エコキュート交換費用「40〜50万円が57%」は誰の数字か【2026年】販売店実績・一括見積もり平均・国の統計を分ける

エコキュートの貯湯タンクとヒートポンプユニット

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エコキュートの交換費用を調べると「40〜50万円未満が全体の約57%」という数字に行き当たります。ただしこれは全国平均でも国の統計でもなく、ある販売店1社が2023年1〜6月に受注した工事の分布です。母集団が変われば同じ「相場」でも金額は動きます。この記事では、販売店の受注実績・一括見積もりサイトの平均・国の統計という3つの物差しを分けて並べ、自分がどの帯に入るのかを判断できるようにします。

目次

結論|「57%」は全国平均ではなく、販売店1社の2023年上半期の受注分布

交換を考えたら、まず工事費込みの見積もりを取る

直しても使えるか、交換したほうがよいかは、現地を見てもらうと分かります。見積もりを取っただけで契約にはなりません。補助金を使う場合は、その制度の登録事業者かどうかも確かめてください。

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図1/この記事の要点

  • 「40〜50万円未満が約57%」は交換できるくんの2023年1〜6月の販売実績から算出された自社受注の分布(2026年9月2日確認)。
  • 同社は「50〜60万円未満が約26%」「約8割が総額60万円未満」も公表。57%+26%=83%が「約8割」とほぼ一致するため、残る約17%は60万円以上の側にあると読める。
  • 一括見積もりサイトのリショップナビは、同サイト利用者の平均施工費用を44万円としている(更新日2026年8月28日)。目安は本体+工事費で30〜50万円。
  • 国はエコキュートの価格の統計を公表していない。公的に取れるのは出荷台数(日本冷凍空調工業会)と補助額(給湯省エネ2026事業)だけ。
  • 給湯省エネ2026事業の補助は基本額7万円/台、性能加算3万円/台。エコキュートからエコキュートへの交換では撤去加算はつかない。

「相場はいくらか」という問いは、実際には「誰が集めた、どの工事の集まりか」を決めないと答えが定まりません。以下ではまず3つの母集団を横並びにし、そのうえで数字がずれる要因と、自分の見積書をどこに当てはめるかを順に見ていきます。

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3つの母集団を並べる|販売店の受注実績・一括見積もりの平均・国の統計

エコキュートの交換費用として引用される数字は、出どころで性格が大きく異なります。同じ「相場」という言葉でも、次の3つはそもそも数えているものが違います。

図2/3つの物差しの中身(2026年9月2日確認)

物差し数えているもの(母集団)公表されている値集計時期
販売店の受注実績
交換できるくん
同社に注文した顧客の交換工事。本体・リモコン・部材(脚部カバー)・工事費を含む総額40〜50万円未満 約57%/50〜60万円未満 約26%/約8割が60万円未満2023年1〜6月
一括見積もりの平均
リショップナビ
同サイト経由で設置・交換した利用者の施工費用平均施工費用 44万円/目安は本体+工事費で30〜50万円更新日2026年8月28日
国・業界の統計
日本冷凍空調工業会/給湯省エネ2026事業
参加6社の国内出荷台数(新築を含む)/補助対象として登録された製品2026年7月度 46,960台・年度累計 205,773台/補助 基本額7万円・性能加算3万円2026年度(4〜7月)

出典:交換できるくん「エコキュート交換の費用相場」、リショップナビ「エコキュートの本体価格・設置費用の相場」、日本冷凍空調工業会 自主統計、給湯省エネ2026事業(いずれも2026年9月2日確認)。

図3/公表された2階級から、残り17%の位置を割り出す

40〜50万円未満57%50〜60万円未満26%公表外の残り17%57%+26%=83%=同社が言う「約8割が60万円未満」とほぼ一致よって残り約17%は40万円未満ではなく60万円以上の側にあると読める出典:交換できるくん(2023年1〜6月の販売実績)/グラフは公表値からの当サイト作図

公表されているのは2つの階級だけですが、同じページに「約8割が総額60万円未満」という記述があります。57%と26%を足すと83%で、この「約8割」とほぼ重なります。つまり40万円を下回る工事はほとんど数えられておらず、公表されていない残りの約17%は60万円以上の側にあると読むのが自然です。安い階級が見えていないぶん、この分布は実際より「安く」見えやすい構造になっています。

階級の真ん中の値で加重平均を仮に計算すると、45万円×57%+55万円×26%+(60万円以上の階級値を65万円と置いて)65万円×17%で、約51万円になります。一方でリショップナビが示す平均は44万円です。同じ「エコキュートの交換費用の平均」でも、母集団が違うだけで7万円ほど動くことになります。これは給湯省エネ2026事業の基本額7万円/台とほぼ同じ幅で、補助金1台分に相当します。なお65万円という階級値は上限が公表されていないための仮置きで、実際の平均はこれより上にも下にも振れます。

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ここまでの3つの物差しは、いずれも他人の家の集計です。自分の家が40万円台なのか60万円台なのかは、設置場所・基礎工事・搬入経路・電気工事の有無で決まるため、実際に見積もりを取らないと分かりません。お湯が出ない.comは給湯器・エコキュートの交換に対応する施工店へ無料でまとめて依頼でき、総額の内訳を並べて比較できます。

数字がずれる4つの要因|母集団が変わると相場も変わる

販売店の受注実績と一括見積もりの平均が食い違うのは、どちらかが誤っているからではありません。次の4点のどれかが違えば、集計結果は正直にずれます。

図4/同じ「エコキュートの交換費用」でも数字が動く4つの入口

1

集めた場所が違う

販売店の実績はその会社に注文した人だけを数えます。値引きを前面に出す事業者なら分布は安い側へ寄り、地域の工務店中心なら高い側へ寄ります。一括見積もりサイトの平均は、そのサイトに登録している施工店の提示額の集まりです。

2

含まれる工事が違う

交換できるくんの総額は本体・リモコン・部材・工事費までを含みます。一方で、基礎の打ち直し、搬入経路の確保、分電盤や配線の更新、既存機器の処分といった追加工事が入るかどうかは家ごとに違い、集計に入っている保証はありません。

3

集計した時期が違う

交換できるくんの分布は2023年1〜6月の実績です。その後の資材費や工事費の動きは反映されていません。リショップナビ側は2026年8月28日更新の数字で、時点が3年以上離れています。

4

新築か交換かが違う

日本冷凍空調工業会の出荷統計は新築向けを含む出荷台数です。新築時は基礎や配管を最初から組めるため、既築の交換とは費用構造が異なります。台数の統計と費用の統計は同じ土俵に乗りません。

国は「価格」の統計を出していない|公的に取れるのは台数と補助額だけ

「国の相場」を探しても見つからないのは、探し方が悪いからではありません。エコキュートの設置費用について、価格の分布を集計した公的統計は公表されていないためです。公的に確認できるのは次の2種類に限られます。

図5/公的に取れる数字と、取れない数字

取れる① 出荷台数(日本冷凍空調工業会)

2026年7月度の国内出荷は46,960台(前年比92.3%)、2026会計年度の累計は205,773台(前年比104.3%)。自主統計への参加はコロナ・ダイキン工業・長府製作所・パナソニックHVAC&CC・日立グローバルライフソリューションズ・三菱電機の6社です。

4〜7月の4か月で205,773台なので月あたり約5.1万台、半年に直すと約31万台という規模感になります。販売店1社の受注はこの中のごく一部で、件数は公表されていません。

取れる② 補助額(給湯省エネ2026事業)

エコキュートの基本額は7万円/台。2025年度目標基準値+0.2以上の性能値を満たす機種には性能加算3万円/台が上乗せされます。事業全体の予算は570億円で、うち36億円が電気蓄熱暖房機・電気温水器の撤去に充てられます。

これは「いくらかかるか」ではなく「いくら引けるか」の数字です。設置費用そのものの推計ではありません。

取れない 価格の分布

エコキュートの設置・交換費用を全国規模で集計した公的統計は見つかりません。したがって世の中に流通している費用分布は、いずれも民間事業者が自社のデータから作ったものです。引用するときは必ず母集団と集計時期をたどってください。

自分がどの帯に入るかを決める5つの分岐

分布の話を自分の家に落とすには、見積書が上振れする条件をひとつずつ潰していくのが早道です。次の5項目のうち当てはまるものが多いほど、40万円台より上の帯に入りやすくなります。

図6/上の帯に入りやすい条件チェックリスト

  • タンク容量を上げる
    370Lから460L、460Lから550Lへ上げると本体価格が上がります。容量を上げても給湯効率の測定条件は変わらないため、燃費でその差を取り戻せるとは限りません。
  • 高圧タイプ・フルオートを選ぶ
    水圧タイプは高圧のほうが高く、給湯タイプは給湯専用・セミオート・フルオートの順に上がります。現在と同じ給湯タイプから選ぶのが基本です。
  • 基礎工事をやり直す
    既存の基礎が使えず打ち直しになる、置き場所を変える、といったケースでは工事費が積み上がります。見積書の「基礎工事費」の行を必ず確認してください。
  • 搬入経路に制約がある
    狭小地・2階への設置・クレーンや手運びが必要な現場では、追加の人工が入ります。現地調査の前に電話だけで出た金額は、この分を含んでいないことがあります。
  • 電気工事や申請が要る
    電気温水器やガス給湯器からの切り替えでは、分電盤の更新や専用回路の増設、電力会社への申請が必要になる場合があります。これも別建てで積まれます。

出典:交換できるくん「エコキュートの交換で価格差が出るポイント」(快適機能・給湯タイプ・タンク容量・水圧タイプ)を参考に、工事側の要因を加えて当サイトで整理。2026年9月2日確認。

補助金を引いた実質額|エコキュート同士の交換に撤去加算はつかない

費用の帯が決まったら、給湯省エネ2026事業の補助を差し引きます。ここで見落とされやすいのが撤去加算の対象です。加算がつくのは電気蓄熱暖房機と電気温水器の撤去で、エコキュートの撤去は加算の対象になりません。つまり「エコキュートが壊れたのでエコキュートに買い替える」という最も多いケースでは、補助は基本額7万円(性能加算がつけば10万円)で止まります。

図7/総額の帯ごとの実質負担(給湯省エネ2026事業・2026年9月2日確認)

総額の帯基本額7万円のみ性能加算あり10万円電気温水器から交換(+2万円)
40万円33.0万円30.0万円28.0万円
45万円(最多階級の中央)38.0万円35.0万円33.0万円
55万円48.0万円45.0万円43.0万円
65万円58.0万円55.0万円53.0万円

補助額は給湯省エネ2026事業の公表値(基本額7万円/台、性能加算3万円/台、電気温水器の撤去2万円/台)。総額の帯は交換できるくんの階級から当サイトが設定した仮の値で、実際の見積額とは異なります。

⚠ 撤去加算の勘違いに注意

撤去加算は電気蓄熱暖房機が4万円/台(2台まで)、電気温水器が2万円/台(補助を受ける給湯器と同台数まで)です。エコキュートの撤去は加算対象外と公式に明記されています。「最大◯◯万円」という表示を見たときは、その内訳に撤去加算が含まれていないかを確かめてください。

また撤去加算は予算36億円を目途とし、達し次第終了する予定とされています。2026年9月2日0時時点の給湯省エネ2026事業の予算消化率は41%、うち撤去分は20%です。

よくある質問

よく聞かれること先に結論
「40〜50万円が57%」は誰の数字か交換できるくん1社が公表した2023年1〜6月の自社販売実績の分布です。全国平均でも国の統計でもありません。
では自分はいくらを見ればよいか母集団の違う3つを並べて読みます。販売店実績は40〜50万円未満が約57%、一括見積もりサイトの平均施工費用は44万円、国はそもそも価格の統計を出していません。
実額を下げるには何をするか給湯省エネ2026事業の補助(基本額7万円/台、省エネ性能の加算3万円/台)を使い、複数社の見積もりで工事費の差を見ます。エコキュート同士の交換には撤去加算はつきません。

出典:交換できるくん「エコキュート交換の費用相場」、リショップナビ「エコキュートの本体価格・設置費用の相場」、経済産業省「給湯省エネ2026事業」(2026年9月28日確認)

Q. エコキュートの交換費用「40〜50万円が57%」はどこの数字ですか?

A. 交換できるくんが公表している、同社の2023年1〜6月の販売実績にもとづく費用内訳です。本体・リモコン・部材(脚部カバー)・工事費を含む総額の分布で、全国平均や国の統計ではありません。

Q. 国が公表しているエコキュートの費用の相場はありますか?

A. 設置・交換費用の分布を集計した公的統計は公表されていません。公的に確認できるのは日本冷凍空調工業会の国内出荷台数(2026年7月度46,960台、2026年度累計205,773台)と、給湯省エネ2026事業の補助額(基本額7万円/台、性能加算3万円/台)です。

Q. 一括見積もりサイトの平均44万円と、販売店の分布はどちらが正しいですか?

A. どちらも母集団が違うだけで、どちらかが誤っているわけではありません。リショップナビの44万円は同サイト利用者の平均施工費用、交換できるくんの分布は同社の受注実績です。集計時期も2026年8月更新と2023年上半期で3年以上離れています。

Q. エコキュートからエコキュートへ交換する場合、補助金はいくらですか?

A. 給湯省エネ2026事業の基本額7万円/台です。2025年度目標基準値+0.2以上の性能値を満たす機種なら性能加算3万円/台が加わり10万円になります。撤去加算はエコキュートの撤去には適用されません。

Q. 「約8割が60万円未満」なら、60万円を超えることは少ないのですか?

A. 公表されている57%と26%を足すと83%で、「約8割」とほぼ一致します。この読み方に立つと、公表外の残り約17%は60万円以上の側にあることになり、およそ6件に1件は60万円を超えている計算です。少なくない割合だと考えたほうが安全です。

Q. 見積もりは何社取ればよいですか?

A. 1社だけだと自分がどの帯にいるかを判断できません。総額だけでなく、基礎工事費・配管工事費・電気工事費・既存機器の処分費が内訳に立っているかを見比べられるだけの社数を取ることをおすすめします。

出典・参考

いずれも2026年9月2日確認。金額・割合は各出典の公表値であり、実際の見積額を保証するものではありません。

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この記事を書いた人

省エネ住宅ナビ編集部です。国・自治体の公式情報をもとに、補助金・太陽光・蓄電池・エコキュート・リフォームの「いくらかかる?いくら戻る?」を中立の立場で整理しています。数値・期限は必ず一次情報で確認し、情報基準日を明示する編集方針です。

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