この記事はガス代の見直しシリーズの一部です。全体像とシミュレーターはガス代を下げる完全ガイド【2026年】にまとめています。
月30立方メートルの一般的な家庭なら、東京ガスの一般料金から東京電力エナジーパートナーやCDエナジーダイレクトへ切り替えると、本体料金で年1,791円から1,858円安くなります。さらに東京ガスは2026年11月検針分から基本料金を月150円引き上げるため、他社が追随しなければ差は年3,600円前後まで広がります。2026年9月8日時点の各社公式単価による試算です。
情報基準日: 2026-09-08
結論1: 東京ガスエリアで単価だけを見ると、東京電力エナジーパートナーの「とくとくガスプラン」とCDエナジーダイレクトの「ベーシックガス」が、全ての料金表区分で東京ガスの一般料金を下回る。
結論2: 東京ガスは2026年11月検針分から基本料金を月150円、払込書発行手数料を月50円引き上げる。使用量に関係なく年1,800円の負担増になる。
結論3: ただし東京ガスの一般料金には原料費調整の上限があり、新電力系のガスプランには上限がない。原料価格が高騰する局面では逆転しうる。
この記事でわかること
- 東京ガス・東京電力エナジーパートナー・CDエナジーダイレクトの基本料金と基準単位料金(全6区分)
- 月15・30・50立方メートルで、年額がいくら違うか
- 2026年11月検針分からの東京ガスの値上げ幅と、新旧の料金表
- 単価表に出てこない差(原料費調整の上限・払込書手数料・翌月合算の廃止)
この記事の比較基準|公式単価のみ・アフィリエイト順位なし・情報基準日
- 料金は各社の公式サイトと供給約款に記載された単価だけを使って計算しています。実際の請求額は使用量・供給エリア・原料費調整額で変わります。
- 紹介する順序や掲載の有無を広告の成果報酬で変えていません。提携のあるサービスを案内する場合は記事の冒頭にPR表記を置いています。
- 年額の差は前提の使用量と計算式を本文に明記し、条件によって結果が変わるため「最安」と断定する表現は使いません。
情報基準日: 2026-09-13(単価の改定を確認した場合は本文の表と基準日を更新します)
東京ガスエリアで選べる3社の単価を並べる
東京ガスの供給エリア(東京地区等)では、東京ガスのほかに東京電力エナジーパートナーとCDエナジーダイレクトが家庭向けの都市ガスを販売しています。3社とも東京ガスと同じ6段階の料金表区分を使っているので、区分ごとに基本料金と単位料金を並べれば横並びで比較できます。
下の表は原料費調整額を含まない「本体料金」です。東京ガスの基準単位料金は、公表されている2026年9月検針分の調整単位料金から、同社が公表した単位料金調整額15.59円(補助金適用後)を差し引いて算出しました。B表の130.46円は東京ガスが標準家庭の計算式で公表している基準単位料金と一致します。
| 料金表(月の使用量) | 東京ガス 一般料金 | 東京電力EP とくとくガス | CDエナジー ベーシックガス |
|---|---|---|---|
| A表 0〜20立方メートル 基本料金/単位料金 | 759.00円 145.31円 | 736.23円 140.94円 | 735.46円 140.76円 |
| B表 21〜80立方メートル 基本料金/単位料金 | 1,056.00円 130.46円 | 1,024.32円 126.54円 | 1,022.38円 126.42円 |
| C表 81〜200立方メートル 基本料金/単位料金 | 1,232.00円 128.26円 | 1,195.04円 124.40円 | 1,193.39円 124.28円 |
| D表 201〜500立方メートル 基本料金/単位料金 | 1,892.00円 124.96円 | 1,835.24円 121.20円 | 1,833.02円 121.08円 |
| E表 501〜800立方メートル 基本料金/単位料金 | 6,292.00円 116.16円 | 6,103.24円 112.67円 | 6,100.61円 112.54円 |
| F表 801立方メートル〜 基本料金/単位料金 | 12,452.00円 108.46円 | 12,078.44円 105.20円 | 12,065.05円 105.09円 |
出典と取得日: 東京ガス「原料費調整制度に基づく2026年9月検針分のガス料金について(東京地区等)」、東京電力エナジーパートナー「とくとくガスプラン(関東エリア)」、CDエナジーダイレクト「ベーシックガス」。いずれも2026-09-08取得。金額はすべて税込。
3社とも同じ形をしていますが、東京電力エナジーパートナーとCDエナジーダイレクトは、基本料金と単位料金の両方が全区分で東京ガスを下回ります。東京電力エナジーパートナーは自社サイトで「東京ガスの一般料金より約3パーセント安い」と説明しており、B表の単位料金で見ると126.54円と130.46円の差は3.0パーセントで、この説明と一致します。
月15・30・50立方メートルで年額はいくら違うか
単価の差は使用量に比例するので、世帯の使い方によって年額の差は3倍近く開きます。ここでは一人暮らしの目安である月15立方メートル、東京ガスが標準家庭としている月30立方メートル、ガス温水床暖房や乾燥機を使う世帯の目安である月50立方メートルの3つで計算しました。原料費調整額と国の補助金は各社で扱いが異なるため、本体料金だけを比べています。
| 月の使用量 | 東京ガス | 東京電力EP | CDエナジー | 年間差額(最安との差) |
|---|---|---|---|---|
| 15立方メートル(一人暮らしの目安) | 2,938円 | 2,850円 | 2,846円 | 1,101円 |
| 30立方メートル(東京ガスの標準家庭) | 4,969円 | 4,820円 | 4,814円 | 1,858円 |
| 50立方メートル(床暖房・乾燥機のある世帯) | 7,579円 | 7,351円 | 7,343円 | 2,827円 |
出典と取得日: 上表の各社公式単価から当サイトが計算(2026-09-08取得)。月額は1円未満切り捨て、年間差額は月差の12倍。原料費調整額と国の値引きは含まない。
図1: 使用量別の年間差額(東京ガスとCDエナジーの本体料金の差)
一人暮らしの月15立方メートルでは年1,101円で、手続きの手間に見合うかは意見が分かれる水準です。一方で床暖房や衣類乾燥機を使う月50立方メートルの世帯では年2,827円になり、10年で2万8千円の差になります。使用量が多い世帯ほど切り替えの効果が大きいという、都市ガスでは当たり前の構造がそのまま出ています。
2026年11月検針分から東京ガスの基本料金が月150円上がる
東京ガスは2026年4月27日、ガス事業法にもとづく告知として、2026年10月1日付で約款を変更し、2026年11月検針分から基本料金を1か月あたり150円引き上げると発表しました。対象は一般料金契約と、ずっともガス契約・湯ったりエコぷらん・暖らんぷらん・エコウィルで発電エコぷらん・エネファームで発電エコぷらんの各選択約款です。手続きは不要で、契約はそのまま新料金に切り替わります。
| 一般料金の料金表 | 基本料金 変更前 | 基本料金 変更後 | 単位料金 変更前→変更後 |
|---|---|---|---|
| A表 0〜20立方メートル | 759.00円 | 909.00円 | 170.79→170.81円 |
| B表 21〜80立方メートル | 1,056.00円 | 1,206.00円 | 155.94→155.96円 |
| C表 81〜200立方メートル | 1,232.00円 | 1,382.00円 | 153.74→153.76円 |
| D表 201〜500立方メートル | 1,892.00円 | 2,042.00円 | 150.44→150.46円 |
| E表 501〜800立方メートル | 6,292.00円 | 6,442.00円 | 141.64→141.66円 |
| F表 801立方メートル〜 | 12,452.00円 | 12,602.00円 | 133.94→133.96円 |
出典と取得日: 東京ガス「【東京地区等】ガスのご契約内容の変更(ガス料金見直し等)に関するお知らせ」および同ページの新旧対照表PDF(2026-09-08取得)。単位料金は2026年4月検針分の原料費調整額を含む金額で、国の値引きは含まない。
単位料金の変更幅はどの区分も0.02円で、これは東京ガスネットワークの小売託送供給約款料金の引き上げ分です。つまり実質的な値上げは基本料金の月150円だけで、使用量に関係なく年1,800円の負担増になります。東京ガス自身も、標準家庭(月30立方メートル)の影響額として5,734円から5,884円へのちょうど150円増を示しています。
単位料金がほとんど動かないのは、同時に原料費調整制度の係数も変わるためです。基準平均原料価格が1トンあたり57,250円から86,100円へ引き上げられ、それに合わせて基準単位料金も引き上げられるので、同じ原料価格なら請求額は変わらない設計になっています。LNG構成比率は0.9479から0.9088へ、LPG構成比率は0.0546から0.0987へ変更されます。
この150円は他社が追随しなければそのまま差になります。前章の月30立方メートルの年1,858円に年1,800円が上乗せされ、CDエナジーダイレクトとの差は年3,658円まで開く計算です。ただし東京電力エナジーパートナーとCDエナジーダイレクトが2026年11月以降に料金を改定するかどうかは、2026年9月8日時点で公表されていません。
単価表に出てこない差は「原料費調整の上限」にある
都市ガスの比較記事はほとんどが本体料金の差だけで結論を出しますが、実際の請求額を左右するのは毎月変動する原料費調整額です。ここに、単価表を並べただけでは見えない構造的な差があります。
東京ガスの一般料金には調整上限があります。平均原料価格が1トンあたり156,200円を超えた場合、それ以上は単位料金に上乗せされません。一方、東京電力エナジーパートナーは自社サイトで「東京ガス・東邦ガス・大阪ガスの一般料金等には上限がある一方、当社ガス料金プランには上限がないため、原料価格が高騰した場合には当社のほうが原料費調整額が高くなる可能性がある」と明記しています。
上限に張り付いたときの単位料金を計算してみます。東京ガスの調整は原料価格100円につき0.0891円(換算係数0.081に消費税1.1を掛けた値)です。
| B表(月21〜80立方メートル) | 2026年10月検針分まで | 2026年11月検針分から |
|---|---|---|
| 基準平均原料価格 | 57,250円/トン | 86,100円/トン |
| 調整上限 | 156,200円/トン | 156,200円/トン(変更なし) |
| 上限まで動いたときの調整額 | 88.16円/立方メートル | 62.46円/立方メートル |
| 基準単位料金 | 130.46円 | 155.96円 |
| 単位料金の上限値 | 218.62円 | 218.42円 |
出典と取得日: 東京ガスの新旧対照表PDFに記載された諸係数から当サイトが計算(2026-09-08取得)。LNG・LPG構成比率も同時に変わるため、同じ市況でも算出される平均原料価格は前後で一致しない点に注意。
上限に張り付いたときの単位料金は218.62円から218.42円へ、0.20円しか動きません。基準平均原料価格を引き上げても、調整上限を据え置いたことで「最悪の月の天井」はほぼ維持されているということです。原料価格が2022年から2023年のような水準まで再び上がる局面では、この天井の有無が本体料金の月150円をはるかに超える差になります。
同時に変わる3つの細かい条件
- 払込書発行手数料が2026年11月検針分から月220円から270円へ。口座振替やクレジットカード払いなら発生しない
- 請求額が1,500円を下回るときに翌月へ繰り越す「翌月合算制度」を2026年10月1日で廃止。使用量の少ない月も毎月請求になる
- 支払期限までに支払いがない場合、供給停止を経ずに解約できる規定を追加(2026年10月1日から)
払込書で支払っている世帯は、基本料金の150円と手数料の50円で月200円、年2,400円の負担増になります。口座振替やクレジットカードへ変更するだけで50円分は消えるので、切り替えを検討する前にまず支払方法を見直したほうが確実です。
切り替えの手順と、切り替えないほうがいい人
都市ガスの切り替えは、導管も設備もそのまま使うので工事はありません。ガスが止まる時間もなく、立ち会いも原則不要です。
図2: 都市ガスを切り替えるときの4ステップ
一方で、次のどれかに当てはまる場合は切り替えないほうが得になることがあります。
切り替え前に確認する5項目
- 床暖房・エコジョーズ・エネファームがある。東京ガスの選択約款(暖らんぷらん・湯ったりエコぷらん等)のほうが安い場合が多く、一般料金との単純比較では判断できない
- すでに電気とガスをセットで契約している。セット割の割引額を差し引くと逆転することがある
- 賃貸で建物一括の契約になっている。契約者が自分でなければ切り替えられない
- 解約金や最低利用期間がある会社を選ぼうとしている。申込前に約款で確認する
- 原料価格が高い局面では、調整上限のない会社は上限のある会社より高くなりうる
床暖房のある世帯については、東京ガスの家庭用ガス温水床暖房契約(暖らんぷらん)の冬期B表が基本料金1,265円・単位料金145.49円と、一般料金より単位料金がかなり低く設定されています。この契約も2026年11月検針分から基本料金が150円上がって1,415円になりますが、冬に大量に使う世帯では一般料金より有利なままです。設備がある世帯は、まず自分がどの約款で契約しているかを検針票で確かめてください。
よくある質問
東京の都市ガスは切り替えると年間いくら安くなりますか
東京ガスの一般料金からCDエナジーダイレクトのベーシックガスへ切り替えた場合、本体料金の差は月15立方メートルで年1,101円、月30立方メートルで年1,858円、月50立方メートルで年2,827円です。2026年11月検針分から東京ガスの基本料金が月150円上がるため、他社が追随しなければ差はさらに年1,800円広がります。原料費調整額は各社で異なるため、実際の請求額の差はこの数字とずれます。
東京ガスの値上げはいつからで、いくらですか
2026年11月検針分から、一般料金と家庭向け選択約款の基本料金が1か月あたり150円上がります。標準家庭(月30立方メートル)では5,734円が5,884円になります。あわせて払込書発行手数料が月220円から270円へ上がり、請求額1,500円未満を翌月へ繰り越す制度が2026年10月1日で廃止されます。手続きは不要です。
都市ガスを切り替えると工事や立ち会いは必要ですか
導管とガスメーター、ガス機器はそのまま使うので工事は不要で、ガスが止まる時間もありません。申し込みは新しい会社へWebで行い、これまでの会社への解約連絡は新しい会社が代行します。手元に用意するのは検針票に記載されたお客さま番号と供給地点特定番号です。切り替わるのは申し込み後の次回検針日からで、会社によっては1か月ほど先になります。
出典
- 東京ガス「原料費調整制度に基づく2026年9月検針分のガス料金について」および参考資料(東京地区等)/2026-09-08取得
- 東京ガス「【東京地区等】ガスのご契約内容の変更(ガス料金見直し等)に関するお知らせ」2026年4月27日付および新旧対照表PDF/2026-09-08取得
- 東京ガス「ガス一般料金」「ずっともガス」/2026-09-08取得
- 東京電力エナジーパートナー「とくとくガスプラン(関東エリア)」/2026-09-08取得
- CDエナジーダイレクト「ベーシックガス」/2026-09-08取得
- 資源エネルギー庁「電気・ガス料金支援特設サイト」/2026-09-08取得
本記事の金額はすべて税込です。単価は改定されることがあるため、申し込み前に各社の公式サイトで最新の料金表を確認してください。特定の会社が「最安」であることや「必ず安くなる」ことを保証するものではありません。
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