認定低炭素住宅とは?長期優良住宅との違いを税額・基準・維持保全で比較【2026年】

太陽光パネルを載せた日本の新築2階建て住宅とカーポート

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認定低炭素住宅は、エコまち法にもとづき「市街化区域等の中」でだけ受けられる認定で、基準はZEH水準の省エネ性能・再生可能エネルギー設備の設置・選択項目1つの3層です。耐震性や劣化対策は問われません。

税の優遇は所得税(住宅ローン減税・投資型減税)と登録免許税だけで、長期優良住宅にある不動産取得税と固定資産税の特例はありません。同じ前提で計算すると、注文住宅で約43万円の差になります。

ただし所有権移転登記の税率だけは低炭素0.1%が長期優良の戸建0.2%より低く、建売・分譲を買う人はここだけ低炭素が有利です。維持保全計画と点検・報告の義務も低炭素にはありません。

この記事の要点(2026年8月22日 確認)

  • 根拠法は都市の低炭素化の促進に関する法律(エコまち法)。申請できるのは市街化区域等の中だけで、区域外は申請そのものができない
  • 認定基準は①ZEH水準の省エネ性能 ②再エネ利用設備の導入(必須) ③低炭素化に資する措置9項目から1つの3層。戸建はさらに省エネ+創エネで基準一次エネルギー消費量の50%以上
  • 令和6年度の認定は4,633件、制度開始からの累計は104,600件(うち一戸建て71,447件)
  • 税優遇は所得税と登録免許税の2つだけ。固定資産税の延長と不動産取得税の控除増額は長期優良住宅のみ
  • 認定申請は着工前が絶対条件。着工後は申請できない
目次

認定低炭素住宅とは|「市街化区域等の中」でしか申請できない認定制度

認定低炭素住宅とは、都市の低炭素化の促進に関する法律(通称エコまち法)にもとづいて、所管行政庁(都道府県・市・区)が「低炭素建築物新築等計画」を認定した住宅のことです。同法は平成24年9月5日に公布され、同年12月4日に施行されました。

ほかの住宅認定と決定的に違うのは、申請できる場所が法律で区切られている点です。対象は都市計画法第7条に規定する市街化区域と、区域区分が定められていない都市計画区域のうち用途地域が定められた区域に限られます。国土交通省のQ&Aは「上記以外の区域での申請はできません」と明記しています。長期優良住宅にはこの地理的な制限がないため、建設地が市街化調整区域や都市計画区域外なら、そもそも低炭素住宅という選択肢が存在しません。土地を決める前に確認しておく項目です。

認定実績は年間4,633件|長期優良住宅とは桁が2つ違う

国土交通省が公表している認定実績(令和8年1月29日最終更新)によると、令和6年度の認定は次のとおりです。

図1|低炭素建築物の認定実績(令和6年度・件数)
令和6年度 合計 4,633件(国土交通省) 一戸建ての住宅 4,236件 共同住宅等の住戸・住棟 330件 複合建築物 67件 非住宅建築物 0件

出典:国土交通省「低炭素建築物認定制度 関連情報」認定実績(令和8年1月29日最終更新)。バーの長さは一戸建て4,236件を基準にした比率。

制度が始まった平成24年12月から令和7年3月までの累計は104,600件で、内訳は一戸建て71,447件、共同住宅等の住戸または住棟32,710件、複合建築物407件、非住宅建築物36件です。一方で長期優良住宅は累計190万戸を超え、新築一戸建てに占める認定割合は令和7年度末時点で49.8%に達しています。

一戸建てどうしで並べると、低炭素の累計71,447件は長期優良の約3.8%で、およそ26戸に1戸の比率です。「認定住宅」とひとくくりに語られますが、実際に選ばれている量には2桁の差があります。この非対称は、後述する認定基準と税優遇の設計を見るとそのまま説明がつきます。

認定基準は「ZEH水準+再エネ必須+選択1項目」の3層構造

認定基準は2022年(令和4年)10月1日の告示改正で大きく引き上げられました。それ以前は一次エネルギー消費量が省エネ基準比10%以上の削減で足りましたが、現在は20%以上に強化され、あわせて再生可能エネルギー利用設備の設置が必須項目に追加されています。

図2|認定低炭素住宅(戸建)の基準は3つの層を全部通す必要がある
第1層 外皮性能(誘導基準=強化外皮基準) UA値:1・2地域0.4以下/3地域0.5以下/4〜7地域0.6以下(8地域は基準なし) ηAC値:5地域3.0以下/6地域2.8以下/7地域2.7以下/8地域6.7以下 第2層 一次エネルギー消費性能(誘導基準) 省エネ基準から20%以上の削減(BEI 0.8以下) ※この20%に太陽光発電設備による削減量は含めない 第3層 その他講ずべき措置 (1) 再生可能エネルギー利用設備の導入【必須】 (2) 省エネ量+創エネ量が基準一次エネルギー消費量の50%以上【戸建のみ】 (3) 低炭素化に資する措置9項目のうち1項目以上

出典:国土交通省・住宅性能評価表示協会「エコまち法に基づく低炭素建築物の認定制度の概要(令和4年10月版)」をもとに作成。

太陽光を除外して20%削り、そのうえで再エネを載せる二段構え

この基準でいちばん見落とされやすいのが、第2層の20%削減に太陽光発電設備による削減量を算入できないという条件です。つまり断熱・高効率給湯器・高効率エアコン・LED照明といった「使うエネルギーを減らす側」だけで20%を削り切ったうえで、第3層で「つくる側」の設備を別に載せる、という順番が決められています。パネルを多く載せてBEIの数字だけを整える設計は、この制度では通りません。

第3層(1)の再エネ利用設備は、太陽光発電設備のほか、風力・水力・バイオマスを利用する発電設備、太陽熱・地中熱を利用する設備、河川水熱等を利用する設備、薪・ペレットストーブ等による熱利用が挙げられています。ただし戸建住宅は(2)の「省エネ量と創エネ量の合計が基準一次エネルギー消費量の50%以上」という条件がかかるため、実務上は発電量を稼げる太陽光発電が中心になります。

選択項目にV2H充放電設備が加わり、必要な項目数は2から1へ

第3層(3)の選択項目は、節水対策2項目、エネルギーマネジメント2項目、ヒートアイランド対策1項目、建築物(躯体)の低炭素化3項目、そして2022年10月の改正で追加されたV2H充放電設備の設置1項目の計9項目です。改正前は8項目のうち2項目以上への適合が必要でしたが、改正後は9項目のうち1項目以上に緩和されました。省エネ性能の水準を引き上げるかわりに、選択項目の負担は軽くなった格好です。

V2Hは電気自動車から住宅へ電気を供給する設備(充電のみの設備を含む)で、これ1つで選択項目の要件を満たせます。V2Hの導入自体には国のCEV補助金が使えるため、設備費の一部を補助でまかないながら認定要件も同時に満たすという組み方ができます。V2Hの補助制度はV2H補助金2026の解説記事で整理しています。

長期優良住宅との違いは「基準の中身」と「認定後の義務」

両者はどちらも所管行政庁が着工前に認定する制度ですが、見ている方向が違います。低炭素住宅はCO2排出の抑制、長期優良住宅は長く良好な状態で使えることが目的です。基準を並べると差がはっきりします。

表1|認定低炭素住宅と認定長期優良住宅の制度比較(一戸建て・新築)
項目 認定低炭素住宅 認定長期優良住宅
根拠法エコまち法長期優良住宅の普及の促進に関する法律
建てられる区域市街化区域等の中のみ区域の制限なし
省エネ性能誘導基準(ZEH水準)+再エネ設備が必須断熱等性能等級5+一次エネルギー消費量等級6
耐震性基準なし耐震(倒壊等防止)等級3など
劣化対策基準なし劣化対策等級3+追加措置
維持管理・更新の容易性基準なし維持管理対策等級(専用配管)3
維持保全計画不要30年以上の計画(資金計画を含む)を提出
認定後の点検・報告義務なし計画に基づく点検と記録の作成・保存、所管行政庁からの報告徴収あり
報告しない場合の罰則30万円以下の罰金

出典:国土交通省「低炭素建築物認定制度 関連情報」「認定長期優良住宅を取得したときに利用できる減税制度」、芦屋市「長期優良住宅と低炭素建築物の違いについて(概要)」をもとに作成。

整理すると、認定低炭素住宅は「省エネ性能だけで認定住宅の所得税優遇を取りに行く制度」です。耐震等級3や劣化対策等級3を求められないぶん、構造側の割増コストと設計・審査の手間が軽くなります。逆に言えば、住宅の寿命や耐震性は認定の内容に含まれていないので、認定を受けたことが構造の品質を示すわけではありません。

注意|長期優良住宅は「建てて終わり」ではない

長期優良住宅は認定計画に沿った点検の実施と記録の作成・保存が求められ、所管行政庁から建築・維持保全の状況について報告を求められることがあります。報告をしない、または虚偽の報告をした場合は30万円以下の罰金の対象になります。認定低炭素住宅にはこの継続的な義務がありません。長く住むあいだの手間まで含めて比べるなら、この差は税額と同じくらい効いてきます。

税の優遇を同じ前提で計算すると差は約43万円

国土交通省は両制度のモデルケースを公開していますが、低炭素は建物評価額3,060万円、長期優良は2,880万円と前提が違うため、そのままでは比べられません。ここでは建物の固定資産税評価額2,880万円・床面積120平方メートル以下・2026年入居・子育て世帯等に該当しない一般世帯という同一の前提に揃えて、税目ごとに差額を出しました。

表2|税目別の優遇内容と差額(同一前提・2026年入居)
税目 認定低炭素住宅 認定長期優良住宅 差額
住宅ローン減税借入限度4,500万円・13年・0.7%借入限度4,500万円・13年・0.7%0円
投資型減税最大65万円(ローン減税と併用不可)最大65万円(同左)0円
登録免許税(保存登記)0.1%=28,800円0.1%=28,800円0円
登録免許税(移転登記・戸建)0.1%=28,800円0.2%=57,600円低炭素が28,800円有利
不動産取得税控除1,200万円(一般と同じ)控除1,300万円長期優良が30,000円有利
固定資産税2分の1減額は3年(一般と同じ)2分の1減額が5年長期優良が403,200円有利

計算前提:建物の固定資産税評価額2,880万円、床面積120平方メートル以下、固定資産税の標準税率1.4%、不動産取得税は住宅に適用される税率3%(本則4%の特例)。固定資産税は経年減点補正を考慮しない上限側の値。税率と特例の期限は都道府県税事務所・市区町村の案内で確認してください。

図3|差が出るのは3つの税目だけ(同一前提の差額)
濃紺=長期優良が有利/緑=低炭素が有利 固定資産税(2年分) 403,200円 不動産取得税 30,000円 登録免許税(移転) 28,800円 注文住宅なら長期優良が433,200円有利/建売・分譲なら404,400円有利

バーの長さは403,200円を基準にした比率。注文住宅は保存登記のみなので移転登記の差は生じない。

差の大半は固定資産税です。2分の1減額の期間が3年から5年へ2年延びるぶんが40万円台の大半を占めます。逆に住宅ローン減税と投資型減税は完全に同額で、2026年入居はどちらも借入限度額4,500万円(子育て世帯等は5,000万円)・控除期間13年・控除率0.7%です。「長期優良のほうがローン減税で有利」という説明は、この2026年入居の制度では成り立ちません。住宅ローン控除そのものの仕組みは住宅ローン控除2026年の解説記事で扱っています。

そして見落とされやすいのが所有権移転登記の逆転です。長期優良住宅の戸建は0.2%で、低炭素住宅の0.1%より高くなります。マンションはどちらも0.1%なので差はつきません。建売住宅や分譲住宅を購入する場合、登記は分譲事業者からの移転登記になるため、この項目だけは低炭素のほうが安く済みます。ただし固定資産税の差のほうが1桁大きいので、総額では長期優良が有利という結論は変わりません。

なお国土交通省のQ&Aは、低炭素と長期優良の両方の認定を受けることは可能で、税制優遇はいずれかを選択して適用するが、所得税は低炭素、固定資産税は長期優良というように税目が異なる場合は使い分けられるとしています。両方の認定費用をかける価値があるかは別問題ですが、制度上は排他ではありません。

どちらを選ぶか|3つの分岐で自動的に決まる

税額だけを見れば長期優良が有利ですが、そもそも低炭素住宅を選べないケースと、長期優良のコストをかける意味が薄いケースがあります。判断は次の順番でたどると迷いません。

図4|低炭素と長期優良の判断フロー
Q1 建設地は市街化区域等の中か いいえ→低炭素は不可 長期優良のみ検討 はい ▼ Q2 太陽光など再エネ設備を載せるか いいえ→低炭素は不可 再エネは必須項目 はい ▼ Q3 耐震等級3と劣化対策等級3まで費用をかけるか いいえ→低炭素が候補 維持保全の義務なし はい ▼ 長期優良住宅を選ぶ 税で約43万円有利。みらいエコ住宅2026事業の補助区分にも名前がある ただし維持保全計画の作成と、認定後の点検・記録・報告が必要

Q1・Q2は制度上の可否、Q3は費用と手間の判断。Q1かQ2でいいえなら税額の比較そのものが不要になる。

補助金の枠に「認定低炭素住宅」という区分はない

国土交通省によると、みらいエコ住宅2026事業(住宅省エネ2026キャンペーン)が支援するのは「GX志向型住宅の新築」「子育て世帯等を対象とする長期優良住宅・ZEH水準住宅の新築」「住宅の省エネリフォーム等」で、認定低炭素住宅という補助区分は存在しません。低炭素の認定基準は断熱等性能等級5・一次エネルギー消費量等級6に相当する水準なのでZEH水準住宅の区分に当てはまる可能性はありますが、補助の可否は事業側の要件で判定されます。補助金を軸に選ぶなら、認定の種類ではなく事業の要件表を先に見るのが正しい順序です。ZEH水準そのものの内容はZEHのメリット・デメリットで整理しています。

フラット35Sの扱いは同じ|「当初10年0.25%」と書いた記事は古い

住宅金融支援機構の【フラット35】Sは、新築の技術基準の省エネルギー性(1)に「断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上(認定低炭素住宅および性能向上計画認定住宅を含む)」と明記されており、認定低炭素住宅は金利Aプランの対象です。長期優良住宅は耐久性・可変性(5)で同じ金利Aプランに該当します。つまり金利引下げの扱いは両者で同じで、2ポイント・当初5年間 年0.5%の引下げになります。

ここは鮮度に注意が要る箇所です。2024年2月の制度改定でポイント制へ移行しており、それ以前の「金利Aプランは当初10年間 年0.25%引下げ」という説明が残っている解説記事が今も多く見つかります。自治体が公開している比較資料にも改定前の記述が残っているものがあるので、金利は必ず住宅金融支援機構の現行ページで確認してください。ちなみに2026年8月の【フラット35】の最頻金利は、融資率9割以下・新機構団信付で当初5年間 年2.29%、6年目以降 年3.29%です。

認定を標準仕様で通せるかどうかは、依頼先で大きく違う

低炭素住宅の誘導基準(断熱等性能等級5相当・一次エネルギー消費量等級6相当)と再エネ設備は、標準仕様で満たせる会社もあれば、オプション扱いで数十万円の追加になる会社もあります。「持ち家計画」は、建てたいエリアと希望条件を入れると、対応できるハウスメーカー・工務店のカタログをまとめて取り寄せられる無料サービスです。全国のエリアに対応しており、Webだけで完結します。カタログには断熱仕様やサッシの種類、太陽光の標準搭載の有無が書かれているので、この記事の認定基準と突き合わせれば、追加費用なしで認定を取れる会社かどうかを営業担当と会う前に見分けられます。

対応エリアのカタログを無料で一括請求する

入力は約3分・利用料は無料/気になる会社だけを選んで請求できます

申請の流れと費用|着工してからでは認定を取れない

手続きでいちばん重い制約は着工前という期限です。国土交通省のQ&Aは「認定申請は、着工前に所管行政庁にて行う必要があります」と明記し、大阪市も「工事着工前に認定申請を受け付けたものでなければ認定をすることができません」と書いています。契約や地鎮祭のタイミングで思い出しても間に合わないため、間取りを固める段階で依頼先と方針を決めておく必要があります。

図5|認定と減税の手続きの流れ
1 事前審査 登録住宅性能評価機関等 2 認定申請【着工前】 所管行政庁へ提出 3 認定通知書の交付 この写しを保管する 4 着工・工事監理 計画どおりに施工する 5 工事完了の報告 検査済証・施工写真等 6 登記【1年以内】 住宅用家屋証明書を添付 7 確定申告(翌年2月中旬〜3月中旬)で住宅ローン減税を申請 低炭素住宅認定通知書の写し+住宅用家屋証明書の写し(または認定低炭素住宅建築証明書)

出典:国土交通省「認定低炭素住宅を新築・取得したときに利用できる減税制度」、大阪市「低炭素建築物の認定の手続き」をもとに作成。

事前審査を通すと申請手数料が最大7分の1になる(大阪市の例)

申請手数料は所管行政庁ごとに条例で定められており、国土交通省も「申請される所管行政庁にお問合わせください」としています。金額の水準がわかるように、令和7年4月1日に改定された大阪市の手数料表から一戸建て(床面積200平方メートル未満)の欄を抜き出しました。

表3|大阪市の低炭素建築物 認定申請手数料(一戸建て・200平方メートル未満)
省エネ性能の評価方法 事前審査を受けた場合 事前審査を受けていない場合
誘導仕様基準5,900円22,900円
仕様・計算併用法5,900円32,200円
標準計算5,900円42,300円

出典:大阪市「低炭素建築物の認定の手続き」(2026年8月6日更新/手数料は令和7年4月1日改定)。事前審査に要する費用は各審査機関に確認が必要で、金額は公表されていないため本記事では試算していません。

読み取れるのは2点です。ひとつは事前審査を受ければ評価方法にかかわらず5,900円で一律になること。もうひとつは、事前審査を受けない場合だけ評価方法で金額が3段階に分かれ、標準計算だと42,300円と約7.2倍になることです。行政庁側の審査負担がそのまま価格になっている構造で、審査機関の事前審査費用が同等以下なら、事前審査を通すほうが総額で安くなる可能性があります。実際の判断は、建設地の行政庁の手数料表と審査機関の見積もりを両方そろえてから行ってください。

注意|住宅用家屋証明書は再発行できない

登録免許税の軽減を受けるときに法務局へ提出する住宅用家屋証明書は、国土交通省が「再発行は制度上できません」と明記しています。司法書士に登記を任せると手元に残らないことがあるため、あらかじめ原本または写しを受け取っておいてください。手元にない場合は、建築士事務所・登録住宅性能評価機関・指定確認検査機関に「認定低炭素住宅建築証明書」の発行を依頼すれば代替できます。こちらは制度上、再発行が可能です。

着工前に確認するチェックリスト

  • 建設地が市街化区域または用途地域の定めがある都市計画区域の中にあるか
  • 再生可能エネルギー利用設備(太陽光発電など)を設置する計画になっているか
  • 太陽光の削減量を除いて一次エネルギー消費量を20%以上削減できているか
  • 選択項目9つのうち、どれで要件を満たすかが決まっているか(V2H充放電設備も1項目)
  • 登録住宅性能評価機関等の事前審査を使うか、直接申請するかを決めたか
  • 認定申請を着工前に提出できる工程になっているか
  • 長期優良住宅と両方申請するか、どちらか一方にするかを依頼先と合意したか

よくある質問

認定低炭素住宅と長期優良住宅は両方とれますか

とれます。国土交通省のQ&Aは、低炭素建築物と長期優良住宅のそれぞれについて認定申請し、認定を受けることは可能としています。税制優遇についてはいずれかの認定を選択して適用しますが、所得税の特例は低炭素、固定資産税の特例は長期優良というように税目が異なる場合は使い分けができると明記されています。ただし認定を2つ取れば申請手数料も審査費用も2重にかかるため、費用対効果は事前に確認してください。

太陽光を載せないと認定低炭素住宅にはなれませんか

再生可能エネルギー利用設備の導入は必須項目なので、何らかの再エネ設備は必要です。対象は太陽光発電設備に限らず、風力・水力・バイオマスを利用する発電設備、太陽熱・地中熱を利用する設備、河川水熱等を利用する設備、薪・ペレットストーブ等による熱利用も含まれます。ただし戸建住宅には「省エネによる削減量と創エネ量の合計が基準一次エネルギー消費量の50%以上」という条件が別にかかるため、実務では発電量を確保しやすい太陽光発電が中心になります。

着工したあとでも認定を申請できますか

できません。認定申請は着工前に所管行政庁へ行う必要があると国土交通省が明記しており、大阪市も工事着工前に受け付けたものでなければ認定できないとしています。着工してしまうと、その建物では低炭素住宅の税制優遇を受けられません。同じ制約は長期優良住宅にもあり、どちらも着工前に登録住宅性能評価機関へ申請して構造等の確認を受けるところから始まります。

出典

  • 国土交通省「低炭素建築物認定制度 関連情報」(最終更新 令和8年1月29日・認定実績を含む)
  • 国土交通省/一般社団法人 住宅性能評価・表示協会「エコまち法に基づく低炭素建築物の認定制度の概要(令和4年10月版)」
  • 国土交通省「認定低炭素住宅を新築・取得したときに利用できる減税制度」
  • 国土交通省「認定長期優良住宅を取得したときに利用できる減税制度」
  • 国土交通省「1.みらいエコ住宅2026事業について」
  • 住宅金融支援機構「【フラット35】S プランと技術基準」「【フラット35】S」(2026年8月の最頻金利)
  • 大阪市「低炭素建築物の認定の手続き」(2026年8月6日更新/手数料は令和7年4月1日改定)
  • 芦屋市「長期優良住宅と低炭素建築物の違いについて(概要)」(令和5年12月時点の資料。制度の枠組みの確認にのみ使用)

本記事の数値はすべて2026年8月22日に上記の公式ページで確認したものです。税率・特例の期限・手数料は改正や条例の改定で変わるため、実際の判断の前に建設地の所管行政庁と都道府県税事務所で最新の内容を確認してください。

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この記事を書いた人

省エネ住宅ナビ編集部です。国・自治体の公式情報をもとに、補助金・太陽光・蓄電池・エコキュート・リフォームの「いくらかかる?いくら戻る?」を中立の立場で整理しています。数値・期限は必ず一次情報で確認し、情報基準日を明示する編集方針です。

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