに確認したい4項目

  • 10月検針分の使用量を控えておく(11月分と比べる基準になる)
  • 契約アンペアと料金プランが今の暮らしに合っているかを見直す
  • 暖房を入れる前に、窓と隙間の対策を済ませておく
  • 給湯機器が古いなら、故障してから慌てないよう買い替えの目安を把握しておく

注意
電力会社やガス会社を名乗り、値引きの手続きだと称して個人情報や手数料を求める電話が確認されています。この支援に利用者側の申請手続きはありません。値引きのために生年月日や家族構成を聞かれることもありません。不審な連絡には応じず、資源エネルギー庁の窓口(0120-013-305)に相談してください。

支援に頼らずに夏冬の電気代を抑える手段としては、太陽光で作った電気を自宅で使い切る方法があります。導入費用は設備の構成と工事内容で大きく変わるため、まず相場を知るところからで十分です。

世帯の型で見る|3つのケースの実額

実際には月ごとに使用量が動きます。夏は8月使用分が最も多く、7月と9月はそれより少なくなるのが一般的です。この山を織り込むと、単価が最も高い8月使用分と使用量のピークが重なるため、合計は「平均使用量×11.5円」よりわずかに大きくなります。

ケース7月使用分8月使用分9月使用分電気の合計都市ガス総額
単身・集合住宅(200/240/210kWh)700円1,080円735円2,515円月8立方m/368円2,883円
2人・集合住宅(300/370/320kWh)1,050円1,665円1,120円3,835円月15立方m/690円4,525円
4人・戸建て(420/520/450kWh)1,470円2,340円1,575円5,385円月22立方m/1,012円6,397円
図8:夏の使用量の山を織り込んだ試算。使用量は当サイトが置いた仮定値で、実額は住まいと使い方で変わります

単身と4人世帯で総額はおよそ2.2倍の開きになります。値引きは基本料金ではなく使用量に効くため、使う量が多い世帯ほど恩恵が大きく、終了時の反動も大きいという非対称があります。使用量が多い家庭ほど、10月のうちに手を打つ価値があります。

なお、値引きの入り口である燃料費調整単価そのものの読み方は、燃料費調整額と再エネ賦課金の読み方で1行ずつ分解しています。契約電流を見直す余地があるかどうかは契約アンペアを下げると電気代はいくら安くなるかで確認できます。

よくある質問

Q. 申し込みや申請は必要ですか。

A. 不要です。契約している電力会社・都市ガス会社が支援事業に参加していれば、毎月の請求に自動で反映されます。値引きのために個人情報や手数料を求められることはありません。

Q. 新電力に契約しています。対象になりますか。

A. 対象になります。経済産業省は、認可が必要な規制料金だけでなく、新電力やガスの新規小売を含む自由料金でも値引きが実施される予定だと公表しています。ただし参加は事業者ごとの判断で、適用期間が異なる場合があります。期間の途中で会社を切り替えると、切替後の適用期間が短くなることがあります。プランごとの向き不向きは電気料金プランの選び方で整理しています。

Q. オール電化の家庭はガスの値引きが無いぶん損ですか。

A. 一概には言えません。オール電化は都市ガスの値引きを受けられませんが、その代わりに電気の使用量が多く、電気側の値引き額が大きくなります。月600kWhなら3か月で6,900円で、都市ガス30立方メートルの世帯が電気400kWhと合わせて受け取る5,980円を上回ります。

出典

  • 経済産業省「2026年7月、8月及び9月使用分の電気・ガス料金支援の実施に伴い、電気・都市ガス料金の値引きを行うことができる特例認可・承認を行いました」2026年6月12日公表
  • 東京電力エナジーパートナー「国による電気・ガス料金支援について」2026年6月12日更新
  • 東京電力エナジーパートナー「燃料費調整単価等一覧」関東エリア・低圧
  • 資源エネルギー庁「電気・ガス料金支援」特設サイト(問い合わせ窓口 0120-013-305)

いずれも2026年8月29日に閲覧して確認しました。金額の試算は当サイトによるもので、実際の請求額は契約プラン・検針日・使用量により異なります。

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この記事を書いた人

省エネ住宅ナビ編集部です。国・自治体の公式情報をもとに、補助金・太陽光・蓄電池・エコキュート・リフォームの「いくらかかる?いくら戻る?」を中立の立場で整理しています。数値・期限は必ず一次情報で確認し、情報基準日を明示する編集方針です。

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