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給湯省エネ2026事業のエコキュート補助は、基本額7万円に「性能加算」3万円が上乗せされる仕組みです。ただしこの3万円は、高効率をうたう機種なら自動的に付くものではありません。条件はその製品が属する区分の2025年度目標基準値に0.2を足した値以上の効率を持つこと。基準値は貯湯容量と地域で3.0〜3.5とばらついているため、「JIS効率4.0だから当然もらえる」とは限らず、逆に「3.3しかないから無理」でもありません。
この記事では、給湯省エネ2026事業の公式ページに載っている区分表をそのまま読み解き、区分ごとに必要な効率を一覧にしました。あわせて「JIS効率0.2の差は電気代でいくらになるのか」を、資源エネルギー庁の省エネ性能カタログが示す算定式から逆算しています。加算3万円と電気代の差額を足したとき、本体価格差がいくらまでなら回収できるのか、という判断基準まで数字で示します。
結論|性能加算3万円の条件は「区分+0.2」と「昼シフト機能」の2つ
図1:この記事の要点(2026年8月21日 公式サイトで確認)
- 補助額は基本7万円/台+性能加算3万円/台。撤去加算は電気温水器2万円・電気蓄熱暖房機4万円(2台まで)で、エコキュートからエコキュートへの入れ替えでは撤去加算は付かない。
- 性能加算の条件は「基本要件の機種よりCO2排出量が5%以上少なく、2025年度目標基準値+0.2以上」。基準値は区分ごとに3.0〜3.5(一般地)。
- 基本要件そのものにもインターネット接続と天気予報連動の昼間沸き上げシフト機能(またはおひさまエコキュート)が入っている。効率だけ高くても通信機能がなければ基本7万円すら対象外。
- JIS効率0.2の差は電気代で年約2,300〜3,100円(一般地・標準世帯・31円/kWh・当サイト試算)。
- 加算3万円+電気代差を合わせると、本体価格差が約5.3万〜7.4万円以内なら高効率機のほうが得という計算になる。
以下、順番に根拠を示していきます。制度の数字はすべて給湯省エネ2026事業の公式サイト(2026年8月21日確認)、効率と電気使用量の関係は資源エネルギー庁の省エネ性能カタログに基づいています。
補助額の積み上げ方|7万円・3万円・撤去加算の3層に分けて考える
給湯省エネ2026事業の補助額は、①基本額 ②性能加算額 ③撤去加算額 の合計で決まります。②や③を満たさない場合は①だけの補助になります。エコキュートの場合の内訳は次のとおりです。
| 区分 | 内容 | 金額 | 上限・注意点 |
|---|---|---|---|
| ①基本額 | エコキュート(性能要件を満たす登録製品) | 7万円/台 | 戸建は2台まで/共同住宅等は1台まで |
| ②性能加算 | 区分の目標基準値+0.2以上、かつCO2排出量5%以上減 | 3万円/台 | 基本要件を満たしたうえでの上乗せ |
| ③撤去加算 | 電気温水器の撤去 | 2万円/台 | ①で補助を受ける台数まで |
| ③撤去加算 | 電気蓄熱暖房機の撤去 | 4万円/台 | 2台まで/予算36億円を目途に終了予定 |
ここで見落とされやすいのが③の対象範囲です。公式サイトは「エコキュートの撤去は加算対象となりません」と明記しています。つまり、いま使っているエコキュートが寿命を迎えての入れ替えでは、①+②の最大10万円が上限になります。撤去加算が乗るのは、電気温水器や電気蓄熱暖房機からの置き換えのときだけです。
また撤去加算はリフォーム工事で2025年11月28日以降に撤去したものに限られ、高効率給湯器の交付申請と同時に申請する必要があります。あとから思い出して単独で申請することはできません。
区分別の必要効率一覧|あなたの機種は「いくつ」を超えればいいのか
性能加算の条件である「2025年度目標基準値+0.2」の基準値は、想定世帯・貯湯缶数・貯湯容量・一般地/寒冷地の組み合わせでA〜Jの10区分に分かれています。公式サイトの区分表に、加算に必要な効率(基準値+0.2)を当サイトで書き加えたものが次の表です。
| 区分 | 想定世帯 | 貯湯缶数 | 貯湯容量 | 仕様 | 2025年度目標基準値 | 加算に必要な効率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| A | 少人数 | — | — | 一般地 | 3.0 | 3.2以上 |
| B | 少人数 | — | — | 寒冷地 | 2.7 | 2.9以上 |
| C | 標準 | 一缶 | 320L未満 | 一般地 | 3.1 | 3.3以上 |
| D | 標準 | 一缶 | 320L未満 | 寒冷地 | 2.7 | 2.9以上 |
| E | 標準 | 一缶 | 320L以上550L未満 | 一般地 | 3.5 | 3.7以上 |
| F | 標準 | 一缶 | 320L以上550L未満 | 寒冷地 | 2.9 | 3.1以上 |
| G | 標準 | 一缶 | 550L以上 | 一般地 | 3.2 | 3.4以上 |
| H | 標準 | 一缶 | 550L以上 | 寒冷地 | 2.7 | 2.9以上 |
| I | 標準 | 多缶 | — | 一般地 | 3.0 | 3.2以上 |
| J | 標準 | 多缶 | — | 寒冷地 | 2.7 | 2.9以上 |
4人家族でよく選ばれる370L・460Lクラスは、一缶式・320L以上550L未満なので区分Eにあたります。基準値が10区分の中でもっとも高い3.5なので、加算をねらうなら3.7以上が必要です。一方、単身・2人世帯向けのコンパクトタイプ(区分A)は3.2以上、550L以上の大容量(区分G)は3.4以上と、必要な水準はかなり違います。カタログの効率だけを見て比べても答えは出ません。
この「+0.2」という数字は、公式に併記されているもう一つの条件「CO2排出量が5%以上少ない」と表裏一体です。効率が上がればその逆数だけ消費電力量が減るので、CO2削減率は「1−基準値÷加算ライン」で計算できます。基準値がもっとも高い区分E(3.5→3.7)で5.41%、もっとも低い2.7の区分(2.7→2.9)で6.90%。つまりどの区分でも+0.2は5%の要件をぎりぎり上回るように設計されていることが確認できます。区分ごとに加算幅を変えなくても済むよう、一律0.2で足りる水準が選ばれているわけです。
なお、加算以前の話として基本要件そのものが効率だけではない点に注意してください。公式の性能要件は「2025年度目標基準値以上の性能を備え、インターネットに接続可能で、翌日の天気予報や日射量予報に連動して昼間の時間帯に沸き上げをシフトする機能を持つもの、またはおひさまエコキュート」です。型落ちの高効率機を安く見つけても、この通信機能がなければ7万円すら対象外になります。一部の機種は台所リモコンや無線LANアダプターを追加設置することで要件を満たせるので、見積もり時に販売店へ確認しましょう。
ここまでの条件をすべて自力で確認するのは大変です。給湯省エネ2026事業では登録事業者しか申請できないため、補助金の申請に慣れた業者を複数比較するのが結局いちばん早い方法になります。一括見積もりサービスを使えば、対象機種かどうかと工事費込みの総額を同じ土俵で並べられます。
給湯器の一括見積もりサービスは、住んでいる地域と設置状況を入力すると、給湯省エネ2026事業の登録事業者を含む複数の施工店から見積もりを取り寄せられる無料の窓口です。加算対象機種かどうか、通信機能の要件を満たすかどうかを含めて各社に同じ条件で聞けるので、比較の土台がそろいます。相談だけでも利用でき、その場で契約する必要はありません。
JIS効率0.2の差は電気代でいくらか|公表値から逆算した手順
「効率が0.2高い」と言われても、それが年間いくらの違いになるのかが分からなければ判断できません。ここは各社のカタログもほとんど触れていない部分なので、公表されている数字だけを使って逆算します。
図3:効率0.2の差を電気代に直す4ステップ
同じ手順を一般地・標準世帯の4区分について計算したのが次の表です。基準値が低い区分ほど、同じ+0.2でも消費電力量の減り方が大きくなります(同じ熱量をより効率の悪い機械で作るほど、改善の絶対量が大きくなるためです)。
| 区分 | 基準値の機種 | 加算対象の機種 | 年間消費電力量の差 | 年間の電気代差 |
|---|---|---|---|---|
| C(320L未満) | 3.1/約1,568kWh | 3.3/約1,473kWh | 約95kWh | 約2,950円 |
| E(320〜550L) | 3.5/約1,389kWh | 3.7/約1,314kWh | 約75kWh | 約2,330円 |
| G(550L以上) | 3.2/約1,519kWh | 3.4/約1,430kWh | 約89kWh | 約2,770円 |
| I(多缶式) | 3.0/約1,620kWh | 3.2/約1,519kWh | 約101kWh | 約3,140円 |
もう一段上のクラスと比べるとどうなるでしょうか。パナソニックはHE-JPU37NQSで年間給湯保温効率(JIS)4.0を公表しています(ふろ熱回収機能を用いて測定した値)。区分Eの基準ぎりぎりである3.5の機種と比べると、年間消費電力量は1,389kWhと1,215kWhで約174kWhの差。31円/kWhなら年約5,400円、寿命の目安である15年なら累計で約8万円の差になります。
統一省エネラベルの「目安電気料金」は23円/kWh前提|31円で引き直すと
店頭やカタログで見る統一省エネラベルには「この製品を1年間使用した場合の目安電気料金」が円で書かれています。ただしこの金額に使われている単価は、省エネ性能カタログによれば一般地で23円/kWh、寒冷地で20円/kWhです。現在の目安単価31円/kWhとは開きがあります。
図4-a:ラベルの表示(23円/kWh前提)
効率3.5・年間1,389kWh
1,389kWh × 23円 = 約31,900円/年
省エネ性能カタログのラベル例に記載された金額と一致します。
図4-b:31円/kWhで引き直すと
効率3.5・年間1,389kWh
1,389kWh × 31円 = 約43,100円/年
差は年約11,100円。ラベルの円表示をそのまま家計に当てはめると、1年で1万円以上ずれる計算になります。
ラベルの数字が間違っているわけではありません。単価の前提が違うだけです。ただし比較のときには影響が出ます。単価が上がるほど、効率差から生まれる金額差も同じ比率で大きくなるからです。23円で計算すると効率0.2差は年約1,730円ですが、31円なら約2,330円。電気料金が今後さらに上がるなら、高効率機の相対的な有利さは増していきます。
逆に言えば、太陽光の自家消費が中心で買電単価が実質的に低い家庭では、効率差の金額メリットは小さくなります。その場合は「おひさまエコキュート」という別の選択肢が視野に入ります。おひさまエコキュートは2025年度の目標基準値を満たしていないものも基本額7万円の対象になる、という例外が公式に設けられています。
効率グレードの価格差が妥当かどうかは、同じ条件で複数社の総額を並べないと判断できません。一括見積もりサービスなら、機種名・工事費・補助金の見込み額まで含めた見積もりを短期間で集められます。1社だけの提案では「その価格差が普通なのか」を確かめる物差しがないため、最低でも2〜3社は比べておきたいところです。
本体価格差はいくらまで許容できるか|損益分岐の早見表
ここまでの数字を組み合わせると、判断基準は1本の式にまとまります。許容できる価格差=性能加算3万円+(年間の電気代差×使い続ける年数)。エコキュートの寿命は一般に10〜15年とされるので、その範囲で計算したものが次の表です。
| 区分 | 年間の電気代差 | 10年使う場合 | 13年使う場合 | 15年使う場合 |
|---|---|---|---|---|
| C(320L未満) | 約2,950円 | 約5.9万円 | 約6.8万円 | 約7.4万円 |
| E(320〜550L) | 約2,330円 | 約5.3万円 | 約6.0万円 | 約6.5万円 |
| G(550L以上) | 約2,770円 | 約5.8万円 | 約6.6万円 | 約7.2万円 |
| I(多缶式) | 約3,140円 | 約6.1万円 | 約7.1万円 | 約7.7万円 |
読み方はシンプルです。見積もりに出てきた2機種の総額の差が、この金額より小さければ高効率のほうが得。大きければ基準値ぎりぎりの機種で十分ということになります。実際の見積もりでは、加算対象機種のほうが総額で3万〜5万円高いという提示が多く見られます。この範囲であれば、補助金3万円だけでほぼ相殺され、電気代の差はそのまま手元に残る計算です。
逆に、価格差が10万円を超えるような提示だった場合は、効率以外の付加機能(マイクロバブル、ミスト、床暖房対応など)の代金が混ざっている可能性があります。その部分は補助金でも電気代でも回収できないので、必要かどうかを分けて考えてください。
効率を満たしても落ちるパターン|手続き面の対象外6つ
補助金の対象外は「性能で落ちる」ケースと「手続きで落ちる」ケースの2層に分かれます。ここまで扱ってきたのは性能の層です。手続きの層は公式サイトに散らばって書かれているため、まとめて確認しておきましょう。
⚠ 図5:性能を満たしていても対象外になる6パターン
- 施主支給・材工分離:工事発注者が自分で機器を買い、取り付けだけ業者に頼む形は対象外。
- 給湯省エネ2025事業で補助を受けた事業:同じ事業での二重取りはできません。
- J−クレジット制度への参加意思表明がない:意思表明を行う事業に限られます。
- 買取再販事業者による申請:既存住宅購入タイプでも買取再販事業者は対象外です。
- 工事前・工事後写真の撮り忘れ:交付申請時に提出が必要。追加部品で要件を満たす場合は追加部品写真も必要です。
- 指名停止措置の対象事業者との契約:2025年12月2日付の措置により、対象事業者と契約すると補助対象にならない場合があります。
出典:給湯省エネ2026事業 公式サイト(2026年8月21日確認)。最新の取り扱いは必ず公式サイトでご確認ください。
期限にも注意が必要です。交付申請は予算上限に達するまで(遅くとも2026年12月31日まで)、交付申請の予約は遅くとも2026年11月16日まで。予算は570億円(令和7年度補正予算)で、うち36億円が撤去加算分に充てられる予定とされています。撤去加算は「予算額36億円を目途に実施し、予算額に達し次第、終了を予定」と明記されているため、撤去加算をあてにする場合は早めの着手が安全です。
よくある質問
エコキュートの性能加算3万円は、効率がいくつあればもらえますか?
製品が属する区分の2025年度目標基準値に0.2を足した値以上です。一般地なら区分A(少人数)と区分I(多缶)が3.2以上、区分C(320L未満)が3.3以上、区分G(550L以上)が3.4以上、区分E(320〜550L)が3.7以上。寒冷地は2.9以上で、区分F(320〜550L)のみ3.1以上です。貯湯容量と貯湯缶数で必要な水準が変わるため、効率の数値だけでは判定できません。
いまのエコキュートを新しいエコキュートに買い替える場合、撤去加算はもらえますか?
もらえません。給湯省エネ2026事業の公式サイトは「エコキュートの撤去は加算対象となりません」と明記しています。撤去加算の対象は電気温水器(2万円/台)と電気蓄熱暖房機(4万円/台・2台まで)の撤去です。エコキュート同士の入れ替えでは、基本額7万円+性能加算3万円の最大10万円が上限になります。
高効率機は本体も高くなりますが、価格差はいくらまでなら得ですか?
性能加算3万円と電気代の差額を足した金額が目安です。区分E(320〜550L・一般地)で15年使う前提なら約6.5万円、区分C(320L未満)なら約7.4万円が損益分岐点になります(31円/kWhで当サイト試算)。これを超える価格差が提示されている場合は、効率以外の付加機能の代金が含まれていないかを確認してください。
効率が基準を満たしていれば必ず補助の対象になりますか?
なりません。基本の性能要件には、インターネットに接続でき、翌日の天気予報や日射量予報に連動して昼間の時間帯に沸き上げをシフトする機能を持つこと(またはおひさまエコキュートであること)が含まれています。効率が高くても、この機能がない機種は基本額7万円の対象外です。一部の機種は台所リモコンまたは無線LANアダプターの追加設置により要件を満たせます。
申請の期限はいつまでですか?
交付申請は受付開始から予算上限に達するまでで、遅くとも2026年12月31日まで。交付申請の予約は遅くとも2026年11月16日までです。いずれも締切は予算上限に応じて公表されるとされており、予算の消化が早ければ前倒しで終了します。対象となる着工は2025年11月28日以降で、交付申請の受付は2026年3月31日から始まっています。
出典
- 給湯省エネ2026事業 公式サイト「事業概要」(経済産業省・資源エネルギー庁)2026年8月21日確認
- 給湯省エネ2026事業 公式サイト「対象機器の詳細(エコキュート)」区分表・性能加算要件 2026年8月21日確認
- 資源エネルギー庁 省エネ性能カタログ「エコキュート」(省エネ型製品情報サイト)年間給湯保温効率の算定式・統一省エネラベルの目安電気料金と電気料金単価
- パナソニック ハウジングソリューションズ「エコキュート 省エネ性」HE-JPU37NQSの年間給湯保温効率(JIS)4.0
- 日立グローバルライフソリューションズ「年間給湯保温効率(JIS)について」算定式の定義
- 全国家庭電気製品公正取引協議会 新電力料金目安単価 31円/kWh(税込)
本記事の試算はいずれも公表値からの逆算であり、実際の電気使用量は世帯人数・地域・運転モード・入浴パターンによって変わります。補助金の要件と締切は変更される場合があるため、契約前に必ず公式サイトと施工業者にご確認ください。
最後に、実際の金額を確かめる手順です。この記事の早見表は公表値からの試算なので、あなたの家の設置条件(据付スペース、電源、既存機器の種類)で総額がどう変わるかは見積もりでしか分かりません。無料の一括見積もりサービスで複数社の提示を集め、この記事の損益分岐額と突き合わせてみてください。
