窓の結露対策の決定版|露点早見表でわかる「湿度を下げる」か「断熱する」かの分岐【2026年】

窓の結露は露点温度で決まることを示すアイキャッチ画像

窓の結露は「窓ガラスの表面温度が、室内空気の露点温度を下回ったとき」に必ず起きます。日本サッシ協会によれば、室温20℃・湿度60%の空気の露点は約12℃。ガラス表面が12℃を切れば、断熱サッシでも複層ガラスでも水滴はつきます。

つまり対策は2つしかありません。露点そのものを下げる(=湿度を下げる)か、ガラスの表面温度を上げる(=断熱する)かです。拭き取り・吸水テープ・結露防止スプレーはどちらでもないため、症状の対症療法にとどまります。

費用ゼロで効くのは換気と室内干しの見直し、次が断熱シートや厚手カーテン、最後が内窓・ガラス交換という順です。この記事では露点の早見表と、開口部の熱貫流率の公式値を使って、どこまでやれば止まるかを整理します。

この記事の要点(30秒でわかる)

  • 結露の条件はただ一つ。ガラス表面温度が室内空気の露点温度を下回ること(日本サッシ協会)。
  • 室温20℃・湿度60%の露点は約12℃。湿度を50%に下げれば露点は約9℃まで落ち、結露しにくくなる。
  • 湿度の管理目安は40〜70%(建築物環境衛生管理基準)。室内干し・加湿器の使いすぎがいちばんの犯人。
  • 窓の断熱性能は最大4倍差。アルミ+単板ガラスは熱貫流率6.51、樹脂+Low-E複層なら2.15前後(国の基準値)。
  • 拭き取り・吸水テープは症状の処置であって原因対策ではない。放置するとカビ・木部の腐朽につながる。
目次

結露は「露点温度」で決まる。1分で仕組みを押さえる

空気が含める水蒸気の量(飽和水蒸気量)は温度で変わります。暖かい空気は多く含めますが、冷たい空気は少ししか含めません。水蒸気を含んだ室内の空気が、外気で冷やされた窓ガラスに触れると過飽和になり、含みきれなくなった分が水滴として現れます。これが結露です。

結露が始まる温度を露点といいます。日本サッシ協会は「温度20℃・湿度60%の空気の露点温度は約12℃で、これ以下の温度になると結露が発生し始める」と説明しています。裏を返せば、ガラス表面が露点より高ければ、湿度が高くても結露しません。

室温\湿度40%50%60%70%
18℃4.2℃7.4℃10.1℃12.4℃
20℃6.0℃9.3℃12.0℃14.4℃
22℃7.8℃11.1℃13.9℃16.3℃
24℃9.6℃12.9℃15.8℃18.2℃
露点温度の早見表。Magnus式(気象分野で一般的な近似式)で当サイトが計算。20℃・60%=12.0℃は日本サッシ協会の「約12℃」と一致します。

表の見方は単純です。窓ガラスの表面温度が、その欄の数字より下がると結露が始まります。室温20℃で湿度70%の部屋なら、ガラスが14.4℃を下回った時点でアウト。同じ室温でも湿度を50%に落とせば9.3℃まで耐えられるようになります。湿度を20ポイント下げるだけで、耐えられる表面温度が5℃分も変わるわけです。

図1 結露が起きる条件(表面温度が露点を下回る)室内の空気室温 20℃/湿度 60%露点温度 12.0℃=これ以下で水滴が出る境界窓ガラス表面 9℃屋外0℃ガラスを内側から冷やす9℃ < 12.0℃結露する湿度を下げるか表面温度を上げる

費用ゼロで効く対策:湿度を下げる・換気する

日本サッシ協会が挙げる対処法は「湿気を含んだ空気を排出する」と「水蒸気の発生そのものを抑える」の2系統です。どちらも露点を下げる方向に働きます。厚生労働省の建築物環境衛生管理基準では相対湿度の管理値を40%以上70%以下としており、これが住宅でもひとつの目安になります。乾燥しすぎも困るので、冬は40〜50%を狙うのが現実的です。

図2 今日からできる結露対策チェックリスト(日本サッシ協会の対処法をもとに整理)

A. 湿った空気を外に出す

  • 調理中は換気し、調理後もしばらく回し続ける
  • 入浴中は換気、入浴後は浴室ドアを閉めたまましばらく換気を続ける
  • 就寝前に一度換気する(寝ている間の水蒸気を減らす)
  • 観葉植物を置いている部屋はこまめに換気する

B. 水蒸気を出さない

  • 洗濯物の室内干しを控える(冬の結露で最も影響が大きい要因のひとつ)
  • 加湿器の過度な使用を控える。湿度計を置いて40〜50%で管理する
  • 暖房は水蒸気が出ないタイプ(エアコン・電気ストーブ・FF式など密閉型)にする
  • 入浴後は浴槽のフタを開けっ放しにしない

意外と見落とされるのが暖房機の種類です。開放型の石油ストーブやガスファンヒーターは、燃焼ガスを室内に出すため、水蒸気も室内に放出されます。日本サッシ協会が「冬の時期は水蒸気が発生しないエアコンや電気ストーブ、密閉型の暖房機を使用する」と明記しているのはこのためです。結露に悩む部屋で開放型を使っているなら、暖房機を替えるだけで状況が変わることがあります。

もう一点、冷気だまりを作らないことも効きます。厚手のカーテンを窓にぴったり閉め切ると、カーテンと窓の間の空気だけが冷え、そこが局所的に露点を下回って結露が集中します。カーテンを少し浮かせる、サーキュレーターで窓際の空気を動かす、といった工夫で表面温度の落ち込みを緩められます。

それでも止まらないなら、原因は「窓の断熱性能」

湿度を40〜50%まで落としても結露が出るなら、ガラスの表面温度が下がりすぎています。ここは住まい側の性能の問題で、生活の工夫では埋まりません。窓の断熱性能は熱貫流率(U値・単位はW/㎡K)で表され、値が小さいほど熱を通しにくく、室内側の表面温度が下がりにくくなります。

次の数値は、国の省エネ基準で使われる「建具とガラスの組み合わせによる開口部の熱貫流率」の規定値です(日本サッシ協会が公表している一覧より、代表的な組み合わせを抜粋)。

窓の仕様熱貫流率 W/㎡K結露のしやすさ
アルミサッシ+単板ガラス(昔ながらの窓)6.51非常にしやすい
アルミサッシ+複層ガラス(一般ガラス)4.07〜4.65しやすい(枠が特に冷える)
樹脂・木とアルミの複合サッシ+Low-E複層2.33〜2.91条件次第で出る
樹脂サッシ・木製サッシ+Low-E複層2.15前後出にくい
樹脂・木製サッシ+Low-E三層(アルゴン入り)1.60〜1.90ほぼ出ない
日本サッシ協会「建具とガラスの組み合わせによる開口部の熱貫流率」より代表値を抜粋。中空層の厚みやガス封入の有無で値は変動します。付属部材なしの数値。
図3 窓の仕様別 熱貫流率(小さいほど結露しにくい)アルミ+単板ガラス6.51アルミ+複層ガラス4.65複合サッシ+Low-E複層2.91樹脂サッシ+Low-E複層2.15樹脂サッシ+Low-E三層1.60※単位はW/㎡K。日本サッシ協会公表の規定値(付属部材なし)から代表値を抜粋。数値が小さいほど断熱性能が高い。

アルミ+単板ガラスと樹脂+Low-E三層では、熱の通しやすさが約4倍違います。同じ室内条件・同じ外気温でも、前者は表面温度が外気に引きずられて大きく落ち、後者はほとんど落ちません。「うちだけ結露がひどい」の正体は、たいていこの差です。

なお、断熱サッシや複層ガラスに替えても結露が完全になくなるとは限りません。日本サッシ協会も「断熱サッシや複層ガラスを使用していても、季節を問わず自然現象として結露が生じる場合があります」と明記しています。湿度管理は、窓を替えたあとも必要です。

早見表:あなたの窓は、湿度何%までなら結露しないか

ここまでの「露点」と「U値」を1枚に重ねます。窓の室内側表面温度は室温−0.13×U値×(室温−外気温)で概算でき、この温度が露点を下回った瞬間に結露が始まります。日本サッシ協会の資料でも、室温20℃・湿度60%・外気0℃なら露点は約12℃で、熱貫流抵抗0.33㎡K/W以上が必要と示されています。

図:室温20℃のときの窓の室内側表面温度(℃)の目安
窓の仕様U値
W/㎡K
外気5℃外気0℃外気−5℃
アルミサッシ+単板ガラス6.517.33.1-1.2
アルミサッシ+複層ガラス4.6510.97.94.9
複合サッシ+Low-E複層2.9114.312.410.5
樹脂・木製+Low-E複層2.1515.814.413.0
樹脂・木製+Low-E三層1.9016.315.113.8

室内側熱伝達抵抗を0.13㎡K/W(室内自然対流時)として、表面温度=室温−0.13×U値×(室温−外気温)で試算。U値に幅がある仕様は結露しやすい側(上限値)を採用。

この表面温度を、露点と突き合わせたものが次の判定表です。自宅の窓の仕様と、いま加湿器や温湿度計が示している湿度が交わる欄を見てください。

図:室温20℃・外気0℃のとき、室内の湿度で結露するかの判定
窓の仕様表面温度湿度40%
露点6.0℃
湿度50%
露点9.3℃
湿度60%
露点12.0℃
湿度70%
露点14.4℃
アルミサッシ+単板ガラス3.1℃結露する結露する結露する結露する
アルミサッシ+複層ガラス7.9℃出にくい結露する結露する結露する
複合サッシ+Low-E複層12.4℃出にくい出にくいぎりぎり結露する
樹脂・木製+Low-E複層14.4℃出にくい出にくい出にくいぎりぎり
樹脂・木製+Low-E三層15.1℃出にくい出にくい出にくい出にくい

表面温度が露点を下回ると結露します。露点は本記事の露点早見表(室温20℃)の値。差が1℃未満の欄を「ぎりぎり」としています。

読み方は単純です。アルミサッシ+単板ガラスは、湿度を40%まで落としても外気0℃なら結露します。ここが「湿度を下げる」で解決できる窓と、そうでない窓の分かれ目です。逆に複合サッシ+Low-E複層以上なら、湿度50%までの管理でほぼ防げます。

⚠ この表より実際は結露しやすくなる2つの条件

  • 枠まわり・下枠:ガラス中央部より条件が厳しく、なかでも下枠が最も不利です。表が「出にくい」でも、下枠だけ濡れることがあります。
  • カーテンや障子を閉めたとき:断熱性は上がる一方で室内の暖気が窓に届かなくなり、窓の表面温度が下がって結露を促進します。

お金をかける順番:ゼロ円 → 数千円 → 工事

いきなり内窓の見積もりを取る前に、上から順に試すのが効率的です。ステップ1で止まる家も珍しくありません。

図4 結露対策の優先順位STEP 1 0円 換気と室内干しの見直し調理・入浴・就寝前の換気、室内干しをやめる、加湿器を絞る。湿度計で40〜50%を維持する。→ 露点そのものを下げる。効果が最も早く出る。まずここから。STEP 2 数千円 窓まわりの簡易断熱断熱シート、厚手・床までのカーテン、サーキュレーターで窓際の空気を動かす。→ 表面温度の落ち込みを緩和。賃貸でもできる。ただしサッシ枠の結露は残りやすい。STEP 3 工事 内窓の設置・ガラス交換・サッシ交換熱貫流率を6.51から2.15前後まで下げられる。補助金の対象になる場合がある。→ 根本対策。冷暖房費も同時に下がる。工事内容と補助制度は事前に要確認。

対策別の費用と補助金|国の補助が出るのは「工事」の3つだけ【2026年9月4日確認】

ステップ1と2は自分で始められる代わりに、公的な補助はありません。国の先進的窓リノベ2026事業が補助するのは、性能証明書が発行された製品を使う「ガラス交換」「内窓設置」「外窓交換」などの工事に限られるためです。断熱シートやカーテンは、効果があっても制度の枠外にあります。費用と補助の有無を1枚にすると、どこから手をつけるかの判断が早くなります。

図6 結露対策別の費用と、国の補助金の対象かどうか

対策費用の目安効果が続く期間窓リノベ2026補足
換気・湿度を下げる0円やめた日に元へ戻る。毎日続けることが前提の対策対象外工事ではないため制度の枠外。露点そのものを下げるので効果は最も早い。
断熱シート・すきまテープ数百〜3,000円メーカーの期間表示はない。粘着面が結露で弱ると貼り直しになる対象外性能証明書が発行される製品ではない。窓の熱貫流率も公的には測られていない。
厚手カーテン・ハニカムスクリーン5,000〜30,000円生地が傷むまで使える。明確な期間表示はない対象外同上。賃貸でも使えるが、サッシ枠の結露は残りやすい。
ガラス交換工事(既存サッシを残す)サッシ本体の取替え周期は30〜45年程度(※)対象戸建は1枚5,000〜78,000円。Aグレード(Uw1.9以下)も対象に残っている。
内窓設置工事同上。サッシと同じ周期で考える対象戸建は1か所22,000〜140,000円。2026年はSグレード(Uw1.5以下)以上のみ。
外窓交換(カバー工法・はつり工法)工事同上。窓そのものを入れ替えるため最も長い対象1か所あたりの補助額が最も大きい。開口部を広げる工事は対象外。
サッシだけの交換・ドアのガラスのみの交換工事同上。ただし補助は出ない対象外事務局が「補助対象にならない例」として明記している。

補助額は戸建住宅の場合。出典:先進的窓リノベ2026事業 公式サイト「対象工事の詳細」(2026年9月4日確認)。費用の目安は市販品の価格帯で、工事費は含みません。

※サッシの取替え周期は、国土交通省が示した長期修繕計画の資料で「サッシは30〜45年程度、3回目の大規模修繕工事以降に取替え」とされている値です(国土交通省 資料/2026年9月27日確認)。年あたりの費用で見ると順番が入れ替わります。断熱シートやカーテンは初期費用こそ安いものの、効果が続く期間がはっきりせず貼り直しや買い替えが読めません。工事は初期費用が大きい代わりに、30年で割れば1年あたりの負担は最も小さくなり、しかも窓リノベ2026の補助でその初期費用が下がります。「安いから先に試す」と「長く効くものに先に投じる」は別の判断だと考えてください。

図7 Sグレードの補助額(戸建・1か所あたり)内窓 特大(4.0㎡以上)76,000円内窓 大(2.8㎡以上)52,000円内窓 中(1.6㎡以上)34,000円内窓 小(0.2㎡以上)22,000円ガラス 特大(2.0㎡以上)53,000円ガラス 大(1.4㎡以上)35,000円ガラス 中(0.8㎡以上)23,000円ガラス 小(0.1㎡以上)7,000円08万円

出典:先進的窓リノベ2026事業 公式サイト「対象工事の詳細(内窓設置/ガラス交換)」(2026年9月4日確認)。戸建住宅・Sグレード(Uw1.5以下)の1製品あたり補助額。

表と図で見ると、結露が出やすい腰高窓(中サイズ)は内窓でも1か所34,000円です。先進的窓リノベ2026事業は「補助額の合計が5万円以上」であることが申請の要件なので、この窓を1か所だけ工事しても補助は受けられません。何か所必要になるかは内窓は1か所だけでは補助金が出ないことがあるで寸法から確かめられます。工事費から補助額を引いた実質の負担額は内窓の実質負担額の早見表にサイズ別でまとめています。

補助金を当てにする前に確認したいこと

  • 補助額の合計が5万円未満だと申請できません。1か所だけの工事は届かないことがあります。
  • 2026年の内窓はSグレード(Uw1.5以下)以上のみが対象で、Aグレードは補助対象から外れています。
  • みらいエコ住宅2026事業と分けて申請しても、両事業の補助額を合算して5万円にすることはできません。
  • 湿度が高いままだと、内窓を入れてもガラスの内側で結露が出ることがあります。工事の前にステップ1を必ず試してください。

出典:先進的窓リノベ2026事業 公式サイト「対象要件の詳細(住宅)」「対象工事の詳細」(2026年9月4日確認)

拭き取りだけで済ませると何が起きるか

結露そのものは自然現象ですが、放置した水分は住まいを傷めます。窓枠に溜まった水はゴムパッキンや木部に染み、カビの温床になります。カビはダニの餌にもなるため、アレルギーの原因が増える流れにつながります。木造住宅ではサッシ下の窓台や壁内の含水率が上がり、腐朽菌が働く条件に近づきます。

注意:吸水テープ・結露防止スプレーは「原因対策」ではありません

水滴が下に垂れるのを防ぐだけで、露点も表面温度も変えていません。テープ自体が湿ったまま放置されるとそこがカビの発生源になることもあります。使うなら、こまめな交換とセットにしてください。

逆にいえば、朝の拭き取りが日課になっている家は、それ自体が「湿度が高すぎるか、窓の断熱が足りていない」というサインです。ステップ1から順に潰していけば、拭き取りの回数は確実に減らせます。

自宅の窓を1分で診断する方法

ここまでの理屈は、道具ひとつで自宅に当てはめられます。用意するのは温湿度計と、非接触の放射温度計(数千円で買えます)の2つです。手順は次のとおりです。

図5 自宅の結露リスクを測る3ステップ

  1. 結露が出る部屋の室温と湿度を測る(窓際ではなく部屋の中央、床から1.2m前後)。
  2. 上の早見表で露点温度を読む。表にない値なら、近い行の数値で見当をつける。
  3. 朝いちばん、結露が出ている時間帯にガラス中央とサッシ枠の表面温度を放射温度計で測る。

表面温度が露点より3℃以上低いなら、湿度調整だけで止めるのはかなり厳しく、断熱側の対策が必要です。1〜2℃差なら、湿度を10ポイント下げるだけで止まる可能性があります。

ガラス中央とサッシ枠で温度が大きく違う場合、犯人は枠です。アルミサッシは熱を通しやすく、複層ガラスに替えても枠だけが冷え続けます。この場合はガラス交換ではなく、枠ごと覆える内窓の方が効果的、という判断ができます。測ってから決めれば、効かない工事にお金を払わずに済みます。

よくある質問

よく聞かれること先に結論
湿度は何%まで下げればいいか室温20℃なら、露点温度は湿度60%で12.0℃、50%で9.3℃、40%で6.0℃です。窓ガラスの表面温度がこの値を下回ると結露が始まります。建築物環境衛生管理基準の管理目安は40〜70%ですが、結露を止めたい冬はその下限側、40〜50%を目標にします。
お金をかける順番STEP1(0円)調理・入浴・就寝前の換気、室内干しをやめる、加湿器を絞る。STEP2(数千円)断熱シート、床までの厚手カーテン、サーキュレーターで窓際の空気を動かす。STEP3(工事)ガラス交換・内窓設置・外窓交換。国の補助が出るのはSTEP3だけです(先進的窓リノベ2026事業・1戸あたり上限100万円/2026年9月19日確認)。
拭き取りだけではだめか拭き取りと吸水テープは症状の処置で、原因対策ではありません。放置するとカビや木部の腐朽につながります。窓の断熱性能は熱貫流率でアルミ+単板ガラスが6.51、樹脂+Low-E複層が2.15前後と最大4倍の差があり、表面温度の差はここから生まれます。湿度を下げても止まらない場合は、窓側に原因があります。

Q. 湿度は何%まで下げれば結露は止まりますか?

A. 一律の答えはなく、窓ガラスの表面温度によります。室温20℃の場合、湿度60%なら露点12.0℃、50%なら9.3℃、40%なら6.0℃です。自宅のガラス表面温度を非接触温度計で測り、上の早見表でその温度を下回らない湿度を選ぶのが確実です。ただし乾燥しすぎも健康によくないため、建築物環境衛生管理基準の下限である40%は下回らないようにしてください。

Q. 複層ガラスに替えたのに結露します。不良品ですか?

A. 不良とは限りません。日本サッシ協会は「断熱サッシや複層ガラスを使用していても、環境条件により季節を問わず自然現象として結露が生じる場合がある」としています。とくにアルミサッシに複層ガラスを入れた窓は、ガラス面は改善しても枠が冷えるため、枠だけ結露が残ることがよくあります。ただし複層ガラスの内部(中空層の中)が曇る場合は封着材の劣化が疑われ、これは製品側の問題なのでメーカーに相談してください。

Q. 賃貸でもできる対策はありますか?

A. あります。換気・室内干しの見直し・加湿器の調整は費用ゼロで、退去時に問題になりません。窓用の断熱シートや厚手カーテンも原状回復しやすい対策です。工事を伴う内窓の設置は貸主の許可が必要なため、まずは管理会社に相談してください。

Q. 断熱シートを貼れば結露は止まりますか?

弱まりますが、止まるとは限りません。断熱シートや厚手のカーテンはガラス表面温度の落ち込みを緩和する対策で、露点そのものは下げないためです。とくにアルミサッシの枠は熱を通しやすいため、ガラス面の結露が減っても枠の結露は残りやすくなります。順番としては、まず換気と室内干しの見直しで湿度を40〜50%まで下げ、そのうえでシートを足すと効果が見えやすくなります。

Q. 結露対策に国の補助金は使えますか?

工事だけが対象です。先進的窓リノベ2026事業が補助するのは、性能証明書が発行された製品を使うガラス交換・内窓設置・外窓交換(窓と同一契約のドア交換を含む)で、補助上限は1戸あたり100万円、最低補助額は1申請あたり5万円です。断熱シート・カーテン・除湿機といった自分で買える対策は制度の枠外にあります。なお2026年度は内窓設置がUw1.5以下の製品に限られ、従来のAグレード相当は対象外になりました(2026年9月19日確認)。

Q. サーキュレーターと除湿機はどちらを先に使うべきですか?

サーキュレーターが先です。結露は冷えた面に湿った空気がとどまることで起きるため、窓へ向けて弱く風を当てるだけで、表面温度の落ち込みと空気の滞留の両方が緩みます。除湿機は部屋全体の湿度を下げる確実な手段ですが、運転に電気代がかかります。室内干しをやめる、調理や入浴のあとに換気する、加湿器の設定を下げるといった0円の対策のほうが先に効くため、除湿機はそれでも湿度が下がらないときの追加手段と考えてください。

あわせて読みたい

出典・参考

  • 一般社団法人 日本サッシ協会「サッシ・ドアの豆知識 3.(2)サッシの結露」
  • 一般社団法人 日本サッシ協会「建具とガラスの組み合わせによる開口部の熱貫流率」(平成28年省エネルギー基準に準拠した規定値)
  • YKK AP「技術資料 結露防止性」(参考文献:一般社団法人 日本サッシ協会「わかりやすいサッシ・ドアの性能 BASIS 2021」)。室内側熱伝達抵抗0.13㎡K/W・温度低下率の計算例・枠まわりの自然対流の影響はこの資料に基づく
  • 厚生労働省「建築物環境衛生管理基準」(相対湿度40%以上70%以下)
  • 先進的窓リノベ2026事業 公式サイト「対象工事の詳細(内窓設置)」(2026年9月4日確認)
  • 先進的窓リノベ2026事業 公式サイト「対象工事の詳細(ガラス交換)」(2026年9月4日確認)
  • 先進的窓リノベ2026事業 公式サイト「対象工事の詳細(補助対象にならない例)」(2026年9月4日確認)
  • 露点温度の数値はMagnus式(気象分野で一般的な近似式)により当サイトが算出。20℃・60%の結果は日本サッシ協会の記載値と一致

熱貫流率は中空層の厚み・ガス封入の有無・付属部材の有無で変動します。実際の製品値はメーカーのカタログでご確認ください(2026年8月12日時点の情報)。

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この記事を書いた人

省エネ住宅ナビ編集部です。国・自治体の公式情報をもとに、補助金・太陽光・蓄電池・エコキュート・リフォームの「いくらかかる?いくら戻る?」を中立の立場で整理しています。数値・期限は必ず一次情報で確認し、情報基準日を明示する編集方針です。

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