洗濯物の乾燥は乾燥機・浴室乾燥・除湿機のどれが安い?【2026年】1kgあたり4.1円〜58.1円

部屋干しした洗濯物とドラム式洗濯乾燥機・衣類乾燥除湿機のあるランドリールーム

洗濯物を乾かす費用は、乾燥容量1kgあたりに直すとヒートポンプ式の洗濯乾燥機が約4.1円、衣類乾燥除湿機が約11.1円、電気式の浴室暖房乾燥機が約58.1円です。

ただしこれは洗濯乾燥機を満載で回したときの数字で、2kgしか入れない使い方なら洗濯乾燥機の優位はほとんど消えます。

3つの数字はメーカーの測定条件がそろっていません。この記事は前提を洗濯物2kgにそろえ直してから並べます。

この記事の要点(2026年8月30日確認)

  • 電力量の単価は31円/kWh。資源エネルギー庁が省エネ効果を金額に換算するときに使っている値です
  • 衣類乾燥除湿機の「1回22.1円」は洗濯物2kgが前提。日本電機工業会の自主基準JEMA-HD090:2017(6畳・室温20℃・湿度70%)で測った値です
  • 洗濯乾燥機は統一省エネラベルの対象外。店頭の星では比べられず、カタログの消費電力量を自分で読むしかありません
  • 浴室暖房乾燥機には洗濯物量あたりの公表値が存在しません。定格消費電力と運転時間から自分で積むしかない機器です
  • 国の公表値では、自然乾燥を8時間はさんでから仕上げるだけで年394.57kWh・約12,230円下がります(2日に1回使用の場合)
目次

3つの方法は測定基準がバラバラで、そのままでは比べられない

「乾燥機は1回◯円」「除湿機は1回◯円」という数字はどのメーカーも出しています。ところが、その数字が何kgの洗濯物を乾かしたときのものなのかは、機器の種類ごとにまったく違う決まりで測られています。ここを踏まえずに数字だけを並べた比較は、単位の違う値を横に置いているだけです。

乾かす方法公表される数字測定の基準洗濯物量の前提
洗濯乾燥機(ドラム式)洗濯~乾燥の定格消費電力量メーカーが定格容量で公表定格乾燥容量(5〜6kg)
衣類乾燥除湿機1回あたりの電気代のめやすJEMA-HD090:2017(自主基準)2kg(6畳・20℃・70%)
浴室暖房乾燥機定格消費電力(W)のみ統一基準なし公表なし
部屋干し(自然乾燥)
各社の仕様ページとJEMA自主基準の表示から整理(2026年8月30日確認)。

いちばん厄介なのが浴室暖房乾燥機です。カタログに載っているのは定格消費電力(W)だけで、「洗濯物◯kgを◯時間で乾かした」という測定条件が公表されていません。つまり利用者側で運転時間を仮定しないと、他の機器と同じ土俵に乗りません。

洗濯物2kgにそろえた実額|1kgあたり4.1円から58.1円

単価31円/kWhで、乾燥容量1kgあたりの電気代に直したものが次の表です。洗濯乾燥機はパナソニックが公表している乾燥時の消費電力量、除湿機は同社が仕様ページに載せている1回あたりの電気代、浴室暖房乾燥機は定格1,250Wの機種を3時間運転した場合で計算しています。

乾かす方法1回の電力量1回の電気代1kgあたり
洗濯乾燥機・ヒートポンプ式(6kg満載)800Wh24.8円4.1円
衣類乾燥除湿機・デシカント方式(2kg/おまかせ178分)713Wh22.1円11.1円
洗濯乾燥機・ヒーター式(5kg満載)1,980Wh61.4円12.3円
浴室暖房乾燥機・電気式(1,250W×3時間/2kg想定)3,750Wh116.3円58.1円
単価31円/kWh(家電公取協の新電力料金目安単価・令和4年7月改定)で算出。浴室暖房乾燥機の洗濯物量は公表がないため2kgと仮定した参考値です。

図:乾燥容量1kgあたりの電気代(円・単価31円/kWh)

洗濯乾燥機 ヒートポンプ 4.1円 衣類乾燥除湿機 11.1円 洗濯乾燥機 ヒーター 12.3円 浴室暖房乾燥機 58.1円 0 60円

順番は明快です。ヒートポンプ式の洗濯乾燥機を満載で回すのが最も安く、浴室暖房乾燥機はその約14倍かかります。ただし注意したいのは、洗濯乾燥機の4.1円が「6kgを一度に入れたとき」の値だという点です。次の章で見るように、少量で回すとこの優位は急速に失われます。

除湿機の「1回22.1円」の中身|W数が小さいコースほど高くつく

衣類乾燥除湿機は、仕様ページにコース別の消費電力・乾燥時間・1回あたりの電気代が並んでいる珍しい機器です。パナソニックのデシカント方式F-YZVX60の公表値を並べると、直感に反する構造が見えます。

コース消費電力乾燥時間1回あたり
仕上げ・速乾465W108分26.1円
おまかせ295W178分22.1円
音ひかえめ285W190分27.9円
パナソニック F-YZVX60 仕様ページ(2026年8月30日確認)。洗濯物2kg・6畳・室温20℃・湿度70%で測定。

消費電力がいちばん小さい「音ひかえめ」(285W)が、1回あたりでは最も高い27.9円になっています。190分という運転時間の長さが、W数の低さを打ち消しているためです。逆に465Wの「速乾」は108分で終わるので、電力量では中間に収まります。

注意:除湿機の「静音」「エコ」といったコース名は、消費電力の小ささを指していて、1回の電気代の安さを指してはいません。安く済ませたいなら、W数ではなくW×時間で出た1回あたりの金額で選んでください。仕様ページに1回あたりの表示がない機種は、消費電力と乾燥時間を自分で掛け合わせる必要があります。

浴室暖房乾燥機だけが突出して高い理由

電気式の浴室暖房乾燥機は、パナソニックのFY-13UG7Eで定格消費電力1,250Wです。これを3時間まわすと3.75kWh、116.3円になります。除湿機の5倍以上です。

差がつく理由は原理の違いにあります。除湿機と洗濯乾燥機は、空気から水分を取り除いて乾かす装置です。いっぽう電気式の浴室暖房乾燥機は、ヒーターで浴室という空間ごと温め、湿った空気を外へ捨てます。温めた熱の大半は洗濯物ではなく浴室の壁と外気に向かうため、洗濯物1kgあたりで見ると効率が落ちます。

その代わり、浴室暖房乾燥機は花粉や雨天に左右されない、まとまった量を吊るせる、浴室のカビ抑制も兼ねる、といった価値があります。電気代だけで是非を決める機器ではありません。運転方式ごとの費用は浴室暖房乾燥機の電気代を方式別に計算した記事で詳しく扱っています。

国の公表値が示す「自然乾燥をはさむ」効果は年12,230円

資源エネルギー庁の省エネポータルサイトは、衣類乾燥機について2つの実測値を公表しています。どちらも省エネルギーセンターの実測に基づく数字です。

  • 自然乾燥を併用する:自然乾燥8時間後に未乾燥のものだけ補助乾燥する場合と、乾燥機のみで乾かす場合の比較で、年間394.57kWh・約12,230円の差(2日に1回使用)
  • まとめて乾燥し回数を減らす:定格5kgの8割を2日に1回と、4割ずつ毎日の比較で、年間41.98kWh・約1,300円の差

1つ目を1回あたりに割り戻すと、年182.5回で2.16kWh=約67円。乾燥機を最初から最後まで回すか、8時間干してから仕上げだけ機械に任せるかで、1回67円が動く計算です。

2つ目はもう少し面白い読み方ができます。2kgを毎日365回と、4kgを2日に1回182.5回では、乾かす総量は同じ年730kgです。総量が同じなのに41.98kWhの差が出るということは、その差は洗濯物の重さに比例しない部分=1回ごとに必ず食う固定分から来ています。41.98kWhを、余分に回した182.5回で割ると1回あたり約0.23kWh(約7円)。ドラムを回し、庫内を暖め、送風する立ち上がりのぶんです。

この0.23円分が意味すること

1回まわすごとに約7円が洗濯物の量と無関係に消えます。少量で毎日回すほどこの固定分の比率が上がるため、1kgあたり4.1円という洗濯乾燥機の安さは「満載で使う人だけの数字」です。2kgしか入れないなら、除湿機で部屋干しを助けるほうが安く済む場面が出てきます。

どれを選ぶか|住まいと洗濯量から決める

図:乾かし方の選び分けフロー

1回に乾かす量は3kg以上か はい:ヒートポンプ式が最安 いいえ:除湿機+部屋干し 干す場所と時間が確保できるか 確保できるなら8時間干してから仕上げだけ機械に 1回あたり約67円の差になる

買う前・使う前のチェックリスト

  • 1回に乾かす洗濯物の重さを一度だけ量る(体重計に乗って抱えれば分かります)
  • その重さが定格乾燥容量の半分を切るなら、洗濯乾燥機の1kgあたりの安さは当てにしない
  • 除湿機はコース別の「1回あたりの電気代」を見る。W数の小ささで選ばない
  • 浴室暖房乾燥機は定格W×運転時間で自分で積む。カタログに1回あたりの表示はない
  • 部屋干しを8時間はさめる生活動線があるかを先に考える。ここが最も金額が動く

よくある質問

除湿機とエアコンの除湿、部屋干しにはどちらが安いですか

比較できる形の公表値がそろっていません。除湿機は日本電機工業会の自主基準で洗濯物2kgを乾かす前提の値を出していますが、エアコンの除湿には洗濯物を乾かす条件での公表値がなく、部屋の広さや外気温で消費電力が大きく動きます。除湿機側の22.1円という数字だけが、条件つきで検証できる値だと考えてください。

ガス衣類乾燥機は選択肢に入りますか

入りますが、この記事の表とは単位が違うため並べていません。ガス機器はガス消費量(kW)とガス単価(省エネポータルの換算では162円/立方メートル)で計算する必要があり、電気の31円/kWhとそのままでは比べられないためです。設置にガス栓と排湿筒の工事が要る点も、電気式との大きな違いです。

浴室暖房乾燥機の3時間という前提は妥当ですか

メーカーが洗濯物量あたりの乾燥時間を公表していないため、あくまで参考値です。自動乾燥は洗濯物の量と浴室の状態で運転時間が変わります。実額を知りたい場合は、運転前後に分電盤の電力量計を読むか、消費電力を測れるコンセントを使うのが確実です。この記事の116.3円は「1,250Wを3時間」という条件を明示した上での計算値であり、実測値ではありません。

出典

  • 資源エネルギー庁 省エネポータルサイト「無理のない省エネ節約 洗濯機・掃除機」(衣類乾燥機の省エネ効果/2026年8月30日確認)
  • 資源エネルギー庁 省エネポータルサイト「無理のない省エネ節約」算出根拠(電気31円/kWh・家電公取協 新電力料金目安単価 令和4年7月改定/2026年8月30日確認)
  • パナソニック「デシカント方式 衣類乾燥除湿機 F-YZVX60 仕様・詳細情報」(コース別の消費電力・乾燥時間・1回あたりの電気代、JEMA-HD090:2017による測定/2026年8月30日確認)
  • パナソニック「電気衣類乾燥機 NH-D605 仕様・詳細情報」(乾燥容量6.0kg・消費電力1255W・除湿形回転ドラム式/2026年8月30日確認)

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この記事を書いた人

省エネ住宅ナビ編集部です。国・自治体の公式情報をもとに、補助金・太陽光・蓄電池・エコキュート・リフォームの「いくらかかる?いくら戻る?」を中立の立場で整理しています。数値・期限は必ず一次情報で確認し、情報基準日を明示する編集方針です。

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