エアコンの除湿と冷房はどっちが安い?【2026年】1時間5.3円と12.4円が「同じ土俵」ではない理由

生成りのパネルに「除湿と冷房の電気代は、同じ土俵で比べられない。」と書かれた、夏の窓辺の写真のアイキャッチ

情報基準日: 2026年9月16日

1時間あたりの電気代は、弱冷房除湿5.3円 < 冷房12.4円 < 再熱除湿16.8円の順です(東京電力エナジーパートナーの試算・31円/kWh)。

ただしこの3つは「取り除いている熱の量」が違うため、1時間あたりの金額を並べただけでは損得を判断できません。

水を1L抜くコストでそろえると、エアコンの弱冷房除湿は約6〜14円/Lとなり、除湿機(コンプレッサー式で21.3円/L)より安く湿気を抜けます。

この記事の要点

  • 1時間あたりは弱冷房除湿5.3円・冷房12.4円・再熱除湿16.8円。安い順は「弱冷房除湿→冷房→再熱除湿」
  • この3つの数字の出発点は2002年の試験。省エネ向上率を掛けて2025年に換算したもので、24年前の機種が土台になっている
  • 3つは室温の下がり方が違う=仕事量が違うので、1時間あたりの金額を並べるのは「走った距離の違う車の燃料費」を比べるのと同じ
  • 水1Lあたりで揃えるとエアコンの弱冷房除湿は約6〜14円(中央的な前提で約8.8円)。除湿機の18.2〜37.2円/Lより安い
  • 再熱除湿は1日8時間・30日で弱冷房除湿より月約2,750円高い。ただし「室温を下げずに湿度だけ下げる」対価と考える

電力料金目安単価31円/kWh(全国家庭電気製品公正取引協議会)。2026年8月21日確認。

目次

まず結論|1時間あたりでは「弱冷房除湿→冷房→再熱除湿」の順に高い

エアコンの「除湿(ドライ)」は1種類ではありません。東京電力エナジーパートナーの解説によると、家庭用エアコンの除湿は主に弱冷房除湿・再熱除湿・ハイブリッド除湿の3種類に分かれ、弱冷房除湿は一般的なモデルに、再熱除湿はハイエンドモデルに搭載されていることが多いとされています。まず、この3つと冷房の1時間あたりの電気代を並べます。

運転モード消費電力1時間の電気代室温の変化
弱冷房除湿0.172kW約5.3円少し下がる
冷房0.399kW約12.4円最も下がる
再熱除湿0.541kW約16.8円ほとんど変わらない
東京電力エナジーパートナー「エアコン除湿の電気代を解説」の試算値(2025年8月7日更新)より作成。試験条件は室内・室外温度24℃・湿度80%。電力料金目安単価31円/kWh。室温の変化はダイキン工業の公式解説による。2026年8月21日確認。
1時間あたりの電気代(円・31円/kWh) 弱冷房除湿 5.3円 冷房 12.4円 再熱除湿 16.8円
出典表と同じ数値。再熱除湿は弱冷房除湿の約3.2倍、冷房の約1.4倍。

この順番の理由はしくみで説明できます。ダイキン工業の公式解説によると、弱冷房除湿は「弱めの冷房運転で温度を少し下げて除湿する」方式、再熱除湿は「温度を下げた空気を、ちょうどいい温度に暖めなおしてから部屋に戻す」方式です。再熱除湿は冷やしてから温め直すという二度手間を踏むため、同社も「冷房や弱冷房除湿よりも少し電気代が高くなります」と明記しています。

この3つの数字はどこから来たのか|2002年の試験を割り戻して検算する

「除湿と冷房の電気代」を扱う記事の多くは、5.3円・12.4円・16.8円という数字を出典なしで引用しています。実際にはこの3つには明確な出所があり、算出の過程も公開されています。東京電力エナジーパートナーは、東京電力が2002年に実施した試験結果を出発点に、環境省の「しんきゅうさん」で2002年モデルと2025年モデルの年間消費電力量を比較し、その比を省エネ向上率として掛け戻す、という手順を明示しています。

運転モード2002年試験の消費電力省エネ向上率2025年換算×31円/kWh
弱冷房除湿0.179kW0.960.172kW5.33円
冷房0.481kW0.830.399kW12.37円
再熱除湿0.652kW0.830.541kW16.77円
東京電力エナジーパートナーが公開している算出手順に沿って当サイトが再計算。0.481×0.83=0.399、0.652×0.83=0.541、0.179×0.96=0.172となり、同社の公表値と小数第3位まで一致しました。2026年8月21日確認。

掛け算と割り算を自分で追いかけると、数字の性格が見えてきます。省エネ向上率0.83は「2002年から2025年で、冷房の消費電力量が17%しか減っていない」という意味です。エアコンの省エネ性能はこの20年で大きく伸びたと言われますが、少なくともこの比較条件(東京・木造一戸建て・設定温度24℃・1日18時間)では、冷房の改善幅は2割弱にとどまっています。弱冷房除湿にいたっては0.96で、ほぼ横ばいです。

数字を読むときの注意

この3つの金額は2002年の実測を土台にした推計であり、2026年の実機を測り直した値ではありません。除湿運転の消費電力は室内外の温度・湿度で大きく変わるため、メーカーは除湿時の消費電力をカタログに載せていないのが通例です(東京電力エナジーパートナーも同じ理由を挙げています)。したがって「除湿は5.3円」と断言するのではなく、3方式の大小関係と倍率を読むための数字として扱うのが適切です。

なぜ単純比較が成り立たないのか|3つの運転は「取り除く熱量」が違う

ここが、この記事でいちばんお伝えしたい点です。1時間あたりの電気代を3つ並べる比較は、走った距離が違う3台の車の燃料費を並べるのと同じ構造になっています。エアコンが使う電気は、部屋から外へ運び出した熱の量にほぼ比例します。ですから電気代が安い運転は、単に「運び出した熱が少ない運転」であることが多いのです。

弱冷房除湿が安い理由

風量を絞った弱い冷房運転なので、そもそも部屋から運び出す熱の総量が小さくなります。室温はあまり下がりません。「安い」のは節約に成功しているからではなく、仕事量が小さいからです。暑い日にこれで粘ると、涼しくならないまま時間だけが過ぎます。

再熱除湿が高い理由

いったん冷やした空気を温め直して戻すため、部屋の熱はほとんど減りません。それでも圧縮機は回り続けます。つまり「電気を使ったのに室温は変わらない」運転で、湿度だけを下げることに全額を払っている状態です。高いのは無駄だからではなく、そういう目的の機能だからです。

言い換えると、比べるべきなのは「1時間にいくらか」ではなく「目的をどれだけ達成したか1単位あたりいくらか」です。室温を下げたいなら1℃下げるコスト、湿気を抜きたいなら水1Lを抜くコスト。この記事では後者で揃えます。

当サイトの他の記事と数字が違って見える場合

資源エネルギー庁 省エネポータルの公表値から逆算すると、冷房の実勢消費は1時間あたり約0.168kWh(約5.2円)になります。本記事の冷房0.399kW(約12.4円)とは約2.4倍の開きがありますが、どちらも誤りではありません。前者は冷房期間112日を通した平均で、涼しい日や設定温度に達したあとの省電力運転を含みます。後者は室内外24℃・湿度80%という特定の試験条件での値です。運転モードどうしを比べる本記事では、条件を揃えた後者を使っています。

水1Lあたりで揃える|エアコンの除湿は除湿機より安い

湿気を抜くコストは、物理の定数を1つ使えば計算できます。空気中の水蒸気を1kg(=約1L)結露させるには、25℃で約2,442kJの熱を取り除く必要があります(水の蒸発潜熱)。これは0.678kWhの熱に相当します。エアコンは電気1に対して数倍の熱を動かせるので、実際に必要な電力はこれをCOP(成績係数)で割った値になります。

計算の手順(弱冷房除湿)

  1. 消費電力 0.172kW × COP=運び出している熱量(COP3.0〜5.0で0.52〜0.86kW)
  2. そのうち水蒸気を凝縮させるのに使われる割合(潜熱の割合)を50〜70%と置く
  3. 潜熱分 ÷ 0.678kWh/L = 1時間に抜ける水の量(0.38〜0.89L/h)
  4. 1時間の電気代5.33円 ÷ その水量 = 1Lあたり約6.0〜14.0円(中央的な前提のCOP4.0・潜熱60%で約8.8円)

COPと潜熱の割合は機種と運転条件で変わるため、幅を持たせて表示しています。水の蒸発潜熱は25℃の値。

この物差しで、当サイトが別記事で公式仕様から算出した除湿機の1Lあたりの電気代と並べます。除湿機側の数値は、コロナが仕様表に公表している除湿効率21.3円/Lと一致することを確認済みのものです。

機器・方式1時間の電気代1Lあたりの電気代熱の捨て先
エアコン 弱冷房除湿約5.3円約6〜14円(試算)室外機から屋外へ
除湿機 ハイブリッド式約7.6円約18.2円室内(部屋が暖まる)
除湿機 コンプレッサー式約5.6円約21.3円室内(部屋が暖まる)
除湿機 デシカント式約8.7円約37.2円室内(部屋が大きく暖まる)
除湿機の値は各社公式仕様(60Hz・定格運転時)から算出した当サイトの既出データ。エアコンの1Lあたりは上記の手順による試算値で、公表値ではありません。2026年8月21日確認。
水1Lを取り除く電気代(円・31円/kWh) エアコン除湿 6〜14円 除湿機ハイブリッド 18.2円 除湿機コンプレッサー 21.3円 除湿機デシカント 37.2円
エアコンは淡色が上限(14円)、濃色が下限(6円)。除湿機は各社公式仕様からの算出値。

1時間あたりの絶対額で見ると、エアコンの弱冷房除湿5.3円と除湿機コンプレッサー式5.6円はほとんど同じです。ところが同じ1時間で抜ける水の量が違うため、1Lあたりでは2〜3倍の差がつきます。理由は表の右端にあります。除湿機は圧縮機が出した熱を部屋に戻すのに対し、エアコンは室外機からその熱を屋外へ捨てられるからです。コロナも公式ページで「除湿機にお部屋を冷やす機能はありません。むしろ運転中は熱を発生しますので温度が上がります」と明記しています。

つまりエアコンがある部屋の湿気取りに、わざわざ除湿機を買い足す必要は基本的にありません。除湿機が活きるのは、エアコンがない脱衣所やクローゼット、真冬の低温下(コンプレッサー式が苦手な領域)、そして部屋干しの衣類に直接風を当てたい場合です。用途がはっきり分かれます。

月額でいくら違うか|1日8時間×30日の実額

1時間の差は小さく見えても、夏の間ずっと使えば無視できない金額になります。1日8時間・30日で計算します。

運転モード1時間1日8時間30日弱冷房除湿との差
弱冷房除湿5.33円約43円約1,280円—
冷房12.37円約99円約2,970円+約1,690円
再熱除湿16.77円約134円約4,030円+約2,750円
上表の消費電力に31円/kWhを掛けて算出。試験条件(室内外24℃・湿度80%)での連続運転を仮定した目安で、実際は室温・外気温・設定温度で変動します。

注目したいのは再熱除湿と弱冷房除湿の月2,750円差です。再熱除湿は上位機種にしか付いていない機能で、梅雨時や雨の夜のように「暑くはないが湿度だけ下げたい」場面では代えのきかない働きをします。ただし真夏に「除湿のほうが安いらしい」と考えて再熱除湿を選ぶと、冷房より高いうえに涼しくもならない、という最悪の組み合わせになります。自分のエアコンの除湿がどちらの方式かを、取扱説明書かカタログで一度確認しておく価値は十分にあります。

2026年の電気料金支援を織り込んだ実額|8月使用分は1kWhあたり4.5円引き

ここまでの金額は電力料金目安単価の31円/kWhで計算しています。ただし2026年は、資源エネルギー庁が7月から9月の使用分に電気・ガス料金支援を実施しています。低圧契約(一般家庭)の値引き単価は7月と9月が3.5円/kWh、電力使用量がピークになる8月使用分だけが4.5円/kWhに重点化されています。申請は不要で、検針票に値引きとして自動で反映されます。この分を差し引いた実額に置き直すと、次のようになります。

運転モード1時間(31円/kWh)1時間(8月・26.5円/kWh)30日(8月・1日8時間)支援による差
弱冷房除湿約5.3円約4.6円約1,090円約190円安い
冷房約12.4円約10.6円約2,540円約430円安い
再熱除湿約16.8円約14.3円約3,440円約580円安い
資源エネルギー庁「今夏の電気・ガス料金支援(2026年7月〜9月)」の低圧の値引き単価4.5円/kWhを31円/kWhから差し引いた26.5円/kWhで再計算。消費電力は上表と同じ(弱冷房除湿0.172kW・冷房0.399kW・再熱除湿0.541kW)。2026年8月28日確認。
8月使用分|支援前と支援後の1時間あたりの電気代支援前(31円/kWh)支援後(26.5円/kWh)弱冷房除湿5.3円4.6円冷房12.4円10.6円再熱除湿16.8円14.3円値引き単価4.5円/kWhを差し引いて再計算。3モードの順位と倍率は支援前後で変わらない。

ここで見落としやすいのは、支援が「使った分だけ」効く定額値引きだという点です。1kWhあたり一律で差し引かれるため、電力を多く使うモードほど値引き額は大きくなり、再熱除湿は月あたり約580円、弱冷房除湿は約190円しか下がりません。一方で3モードの倍率は変わらず、再熱除湿が弱冷房除湿の約3.1倍という関係はそのまま残ります。「支援があるから再熱除湿でも大丈夫」という判断にはつながらない、と考えておくのが安全です。

もう一点、支援は9月使用分で3.5円/kWhに戻り、現時点で10月以降の使用分は対象外です。同じ使い方を続けても、10月の電気代は1kWhあたり4.5円分だけ8月より高く見える計算になります。9月から10月にかけて請求額が上がったとき、その全部が使い方の変化とは限りません。延長の有無は今後の政府方針によるため、確定した情報は資源エネルギー庁の公表で確認してください。

「除湿に替える」より「設定温度を1℃上げる」が効く|国の公表値2つを連立して確かめる【2026年8月30日確認】

ここまでは3つの運転モードどうしを比べてきました。ただ実際の場面では、選択肢はもう一つあります。冷房のまま設定温度を1℃上げるという手です。どちらが効くのかは、資源エネルギー庁 省エネポータルサイトが公表している2つの数値を組み合わせると計算できます。

公表値2つから削減率を出す手順

  1. 「冷房を1日1時間短縮(設定28℃)=年18.78kWh」を冷房期間112日で割る → 28℃運転は1時間あたり0.1677kWh
  2. 「設定温度を27℃から1℃上げる(1日9時間)=年30.24kWh」を112日×9時間=1,008時間で割る → 1℃ぶんの差は1時間あたり0.0300kWh
  3. 足すと27℃運転は1時間あたり0.1977kWh
  4. 0.0300 ÷ 0.1977 = 1℃上げると冷房の電力は15.2%減る

冷房期間112日(6月2日〜9月21日)は同ポータルの算出根拠ページに明記された値。2026年8月30日確認。

この15.2%という比率には、ひとつ都合のよい性質があります。割り算の途中で冷房期間112日が約分されて消えるため、112日という前提を信じなくても比率だけは成立するのです。実際、30.24kWhの内訳を1,008時間×0.0300kWhに戻して31円/kWhを掛けると937円になり、同ポータルが公表している「約940円の節約」と0.3%以内で一致します。公表値そのものを使った検算が通ることを確認したうえで、この15.2%を先ほどまでの表に当てはめます。

冷房27℃から何を変えるか1時間の電気代冷房27℃との差室温は下がるか
変えない(冷房27℃)12.37円—下がる(基準)
設定温度を28℃にする10.49円約1.9円安い下がる(1℃ぶん控えめ)
弱冷房除湿に替える5.33円約7.0円安いほとんど下がらない
再熱除湿に替える16.77円約4.4円高い下がらない
冷房28℃は、本文の冷房12.37円に削減率15.2%を掛けて算出(12.37×0.848=10.49)。他の3行は本記事の上表と同じ値。室温の欄は各運転方式のしくみによる定性的な整理です。
冷房27℃から何を変えるか別の1時間あたり電気代(円・31円/kWh) 変えない(冷房27℃) 12.4円 設定温度を28℃に 10.5円 弱冷房除湿に替える 5.3円 再熱除湿に替える 16.8円
同じ「涼しさ」を保ったまま下げられるのは設定温度の1.9円だけ。除湿の7.0円安は、涼しさを手放した結果として出ている数字です。

表と図が示しているのは、「安くする」と「涼しくする」を同時に満たす選択肢は、除湿への切り替えではなく設定温度の調整しかないという点です。弱冷房除湿の7.0円安は節約に成功した金額ではなく、室温を下げる仕事をやめた結果として出ている金額です。再熱除湿にいたっては、涼しくならないうえに冷房より4.4円高くなります。「除湿は安い」という通説が半分しか当たっていないのは、この差を無視しているためです。

1℃上げるときの注意

この15.2%は外気温31℃・エアコン2.2kW・1日9時間という国の算出条件での値です。断熱性能の低い住まいや、外気温が35℃を超える日は、室温が設定値に届かず削減率が小さくなることがあります。また設定温度を上げたぶんの体感は、扇風機やサーキュレーターの併用でおおむね補えます。資源エネルギー庁も冷房時の工夫として扇風機の併用を挙げています。熱中症の危険がある日は、金額より室温を優先してください。

ひと夏の総額で見るといくらか|冷房期間112日で2つの物差しは2.0倍ずれる

最後に、1時間や1か月ではなくひと夏の合計にします。資源エネルギー庁の算出根拠は冷房期間を3.6か月=112日(6月2日〜9月21日)、使用時間を1日9時間と置いています。合計1,008時間です。ここで注意したいのは、本記事にはこれまで2種類の消費電力が登場していることです。片方は試験条件での値、もう片方は冷房期間を通した実勢の平均で、そのまま1,008時間を掛けると答えが2倍違います。両方を並べます。

物差し1時間の消費電力1,008時間の電力量ひと夏の電気代意味
実勢の平均(冷房27℃)0.1977kWh199.3kWh約6,180円涼しい日や設定温度到達後の省電力運転を含む
実勢の平均(冷房28℃)0.1677kWh169.0kWh約5,240円1℃上げた場合。差は約940円で国の公表値と一致
試験条件(冷房)0.399kWh402.2kWh約12,470円室内外24℃・湿度80%で連続運転した場合の上限側
試験条件(弱冷房除湿)0.172kWh173.4kWh約5,380円同条件。ただし室温はほとんど下がらない
試験条件(再熱除湿)0.541kWh545.3kWh約16,900円同条件。ひと夏使うと冷房より約4,430円高い
冷房期間112日×1日9時間=1,008時間で計算。実勢の平均は資源エネルギー庁 省エネポータルサイトの公表値から逆算した値、試験条件は東京電力エナジーパートナーの試算に用いられている値です。2026年8月30日確認。

どちらを見るべきかは目的で決まります。自分の請求額をおおまかに当てるなら実勢の平均、運転モードどうしを比べるなら試験条件です。実勢の平均は冷房期間の全部を含むぶん現実に近い一方で、除湿の値が公表されていないためモード比較には使えません。逆に試験条件は3モードが同じ土俵に乗りますが、涼しい日も含めたひと夏の実額としては大きすぎます。ひと夏の冷房代を1万2千円と読むか6千円と読むかは、この違いを知っているかどうかで変わります。

それでも確かなことが1つあります。どちらの物差しで測っても、再熱除湿をひと夏使い続けると冷房より高くつくという順番は変わりません。再熱除湿は梅雨時や雨の夜のように「暑くはないが湿っぽい」場面のための機能で、真夏の節約手段ではない、という結論はここでも同じです。

使い分けの判断フロー|迷ったらこの順に決める

最後に、実際にリモコンを持ったときの判断手順に落とします。出発点は「いま不快なのは温度なのか、湿度なのか」の一点です。

いま不快なのは温度? 湿度? とにかく暑い (真夏の日中) 蒸し暑い (温度も湿度も高い) 暑くないが湿っぽい (梅雨・雨の夜) 冷房 約12.4円/時 冷房+風量は自動 湿度も同時に下がる 除湿 寒ければ再熱除湿 再熱除湿は約16.8円/時。室温を下げたくないときの選択肢で、真夏の節約用ではない
金額は本文の試算値。弱冷房除湿しかない機種は、右端でも寒く感じたら設定温度を上げて対応します。

今日から見直せるチェックリスト

  • 自分のエアコンの除湿が弱冷房除湿か再熱除湿かを取扱説明書で確認したか(再熱除湿は上位機種に多い)
  • 真夏に「節約のつもり」で除湿を使っていないか(再熱除湿なら冷房より高い)
  • 風量を手動の弱にしていないか(ダイキン公式は冷房時の風量自動を推奨。弱風は冷えるまでの時間が延びて結果的に電力を余分に使う)
  • フィルターを2週間に1度掃除しているか(環境省の調査で冷房時約4%の削減効果)
  • エアコンがある部屋に、重複して除湿機を買おうとしていないか(1Lあたりではエアコンのほうが安い)

よくある質問

よく聞かれること先に結論
除湿と冷房、どちらが安いのか1時間あたりは弱冷房除湿5.33円<冷房12.37円<再熱除湿16.77円。ただし取り除く熱の量が違うので、この並びだけで損得は決まらない。
自分のエアコンはどちらの除湿か弱冷房除湿は標準的なモデル、再熱除湿は上位モデルに載ることが多い。再熱除湿なら1日8時間・30日で弱冷房除湿より月約2,750円高い。
では何をすれば下がるのか冷房のまま設定温度を1℃上げる。国の公表値2つを連立すると電力は15.2%減り、1時間12.37円が10.49円になる。

出典:東京電力エナジーパートナーの解説にある消費電力(弱冷房除湿0.172kW・冷房0.399kW・再熱除湿0.541kW)。円換算は全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価31円/kWhを掛けた値です。15.2%は資源エネルギー庁 省エネポータルサイトの公表値2つから導きました。取得日2026-10-01。

除湿のほうが電気代が安いと聞きましたが、夏はずっと除湿でいいですか?

おすすめしません。安いのは弱冷房除湿の場合だけで、しかも室温があまり下がらないためです。再熱除湿を搭載した機種では、除湿のほうが冷房より約1.4倍高くなります。真夏に室温を下げたいなら冷房が正解で、冷房でも湿度は同時に下がります。

自分のエアコンがどちらの除湿方式か、どう調べればいいですか?

取扱説明書かメーカーの製品ページの機能一覧を確認します。東京電力エナジーパートナーの解説では、弱冷房除湿は一般的なモデル、再熱除湿はハイエンドモデルに搭載されていることが多いとされています。目安として、除湿運転で室温がほとんど下がらないなら再熱除湿、じわじわ下がって肌寒くなるなら弱冷房除湿と判断できます。

部屋干しのために、エアコンとは別に除湿機を買ったほうがいいですか?

湿度を下げるコストだけで見れば、エアコンの除湿のほうが1Lあたり安く済みます。除湿機を選ぶ理由は電気代ではなく、エアコンのない場所で使える・洗濯物に直接風を当てられる・冬の低温でも除湿できるという3点です。この3つに当てはまらないなら、まずエアコンの除湿で足りるか試してから判断するのが確実です。

冷房を除湿に替えるのと、設定温度を1℃上げるのは、どちらが得ですか?

冷房のまま1℃上げるほうが扱いやすい方法です。資源エネルギー庁の公表値2つを連立すると、冷房27℃を28℃にしたときの電力は15.2%減ります。1時間あたりでは12.37円が10.49円になり、室温もきちんと下がります。弱冷房除湿は5.33円まで下がるものの、室温はほとんど変わりません。涼しさが必要なら1℃上げる、湿気だけ抜きたいなら弱冷房除湿という分け方になります。

ひと夏の合計だと、いくらぐらいになりますか?

物差しを2つに分けて出します。計算の前提は冷房期間112日×1日9時間=1,008時間です。実勢の平均では冷房27℃が約6,180円、28℃が約5,240円になります。試験条件の消費電力で掛けると、冷房約12,470円、弱冷房除湿約5,380円、再熱除湿約16,900円になります。請求額をおおまかに当てるなら前者、運転モードどうしを比べるなら後者を見てください。

再熱除湿だと、1か月でどれくらい高くなりますか?

1日8時間・30日なら、弱冷房除湿より月約2,750円高くなります。1時間あたりの差11.44円に240時間を掛けた額です。これを無駄な出費と決めつける必要はありません。室温を下げずに湿度だけ落とせる対価と考えると、梅雨や肌寒い日の使い方に向いています。

出典

  • 東京電力エナジーパートナー「エアコン除湿の電気代を解説!冷房・除湿機との料金比較や節約法も」(2025年5月29日公開・2025年8月7日更新)— 弱冷房除湿・冷房・再熱除湿の消費電力と電気代の試算、算出手順、除湿方式の分類
  • 東京電力「エアコンの『除湿』モードの使用状況(調査結果)」(2002年試験)— 上記試算の基礎データ
  • ダイキン工業「エアコンの電気代を節約する方法」(2026年8月7日更新)— 冷房と除湿のしくみ、再熱除湿の電気代が高い理由、電力料金単価31円/kWh、風量自動の推奨
  • 環境省「省エネ製品買換ナビゲーション しんきゅうさん」— 2002年モデルと2025年モデルの年間消費電力量比較
  • 全国家庭電気製品公正取引協議会「よくある質問」— 電力料金目安単価31円/kWh(税込)
  • コロナ CD-P6326 製品仕様(除湿効率21.3円/L)、パナソニック F-YZVXJ60・F-YHVX120 製品仕様 — 除湿機の1Lあたり電気代の算出根拠
  • 資源エネルギー庁 省エネポータルサイト「空調(無理のない省エネ節約)」— 冷房設定温度を27℃から1℃上げた場合の年間30.24kWh・約940円、冷房を1日1時間短縮した場合の年間18.78kWh・約580円
  • 同「無理のない省エネ節約 算出根拠」— 冷房期間3.6か月=112日(6月2日〜9月21日)、電力単価31円/kWh

数値は2026年8月21日、電気料金支援の節は同8月28日、資源エネルギー庁の空調データと設定温度の節は同8月30日に、それぞれ各公式ページで確認しました。1Lあたりの電気代のうちエアコン側は、公表値ではなく本文に示した前提による当サイトの試算値です。

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省エネ住宅ナビ編集部です。国・自治体の公式情報をもとに、補助金・太陽光・蓄電池・エコキュート・リフォームの「いくらかかる?いくら戻る?」を中立の立場で整理しています。数値・期限は必ず一次情報で確認し、情報基準日を明示する編集方針です。

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