ハニカムシェード(断熱ブラインド)の選び方2026|断熱・遮熱の公表値と電気代試算で比較

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窓の寒さ・暑さ対策を「工事なし」で底上げしたいなら、ハニカムシェード(断熱ブラインド)が窓まわりアイテムの中では最有力の選択肢です。ハチの巣状の生地がつくる空気層が窓の内側の断熱壁になり、メーカー公表値では、複層ガラス窓の熱貫流率3.5が生地を足すだけで1.7〜1.9まで下がります(ほぼ半分)。

意外なのは、「冬の寒さ対策グッズ」のイメージと逆に、メーカー試算では夏の電気代の節約額(約1.2万円)が冬(約1,900円)の6倍以上大きいことです。本記事では、メーカーが公表している試験値と試算だけを使って断熱・遮熱の効果を確かめたうえで、つっぱり式・フリーカット・オーダーの3タイプの使い分け、購入前チェックリスト、結露が増えることがあるという注意点まで整理します。

この記事の要点

  • 複層ガラス窓の熱貫流率は3.5→1.7〜1.9(ニチベイ公表の試験計算値)。生地1枚で窓の断熱がほぼ半分に改善
  • メーカー試算の節約額は夏11,583円・冬1,740円(東京・リビング1室)。夏の遮熱でこそ効く
  • 賃貸・小窓はつっぱり式(6千円前後)、幅が合わない窓はフリーカット(2千円台〜)、掃き出し窓はオーダー(5千円台〜)
  • 全閉するとガラス面が冷えて結露が増えることがある。下端を少し開けるのが定石
目次

ハニカムシェードとは|「空気の壁」を窓の内側に足す道具

ハニカムシェード(ハニカムスクリーン)は、横から見るとハチの巣(ハニカム)状の六角形が連なった不織布のスクリーンです。中空部分に閉じ込められた空気は熱を伝えにくいため、窓と室内の間に「動かない空気の壁」が1枚できるのと同じ働きをします。原理は梱包材の気泡シートや段ボールが保温材になるのと同じです。

窓に手を付ける理由は単純で、住宅の熱の出入りは開口部(窓・ドア)に集中しているからです。省エネルギー建材普及センターの資料によると、冬の暖房時に熱が開口部から流出する割合は58%、夏の冷房時(昼)に開口部から熱が入る割合は73%にのぼります。壁や床より先に、まず窓に1枚足すのが費用対効果の高い順番です。

カーテンとの構造的な違いは2つあります。①空気層が生地の内部に密閉されており、カーテンのように生地と窓の間の空気が上下から抜けにくいこと、②窓枠の内側に納まるためすき間が小さいことです。また、内窓(二重窓)の設置が「窓そのものの性能を変える工事」であるのに対し、ハニカムシェードは工事なし・数千円から試せる点が違います。窓の外側に付けるすだれ・シェード類との使い分けは夏の窓の遮熱グッズの記事で整理しています。

断熱・遮熱の効果を「メーカー公表値」で確かめる

ハニカムシェードは効果を数値で公表しているメーカーが複数あり、感覚ではなく数字で選べるのが強みです。代表例として、ニチベイがハニカムスクリーン「レフィーナ」で公表している試験計算値を見ます(一般複層ガラス3+A6+3mm+アルミ樹脂複合サッシの窓との組み合わせ・保証値ではありません)。

状態熱貫流率U値
(冬の断熱・小さいほど良い)
日射熱取得率η
(夏の遮熱・小さいほど良い)
複層ガラス窓のみ3.50.64
+ハニカム不透明生地(ココン)1.9(46%減)0.26(59%減)
+ハニカム遮光生地(オストル)1.7(51%減)0.28(56%減)

出典:ニチベイ「レフィーナ25・45」公表値(2026年8月20日確認)。U値はJIS A 4710、ηはJIS A 2103に準拠した試験に基づく計算値で、性能の保証値ではありません。削減率は当サイトの計算。

断熱(冬):熱貫流率U値 小さいほど熱が逃げない 複層ガラスのみ 3.5 +不透明生地 1.9(46%減) +遮光生地 1.7(51%減) 遮熱(夏):日射熱取得率η 小さいほど日射が入らない 複層ガラスのみ 0.64 +不透明生地 0.26(59%減) +遮光生地 0.28(56%減) ニチベイ「レフィーナ」公表の試験計算値(複層ガラス窓との組み合わせ・保証値ではない)を基に作図
生地1枚で、冬の断熱は約半分・夏の日射は約6割減という水準まで変わる

別のメーカーの実験でも傾向は同じです。タチカワブラインドはハニカムスクリーン「ブレア」の自社実験で、窓からの温度変化を夏は最大73.7%、冬は最大54.0%抑えたと公表しています(同社独自の試験による測定値で、保証値ではありません)。なお各社の数値は試験条件が異なるため、メーカー間の優劣比較には使えません。「どの社の生地でも、付ける前と後で熱の出入りがおおむね半分前後になる」と読むのが正確です。

電気代はどれくらい変わるか|メーカー試算の答えは「夏の方が6倍大きい」

ニチベイは熱負荷計算プログラムによる電気代の試算も公表しています(東京の標準気象データ・戸建木造4LDKのリビング20.5平方メートル・冷房28℃/暖房20℃・COP2.5・電気単価28.53円/kWh・冬季の日中はスクリーン全開の条件。保証値ではありません)。

期間スクリーンなし不透明生地(ココン)節約額
夏(6〜9月)の冷房29,757円18,174円−11,583円
冬(12〜3月)の暖房9,957円8,217円−1,740円

出典:ニチベイ「レフィーナ25・45」公表の試算(2026年8月20日確認)。遮光生地(オストル)では夏−12,068円・冬−1,912円。

この試算を電気の使用量に引き直すと、節約分は夏が11,583円÷28.53円=約406kWh、冬が1,740円÷28.53円=約61kWhです。資源エネルギー庁の省エネポータルが現在使っている目安単価31円/kWhに置き換えると、夏約12,600円・冬約1,890円、リビング1室で年間約14,500円に相当します(当サイトの換算)。

夏と冬で6倍以上の差がつく理由は2つあります。①夏は断熱(U値)に加えて日射遮蔽(ηが0.64→0.26)が効くため削減の幅が大きいこと、②この試算では冬の日中はスクリーンを全開にして日射の熱を部屋に取り込む使い方を前提にしていることです。つまり「冬のためのグッズ」というイメージとは逆に、買うなら夏前が最も回収が早いことになります。ただしこれは東京・リビング1室の条件での試算であり、窓の大きさや地域によって金額は変わります。

季節別の節約額(ニチベイ試算・不透明生地) 夏の冷房 11,583円 冬の暖房 1,740円 東京・リビング20.5平方メートル・電気単価28.53円/kWhの試算。夏は冬の約6.7倍
節約額は夏に偏る。西日の当たる窓から優先して付けるのが合理的

選び方の3基準|迷ったらこの順に決める

基準1:取り付け方法|賃貸なら「つっぱり式」一択

壁や窓枠にネジ穴を開けられない賃貸住宅では、窓枠の内側に突っ張って固定するつっぱり式(テンション式)を選びます。持ち家でしっかり固定したい場合はネジ止め(窓枠内の天井付け・枠外の正面付け)、カーテンレールに取り付けられる製品もあります。つっぱり式は窓枠の「内側の幅」を測って、対応範囲に入る製品を選ぶのが失敗しないコツです。

基準2:生地|寝室・西日の窓は遮光、リビングは採光

生地は大きく、障子のように光を通す採光(不透明)タイプと、光を遮る遮光タイプに分かれます。ニチベイの公表値では遮光生地の方がU値が低く(1.7)、朝日や西日を止めたい寝室には遮光が適します。日中も明るさが欲しいリビングは採光タイプ、視線と光を両立したいなら上部レース付きのツインタイプという使い分けです。

基準3:すき間|断熱効果は「枠との隙間の小ささ」で決まる

空気層で断熱する道具なので、両サイドや上下に大きな隙間があると冷気がそこから回り込み、効果が目減りします。メーカーも「最大の断熱効果を得るには窓枠の内側に設置し、両サイドのすき間が過剰にならない採寸が必要」と明記しています。既製サイズで合わない窓に無理に付けるより、フリーカット品やオーダー品で枠内寸法に合わせる方が結果的に安くつきます。

購入前チェックリスト

  • □ 窓枠の内側の幅と高さを測ったか(mm単位・上中下3か所で最小値)
  • □ 取り付け方法は決めたか(賃貸=つっぱり式/持ち家=ネジ止めも可)
  • □ 生地は用途に合うか(寝室・西日=遮光/リビング=採光)
  • □ 操作方式は使う人に合うか(コードレス・チェーンなど)
  • □ 結露の想定はあるか(全閉にせず下端を数cm開ける運用)

タイプ別の比較と用途別おすすめ

タイプ参考価格向いている窓賃貸サイズ調整
つっぱり式(既製)6,000円前後腰高窓・小窓幅は規格から選択
フリーカット(既製)2,000円台〜小窓・スリット窓幅を自分で切れる
オーダーサイズ5,000円台〜掃き出し窓・大窓取付方法による1cm前後の単位で指定

参考価格は2026年8月20日時点の楽天市場の表示価格。販売状況により変動します。

① 賃貸・穴あけ不要で始める:つっぱり式(遮光1級・コードレス)

窓枠内に突っ張るだけで固定でき、遮光1級生地で寝室・西日の窓にも使えるタイプです。コードレスなので小さな子どもがいる家庭でも扱いやすく、まず1窓試すならこの形から始めるのが定石です。

② 小窓・スリット窓に低コストで:フリーカットタイプ

幅をハサミやカッターで自分で切って合わせられる既製タイプです。規格サイズが合わない縦長のスリット窓や玄関脇の小窓に向き、1窓あたりのコストが最も低いので「家中の小窓にまとめて付ける」使い方に適します。

③ 掃き出し窓・大きな窓に:オーダーサイズ

熱の出入りが最も大きい掃き出し窓こそ効果の本丸です。幅と高さを指定して枠内にぴったり納めれば、すき間からの冷気の回り込みを最小にできます。遮光・レース付きなど生地タイプを選べる製品が多く、リビングの大窓に1台入れるならオーダーが確実です。

注意点|「結露が増えることがある」は断熱がよく効いている証拠

⚠ 買う前に知っておく3つの注意点

  • ガラス面の結露が増えることがある:室内の暖気が窓面へ届かなくなりガラスが冷えるため。全閉にせず下端を数cm開ける・時折開けて換気するのが定石(メーカー公式も明記)
  • 丸洗い・水洗いはできない:不織布製のため。手入れはハンドモップやハタキでホコリを払うのが基本
  • 採寸ミスは断熱効果を直撃する:すき間が大きいと冷気が回り込む。枠内寸法はmm単位で測る

結露については、逆に「取り付け後に減った」という報告もメーカーに寄せられています。室温が保たれることで暖房や加湿器の稼働が減り、燃焼時に水蒸気を出すガス・灯油ストーブの使用が減ることが理由と考えられており、住まいの環境に大きく左右されます。結露そのものの原因と対策は記事末の関連記事で詳しく整理しています。

なお、ハニカムシェードを含む節電・防災グッズ全体の「買う順番」は節電・防災グッズの選び方 総まとめで横断的に比較しています。

よくある質問

賃貸でも取り付けられますか?

つっぱり式(テンション式)なら窓枠に穴を開けずに設置でき、原状回復の問題が起きません。窓枠の内側の幅を測り、製品の対応幅に入っているかを確認してから購入してください。カーテンレールに取り付けられる製品もあります。

ハニカムシェードを付ければ結露はなくなりますか?

なくなりません。むしろ室内の暖気が窓面に届かなくなるぶんガラス面が冷え、全閉のままだと結露が増えることがあります。就寝時も下端を数cm開けておく、朝に開けて換気するといった運用でガラス面の水分をためないことが大切です。

冬より夏の方が効果は大きいのですか?

電気代の節約額で見るとメーカー試算では夏の方が大きく、ニチベイの試算では夏11,583円に対して冬1,740円です(東京・リビング1室)。夏は断熱に加えて日射を止める効果が大きく働くためです。一方、窓際の底冷えやコールドドラフトを抑える体感面の効果は冬に強く感じられます。

出典

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この記事を書いた人

省エネ住宅ナビ編集部です。国・自治体の公式情報をもとに、補助金・太陽光・蓄電池・エコキュート・リフォームの「いくらかかる?いくら戻る?」を中立の立場で整理しています。数値・期限は必ず一次情報で確認し、情報基準日を明示する編集方針です。

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