太陽光がある家の電力会社の選び方【2026年】夜の単価で選ぶ|売電24円→8.3円時代の自家消費と基本料金0円型の損得

太陽光パネルのある住宅と「太陽光がある家は夜の単価で電力会社を選ぶ」の見出し

結論から言うと、太陽光発電がある家は「昼の単価」ではなく「夜と雨の日の単価」で電力会社を選ぶのが正解です。昼は自家消費で買う電気が少なく、買うのは主に夜だからです。2026年度の売電価格は最初の4年が24円/kWh、5年目以降は8.3円/kWh。買う電気は東京電力エリアで約30〜40円/kWhなので、「売るより使う」ほうが得な構造は変わりません。

情報基準日: 2026-09-03

設備の有無で結論が入れ替わる全体像は電力会社の選び方 2026|省エネ設備・世帯・地域で選ぶ乗り換え完全ガイドにまとめています。この記事は太陽光がある家の「夜の単価」に絞って掘り下げます。

この記事の要点

  • 太陽光あり世帯は、買う電気の7〜8割が夜間と天候不良日に集中する。比較するのは「夜の実効単価」
  • 2026年度FIT(10kW未満)は初期4年24円→5年目以降8.3円。卒FIT後の売電は8〜9円台が中心で、自家消費を増やすほど得
  • 太陽光のみ/蓄電池あり/EV・オール電化の3タイプで「向くプランの型」が違う
  • 市場連動型プランは昼の価格が下がりやすい半面、夕方〜夜に高騰しやすく、太陽光あり世帯とは相性に注意
  • 燃料費調整額・再エネ賦課金(2026年度4.18円/kWh)はどの会社でも原則かかる。比較は基本料金+従量単価
目次

太陽光がある家は「普通の電力会社ランキング」が当てにならない

電力会社の比較記事の多くは「月300kWh使う4人家族」のような平均的な世帯を前提に年額を試算しています。ところが太陽光発電がある家では、晴れた日の日中は発電した電気を自家消費し、電力会社から買う電気は朝夕と夜、そして雨や曇りの日に集中します。住宅用太陽光の自家消費率は3割前後が一般的で、蓄電池を併設すると5〜7割まで上がります。

つまり、同じ「月300kWh」でも、太陽光あり世帯が電力会社から買う電気は時間帯が偏っています。日中の単価が安いプランを選んでも恩恵はほとんどなく、逆に夜間単価が高いプランを選ぶと、ランキング上位の会社でも損をすることがあります。比較の軸を「夜の単価」に置き換えるだけで、選ぶべき会社が変わります。

図1|太陽光あり世帯が電力会社から買う電気の内訳(イメージ)

昼(買電 約2〜3割)朝夕・夜・雨天(買電 約7〜8割)※自家消費率3割前後の太陽光のみ世帯の目安。蓄電池併設で夜の買電はさらに減る出典: 資源エネルギー庁「調達価格等算定委員会」資料の自家消費比率の前提(30%)をもとに編集部作成

2026年の数字で見る「買う電気」と「売る電気」の単価差

比較の前提となる2026年の単価を整理します。東京電力エナジーパートナーの従量電灯B(規制料金)は、30Aの基本料金が935.25円、電力量料金は120kWhまで29.80円、120〜300kWhが36.40円、300kWh超が40.49円(いずれも税込・燃料費調整額と再エネ賦課金は別)。東京ガスの電気「基本プラン」は同じ段階で29.70円・35.69円・39.50円です。

一方、売る側の単価は下がります。2026年度のFIT(10kW未満・住宅用)は初期投資支援スキームが導入され、最初の4年間は24円/kWh、5年目以降は8.3円/kWhという2段階になりました。FIT期間(10年)が終わった卒FIT後の買取は、各社おおむね8〜9円台です。買う電気が30〜40円、売る電気が長期的には8円台という差がある以上、発電した電気は売るより自分で使うほうが3〜4倍得という構造は動きません。

図2|買う単価と売る単価の比較(2026年・円/kWh・税込)

東電 従量電灯B 300kWh超40.49東電 従量電灯B 〜120kWh29.80東京ガス 基本プラン 〜120kWh29.70売電 FIT2026 初期4年24.0売電 FIT2026 5年目以降8.3卒FIT後の買取(目安)8〜9出典: 東京電力EP・東京ガス公式料金表(2026年5月時点)/資源エネルギー庁 FIT・FIP制度 買取価格(2026年度)。燃料費調整額・再エネ賦課金4.18円は含まない
注意 燃料費調整額と再エネ賦課金(2026年度は4.18円/kWh・2026年5月検針分から)は、どの電力会社と契約しても原則同じように上乗せされます。会社ごとの差が出るのは「基本料金」と「電力量料金の単価設計」です。比較はこの2つに絞ると迷いません。

タイプ別|太陽光あり世帯が向く電力プランの型

太陽光あり世帯といっても、蓄電池やEV、給湯器の種類で「いつ電気を買うか」が違います。3つのタイプに分けて、向くプランの型を整理します。

タイプ買う電気の特徴向くプランの型避けたい型
① 太陽光のみ夜と雨天日に集中。月の買電は150〜250kWh程度基本料金が低く、従量単価が段階なしで一定のプラン。使用量が少ないので基本料金0円型も候補夜間単価が高い時間帯別プラン/昼だけ安い市場連動型
② 太陽光+蓄電池夜も蓄電池でまかない、買うのは冬と長雨の時期。月の買電は100kWh前後まで下がる家も基本料金0円型が最も効きやすい。従量単価がやや高くても総額で有利基本料金が高い大手の規制料金をそのまま継続
③ 太陽光+EV/オール電化深夜にEV充電・エコキュート沸き上げでまとまった量を買う。月400kWh超も夜間単価が安い時間帯別プラン(オール電化向け)。深夜に充電をずらせるか、が決め手一律単価の基本料金0円型(夜の量が多いと割高)

出典と取得日: 各社の公式料金表・国の公表資料(2026-09-03取得)。料金は改定される場合があります。

① 太陽光のみの家: 基本料金の安さで選ぶ

蓄電池がない家は夜に買う電気を減らせないため、使用量は中程度で安定します。ポイントは基本料金です。買う量が少ないほど、固定でかかる基本料金の割合が大きくなります。基本料金0円で従量単価が一律のプランは、月の買電が200kWh前後なら大手の規制料金より安くなることが多い一方、単価そのものは高めに設定されているため、冬に買電が増える家は年間で試算してから決めてください。

② 太陽光+蓄電池の家: 基本料金0円型が最も効く

蓄電池で夜をまかなえる家は、買う電気が季節でぶれます。晴れが続く春秋はほとんど買わず、冬と梅雨に買う、という形です。この使い方では「使った分だけ払う」基本料金0円型の恩恵が最大になります。逆に、大手の規制料金のまま契約していると、ほとんど電気を買わない月にも基本料金だけを払い続けることになります。

③ EV・オール電化の家: 夜間単価で選ぶ

EV充電やエコキュートの沸き上げは深夜に集中します。この場合は「夜が安い時間帯別プラン」が有利で、太陽光の余剰を昼に使い切り、夜の大口需要は安い時間帯に寄せる、という二段構えになります。注意点は、時間帯別プランは昼の単価が高いことです。雨の日の昼に在宅で電気を多く使う家は、その分が割高になるため、平日の在宅時間も含めて判断してください。

プランを見るときの5つのチェック

1

基本料金はいくらか

太陽光あり世帯は買電が少ない。基本料金が月1,000円近いプランは、それだけで年12,000円の固定費

2

夜(または一律)の従量単価はいくらか

昼の安さは自家消費で使えない。夜と雨天日の単価を大手規制料金の第2段階(東電なら36.40円)と比べる

3

市場連動型か、固定単価か

市場連動型は日中の卸価格が下がる日は安いが、夕方〜夜は高騰しやすい。太陽光あり世帯は昼の安さを享受しにくい

4

燃料費調整額に上限があるか

規制料金(従量電灯)は上限あり、自由料金は上限なしが基本。燃料高騰時の差になる

5

解約金・契約期間・セット割

解約金0円なら試しやすい。ガスやスマホとのセット割は割引額と「加入条件のオプション料金」を差し引きで見る

乗り換えの手順と、太陽光あり世帯だけの注意点

図5|電力会社の乗り換え手順(工事・停電なし)

1検針票で「供給地点特定番号」と契約者名を確認
2新しい電力会社のWebで申し込み(旧会社への解約連絡は不要)
3スマートメーター未設置なら無料で交換(原則停電なし)
4次の検針日から新会社に切替(申込から2〜4週間)

手順自体は太陽光がない家と同じで、工事も停電も原則ありません。太陽光あり世帯で追加で確認したいのは次の2点です。1つ目は売電先の扱い。買う電気の会社を変えても、FIT期間中の売電契約は原則そのまま続きます(卒FIT後は買取先を自由に選べ、買う会社と同じにするとポイントや単価の優遇がある場合があります)。2つ目はスマートメーターの有無。太陽光を設置している家はすでに双方向計量のスマートメーターが入っていることが多く、切替はさらにスムーズです。

注意 「必ず安くなる」と断言するプランはありません。同じ家でも、冬の買電量や在宅時間で最適解が変わります。各社の公式シミュレーションに検針票12か月分の実績(できれば時間帯別)を入れて比べてください。本記事の単価は2026年9月時点の公式料金表に基づき、改定される場合があります。

よくある質問

太陽光があると新電力に乗り換えられないことはありますか?

ほとんどの会社で乗り換えできます。ただし一部のプランは「太陽光・蓄電池設置世帯は対象外」や「売電契約者は専用プランのみ」としている場合があるため、申込前に対象条件を確認してください。

売電している電気も、乗り換え先の会社に売る必要がありますか?

FIT期間中は現在の売電契約が続き、買う会社と売る会社は別で構いません。卒FIT後は買取先を自由に選べるため、買う会社と同じにして優遇を受けるか、買取単価が高い会社に売るかを比べて決めます。

蓄電池があれば基本料金0円プラン一択ですか?

買電が少ない家ほど有利ですが、一律単価が大手の第3段階(40円前後)に近い場合、冬に買電が増える家では総額が逆転することがあります。月ごとの買電量で年間試算をしてから判断してください。

出典

出典はいずれも2026-09-03に取得した内容にもとづきます。情報基準日: 2026年9月3日。料金・制度は改定される場合があります。各社の最新の公式情報をご確認ください。

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この記事を書いた人

省エネ住宅ナビ編集部です。国・自治体の公式情報をもとに、補助金・太陽光・蓄電池・エコキュート・リフォームの「いくらかかる?いくら戻る?」を中立の立場で整理しています。数値・期限は必ず一次情報で確認し、情報基準日を明示する編集方針です。

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