停電に備える準備リスト2026|冷蔵庫がもつ4時間を境に電源・あかり・保冷を決める

停電の準備リスト2026のアイキャッチ。冷蔵庫の庫内の写真に、48時間を境に備えが変わることを示した見出し

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停電の準備リストは「何を買うか」から入ると、買ったのに使わない物が増えます。先に決めるのは何時間の停電に耐えるかです。米国FDAは、扉を開けなければ冷蔵庫は約4時間、満杯の冷凍庫は約48時間(半分なら24時間)冷たさを保てるとしています。つまり4時間までは何もしなくても持ちこたえ、そこから先で必要になる物が変わります。この記事では準備を電源・あかり・保冷の3軸に分け、工事なしで買って終わる物だけを、時間帯ごとに並べ直しました。個別の製品選びは既存の記事へ寄せ、ここではリストの組み立て方に絞ります。

図1|この記事の要点

  • 冷蔵庫は扉を閉じていれば約4時間もつ。4時間以内で復旧する停電に、追加の買い物はほぼ要らない(FDA)
  • 冷凍庫は満杯で約48時間、半分なら約24時間。凍らせたペットボトルで隙間を埋めるだけで、買い足さずに24時間伸ばせる
  • 買うなら電源・あかり・保冷の3軸を1つずつ。同じ軸を重ねて買うより、欠けている軸を埋めるほうが効く
  • 電源はリチウムイオン電池製品の事故が最多の分野。NITEの「3つのC」を満たす製品から選ぶ
  • 食料と水は買い足しではなくローリングストックで回す(農林水産省 家庭備蓄ポータル)
目次

停電で最初に効いてくるのは「何時間もつか」

停電の困りごとは、時間の経過とともに中身が入れ替わります。最初の数時間はあかりと情報、そこから先は食品の傷み、さらに先は調理と衛生です。米国FDAは停電時の食品について、扉を開けなければ冷蔵庫は約4時間、満杯の冷凍庫は約48時間(半分の状態なら約24時間)安全な温度を保てるとしています。あわせて、傷みやすい食品が10℃前後を超える室温に2時間以上(外気が約32℃を超える場合は1時間以上)置かれたら廃棄するようにも書かれています。日本の家庭にそのまま当てはまる数字ではありませんが、準備リストを時間で区切るための物差しとしては使えます。

図2|停電が続いた時間で、必要になる物は入れ替わる

0〜4時間/あかりと情報。冷蔵庫は開けない。
必要なのはライトとスマホの残量だけ。この段階で追加の買い物はほぼ効かない。
4〜24時間/冷蔵室の中身が限界に近づく。
冷蔵室の物を冷凍室かクーラーボックスへ移す。保冷剤か凍らせたペットボトルがここで効く。
24〜48時間/冷凍室も満杯かどうかで差が出る。
満杯なら48時間、半分なら24時間。隙間を凍った水で埋めてあるかがそのまま差になる。
48時間以降/調理・充電・衛生の問題に変わる。
ポータブル電源やカセットこんろの領域。ここまで備えるかは住む地域と世帯で判断が分かれる。

この並びで見ると、買い物で埋められるのは4時間より後ろだと分かります。逆に0〜4時間の区間は、扉を開けないという行動だけでほぼ乗り切れます。準備リストが長くなりすぎたときは、その品物が何時間目に効くのかを書き足してみると、優先順位が付きます。

買う前に決める3つの基準

停電向けの商品は種類が多く、ランキングを追うと似た物が重なります。次の3つを先に決めると、買う数がはっきり減ります。

  1. 耐える時間を決める。4時間・24時間・48時間のどれを想定するか。想定が4時間なら、買うのはライト1つで足ります。
  2. 軸が重ならないようにする。電源・あかり・保冷のうち、家にすでにある軸は買わない。モバイルバッテリーが2つあるのにライトが0本、という偏りが一番多い失敗です。
  3. 普段も使える物を選ぶ。年に一度も動かさない機器は、いざというとき電池が切れています。キャンプ・停電・普段使いのどれかで年に数回は通電する物を選びます。

準備リストの全体像|3軸を時間帯で並べ直す

3軸を、効いてくる時間帯と工事の要否で並べたのが次の表です。すべて工事不要で、買って置いておくだけの物に限っています。

図3|停電の準備リスト(工事不要のものだけ)

品目効いてくる時間帯工事ひとこと
電源モバイルバッテリー(10,000mAh前後)0〜24時間不要スマホの充電1〜2回分。まず1つ。
電源ポータブル電源(500Wh前後)24時間〜不要スマホ・照明・小型家電まで。価格帯は大きく上がる。
あかりLEDランタン(据置き・1部屋1つ)0時間〜不要天井を照らせる置き型。手持ちライトとは役割が違う。
あかりヘッドライト/手持ちライト0時間〜不要移動と作業用。両手が空くかで使い勝手が変わる。
保冷保冷剤・凍らせたペットボトル4〜48時間不要冷凍室の隙間を埋めておく。実質ゼロ円で24時間伸ばせる。
保冷クーラーボックス(10〜20L)4〜24時間不要冷蔵室の中身を移す先。開閉を1回で済ませる。
共通乾電池(単3・単4)0時間〜不要ライトの規格をそろえておくと在庫が読める。
共通食料・水(ローリングストック)0時間〜不要買い足しではなく、普段の買い置きを少し多めに回す。

時間帯は、扉を開けない前提でのFDAの目安(冷蔵庫4時間・満杯の冷凍庫48時間)を基準に当てはめた編集部の整理です。

図4|容量別・スマホを何回充電できるかの目安モバイルバッテリー 10,000mAh約1.4回モバイルバッテリー 20,000mAh約2.8回ポータブル電源 300Wh約11.4回ポータブル電源 500Wh約18.9回ポータブル電源 1,000Wh約37.8回スマホ1回=18.5Wh(5,000mAh×3.7V)、変換ロス30%を差し引いた編集部試算

電源の軸は、容量が10倍になれば充電回数もほぼ10倍という素直な関係です。ただし価格は容量に比例しません。0〜24時間だけを想定するなら、モバイルバッテリー1つで足ります。48時間以降まで想定して初めて、ポータブル電源の価格差に意味が出ます。容量の決め方はポータブル電源の選び方2026で用途別にまとめています。

3軸を1つずつ埋める|電源・あかり・保冷

ここからは軸ごとに、最初の1つに何を選ぶかを整理します。同じ軸を買い足すより、空いている軸を埋めるほうが停電時に効きます。

① 電源|想定時間で買う物が変わる

24時間までならモバイルバッテリーで足ります。48時間以降まで想定するとき、初めてポータブル電源の出番です。どちらを買うか迷う場合はカセットガス発電機とポータブル電源はどっちを買うかで必要な電力量から逆算しています。

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まず1つ買うなら10,000mAh前後のモバイルバッテリー

  • スマホの充電1〜2回分。0〜24時間の停電はこれで足りる
  • 普段の外出でも使うので、電池が切れたまま放置されにくい
  • 買うときはPSEマークと、販売事業者の連絡先の表示を確認する

48時間以降まで想定する場合はポータブル電源へ。容量の決め方は選び方記事で用途別に整理しています。

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48時間以降まで想定するならポータブル電源

  • 500Wh前後でスマホ約19回分(変換ロス30%を差し引いた試算)
  • 照明・扇風機・小型家電まで届く。価格は容量に比例しない
  • リコール情報が出ている製品があるため、購入前に型番を確認する

容量別の目安と用途別の選び方はポータブル電源の選び方2026にまとめています。

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② あかり|据置きと手持ちは役割が違う

停電時のあかりは、部屋全体を照らす据置きと、移動・作業のための手持ちで役割が分かれます。片方だけだと、手元は見えるのに部屋が暗い、あるいはその逆になります。明るさと点灯時間の読み方は停電に備えるLEDランタンの選び方2026で公表値の見方から説明しています。

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1部屋に1つの据置きLEDランタン

  • 天井や壁に光を回せるので、部屋全体が使える明るさになる
  • 電池の規格をライト同士でそろえると、在庫が読める
  • ろうそくは倒れたときの出火が心配なので、停電時の主灯には向かない

手持ちのライトと組み合わせる前提です。1本だけ買うなら据置き型を先に。

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③ 保冷|3軸のなかで一番安く時間を伸ばせる

FDAの目安では、冷凍庫は満杯なら約48時間、半分なら約24時間です。この差は買い物ではなく、冷凍室の隙間を凍った水で埋めてあるかどうかで生まれます。空のペットボトルに水を入れて凍らせておけば費用はほぼゼロで、溶けたあとは生活用水にもなります。保冷剤を買い足すのは、その上でクーラーボックスへ移し替える運用をするときです。

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冷凍室の隙間を埋める保冷剤

  • 冷凍室を満杯に近づけるほど、冷たさを保つ時間が延びる
  • クーラーボックスへ移し替えるときの冷源としても使える
  • 凍らせたペットボトルと併用すると、溶けた水を使い回せる

まずは家にあるペットボトルを凍らせるところから。足りない分だけ買い足す考え方です。

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買う前に知っておきたい注意点

停電用に買う物のうち、電源はそのまま火災の原因になりうる分野です。NITEは2021年から2025年までの5年間に、リチウムイオン電池搭載製品の事故が2,140件通知され、製品別ではモバイルバッテリーが最も多いと公表しています。事故は気温の上昇とともに増え、8月にピークを迎えます。防災用に買った物を車内や窓際に置きっぱなしにする使い方は、ちょうどこの傾向に当てはまります。

図5|注意:リチウムイオン電池の「3つのC」

  • 賢く選ぶ:購入前に販売事業者の連絡先・製品情報・リコール情報を確認し、表示マークが適切かを見る
  • 丁寧に使う:高温になる場所で使わない・保管しない。強い衝撃や圧力を加えない。異常を感じたら使用を中止する
  • 正しく捨てる:廃棄時にリチウムイオン電池の有無を確認し、メーカー回収や自治体の区分に従う

出典:製品評価技術基盤機構(NITE)2026年7月15日 報道発表。関係省庁が連携して呼びかけている考え方です。

食料と水については、災害用の特別な物をまとめ買いするより、普段食べる物を少し多めに買い置きして、食べた分だけ買い足すローリングストックが続けやすい方法です。農林水産省の家庭備蓄ポータルに、一般向け・要配慮者向け・単身者向けのガイドが公開されています。

世帯で変わるのは「保冷」と「あかりの数」

3軸の考え方は共通ですが、必要な量は世帯で変わります。一人暮らしは冷蔵庫が小さく、中身の絶対量も少ないため、保冷の負担は軽くなります。かわりに、停電中に頼れる人が家にいないので、あかりと情報の確保が相対的に重くなります。家族世帯は逆で、冷蔵庫と冷凍庫の中身の金額が大きく、部屋数の分だけあかりが要ります。

一人暮らし

ワンルーム・冷蔵庫150L前後

  • あかりは据置き1つ+手持ち1本で足りる
  • 冷凍室が小さいので、凍らせるペットボトルは500mL数本で埋まる
  • クーラーボックスは買わず、保冷バッグで代用できることが多い
  • 電源はモバイルバッテリー1つ。ポータブル電源は在宅避難を想定する場合に

家族世帯

2〜3LDK・冷蔵庫400L以上

  • あかりは居室の数だけ据置きを用意する
  • 冷凍室が大きいぶん、満杯にしておく効果も大きい
  • 冷蔵室の中身を移す先として10〜20Lのクーラーボックスが要る
  • 電源はモバイルバッテリーを人数分+ポータブル電源の検討

どちらの世帯でも共通するのは、買い足す前に冷凍室を満杯に近づけておくことです。3軸のなかで唯一、ほとんど費用をかけずに耐えられる時間を倍にできる項目だからです。待機電力や普段の電気の使い方を含めて見直したい場合は、節電タップと電力計の選び方2026もあわせてご覧ください。

よくある質問

停電の準備は何時間を想定して用意すればいいですか?

まず4時間・24時間・48時間の3段階で考えると整理しやすくなります。FDAの目安では、扉を開けなければ冷蔵庫は約4時間、満杯の冷凍庫は約48時間もちます。4時間までは行動だけで乗り切れるので、買い物で埋めるのはそれより後ろの時間帯です。

ポータブル電源とモバイルバッテリーはどちらを先に買うべきですか?

24時間までの停電を想定するならモバイルバッテリーで足ります。500Wh前後のポータブル電源はスマホ約19回分に相当しますが、価格は容量に比例しないため、48時間以降まで想定して初めて差額に意味が出ます。

冷凍庫の中身を長くもたせる方法はありますか?

冷凍室の隙間を凍らせたペットボトルなどで埋めておくと、FDAの目安で半分の約24時間から満杯の約48時間へ近づきます。停電中は扉の開閉を最小限にし、冷蔵室の中身をまとめて冷凍室かクーラーボックスへ移すのが基本です。

防災用のモバイルバッテリーはどこに保管すればいいですか?

高温になる場所を避けます。NITEはリチウムイオン電池搭載製品の事故が気温とともに増え8月にピークを迎えると公表しており、車内や直射日光の当たる窓際での保管は避けるよう呼びかけています。

非常食は防災用のものを買いそろえる必要がありますか?

必須ではありません。農林水産省の家庭備蓄ポータルでは、普段食べる保存性のよい食品を少し多めに買い置きし、食べた分を買い足すローリングストックが紹介されています。

出典

いずれも2026年9月4日に確認しました。FDAの数値は米国の基準であり、日本の家庭の冷蔵庫の性能や設置環境をそのまま保証するものではありません。準備リストを時間で区切るための目安としてご利用ください。

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この記事を書いた人

省エネ住宅ナビ編集部です。国・自治体の公式情報をもとに、補助金・太陽光・蓄電池・エコキュート・リフォームの「いくらかかる?いくら戻る?」を中立の立場で整理しています。数値・期限は必ず一次情報で確認し、情報基準日を明示する編集方針です。

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