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リフォームローンは「無担保型=審査が速い代わりに年1.3〜4.8%」「有担保型=年0.29〜2.0%と安い代わりに手続きと諸費用が重い」の二択です。
300万円を10年で借りる場合、年1.0%と年4.5%では総利息が約58万円変わります。ただし多くの人にとって、金利差より先に効くのは「減税をどちらにするか」です。
リフォーム促進税制(所得税から最大60〜80万円)と住宅ローン減税(増改築)は併用できません(耐震改修のみ例外)。契約前に決めておかないと、後から選び直せません。
この記事の要点(30秒でわかる)
- リフォームローンは無担保型(年1.3〜4.8%・審査最短即日)と有担保型(年0.29〜2.0%・抵当権設定が必要)に分かれる
- 住宅ローンとの決定的な違いは担保・借入期間・諸費用。金利だけを見ると判断を誤る
- 300万円を10年で借りた場合の総利息は、年1.0%で約15万円、年2.5%で約39万円、年4.5%で約73万円(概算)
- 減税は2種類。リフォーム促進税制(控除率10%・省エネ改修は250万円が限度)と住宅ローン減税(増改築/年末残高の0.7%×最大10年)は併用不可
- 令和8年度税制改正で、リフォーム促進税制は令和10年12月31日まで3年延長、住宅ローン減税(増改築)は令和12年12月31日まで5年延長
- どちらの減税も「増改築等工事証明書」が必須。発行できる業者かを契約前に確認する
編集部の見解|「金利1%の差」より、減税の選択ミスの方が高くつく
編集部が金利と減税を並べて試算して感じるのは、多くの家庭では金利の詰めよりも減税の選び方の方が金額インパクトが大きいということです。300万円を10年で借りる前提なら、年1.0%と年4.5%の総利息差は約58万円。一方、省エネ改修250万円をリフォーム促進税制で申告できれば、控除率10%で1回に最大25万円が戻ります。金利比較に何日もかける前に、まず「自分はどちらの減税が使えるのか」を確定させた方が、同じ手間で戻る金額が大きくなります。
そしてこの2つの減税は併用できず、しかも借入額の大小で有利不利が逆転する構造になっています。ローンを組まない、あるいは借入が小さいならリフォーム促進税制が有利になりやすく、償還10年以上の大きな借入で増改築を行うなら住宅ローン減税が伸びます。国税庁も「選択し適用した後の選択替えはできない」と明記しているため、契約前に両方を試算しておくことが実質的な前提条件です。
利用者の声から:リフォーム会社の提携ローンをそのまま使ったという声が最も多く見られる一方で、あとから銀行の無担保ローンや有担保型と比べて金利差に気づいた、という趣旨の相談が比較サイトや相談コーナーで繰り返し取り上げられています。もう一つ目立つのが「依頼した会社が増改築等工事証明書を出せなかった」というつまずきで、これは契約前のひと言で防げるものです。少しおすすめなのは、見積依頼の段階で「増改築等工事証明書は出せますか」「提携ローン以外でも工事は進められますか」の2点を先に聞いておくこと。渋る会社はその時点で候補から外せます。
※本欄は公式情報と利用者の声をもとにした省エネ住宅ナビ編集部の分析・見解です。最終判断は公式情報をご確認ください。
リフォームローンと住宅ローンは何が違うのか
「リフォームなのだから住宅ローンではなくリフォームローン」と考えがちですが、実際には担保を付けるかどうかで条件がまったく変わります。まず全体像を押さえます。
| 項目 | 無担保リフォームローン | 有担保リフォームローン | 住宅ローン(新規・借換時にリフォーム分を一体化) |
|---|---|---|---|
| 担保 | 不要 | 自宅に抵当権を設定 | 自宅に抵当権を設定 |
| 金利の目安 | 年1.3〜4.8% | 年0.29〜2.0% | 年0.3〜1.0%前後(変動型) |
| 借入額の目安 | 数十万〜1,000万円程度 | 1,000万円超も可 | 物件価格+リフォーム費用 |
| 返済期間 | 10〜15年程度 | 最長35年程度 | 最長35年程度 |
| 審査スピード | 最短即日〜数日 | 数週間 | 数週間 |
| 諸費用 | ほぼ不要 | 抵当権設定費用・事務手数料などが発生 | 同左 |
| 向いている工事 | 給湯器交換・外壁塗装・水回り1〜2か所 | フルリノベーション・増改築 | 購入と同時のリフォーム、借換ついでの改修 |
注意したいのは、「リフォーム一体型住宅ローン」は、住宅の購入時か借り換え時でないと現実的に使いにくい点です。すでに住宅ローンを返済中の家に後からリフォーム分を上乗せする場合、借り換え扱いとなり登記費用や事務手数料が新たに発生します。数十万円規模の工事でこれをやると、金利で得た分を諸費用が食い潰します。
金利差は総額でいくらになるか|300万円・10年で試算
金利の数字だけでは実感が湧かないため、借入300万円・返済期間10年・元利均等・ボーナス返済なしという条件で総利息を概算しました。
年1.0%と年4.5%の差は約58万円。無担保型でも金融機関によって年1.3%台から年4.8%まで開くため、「提携ローンをそのまま」ではなく最低2〜3社は当たる価値があります。一方で、抵当権設定費用や事務手数料が10万円単位で発生する有担保型は、借入額が小さいと金利差の得より諸費用の損が上回る点に注意してください。
減税は2種類。併用できないので先に選ぶ
リフォームで使える所得税の減税は、大きくリフォーム促進税制と住宅ローン減税(増改築)の2つです。国土交通省は「リフォーム促進税制(所得税)と住宅ローン減税(増改築)の併用はできません(耐震改修に限り併用可)」と明記しています。
| リフォーム促進税制 | 住宅ローン減税(増改築) | |
|---|---|---|
| ローンの要否 | 不要(自己資金でも可) | 償還期間10年以上のローンが必要 |
| 控除の考え方 | 標準的な工事費用×10%(+その他工事×5%) | 年末ローン残高×0.7% |
| 控除期間 | 原則1年(居住開始年) | 最大10年 |
| 控除額の上限 | 工事内容に応じ最大60〜80万円 | 年末残高に連動(所得税で引ききれない分は住民税から最大9.75万円/年) |
| 省エネ改修の限度額 | 250万円(太陽光発電設備を含む場合350万円) | ― |
| 工事費の下限 | 補助金を差し引いて50万円超 | 補助金を差し引いて100万円以上 |
| 適用期間(令和8年度改正後) | 令和8年1月1日〜令和10年12月31日 | 令和8年1月1日〜令和12年12月31日 |
目安はシンプルです。ローンを組まない・借入が小さいならリフォーム促進税制、償還10年以上の大きな借入で増改築を行うなら住宅ローン減税。たとえば省エネ改修250万円を自己資金で行えば、促進税制で1回に最大25万円が控除されます。同じ250万円を10年ローンにした場合、住宅ローン減税で戻るのは10年合計でおおむね12万円前後にとどまります(残高が毎年減るため)。少額工事ほど促進税制が有利になりやすい、と覚えておくと迷いません。
なお国土交通省は、国や地方公共団体の補助金を受けていても、要件を満たせば減税制度も併せて適用できるとしています。ただし控除の計算に使う工事費用は補助金を差し引いた後の金額です。断熱リフォームの種類と費用や浴室・お風呂リフォームの費用相場で工事費の目安を押さえたうえで試算してください。
省エネリフォーム減税の適用要件(国税庁・2026年時点)
省エネ改修で住宅特定改修特別税額控除(リフォーム促進税制の所得税分)を使う場合、国税庁が示す主な要件は次のとおりです。
- 自己所有の家屋で、工事の日から6か月以内に居住していること
- 控除を受ける年分の合計所得金額が2,000万円以下であること
- 工事後の床面積が50㎡以上で、その2分の1以上が自己の居住用であること
- 省エネ改修の標準的な費用の額(補助金を差し引いた後)が50万円を超えること
- 工事費用の2分の1以上が自己の居住用部分の工事であること
- 対象工事は居室の窓の改修が起点。床・天井・壁の断熱工事は窓の工事と併せて行う場合に対象
控除額の計算式は「A×10%+B×5%」。Aが省エネ改修の標準的費用(限度250万円/太陽光を含む場合350万円)、Bが併せて行った増改築などの費用(1,000万円からAを引いた額が限度)です。窓の断熱については断熱リフォームの費用記事、バリアフリー改修と組み合わせる場合はバリアフリーリフォームと介護保険の住宅改修費も併せて確認してください。
契約から還付までの流れ
つまずきやすい5つのポイント
- 増改築等工事証明書を出せない業者がある。対象工事でない場合はもちろん、発行に対応していない・提携する建築士がいない会社もあります。契約前に必ず確認を。
- 促進税制と住宅ローン減税は選択制で、選び替えができません。国税庁も、適用後は選択替えできないと明記しています。
- 補助金は工事費から差し引いてから計算します。補助金と減税の併用自体は可能ですが、控除の元になる金額は減ります。
- 有担保型は諸費用で逆転します。抵当権設定費用・事務手数料を含めた総額で比較してください。
- 促進税制は原則1年だけの控除です。その年の所得税額を超える還付は受けられません。
よくある質問
Q. リフォームローンと住宅ローンは併用できますか?
A. 借入としては併用できます。住宅ローンを返済しながら別途リフォームローンを組むことは一般的です。ただし減税については、リフォーム促進税制(所得税)と住宅ローン減税(増改築)を同じ工事で併用することはできません(耐震改修のみ例外)。
Q. リフォームローンの金利相場はどのくらいですか?
A. 無担保型はおおむね年1.3〜4.8%、有担保型は年0.29〜2.0%程度が目安です。同じ無担保型でも金融機関により3%以上の開きがあるため、リフォーム会社の提携ローンだけで決めず、銀行やネット系も含めて2〜3社を比較することをおすすめします。
Q. 補助金をもらうと減税は使えなくなりますか?
A. 使えます。国土交通省は、国や地方公共団体の補助金を受けていても要件を満たせば減税制度も適用できるとしています。ただし控除額の計算に用いる工事費用は、補助金の額を差し引いた後の金額になります。
Q. 省エネリフォーム減税はいつまで使えますか?
A. 令和8年度税制改正により、リフォーム促進税制の所得税の控除は令和8年1月1日から令和10年12月31日までの居住開始分が対象へと3年延長されました。固定資産税の減額措置は令和8年4月1日から令和13年3月31日まで5年延長されています。
Q. 増改築等工事証明書は誰が発行しますか?
A. 一級・二級・木造建築士、指定確認検査機関、登録住宅性能評価機関、住宅瑕疵担保責任保険法人が発行します。工事を請け負ったリフォーム会社が窓口になることが多いため、契約前に「発行に対応しているか」を確認しておくと確実です。
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出典・参考
- 国土交通省「住宅をリフォームした場合に使える減税制度について」(令和8年度税制改正による延長を含む)
- 国税庁 タックスアンサー No.1219「省エネ改修工事をした場合(住宅特定改修特別税額控除)」
- 国税庁 タックスアンサー No.1211-4「増改築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」
- 金利相場は各金融機関およびリフォームローン比較各社の2026年7月時点の公表値をもとにした編集部集計
※本記事は2026年7月28日時点の公表情報にもとづきます。税制の適用可否は個別事情により異なります。当サイトは税理士事務所ではないため、最終的な判断は所轄税務署または税理士にご確認ください。
