スマートリモコンの電気代は年いくら?【2026年】消費電力はメーカー非公表|元が取れる条件を計算した

スマートリモコンの消費電力は、主要メーカーのどこも製品仕様に書いていません(2026年8月30日確認)。
公表されているのは電源アダプターの出力だけで、5V2A=10Wをそのまま24時間365日で計算すると年2,716円になりますが、これは供給の上限であって実際の消費ではありません。
本体の電気代を取り返すために必要なのは「エアコンの消し忘れを月4〜9時間ぶん防ぐこと」で、本体代9,980円まで含めると電気代では回収できません。

この記事の要点

  • Nature Remo 3の公式スペック表にも、SwitchBot ハブ2の製品仕様にも「消費電力」の欄がありません。載っているのはサイズ・重さ・材質・センサー・通信方式です。
  • SwitchBotは「よくあるご質問」で充電アダプターの出力を公表しています(ハブ2は5V2A、ハブミニは5V1A)。5V2Aは10Wですが、これはアダプターが供給できる上限です。
  • 上限の10Wで24時間365日つけっぱなしにすると年87.6kWh・2,716円。実消費が1Wなら年8.76kWh・272円で、幅は10倍あります。
  • エアコンの冷房を1時間消し忘れると約5.20円(暖房は約7.47円)。本体の年272円を取り返すには年52.3時間=月4.4時間の消し忘れを防ぐ必要があります。
  • 本体代9,980円を冷房の消し忘れだけで回収するには約1,919時間ぶん。1回3時間の消し忘れを週1回防げても12.3年かかります。
  • 赤外線が届く家電しか操作できません。Nature Remo 3の赤外線強度の目安は30畳程度で、コンセント直結の家電はスマートプラグの担当になります。
目次

スマートリモコンの消費電力は、どのメーカーも製品仕様に書いていない

「24時間つけっぱなしにする機器だから、電気代が気になる」というのは自然な疑問です。ところが2026年8月30日に主要2社の公式ページを確認したところ、本体の消費電力を製品仕様に載せているメーカーはありませんでした。掲載されているのは次のような項目です。

製品公式が載せている仕様消費電力の記載
Nature Remo 3対応家電、赤外線強度の目安(30畳程度)、センサー(温度・湿度・照度・人感)、オートメーション(GPS・曜日/時間・温度・照度・人感)、通信、付属品、サイズ70×70×18mm・40g、対応OSなし
SwitchBot ハブ2本体サイズ80×70×23mm、本体重量63g、材質ABS、動作温度、温度測定範囲、湿度測定範囲、相対動作湿度なし
出典:Nature「Nature Remo 3」製品ページ、SwitchBot「SwitchBot ハブ2」製品ページ。いずれも2026年8月30日に確認。

唯一の手がかりは、SwitchBotが「よくあるご質問」のハブ比較表で公開している充電アダプターの出力です。ハブミニが5V1Aまたは5V2A、ハブ2が5V2A、ハブミニ(Matter対応)が5V1Aとされています。Nature Remo 3も付属品欄に「電源アダプター(Micro USB Type-B・2mのケーブルと一体型)」とだけ書かれています。これらはアダプターが供給できる能力であって、本体が実際に使う電力ではありません。この点を混同したまま「10Wだから年2,700円」と書いてしまうと、実態から大きくずれる可能性があります。

そもそも、こうした機器は国の統一省エネラベルの対象外です。経済産業省の省エネ型製品情報サイトの製品カテゴリにもスマートリモコンは含まれていないため、店頭の星の数で比べることも、公表値で機種間を比較することもできません。洗濯乾燥機や浴室暖房乾燥機と同じで、「なぜ比べられないのか」を知っておくことが、まず正確な出発点になります。

上限で計算すると年2,716円、1Wなら年272円|幅は10倍ある

消費電力が分からない以上、断定はできません。そこで取りうる範囲を並べることにします。電気の単価は資源エネルギー庁 省エネポータルが省エネ効果の算定に使っている1kWhあたり31円で統一しました。24時間365日、つまり年8,760時間の連続運転が前提です。

消費電力年間消費電力量年間の電気代(31円/kWh)1か月あたり
0.5W4.38kWh約136円約11円
1W8.76kWh約272円約23円
2W17.52kWh約543円約45円
5W(5V1Aの上限)43.80kWh約1,358円約113円
10W(5V2Aの上限)87.60kWh約2,716円約226円
算出:消費電力(kW)×8,760時間×31円/kWhで省エネ住宅ナビ編集部が計算(2026年8月30日)。5Wと10Wは電源アダプターの出力(5V1A・5V2A)を上限として置いたもので、実際の消費電力ではありません。単価の出典は資源エネルギー庁 省エネポータル。
スマートリモコンの年間電気代(24時間365日・31円/kWh) 0.5W約136円 1W約272円 2W約543円 5W(5V1Aの上限)約1,358円 10W(5V2Aの上限)約2,716円 緑と紺=一般的な常時接続機器の想定域/橙と赤=アダプターの出力上限で置いた場合 バーの長さは100円あたり16.2ピクセル。
図:メーカーが消費電力を公表していないため、値ではなく幅として示した。上限側の2本は電源アダプターの供給能力から置いた仮定値で、実測値ではない。

アダプターの出力を消費電力として引用しない
5V2Aという表示は「このアダプターは最大10Wまで供給できる」という意味で、常時10Wを消費しているわけではありません。スマートフォンの充電器が20Wや30Wでも、充電していないときにその電力を使わないのと同じです。正確な数値が必要な場合は、コンセント型の簡易電力量計(ワットチェッカー)で自宅の個体を実測するのが唯一の方法になります。

ちなみに、家庭で使う電力のうち待機時消費電力が占める割合は、資源エネルギー庁の平成24年度 待機時消費電力調査で1世帯あたり年228kWh、電力使用量4,432kWhに対して5.1%とされています。スマートリモコンはこの待機電力を意図的に増やす代わりに、別の機器の消し忘れを減らす機器だと言えます。差し引きでプラスになるかどうかは、次の節の計算で決まります。

元が取れる条件は「エアコンの消し忘れを月4〜9時間ぶん防ぐこと」

スマートリモコンで最も効くのはエアコンの消し忘れです。資源エネルギー庁 省エネポータルの公表値から1時間あたりの消費電力量を逆算すると、冷房が0.1677kWh、暖房が0.241kWhになります(冷房は「1日1時間短縮で年18.78kWh」を冷房期間112日で割った値、暖房は同様に169日で割った値)。31円で金額に直すと次のとおりです。

運転1時間あたりの消費電力量1時間の消し忘れ3時間の消し忘れ
冷房0.1677kWh約5.20円約15.6円
暖房0.241kWh約7.47円約22.4円
算出:資源エネルギー庁 省エネポータル「無理のない省エネ節約」の算出根拠(冷房期間112日・暖房期間169日・電気31円/kWh)から省エネ住宅ナビ編集部が逆算(2026年8月30日)。実勢の平均的な運転を前提にした値で、機種や部屋の条件で上下します。

ここから、本体の電気代を取り返すのに必要な「防いだ消し忘れの時間」が計算できます。本体の消費電力の仮定ごとに並べると次のようになります。

本体の消費電力年間の電気代必要な冷房の消し忘れ削減(年)1か月あたり
0.5W約136円約26.2時間約2.2時間
1W約272円約52.3時間約4.4時間
2W約543円約104.4時間約8.7時間
5W約1,358円約261.2時間約21.8時間
10W約2,716円約522.3時間約43.5時間
算出:年間電気代を冷房1時間あたり5.20円で割った値(省エネ住宅ナビ編集部・2026年8月30日)。暖房で計算すると必要時間は約7割に縮みます(1Wなら年36.4時間・月3.0時間)。

月4.4時間なら、2時間の消し忘れを月に2回防げば足りるという水準です。外出先からエアコンの状態を確認して切る使い方をしているなら、電気代の面では十分にプラスになると考えられます。一方で5Wや10Wを消費している場合は、月21.8時間や43.5時間の消し忘れを防がなければ元が取れません。だからこそ、自宅の個体の実消費を一度測っておく価値があります

本体代9,980円は電気代では回収できない|買う理由は節約ではない

電気代だけを見れば得になる可能性はありますが、本体代まで含めると話が変わります。Nature Remo 3の公式価格は9,980円(税込)、SwitchBot ハブ2も9,980円(税込・2026年8月30日時点、セール価格を除く)です。この9,980円を冷房の消し忘れの削減だけで回収するには、次の時間が必要になります。

本体代9,980円の回収に必要な消し忘れの削減

  1. 9,980円 ÷ 5.20円/時 = 約1,919時間ぶんの冷房を止める必要があります。
  2. 1回あたり3時間の消し忘れとすると 約640回
  3. 週1回のペース(年52回)で防げたとしても 約12.3年かかります。

算出:省エネ住宅ナビ編集部(2026年8月30日)。本体の消費電力を1Wと置いた場合、その電気代272円/年を差し引くとさらに長くなります。

つまりスマートリモコンは「節約のために買う機器」ではありません。回収年数が本体の想定使用年数を超えている以上、買う理由は利便性、ペットや高齢の家族がいる家での室温管理、外出先から状態を確認できる安心感といった、金額に直せない価値に置くのが正直な整理です。電気代が下がるとしても、それは主目的ではなく副次的な効果だと考えたほうが、買ってから後悔しにくくなります。

短い外出で必ず切る設定にすると、逆に高くつくことがある

Nature Remo 3の公式スペックには、オートメーションの条件としてGPS、曜日・時間、温度、照度、人感が挙げられています。GPSで家を出たらエアコンを切るという設定は代表的な使い方ですが、これは短い外出では損になることがあります。

エアコンは室温を目標まで動かすときに最も電力を使い、そのあとは維持のための小さな出力に落ちます。切って室温が戻ってしまうと、帰宅後にもう一度その立ち上がりを払うことになります。メーカーの実験でも「30分間隔の外出ならつけっぱなしのほうが安く、2時間の外出なら入り切りのほうが安い」という2点は示されていますが、逆転する時刻そのものは測られていません。しかも実験は断熱等級4相当の集合住宅で行われたもので、この境目は住宅の断熱性能で大きく動きます。熱損失に反比例するため、等級6の家なら約57分、等級3以下の家なら約17分が目安になります。

GPS連動は「長い外出だけ」に絞ると効きます
ゴミ出しや近所の買い物で自動的に切れる設定にしていると、消し忘れを防いだつもりが立ち上がりの電力を増やしている可能性があります。GPSの範囲を広めに取る、あるいは時間帯のスケジュールと組み合わせて「30分以上の外出だけ切る」に近い運用にするほうが、数字の上では合理的です。

赤外線が届く家電しか操作できない|スマートプラグとの使い分け

スマートリモコンは、赤外線リモコンの信号を代わりに飛ばす機器です。したがって赤外線リモコンを持たない家電は操作できません。こたつ、電気毛布、加湿器、電気ケトル、扇風機の一部など、本体のスイッチやダイヤルで動かす家電がこれに当たります。こうした機器を外出先から切りたい場合は、コンセントの側で電源を切るスマートプラグの担当になります。

切りたい家電向いている機器理由
エアコン・テレビ・照明(リモコン付き)スマートリモコン赤外線信号をそのまま再現できる
こたつ・電気毛布・加湿器・サーキュレータースマートプラグ赤外線を受けないため、電源そのものを切る必要がある
テレビ周りの待機電力(レコーダー・ゲーム機など)個別スイッチ付きの電源タップ常時通電をまとめて物理的に断てる。通信も電力も要らない
電源を切ると困る機器(冷蔵庫・ルーター・録画予約中の機器)どれも使わない切ると内容が失われたり故障の原因になったりする
整理:省エネ住宅ナビ編集部(2026年8月30日)。スマートプラグや電源タップの選び方は関連記事で詳しく扱っています。

もう一つの制約が設置場所です。Nature Remo 3の公式スペックは赤外線強度の目安を「30畳程度」としています。壁や扉を越えて信号は届かないため、リビングと寝室の両方を操作したいなら基本的に部屋ごとに1台必要になります。2台目を足すと本体代も待機電力も2倍になるので、「まずエアコンのある1部屋だけ」から始めて、効果を測ってから増やすのが無駄のない順番です。

導入前に決めておく3つのこと

  1. 目的を「節約」以外に置けるか。本体代の回収は電気代だけでは10年単位になります。ペットや家族の室温管理、外出先からの確認といった目的があるかを先に確認します。
  2. 切りたい家電が赤外線リモコンを持っているか。持っていないならスマートリモコンではなくスマートプラグや電源タップの出番です。
  3. 実消費を測る手段があるか。メーカーが消費電力を公表していない以上、簡易電力量計で1台目を実測しておくと、2台目を増やすかどうかを数字で判断できます。

よくある質問

スマートリモコンの電気代は結局いくらですか?

メーカーが本体の消費電力を公表していないため、正確な数値は公表値からは出せません。電源アダプターの出力を上限として置くと、5V2A(10W)なら年87.6kWh・約2,716円、5V1A(5W)なら年43.8kWh・約1,358円になります。ただしこれは供給できる上限で、実際の消費はこれより小さいのが普通です。1Wなら年8.76kWh・約272円、月にすると約23円です。正確に知りたい場合はコンセント型の簡易電力量計で実測してください。

スマートリモコンを買うと電気代は下がりますか?

使い方次第です。本体の消費電力を1Wと置くと年272円かかるので、これを取り返すには冷房の消し忘れを年52.3時間(月4.4時間)ぶん防ぐ必要があります。2時間の消し忘れを月2回防げる程度の使い方なら電気代の面ではプラスになります。ただし本体代9,980円まで含めると、冷房の消し忘れだけでは約1,919時間ぶん、週1回・3時間のペースで防いでも約12.3年かかる計算です。節約を主目的にするのは現実的ではありません。

こたつや電気毛布もスマートリモコンで切れますか?

切れません。スマートリモコンは赤外線リモコンの信号を代わりに送る機器なので、赤外線リモコンを持たない家電は対象外です。こたつ、電気毛布、加湿器、本体スイッチだけのサーキュレーターなどは、コンセントの側で電源を切るスマートプラグか、個別スイッチ付きの電源タップが向いています。なお冷蔵庫やルーター、録画予約中の機器は電源を切ると不具合の原因になるため、いずれの機器でも切らないようにしてください。

出典

  • Nature「Nature Remo 3」製品ページ(スペック表・価格9,980円税込/2026年8月30日確認)
  • SwitchBot「SwitchBot ハブ2」製品ページ(製品仕様およびよくあるご質問のハブ比較表・価格9,980円税込/2026年8月30日確認)
  • 資源エネルギー庁 省エネポータル「無理のない省エネ節約」および算出根拠(冷房期間112日・暖房期間169日・電気31円/kWh/2026年8月30日確認)
  • 資源エネルギー庁「平成24年度 待機時消費電力調査」(1世帯あたり年228kWh・電力使用量4,432kWhに対して5.1%)
  • 経済産業省 省エネ型製品情報サイト(製品カテゴリにスマートリモコンは含まれない/2026年8月30日確認)

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この記事を書いた人

省エネ住宅ナビ編集部です。国・自治体の公式情報をもとに、補助金・太陽光・蓄電池・エコキュート・リフォームの「いくらかかる?いくら戻る?」を中立の立場で整理しています。数値・期限は必ず一次情報で確認し、情報基準日を明示する編集方針です。

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