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札幌市の住宅向け省エネ補助は「住宅エコリフォーム補助制度(上限50万円)」と「再エネ省エネ機器導入補助金制度(太陽光と蓄電池で最大20万3千円)」の2本柱です。
エコリフォームの第2回受付は2026年9月4日から9月17日までの14日間だけで、第1回は受付延長の最終期限(8月28日)より64日早い6月25日に締め切られました。
一方、機器のほうは第1回で抽選が行われず全件受理となっており、同じ市の制度でも混み具合は正反対です。
この記事の要点
- 住宅エコリフォーム補助制度=上限50万円。金額は「工事項目ごとの定額の合計」と「総工事費(税抜)の10パーセント」の少ない方。
- 第2回の受付は2026年9月4日(金)から9月17日(木)の郵送必着。抽選予定日は9月30日。
- 再エネ省エネ機器導入補助金=太陽光2万円/kW(上限13万9千円)+蓄電池1万6千円/kWh(上限6万4千円)。第2回募集は9月1日から11月4日。
- リースやPPAで入れる場合は別制度(先着順・2027年1月29日まで)で、購入の制度とは申込ルールが違う。
- 国のみらいエコ住宅2026事業や先進的窓リノベ2026事業とは、同じ工事箇所での併用はできない。
- 本記事の金額・期間は2026年8月20日に札幌市の公式ページとパンフレットで確認したものです。
札幌市の住宅向け補助は3制度|まず自分がどれに当たるかを決める
札幌市が2026年度(令和8年度)に実施している住宅向けの省エネ・再エネ補助は、窓口も担当課も違う3つの制度に分かれています。「札幌市 補助金」で調べても1ページにまとまっていないため、まずどれが自分の工事に当たるのかを決めるところから始めると迷いません。判断の軸は工事なのか機器なのか、機器なら購入なのかリース・PPAなのかの2つだけです。
| 制度名 | 対象 | 補助額の上限 | 受付方式 | 2026年度の受付期間 |
|---|---|---|---|---|
| 札幌市住宅エコリフォーム補助制度 | 省エネ改修・バリアフリー改修の工事 | 50万円/申請者 | 受付回ごと。申請額が予定額を超えたら抽選 | 第1回 5月22日〜6月4日(終了)/第2回 9月4日〜9月17日 |
| 再エネ省エネ機器導入補助金制度 | 太陽光・蓄電池・エネファーム・地中熱ヒートポンプ・ペレットストーブの購入設置 | 合計20万3千円(太陽光13万9千円+蓄電池6万4千円)ほか | 募集回ごと。応募額が予算額を超えた場合のみ抽選 | 第1回 5月7日〜7月8日(終了)/第2回 9月1日〜11月4日 |
| 住宅用太陽光発電設備導入(リース・PPA)補助金制度 | リースやPPAで導入する太陽光・蓄電池 | 太陽光13万9千円+蓄電池6万4千円 | 先着順。予算額に達した日で終了 | 2026年4月16日〜2027年1月29日 |
ここで見落としやすいのが3つ目のリース・PPA版です。申請するのはリース事業者で、補助金は事業者を通じて市民に還元される仕組みのため、自分で申し込む制度ではありません。逆に、ローンや一括で購入する場合はリース・PPA版ではなく再エネ省エネ機器導入補助金のほうを使います。この2つは補助単価が同じ(太陽光2万円/kW・蓄電池1万6千円/kWh)なので、金額だけを見て取り違えやすい点に注意してください。
住宅エコリフォーム補助制度|第2回は9月4日から17日までの14日間だけ
札幌市住宅エコリフォーム補助制度は、札幌市内に主たる営業所がある建設業許可事業者が請け負う省エネ改修・バリアフリー改修に対して、工事項目ごとに定額を積み上げて補助する制度です。市外の業者に頼むと、工事内容が基準を満たしていても対象外になります。契約日は令和8年(2026年)4月1日以降、工事の完了は2027年1月31日まで、完了報告の最終提出期限は2027年3月1日です。
省エネ側の主な工事項目と補助金額は次のとおりです(バリアフリー側を含めると全17項目あります)。
| 工事項目 | 補助金額 | 主な基準 |
|---|---|---|
| 窓の交換または増設(外寸面積0.2平方メートル以上1.6平方メートル未満) | 7,000円/か所 | 熱貫流率1.90W/(平方メートル・K)以下。サッシ枠とガラスを合わせた性能で判定。ガラス交換のみは対象外 |
| 同(1.6平方メートル以上2.8平方メートル未満) | 13,000円/か所 | |
| 同(2.8平方メートル以上) | 20,000円/か所 | |
| 玄関扉の交換(外寸面積1.6平方メートル以上) | 45,000円/か所 | |
| 床全体の断熱改修 | 50,000円/戸 | 熱抵抗値3.3(平方メートル・K)/W以上 |
| 屋根または天井全体の断熱改修 | 30,000円/戸 | 熱抵抗値5.7(平方メートル・K)/W以上 |
| 外壁全体の断熱改修 | 240,000円/戸 | 熱抵抗値4.0(平方メートル・K)/W以上 |
| 全熱交換器の設置(天井埋込形) | 42,000円/台 | JIS B 8628の全熱交換器で熱交換率50パーセント以上 |
| 全熱交換器の設置(壁掛形) | 21,000円/台 | |
| 浴室の全体改修(ユニットバス設置を伴うもの) | 90,000円/か所 | 高断熱浴槽への改修などいずれか1つに該当。改修後に手すり1か所以上 |
申請できるのは補助金額の合計が3万円以上、かつ総工事費(税抜)が30万円以上の工事に限られます。窓を1か所替えるだけでは3万円に届かないため、窓を複数か所まとめる、玄関扉や断熱改修と組み合わせる、といった設計が前提になる制度です。
第1回は「延長最終期限」より64日早く締め切られた
この制度は、受付期間内に申請額が予定額を超えれば抽選、超えなければ受付期間を延長して予定額に達するまで先着で受け付けるという二段構えです。2026年度の第1回は、市の一覧表では受付延長の最終期限が8月28日と示されていましたが、実際には6月25日で受付を終了し、6月26日以降に届いた申請書は返却されています。
当サイトの試算:延長期間のうち実際に受け付けられたのは約19パーセント
抽選予定日の翌日(6月11日)から延長最終期限(8月28日)までは79日間ありました。実際の受付終了は6月25日なので、延長分として動いたのは15日間、つまり見込まれていた期間の約19パーセントにとどまった計算になります。第2回も同じように早く締まる前提で、受付初日の9月4日に間に合うよう見積もりと書類を先に揃えておくのが安全です。
申請前に必ず確認したい5点
- 外壁または屋根の塗装工事を対象とした補助金はありません(市がページ冒頭で明記)。
- みらいエコ住宅2026事業・先進的窓リノベ2026事業用の性能証明書は本制度には使えません。別途、本制度用の書類が必要です。
- 同じ工事箇所で国の補助事業と重複申請はできません。両方使うときは見積書を別々に作成します。
- 交付は同一住宅・同一市民につき年度ごとに1回限りです。
- 申請は郵送のみで、受付期間内に到着しなかった申請書はすべて返却されます。
額面どおりには出ない|「総工事費の10パーセント」で削られる仕組み
補助額の表だけを見て「外壁の断熱改修で24万円」と考えるのは早計です。札幌市の交付額は、工事項目ごとの定額の合計と総工事費(税抜)の10パーセント(千円未満切捨)のいずれか少ない額で、さらに1申請者あたり50万円が上限と決められています。つまり定額表の金額は「これ以上は出ない」という天井であって、実際にはもう一段の絞りが入ります。
この10パーセントを逆算すると、定額表の金額を満額受け取るには、その10倍の総工事費が必要だと分かります。外壁全体の断熱改修で24万円を受け取るには総工事費240万円(税抜)、床全体の5万円なら50万円、玄関扉の4万5千円なら45万円が最低ラインです。総工事費には補助対象外の工事や外構工事も含められるので、同時に行う他の工事をまとめて1本の見積もりにするかどうかで受取額が変わります。
| 定額表の金額 | 満額を受け取るのに必要な総工事費(税抜) |
|---|---|
| 外壁全体の断熱改修 240,000円 | 240万円 |
| 窓(2.8平方メートル以上)20,000円×5か所=100,000円 | 100万円 |
| 床全体の断熱改修 50,000円 | 50万円 |
| 玄関扉の交換 45,000円 | 45万円 |
| 全熱交換器(天井埋込形)42,000円 | 42万円 |
| 屋根または天井全体の断熱改修 30,000円 | 30万円 |
再エネ省エネ機器導入補助金|太陽光13万9千円+蓄電池6万4千円が上限
機器を購入して設置する場合はこちらの制度です。2026年2月7日以降に設置が完了したものが対象で、第2回の募集は9月1日(火)から11月4日(水)、抽選予定日は11月18日です。応募額が予算額を超えた場合のみ抽選になり、超えなければ全員が交付予定者になります。
| 対象機器 | 補助金額 | 見落としやすい要件 |
|---|---|---|
| 太陽光発電 | 1kWあたり2万円(上限13万9千円) | 蓄電池またはEV(V2H充電設備つき)との接続が必須。合計出力1.5kW以上。全量売電は対象外 |
| 定置用蓄電池 | 1kWhあたり1万6千円(上限6万4千円) | 太陽光(合計1.5kW以上)のパワーコンディショナーと直接接続。容量2.0kWh以上、本体価格が税抜10万円以上 |
| エネファーム(家庭用燃料電池) | 8万円(定額) | マイナス15度でも安定動作する耐寒性能が必要 |
| 地中熱ヒートポンプシステム | 20万円(定額) | ロードヒーティング用途は対象外 |
| ペレットストーブ | 5万円(定額) | 薪との併用不可。本体価格が税抜10万円超 |
まず押さえたいのは、蓄電池だけを入れても札幌市の補助は受けられない点です。太陽光発電のパワーコンディショナーと直接つなぐことが条件で、コンセントから充電する可搬型は対象外。逆に太陽光側も、蓄電池かEV(V2H付き)と接続していなければ対象になりません。2つの機器はセットで初めて成立する設計になっています。
上限に届く容量は太陽光6.95kW・蓄電池4.0kWh
単価と上限を割り算すると、補助が頭打ちになる容量が出ます。太陽光は13万9千円÷2万円=6.95kW、蓄電池は6万4千円÷1万6千円=4.0kWhです。家庭用蓄電池の主流は5kWhから10kWh前後なので、多くの人は容量を選ぶ前からすでに上限に達していることになります。容量を増やしても補助は1円も増えないため、容量の決め方は補助金ではなく自家消費率や停電時に使いたい家電から逆算すべきです。1kWhあたりに直した実効の補助単価は次のように下がります。
太陽光と蓄電池を同時に入れた場合の市の補助は、上限どうしを足して20万3千円が最大です。設備費の総額から見れば一部にすぎないため、本体価格と工事費を1社の見積もりだけで決めないことのほうが金額へのインパクトは大きくなります。積雪地の設置は架台や屋根形状の条件で工事費が変わりやすく、同じ容量でも見積もりの開きが出やすい分野です。
蓄電池の価格は複数社を並べてから判断する
札幌市の補助は上限6万4千円で頭打ちのため、最終的な負担額を左右するのは本体と工事の見積もり差です。一括見積もりなら、寒冷地の施工に対応できる会社を含めて条件をそろえて比べられます。
購入とリース・PPAで申込のルールが正反対
同じ太陽光と蓄電池でも、買うのか借りるのかで使う制度が変わり、しかも受付の仕組みが逆になっています。補助単価は同額なので、金額ではなくいつ申し込めるかで違いが出ます。
購入する場合(再エネ省エネ機器導入補助金)
- 申し込むのは市民本人
- 年2回の募集回のみ。第2回は9月1日〜11月4日
- 応募額が予算を超えたときだけ抽選(抽選予定日11月18日)
- 2026年2月7日以降に設置完了したものが対象
- 完了届の最終期限は2027年2月5日
リース・PPAの場合(住宅用太陽光発電設備導入補助金)
- 申し込むのはリース・PPA事業者(補助金は事業者経由で還元)
- 2026年4月16日〜2027年1月29日の通年・先着順
- 予算額に達した日で募集終了
- 2026年3月7日以降に運用開始するものが対象
- 完了届の最終期限は2027年3月5日
この違いから実務的な結論が1つ出ます。2026年8月20日の時点で市民が今すぐ動けるのはリース・PPA版だけで、購入型は9月1日、エコリフォームは9月4日まで申し込みそのものができません。募集開始前に出した申込書は受け付けられないため、8月中にやるべきことは申請ではなく見積もりの取得と書類の準備です。逆にリース・PPAは先着順なので、検討しているなら予算の残りを事業者に確認しておく必要があります。
市・国・耐震の補助はどこまで併用できるか
併用可否チェックリスト
- エコリフォーム × 再エネ省エネ機器導入補助金 … 併用できる(補助対象の工事箇所を明確に区分できる場合)
- エコリフォーム × 札幌市木造住宅耐震化補助制度(耐震改修は最大140万円) … 併用できる。断熱改修と耐震改修は壁を開ける工事が重なるため同時施工が経済的
- エコリフォーム × みらいエコ住宅2026事業・先進的窓リノベ2026事業 … 同じ工事箇所は不可。両方使うなら見積書を分けて作成する
- 再エネ省エネ機器導入補助金 × リース・PPA補助金 … どちらか一方(導入方法で制度が決まる)
- いずれの市の制度も年度ごとに1回限り。同一住宅・同一市民で年に2回は受けられない
国側の枠がまだ残っているかも確認しておきましょう。みらいエコ住宅2026事業の公式サイトに出ている予算に対する補助金申請額の割合は、2026年8月19日午前0時時点でGX志向型住宅が49パーセント、長期優良住宅・ZEH水準住宅が23パーセント、リフォームが3パーセントです(2026年8月20日確認)。リフォーム枠は消化が進んでいないため、札幌市の第2回受付に合わせて国の制度を組み合わせる余地は残っています。
エコリフォーム補助の申請の流れと期限
流れの中で最も事故が起きやすいのは工事前の写真です。交付決定前に工事へ着手すること自体は認められていますが、補助を受けるには着工前の写真が必要で、写真から補助要件を満たしていることを確認できない場合は対象外になります。段差の解消であれば基準となる部屋側と対象の部屋側の両方から寸法を撮る、といった撮り方まで指定があるため、着工前にパンフレットの撮影ポイントを施工業者と共有しておくのが安全です。
補助金より先に効くのは「誰に頼むか」
札幌市の制度は、エコリフォームが市内に主たる営業所がある建設業許可事業者という条件を課し、機器のほうも北海道電力ネットワークへの系統連系や寒冷地仕様が前提になります。制度の額は上限が決まっている一方で、依頼先によって工事費は動きます。新築や建て替えを考えているなら、補助金の申請に慣れている会社かどうかを早い段階で確認しておくと、受け取れる額と手続きの手間の両方が変わります。
🏠 北海道で新築・建て替えを検討している方へ
新築で使える省エネ補助金(みらいエコ住宅2026事業など)は、補助金の申請に慣れた住宅会社を選べるかで受け取りやすさが変わりやすい部分です。北海道は道による家庭向けの直接補助がなく、道の共同購入事業と市町村の補助を組み合わせる形になります。加えて寒冷・多雪地域ならではの断熱仕様や、積雪を踏まえた太陽光の設置計画・寒冷地仕様の給湯設備の検討が必要なため、寒冷地の施工実績がある会社かどうかで、選べる選択肢が変わりやすい点も早い段階で確認しておくと安心です。全国対応の「持ち家計画」は、入力3分で北海道に対応するハウスメーカー・工務店のカタログをまとめて無料請求でき、その場で契約する必要はありませんので、比較検討の材料集めとして利用できます。
よくある質問
Q. 札幌市のエコリフォーム補助はいつまで申請できますか。
2026年度の第2回受付は9月4日(金)から9月17日(木)で、郵送必着です。受付期間内に申請額が予定額を超えなければ受付を延長し、11月27日を最終期限として先着で受け付けます。ただし2026年度の第1回は、延長最終期限の8月28日を待たず6月25日に締め切られているため、初回の受付期間内に出すのが確実です。
Q. 蓄電池だけを設置しても札幌市の補助は受けられますか。
受けられません。再エネ省エネ機器導入補助金の定置用蓄電池は、合計出力1.5kW以上の太陽光発電設備と接続し、そのパワーコンディショナーと直接つなぐことが条件です。コンセントから充電する可搬型のポータブル電源も対象外です。補助額は1kWhあたり1万6千円で、上限は6万4千円です。
Q. 外壁や屋根の塗装は札幌市の補助対象になりますか。
なりません。札幌市は住宅エコリフォーム補助制度のページで、塗装工事(外壁または屋根)を対象とした補助金はないと明記しています。断熱材を入れる外壁全体の断熱改修(熱抵抗値4.0(平方メートル・K)/W以上)は24万円/戸の対象ですが、塗り替えだけでは要件を満たしません。
出典
- 札幌市「札幌市住宅エコリフォーム補助制度」(2026年6月25日更新/2026年8月20日確認)https://www.city.sapporo.jp/toshi/jutaku/03reform/eco/eco.html
- 札幌市「令和8年度札幌市住宅エコリフォーム補助制度パンフレット」(2026年8月20日確認)https://www.city.sapporo.jp/toshi/jutaku/03reform/eco/documents/r8pannhuretto.pdf
- 札幌市「再エネ省エネ機器導入補助金制度」(2026年7月24日更新/2026年8月20日確認)https://www.city.sapporo.jp/kankyo/energy/hojo/kiki.html
- 札幌市「住宅用太陽光発電設備導入(リース・PPA)補助金制度」(2026年5月26日更新/2026年8月20日確認)https://www.city.sapporo.jp/kankyo/energy/zerohojo/zerohojo.html
- みらいエコ住宅2026事業「予算に対する補助金申請額の割合」(2026年8月19日午前0時時点/2026年8月20日確認)https://mirai-eco2026.mlit.go.jp/
