この記事はガス代の見直しシリーズの一部です。全体像とシミュレーターはガス代を下げる完全ガイド【2026年】にまとめています。
情報基準日: 2026-09-09
福岡・北九州の西部ガスエリアで月30立方メートルなら、きゅうでんガスが単独契約でも年3,600円安い。電気も九州電力にすると(30アンペア)セット割で年7,200円まで広がる。2026年9月9日時点の各社公式料金表による。
結論は3行です。
1. 九州で都市ガスを選べるのは、実質的に西部ガスの福岡地区・北九州地区だけ。熊本・長崎・佐世保は家庭向けの新規参入がほぼない。
2. きゅうでんガスの単価は西部ガス一般料金とまったく同額で、安くなるのは「セット契約割引額」という定額の値引きだけ。
3. ミツウロコの「まる得プラン」は西部ガス一般料金をきっかり3%引きした料金表。使用量が増えるほど効くが、月50立方メートルでも年4,480円にとどまる。
この記事の要点
- 西部ガス一般料金(45メガジュール)の基本料金は913.00〜2,167.00円、基準単位料金は246.76〜211.75円(税込)
- きゅうでんガスは上の単価をそのまま使い、電気の契約容量とガス使用量で決まる100〜1,300円の定額割引を毎月引く
- ミツウロコ「まる得プラン」は基本料金・従量料金とも西部ガス一般料金の97.0%。月10立方メートルで年1,217円、月50立方メートルで年4,480円の差
- 熊本・長崎・佐世保は46メガジュールの別料金表。単価は高く見えるが、45メガジュール換算すると福岡と一致する
- 国の電気・ガス料金支援は2026年10月検針分が最後。11月検針分から1立方メートルあたり14円の値引きが消える
この記事の比較基準|公式単価のみ・アフィリエイト順位なし・情報基準日
- 料金は各社の公式サイトと供給約款に記載された基本料金・単位料金だけを使って計算しています。実際の請求額は使用量・供給エリア・原料費調整額で変わります。
- 都市ガスの請求額は原料費調整額で毎月動きます。本文の数値は特記がない限り、記載の検針月の単価にもとづく計算です。
- 紹介する順序や掲載の有無を広告の成果報酬で変えていません。提携のあるサービスを案内する場合は記事の冒頭にPR表記を置いています。
- 年額の差は前提の使用量と計算式を本文に明記し、条件によって結果が変わるため「最安」と断定する表現は使いません。情報基準日: 2026-09-13
九州で都市ガスを「選べる」のはどこか
九州の都市ガスは、事業者ごとに導管のエリアが決まっています。家庭向けに複数社が競合しているのは、西部ガスの福岡地区と北九州地区にほぼ限られます。ミツウロコグリーンエネルギーが公表している提供地区は次のとおりです。
| 地区 | 市区町村 |
|---|---|
| 福岡地区 | 福岡市、春日市、大野城市、糸島市、福津市、古賀市、宗像市、宮若市、那珂川市、粕屋町、新宮町、志免町 |
| 北九州地区 | 北九州市、中間市、水巻町、苅田町、遠賀町、芦屋町、岡垣町 |
出典: ミツウロコグリーンエネルギー「西部ガスエリア」提供地区(2026-09-09取得)
このエリアに住んでいれば、西部ガスの一般料金のほか、九州電力の「きゅうでんガス」、ミツウロコグリーンエネルギーの「まる得プラン」などから選べます。逆に、熊本・長崎・佐世保、および大分・宮崎・鹿児島の各都市ガス事業者のエリアでは、家庭向けの選択肢は事実上ありません。
月30立方メートルなら年いくら違うか(年額の比較)
基準単位料金(原料費調整を含まない素の単価)で、月10・20・30・50立方メートルの年額を計算しました。原料費調整額はどの会社も同じ算定式に沿って毎月動くため、会社間の差を見るには基準単位料金で比べるのが正確です。
| 月の使用量 | 西部ガス一般料金 | ミツウロコ まる得 | きゅうでんガス(電気は他社) | きゅうでんガス(電気も九電30A) |
|---|---|---|---|---|
| 10立方メートル | 40,567円 | 39,351円 −1,217円 | 38,167円 −2,400円 | 35,767円 −4,800円 |
| 20立方メートル | 69,300円 | 67,222円 −2,078円 | 65,700円 −3,600円 | 62,100円 −7,200円 |
| 30立方メートル | 97,152円 | 94,239円 −2,913円 | 93,552円 −3,600円 | 89,952円 −7,200円 |
| 50立方メートル | 149,424円 | 144,944円 −4,480円 | 143,424円 −6,000円 | 138,624円 −10,800円(40A) |
年額=(基本料金+基準単位料金×使用量)×12。原料費調整額・国の支援による減額は含めていません。出典: 西部ガス「料金表(45メガジュール)一般ガス供給約款」、九州電力「ガス料金プラン」、ミツウロコグリーンエネルギー「西部ガスエリア」(いずれも2026-09-09取得)。実際の請求額は使用状況・原料費調整により変わります。
どの使用量でも、きゅうでんガスの定額割引がミツウロコの3%引きを上回りました。使用量が多いほど3%引きの金額は伸びますが、月50立方メートルでも年4,480円で、きゅうでんガス単独の年6,000円には届きません。
きゅうでんガスは「単価が同額、差は割引額だけ」
おすすめな人: 電気を九州電力のスマートファミリープラン[ガスセット]などにできる世帯。契約容量が30アンペア以上で、ガスも月16立方メートル以上使う家ほど割引額が大きくなります。
九州電力が公表しているきゅうでんガスの基本料金・基準単位料金は、西部ガス一般料金と1円単位まで同じです。つまり値引きの正体は、単価ではなく毎月定額で引かれる「セット契約割引額」です。
| 電気の契約電流 | 0〜5立方 | 6〜15立方 | 16〜30立方 | 31〜100立方 | 101立方〜 |
|---|---|---|---|---|---|
| 電気は他社(ガス単独) | 100円 | 200円 | 300円 | 500円 | 700円 |
| 10〜20アンペア | 100円 | 200円 | 300円 | 500円 | 700円 |
| 30アンペア | 100円 | 400円 | 600円 | 800円 | 1,000円 |
| 40アンペア | 100円 | 400円 | 700円 | 900円 | 1,100円 |
| 50アンペア | 100円 | 400円 | 800円 | 1,000円 | 1,200円 |
| 60アンペア | 100円 | 400円 | 900円 | 1,100円 | 1,300円 |
1か月あたりのセット契約割引額(税込)。出典: 九州電力「ガス料金プラン」(2026-09-09取得)。対象の電気料金プランはスマートファミリープラン[ガスセット]、スマートビジネスプラン[ガスセット]ほか。
注意: 電気側の燃料費調整に上限がなくなる
九州電力自身が、従量電灯には燃料費調整の上限がある一方、スマートファミリープラン[ガスセット]にはないと注記しています。燃料価格が高騰した局面では、ガスで年7,200円下がっても電気側でそれ以上増える場合があります。ガスの割引額だけで判断せず、電気のプラン変更を含めて年額で見比べてください。
ミツウロコ「まる得プラン」は西部ガス一般料金の97.0%
おすすめな人: 電気は今の会社のままにしたい世帯、または高効率給湯器・浴室暖房乾燥機を使っていて追加の割引条件に当てはまる世帯。
ミツウロコの料金表を西部ガス一般料金で割ると、A表からD表まですべて0.970でした。基本料金も従量料金も一律3%引きという、わかりやすい設計です。
| 区分(月の使用量) | 西部ガス 基本料金 | ミツウロコ 基本料金 | 西部ガス 単価 | ミツウロコ 単価 |
|---|---|---|---|---|
| A表 0〜15立方メートル | 913.00円 | 885.61円 | 246.76円 | 239.36円 |
| B表 15超〜30立方メートル | 1,133.00円 | 1,099.01円 | 232.10円 | 225.14円 |
| C表 30超〜100立方メートル | 1,562.00円 | 1,515.14円 | 217.80円 | 211.27円 |
| D表 100立方メートル超 | 2,167.00円 | 2,101.99円 | 211.75円 | 205.40円 |
いずれも税込・基準単位料金。出典: 西部ガス「料金表(45メガジュール)」、ミツウロコグリーンエネルギー「西部ガスエリア ガス料金表」(2026-09-09取得)。
ミツウロコはこれとは別に、高効率給湯器を使っている場合の「エコ給割」2%、浴室暖房乾燥機を使っている場合の「浴暖割」5%、両方使っている場合の「ダブル割」7%を公表しています。上の表の3%引きにどう重なるかは公表資料からは読み取れないため、該当しそうな設備がある家は申し込み前にミツウロコへ確認してください。仮にダブル割7%が単純に上乗せされる想定で試算すると、月30立方メートルの年額は西部ガス比で年9,000円前後まで広がる計算になります。
熊本・長崎・佐世保が高く見えるのは「熱量が違う」から
西部ガスの熊本・長崎・佐世保は46メガジュールの料金表で、基準単位料金は252.24〜216.45円と福岡(45メガジュール)より高く見えます。ただし基本料金は913.00〜2,167.00円で福岡と同額です。単価に45/46を掛けて熱量をそろえると、福岡の単価と1銭単位でほぼ一致します。
| 区分 | 福岡・北九州(45MJ) | 熊本・長崎・佐世保(46MJ) | 46MJを45MJ換算 |
|---|---|---|---|
| 第1区分 | 246.76円 | 252.24円 | 246.76円 |
| 第2区分 | 232.10円 | 237.25円 | 232.11円 |
| 第3区分 | 217.80円 | 222.64円 | 217.80円 |
| 第4区分 | 211.75円 | 216.45円 | 211.75円 |
出典: 西部ガス「料金表(45メガジュール)」「料金表(46メガジュール)」(2026-09-09取得)。換算は単価×45÷46で当サイトが計算。区分の境目も46メガジュール側は14・29・97立方メートルと、45メガジュール側の15・30・100立方メートルを熱量で割り戻した値になっています。
2026年11月検針分から、1立方メートルあたり14円の値引きが消える
西部ガスの料金表には、国の電気・ガス料金支援による減額が明記されています。2026年8月・10月検針分は消費税込み14円、9月検針分は18円を1立方メートルあたり減額。この支援は10月検針分が最後です。
月30立方メートルの家なら、支援が切れるだけで請求は月420円(=14円×30立方メートル)増えます。10月と11月の請求書を比べて「値上げされた」と感じても、その大半は支援の終了分です。会社を替えたかどうかとは別の話なので、切り分けて見てください。
切り替える前に確認する4つ
- 検針票の「料金表の区分」を見る — A表かB表かで単価が14円以上変わります。区分を確認しないと年額の試算がずれます。
- 電気の契約容量(アンペア)を確認する — きゅうでんガスの割引額は契約電流で決まります。30アンペア未満だと割引はガス単独と同じ額です。
- ガス機器のリース・割賦が残っていないか確認する — 西部ガスで購入した機器の支払いが残っていると、切り替えで支払い方法が変わる場合があります。
- ガス機器の修理・点検の窓口が変わることを確認する — 保安(漏えい時の対応)は導管を持つ西部ガスが引き続き担いますが、機器の修理受付は契約先によって変わります。
よくある質問
きゅうでんガスに替えると、ガスの安全性は下がりますか
下がりません。都市ガスの導管とガスそのものは西部ガスのものが使われ続け、ガス漏れなどの緊急時対応も導管事業者が担います。契約先が変わるのは料金の請求と機器の相談窓口です。
ミツウロコときゅうでんガス、結局どちらが安いですか
2026年9月9日時点の公表料金で計算すると、月10〜50立方メートルのどの使用量でもきゅうでんガスの定額割引のほうが大きくなりました。ただしミツウロコのエコ給割・浴暖割・ダブル割が適用できる家では逆転する可能性があります。また電気側のプラン変更で損得が変わるため、電気とガスの年額を合算して比べてください。
熊本や長崎でも都市ガス会社は選べますか
2026年9月時点では、家庭向けに西部ガス以外を選べる状況にはありません。福岡地区・北九州地区に比べて需要が小さく、新規参入した小売事業者が家庭向けメニューを出していないためです。単価が高く見えるのは熱量が46メガジュールと大きいためで、同じ熱量あたりでは福岡と同じ水準です。
出典
- 西部ガス「料金表・料金早見表(ご家庭のお客さま)」一般ガス供給約款 45メガジュール/46メガジュール(2026-09-09取得)
- 九州電力「ガス料金プラン(きゅうでんガス)」基本料金・基準単位料金・セット契約割引額(2026-09-09取得)
- ミツウロコグリーンエネルギー「西部ガスエリア」ガス料金表・割引種別・提供地区(2026-09-09取得)
- 資源エネルギー庁「電気・ガス料金支援」(減額単価と実施期間、2026-09-09取得)
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まとめ記事:ガス代を下げる完全ガイド【2026年】都市ガスの乗り換えとプロパンの切替(エリア別・世帯別の年額差をシミュレーターで確認できます)
