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愛知県の蓄電池補助金は、県が直接個人に出すのではなく「市町村の補助に県が上乗せする協調補助」という形をとっています。窓口はすべてお住まいの市町村です。
名古屋市は蓄電システム単体の区分が2026年7月21日時点で予算に達し受付終了。ただし太陽光・HEMSとの「一体的導入」区分(予算9,231万円)はまだ動いています。
県内で最も手厚いのは岡崎市で、条件を満たせば蓄電池だけで上限35万円。同じ岡崎市内でも区分によって2万円・15万円・35万円と17倍以上の差がつきます。
この記事の要点サマリー(2026年度)
- 愛知県:市町村を通じた協調補助。個人が県へ直接申請することはなく、市町村の補助が終わると県分も受け取れません
- 名古屋市(一体的導入):蓄電システム1kWhあたり1万5千円・上限10kWh=最大15万円。太陽光は築10年超で3万円/kW、HEMSは1万円
- 名古屋市(蓄電システム単体):予算1,080万円に達し受付終了(2026年7月21日17時時点)
- 名古屋市の重要変更:2026年度から申請時期が「工事着工前」→「工事完了後」に変更
- 岡崎市:蓄電池は3区分。重点対策加速化事業活用型が上限35万円、岡崎産再エネ電気活用型が15万円、通常区分が2万円
- 岡崎市は事前申請:交付申請は工事着手日の21日前まで。着工は交付決定日以降。受付は2026年12月28日まで
- 豊田市:エコファミリー支援補助金。2026年度から「くらしカーボンニュートラルクラブ」への入会が申請要件に追加
編集部の見解|愛知は「どの市に住んでいるか」で桁が変わる県
愛知県の制度設計で見落とされやすいのは、県の補助が市町村の補助に紐づいている点です。県のページにも「市町村で補助を行っていない場合、または市町村の補助金がなくなった場合は県の補助を受けることはできません」と明記されています。つまり市の予算が尽きた瞬間に、県の上乗せ分も同時に消えます。「県の枠がまだ残っているはず」という期待は成立しません。
もう一つの特徴は、市による金額差の大きさです。名古屋市は一体的導入で蓄電池最大15万円。一方の岡崎市は、国の重点対策加速化事業を活用した区分なら上限35万円で、太陽光も上限63万円という別格の水準です。ただし岡崎市の高額区分には「発電量の30%以上を自家消費」「岡崎産再エネ電気と契約」「FIT認定を取得しない」といった条件が付き、通常区分だと2万円まで落ちます。金額の大きさと引き換えに設計の自由度を手放す構造で、編集部としては、まず自分がどの区分に入れるのかを工事の契約前に確定させることが最重要だと考えます。
利用者の声から:口コミや掲示板では「見積書に書かれた補助金の想定額が実際と違い、資金計画が崩れて話を止めた」という声が繰り返し見られます。また「太陽光を入れたあとに蓄電池を追加したら工事費が二重にかかった。最初からセットにすればよかった」という後悔も目立ちます。落とし穴は、営業側が示す補助金額を検証せずに契約まで進んでしまうところにありそうです。名古屋市は2026年度から申請が工事完了後に変わり、岡崎市は着工21日前までの事前申請という真逆の運用なので、編集部としては、市の要件を自分の目で確認したうえで見積もりを取り直す進め方を少しおすすめします。
※本欄は公式情報と利用者の声をもとにした省エネ住宅ナビ編集部の分析・見解です。最終判断は公式情報をご確認ください。
愛知県の補助金は「市町村との協調補助」で県には直接申請しない
愛知県には「愛知県住宅用地球温暖化対策設備導入促進費補助金」があり、太陽光発電施設・HEMS・燃料電池・蓄電池・V2H・太陽熱利用システム・高性能外皮等・断熱窓改修が対象です。ただしこれは市町村を通じて交付される協調補助で、個人が県に直接申請する必要はありません。
注意すべきは次の2点です。①お住まいの市町村がその設備の補助を実施していなければ、県の補助も受けられない。②市町村の補助金の予算がなくなった場合も、県の補助は受けられない。県分だけを別ルートで確保することはできません。募集期間も市町村ごとに異なります。
【名古屋市】一体的導入なら蓄電池15万円・単体区分は受付終了
名古屋市の「住宅等の脱炭素化促進補助」は区分ごとに予算が分かれており、区分によって受付状況が違います。2026年7月21日17時時点で蓄電システム(単体)区分は予算に達して受付終了していますが、太陽光発電設備・HEMS・蓄電システムまたはV2Hを一体で導入する「一体的導入」区分は予算9,231万円で継続中です。
| 設備(一体的導入区分) | 補助金額 |
|---|---|
| 太陽光発電設備(築10年以内の住宅) | 1kWあたり2万円(上限9.99kW) |
| 太陽光発電設備(築10年超の住宅) | 1kWあたり3万円(上限9.99kW) |
| HEMS | 1件あたり1万円 |
| 蓄電システム | 蓄電容量1kWhあたり1万5千円(上限10kWh) |
| V2H充放電設備 | 1件あたり5万円 |
築10年超の住宅のほうが太陽光の単価が高い(3万円/kW)逆転設計になっているのが名古屋市の特徴です。築年数は登記事項証明書や固定資産税の課税明細書で判定されます。なお一体的導入は、蓄電システム単体区分・V2H単体区分・ZEHおよびZEHと同時設置の蓄電システムとは併用できません。
| 区分 | 2026年度予算額 |
|---|---|
| 一体的導入 | 9,231万円 |
| 蓄電システム(単体) | 1,080万円(受付終了) |
| ZEH・ZEH+と同時設置の蓄電システム | 540万円 |
| ZEH、ZEH+ | 450万円 |
| GX志向型住宅 | 1,800万円 |
| 断熱窓改修 | 780万円 |
| エネファーム | 690万円 |
| V2H充放電設備 | 75万円 |
また名古屋市は2026年度から申請時期を「工事着工前」から「工事完了後」に変更しています。過去の情報で「着工前に申請が必要」と覚えていると手順を誤るので注意してください。申請は郵送または電子申請で、受付窓口は市が委託する株式会社MTK内に置かれています。
【岡崎市】蓄電池は3区分・最大35万円だが条件は厳しい
愛知県内で金額が突出しているのが岡崎市です。住宅用の定置用リチウムイオン蓄電システムが3つの区分に分かれ、上限額が大きく異なります。
| 区分 | 補助上限 | 算定 | 予算残額(2026年7月15日時点) |
|---|---|---|---|
| 重点対策加速化事業活用型 | 35万円 | 補助対象経費×1/3(14.1万円/kWh以下が条件) | 3,409万8千円 |
| 岡崎産再エネ電気活用型 | 15万円 | 定額 | 2,847万5千円(同枠の他設備と共用) |
| 通常区分 | 2万円 | 定額 | 上記と同一予算枠 |
あわせて住宅用太陽光発電設備(重点対策加速化事業活用型)は上限63万円(補助対象経費×1/2、または7万円/kWの低い方)、V2Hが10万円、ZEHが16万円、家庭用燃料電池システム(重点型)が20万円、既存建築物断熱改修(重点型)が120万円と、住宅系メニューが非常に厚いのが岡崎市です。
ただし重点対策加速化事業活用型の太陽光には「発電量の30%以上を自家消費」「岡崎市地産地消再エネ事業者が供給する岡崎産再エネ電気と電灯契約」「余剰電力は同事業者と売電契約」「FIT/FIP認定を取得しない」「脱炭素関連事業者に施工を依頼」といった条件が付きます。金額が大きい代わりに、電力会社の選択や売電の自由度を手放す設計です。
申請の流れは市によって真逆(事前申請か事後申請か)
申請前に確認したい注意点
ここでつまずく人が多い4点
- 市の予算が切れると県の上乗せも消える:愛知県の補助は協調補助です。県分だけを別に確保することはできません。
- 区分の併用不可:名古屋市の一体的導入は、蓄電システム単体・V2H単体・ZEH同時設置の蓄電システムと併用できません。どの区分が最も得か、契約前に試算してください。
- 申請タイミングが市ごとに逆:名古屋市は2026年度から工事完了後の申請、岡崎市は着手21日前までの事前申請です。同じ愛知県でも段取りが真逆です。
- リース品は対象外:名古屋市は太陽光・HEMS・蓄電システムいずれも「申請者が購入するもの(リース品は対象外)」としています。
区分の判定や必要書類は市の窓口で確認できますが、見積額そのものが妥当かどうかは自治体では判断してくれません。蓄電池は定価のない商材で、同じ容量でも見積額に大きな差が出ます。補助金の枠を確認するのと並行して、複数社の見積もりで相場を掴んでおくと判断を誤りにくくなります。相見積もりは無料で、その場で契約する必要もありません。
無料・比較だけの利用OK・合わなければ断って大丈夫です
他県や愛知県の他制度もあわせて確認
都道府県ごとの蓄電池補助の全体像は家庭用蓄電池の補助金2026 都道府県別まとめにまとめています。愛知県の断熱改修やZEHなど住宅全体の補助については愛知県の省エネ住宅補助金2026もご覧ください。
よくある質問
愛知県の補助金は県に直接申請するのですか?
いいえ。愛知県住宅用地球温暖化対策設備導入促進費補助金は市町村を通じて交付される協調補助で、申請先はお住まいの市町村です。市町村が対象設備の補助を実施していない場合や、市町村の予算がなくなった場合は県の補助も受けられません。
名古屋市の蓄電池補助はもう終わってしまったのですか?
「蓄電システム(単体)」区分は予算1,080万円に達し、2026年7月21日17時時点で受付を終了しています。一方、太陽光発電設備・HEMS・蓄電システムを一体で導入する「一体的導入」区分は予算9,231万円で別枠のため、こちらで蓄電池1kWhあたり1万5千円(上限10kWh)を狙う形になります。
愛知県で蓄電池補助が一番手厚い自治体はどこですか?
2026年度の住宅用では岡崎市です。重点対策加速化事業活用型なら上限35万円(補助対象経費×1/3、14.1万円/kWh以下が条件)で、太陽光も上限63万円が用意されています。ただし自家消費率30%以上や岡崎産再エネ電気との契約、FIT認定を取得しないなどの条件があります。
工事の契約はいつすればよいですか?
市によって逆になります。名古屋市は2026年度から申請時期が工事完了後に変更されたため、着工前の申請は不要です。岡崎市は交付申請を工事着手日の21日前までに行い、着工は市の交付決定日以降でなければなりません。必ず自分の市の要件を確認してから契約してください。
国のDR補助金は使えますか?
2026年度の国のDR補助金(上限60万円)は2026年5月29日に予算上限へ達し受付を終了しています。また岡崎市の重点対策加速化事業活用型は「国が実施するその他の補助制度を利用しないこと」を要件としている区分があるため、併用の可否は必ず市の要綱で確認してください。
