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川崎市の蓄電池補助金は1kWhあたり10万円で、限度額は70万円と30万円の2本立てです。
70万円になるのは「新たに設置するFITを適用しない太陽光発電設備」と連系する場合だけで、すでにある太陽光に後付けする場合は30万円が上限になります。
神奈川県の補助は第2期が2026年9月7日(月)8時30分から先着順で始まります(受付可能件数は500件程度、9月30日まで)。
この記事の要点(2026年8月29日時点)
- 川崎市の蓄電池は10万円/kWh(設置費用の1/2)。限度額はFIT非適用の新設太陽光と連系=70万円/件、FIT適用の新設または既設の太陽光と連系=30万円/件。
- 金額の計算はカタログの定格容量ではなく「初期実効容量」で行う。
- 「10万円/kWh」と「設置費用の1/2」は低いほうが採用されるため、工事費込みの単価が20万円/kWhを下回ると1kWhあたりの実額はそのぶん目減りする。
- 市の受付は2026年4月24日〜12月28日。予算執行状況は8月26日時点で36%(市が原則毎週水曜に1%刻みで公表)。
- 神奈川県は第2期が9月7日8時30分から先着・500件程度、9月30日まで。施工業者による代行申請は不受理で、申請者本人が手続きする必要がある。
- 市・県ともに交付決定の通知を受け取る前に着工すると対象外。
川崎市の蓄電池補助金は「上限70万円」と「上限30万円」の2本立て
川崎市の補助金は、正式名称を「太陽光発電設備等設置費補助金」(愛称:たいせつ補助金)といいます。令和8年度は2026年4月24日から受付が始まっており、蓄電池は1kWhあたり10万円、かつ設置費用の2分の1という単価で計算されます。
ここで多くの人がつまずくのが、限度額が1本ではなく70万円と30万円の2本に分かれている点です。分かれ目は「どんな太陽光発電設備と連系するか」の1点だけで、蓄電池そのものの性能や容量では変わりません。
| 区分 | 補助単価(補助割合) | 限度額 | 主な要件 |
|---|---|---|---|
| 蓄電池 新たに設置するFITを適用しない太陽光と連系 | 10万円/kWh (設置費用の1/2) | 70万円/件 | 2kW以上の太陽光と連系(自己所有)/環境省ZEH化等支援事業の登録製品/初期実効容量で計算 |
| 蓄電池 新たに設置するFITを適用する太陽光と連系、またはすでに設置済みの太陽光と連系 | 10万円/kWh (設置費用の1/2) | 30万円/件 | 同上 |
| 太陽光発電設備(FITを適用しないもの) | 7万円/kW (設置費用の1/2) | 28万円/件 | 2kW以上50kW未満/太陽光発電設備普及事業者登録制度の登録事業者が施工 |
| 太陽光発電設備(FITを適用するもの) | 4万円/件(定額) | 4万円/件 | 2kW以上/登録事業者が施工 |
| ZEH/ZEH Oriented | 25万円/戸(定額) | 25万円/戸 | 設置完了届時にBELS評価書を提出 |
| ZEH+ | 40万円/戸(定額) | 40万円/戸 | 同上 |
限度額の差は40万円です。蓄電池を検討している人の多くは「すでに太陽光がある家に後付けする」ケースですが、その場合の上限は30万円で、70万円ではありません。ここを取り違えたまま見積もりを取ると、資金計画が40万円ずれます。
「10万円/kWh」は設置費用の1/2で頭打ちになる|単価別の実額表
市の要綱では、蓄電池の補助額は「10万円×初期実効容量(kWh)」と「設置費用の2分の1」の低いほうで、さらに限度額(70万円または30万円)で頭を打ちます。つまり工事費込みの単価が20万円/kWhを下回ると、1kWhあたりの実額は10万円ではなくなります。
下の表は、限度額70万円の枠(FIT非適用の新設太陽光と連系)で、工事費込みの単価と初期実効容量を組み合わせたときの交付額です。数字はすべて、上に書いた3つの条件から機械的に計算したものです。
| 初期実効容量 | 15万円/kWh | 18万円/kWh | 20万円/kWh以上 |
|---|---|---|---|
| 5.0kWh | 37.5万円 | 45.0万円 | 50.0万円 |
| 7.0kWh | 52.5万円 | 63.0万円 | 70.0万円 |
| 8.0kWh | 60.0万円 | 70.0万円 | 70.0万円 |
| 10.0kWh | 70.0万円 | 70.0万円 | 70.0万円 |
| 満額70万円に必要な容量:15万円/kWhなら約9.4kWh、18万円/kWhなら約7.8kWh、20万円/kWh以上なら7.0kWh | |||
逆に、限度額30万円の枠(既設の太陽光に後付けするケースなど)では、20万円/kWhなら3.0kWh、15万円/kWhでも4.0kWhで限度額に届いてしまいます。つまり後付けの場合、容量を4kWhより大きくしても市からの補助は1円も増えません。容量を上げる判断は、補助金ではなく停電時に動かしたい家電と自家消費量で決めることになります。
注意:計算に使うのは「初期実効容量」
市は「補助金額の計算に使用するのは初期実効容量の値です」と明記しています。カタログの先頭に大きく書かれた定格容量(公称容量)とは別の値で、通常は定格より小さくなります。見積書に定格容量しか書かれていない場合は、環境省ZEH化等支援事業の蓄電システム登録済製品一覧に載っている初期実効容量を施工事業者に確認してから、補助額を見積もってください。
FITを使うかどうかで市の補助は64万円変わる|逆転するのは約6.8kWから
川崎市の制度は、太陽光と蓄電池の両方で「FITを適用しないほう」を厚く支援する設計になっています。新築や増設で太陽光と蓄電池を同時に入れる場合、2つのルートの上限額を並べると差がはっきり出ます。
| ルート | 太陽光 | 蓄電池 | 市からの上限合計 |
|---|---|---|---|
| FITを適用しない | 7万円/kW・上限28万円 | 上限70万円 | 98万円 |
| FITを適用する | 4万円/件(定額) | 上限30万円 | 34万円 |
| 差 | 24万円 | 40万円 | 64万円 |
では、FITを捨てて64万円を取りにいくのは得なのでしょうか。2026年度に認定を受ける10kW未満の住宅用太陽光のFIT買取価格は1〜4年目が24円/kWh、5〜10年目が8.3円/kWhです。ここから10年間の売電収入を計算し、64万円と比べます。
| 太陽光の容量 | 10年間のFIT売電収入 (余剰率50%) | 10年間のFIT売電収入 (余剰率65%) | 市の補助差64万円との比較 |
|---|---|---|---|
| 4kW | 約29.2万円 | 約37.9万円 | どちらもFIT非適用が有利 |
| 5kW | 約36.5万円 | 約47.4万円 | どちらもFIT非適用が有利 |
| 6kW | 約43.7万円 | 約56.9万円 | どちらもFIT非適用が有利 |
| 7kW | 約51.0万円 | 約66.3万円 | 余剰率65%なら僅差でFITが上回る |
| 8kW | 約58.3万円 | 約75.8万円 | 余剰率65%ならFITが有利 |
損益が入れ替わるのは、余剰率65%なら約6.8kW、余剰率50%なら約8.8kWからです。5kW前後という一般的な住宅の屋根であれば、FITを適用しないルートのほうが手取りは大きくなります。しかも蓄電池を併設すると自家消費が増えて余剰率は下がるため、実際の条件は表の左側(余剰率50%)に寄りやすく、FIT非適用がさらに有利になります。
ただし、この試算は「FITを使わない場合は1円も売電しない」という極端な前提で作っています。FITを使わなくても小売電気事業者との相対契約で余剰電力を売ることはできるため、実際の差は表よりさらに開く方向です。逆に、10kW未満でも7kWを超える大きな屋根で、蓄電池を入れず余剰を多く出す使い方なら、FIT側が上回る余地があります。自宅の屋根の容量と、蓄電池を入れるかどうかの2点で結論が変わると考えてください。
なお神奈川県の補助はFITの活用可否で金額が変わりません(県のQ&Aで「活用可能です」と明記)。市でFIT非適用を選んでも、県側で不利になることはありません。
市と県を重ねる|神奈川県の第2期は9月7日8時30分から先着500件程度
川崎市は「本補助金は国や神奈川県が実施する他の補助金と併用することができます」と明記しています。川崎市民が現実的に狙えるのは市+県の2階建てで、太陽光5kW+蓄電池1台(初期実効容量7.0kWh・工事費込み20万円/kWh・FIT非適用)というモデルケースなら次のようになります。
| 設備 | 川崎市 | 神奈川県 | 小計 |
|---|---|---|---|
| 太陽光5kW | 28万円(7万円/kW・上限28万円) | 35万円(7万円/kW) | 63万円 |
| 蓄電池7.0kWh・1台 | 70万円(10万円/kWh・上限70万円) | 15万円(1台15万円) | 85万円 |
| 合計 | 98万円 | 50万円 | 148万円 |
ただし、市と県では手続きのルールがかなり違います。とくに県は施工業者による代行申請を認めていません。県は2026年8月28日に「申請者御本人が申請手続きを行う必要があります。施工業者等による代行申請はできません。代行申請であることが分かった場合は、不受理となります」と注意喚起を出しました。一方の市は「申請等の手続きは事業者に委任することが可能」としています。同じ設備で、市は業者任せにできて県は自分でやるという組み合わせになる点に注意してください。
| 項目 | 川崎市(たいせつ補助金) | 神奈川県(第2期) |
|---|---|---|
| 受付期間 | 2026年4月24日〜12月28日 | 2026年9月7日8時30分〜9月30日 |
| 選定方法 | 予算状況で早期終了の可能性あり | 先着順(受付可能件数は500件程度) |
| 申請方法 | オンライン手続かわさき(e-KAWASAKI)/請求書のみ郵送 | 電子申請システムのみ(郵送・持込不可) |
| 代行申請 | 事業者への委任が可能 | 不可(本人申請のみ) |
| 着工のタイミング | 交付決定通知の受領後 | 交付決定の日以降(審査に2〜3か月) |
| 事業完了の期限 | 2027年1月31日 | 2027年3月31日 |
| 完了後の提出 | 事業完了から30日以内または2027年2月12日の早い日 | 事業完了から2か月以内または2027年4月30日の早い日 |
両方を取りにいくなら、ボトルネックは市の「2027年1月31日までに事業完了」です。県の第2期は9月に申請しても審査に2〜3か月かかる場合があり、交付決定が11月〜12月にずれ込むと、着工から市の完了期限まで1〜2か月しかありません。屋根工事は天候にも左右されるため、県の第2期を使う場合は9月7日の受付開始に間に合うよう、8月中に見積書と型番を確定させておくのが現実的な段取りになります。
川崎市の予算はまだ36%|焦って業者を決めなくてよい根拠
市は予算総額に対する補助金申請額の割合を1%刻みで、原則毎週水曜日に公表しています。2026年8月26日時点の執行状況は36%でした。
受付開始の4月24日から8月26日までは124日、8月26日から締切の12月28日までも124日で、ちょうど折り返し地点にあたります。同じペースが続けば12月28日時点で7割前後という計算になり、少なくとも現時点では「今週中に契約しないと枠がなくなる」という状況ではありません。工事は年度後半に集中しやすいので後半のペースは上がり得ますが、市の枠を理由に契約を急がせる営業トークがあれば、市の執行状況のページを一緒に見せてもらうのが確実です。
逆に、急ぐ必要があるのは神奈川県のほうです。県の第1期は5月11日の受付開始から5月12日で予算に達して締め切られました。第2期は9月7日8時30分開始の先着順で、受付可能件数は500件程度。電子申請システム上で受付が「完了」と表示されても、500件を超えたあとの申請は不受理になる可能性があると県が明記しています。
申請でつまずく5つのポイント|チェックリスト
申請前に確認する5項目
- 蓄電池だけでは対象外。市の要件は「2kW以上の太陽光発電設備と連系すること」で、しかも自己所有の太陽光である必要があります。県はそもそも太陽光と蓄電池の同時導入が条件です。
- 製品が登録リストにあるか。市は環境省の戸建住宅ZEH化等支援事業の補助対象製品として令和7年度以降に登録されている蓄電池を対象とし、県はSIIに令和7年度以降に登録された製品を対象としています。
- 交付決定の通知より前に着工しない。市・県ともに、通知を受け取る前に設置工事を始めると対象外です。市の場合、新築建売は「住宅の引き渡し」が着手日にあたります。
- 県は本人が申請する。施工業者に任せると不受理になります。市は事業者への委任が可能ですが、行政書士でない人が報酬を得て書類を作成することは行政書士法違反になる点を市も注記しています。
- PPA・リースは市の対象外。申請者が購入した設備でない場合は補助対象になりません。また県は、昭和56年6月1日より前に建築確認を得て着工した住宅について、耐震基準適合を証する書類を求めます。
太陽光側にだけある「登録事業者」の条件
市の太陽光発電設備の補助は、「太陽光発電設備普及事業者登録制度」の登録事業者が施工・設置した設備であることが条件です。蓄電池側にはこの条件がありませんが、太陽光と蓄電池を同じ会社に頼むことが多いため、見積もりを取る段階で登録事業者かどうかを確認しておかないと、太陽光の28万円だけ落ちるという事態になり得ます。
補助額が同じなら、比べるべきは工事の総額
ここまで見てきたとおり、川崎市の蓄電池補助は設置費用の1/2という制約があるため、工事総額が下がるほど補助額も下がります。それでも自己負担は確実に小さくなります。たとえば7.0kWhの蓄電池を単価20万円/kWh(総額140万円)で入れれば市の補助は70万円で自己負担70万円、単価15万円/kWh(総額105万円)なら補助52.5万円で自己負担52.5万円。総額が安いほうが自己負担も小さくなるという関係は変わりません。
蓄電池は機種・容量・工事内容で総額が大きく変わります。同じ条件で複数社の見積もりを並べ、1kWhあたりの単価と初期実効容量をそろえて比べるのが、補助金を最大化する一番の近道です。
同じ容量でも総額は数十万円変わります
川崎市の補助は「10万円/kWh」と「設置費用の1/2」の低いほうです。相見積もりで単価と初期実効容量をそろえて比べると、自己負担の差がはっきり見えます。一括見積もりは無料で使えます。
よくある質問(川崎市の蓄電池補助金)
Q. 蓄電池だけを設置しても川崎市の補助金はもらえますか?
もらえません。市の要件は「太陽光発電設備(2kW以上)と連系すること」で、しかも自己所有の太陽光である必要があります。すでに自宅に2kW以上の太陽光がある場合は、後付けの蓄電池でも対象になりますが、限度額は70万円ではなく30万円になります。
Q. 国や神奈川県の補助金と併用できますか?
できます。市は「本補助金は国や神奈川県が実施する他の補助金と併用することができます」と明記しています。県も「可能です」と回答したうえで、「補助金の種類により、県との併用を認めていない場合がありますので、御利用を検討されている補助制度の確認をお願いします」と注記しています。併用する制度が決まったら、その制度側の要綱で県・市との併用可否を必ず確認してください。
Q. 川崎市の予算はいつごろなくなりそうですか?
市の公表では2026年8月26日時点の執行状況が36%です。受付開始の4月24日からの124日で36%なので、同じペースなら締切の12月28日時点で7割前後という計算になります。市は原則毎週水曜日に1%刻みで更新しているので、契約前に最新の数字を確認してください。なお市は「予算状況で早期終了の可能性があります」とも書いており、この試算はあくまで目安です。
🏠 川崎市でこれから新築・建て替えを考えている方へ
新築の省エネ補助金(みらいエコ住宅2026事業など)は、補助金の申請に慣れた住宅会社を選べるかで受け取りやすさが変わりやすい部分です。川崎市を含む東京・埼玉・神奈川エリアなら、特定の会社に偏らない中立の立場で家づくりを何度でも無料相談できる「すまいのいろはPlus」が利用できます。注文住宅だけでなく建売・中古・住み替えの比較検討や、資金計画・補助金の活用相談にも対応しています。
まずカタログで比較したい方は、全国対応・入力3分の一括請求 → 持ち家計画
も使えます。
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- 【2026年度】川崎市の太陽光・蓄電池補助金|たいせつ補助金+県+国の3階建て併用ガイド(申請の全体像と太陽光側の詳細)
- 【2026年度】神奈川県の太陽光・蓄電池補助金まとめ(県の制度と市町村の一覧)
- 【2026年度】横浜市の蓄電池補助金は最大27万円(隣接市との条件比較)
出典
- 川崎市「令和8年度『太陽光発電設備等設置費補助金』について」(2026年3月19日公開/2026年8月26日更新、2026年8月29日確認)
- 神奈川県「令和8年度神奈川県住宅用太陽光発電・蓄電池導入費補助金」(2026年8月28日更新、2026年8月29日確認)
- 資源エネルギー庁 調達価格等算定委員会「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」(10kW未満の買取価格、2026年8月29日確認)
本記事の金額・期日は2026年8月29日時点で各公式サイトを確認した内容です。制度は年度途中でも変更・早期終了があるため、契約前に必ず川崎市および神奈川県の公式ページで最新情報をご確認ください。
