内窓は1か所だけでは補助金が出ないことがある【2026年】先進的窓リノベの下限5万円と、2か所必要になる窓のサイズ

内窓の補助金は、下限5万円が先に効く。窓リノベ 2026

先進的窓リノベ2026事業は「1申請あたりの合計補助額が5万円以上」でないと申請できません。事務局が公式に定めた要件です。
戸建住宅で内窓を1か所つけたときの補助額は、腰高窓サイズ(中)のSグレードで34,000円。1か所では5万円に届かず、2か所そろえて68,000円にして初めて申請できます。
ガラス交換はさらに厳しく、小サイズのAグレードは1枚5,000円なので10枚必要です。「内窓1か所で5万円から」という説明は、サイズとグレード次第で成り立ちません。

この記事でわかること

  • 補助額5万円以上という下限が公式のどこに書かれているか
  • 内窓のサイズ区分別に、5万円へ届くまで何か所必要か
  • ガラス交換で必要になる枚数(最大10枚)
  • グレードを1段上げると箇所数が減る理由
  • みらいエコ住宅2026事業と分けて申請しても合算できないこと

「5万円以上」は事業の要件そのもの

先進的窓リノベ2026事業の公式サイトは、補助対象になる工事の条件として「補助額が5万円以上である」と明記しています。補助上限が1戸あたり100万円であることはよく紹介されますが、下限があることに触れた記事は多くありません。上限は多くの家庭に関係しませんが、下限は「窓1か所だけ直したい」という人に直接ぶつかります。

補助額は、工事の種類(ガラス交換・内窓設置・外窓交換・ドア交換)、建物の建て方(戸建住宅/低層集合住宅/中高層集合住宅)、窓の性能区分、窓のサイズの4つで決まります。このうちサイズは面積で機械的に決まり、内窓なら特大が4.0平方メートル以上、大が2.8以上4.0未満、中が1.6以上2.8未満、小が0.2以上1.6未満です。一般的な腰高窓(幅1.65メートル×高さ1.1メートル前後)は約1.8平方メートルなので「中」、掃き出し窓は「大」に入ります。

内窓は「中」サイズのSグレードだと2か所必要

2026年事業では内窓設置の対象がSグレード(熱貫流率1.5以下)以上に絞られ、Aグレード(1.9以下)は対象外になりました。したがって内窓の補助額は次の2段階しかありません。

表1 内窓設置の補助額と、5万円に届くまでの必要箇所数

性能区分サイズ戸建・低層集合
1か所あたり
必要箇所数中高層集合
1か所あたり
必要箇所数
P(SS)Uw1.1以下特大(4.0㎡以上)140,000円1か所152,000円1か所
大(2.8〜4.0㎡)89,000円1か所98,000円1か所
中(1.6〜2.8㎡)58,000円1か所64,000円1か所
小(0.2〜1.6㎡)36,000円2か所40,000円2か所
S Uw1.5以下特大(4.0㎡以上)76,000円1か所83,000円1か所
大(2.8〜4.0㎡)52,000円1か所57,000円1か所
中(1.6〜2.8㎡)34,000円2か所37,000円2か所
小(0.2〜1.6㎡)22,000円3か所24,000円3か所

出典:先進的窓リノベ2026事業 公式サイト「対象工事の詳細【内窓設置】」(2026年9月4日確認)。必要箇所数は、下限50,000円を1か所あたりの補助額で割って切り上げた当サイトの計算です。

戸建住宅でいちばん起きやすいのは、Sグレードの「中」サイズです。1か所34,000円なので、寝室の腰高窓を1つだけ内窓にした場合は5万円に届かず、申請そのものができません。もう1か所(同じ中サイズなら合計68,000円)を足すか、性能をPグレードに上げて58,000円にするかの二択になります。

逆に「大」(掃き出し窓)は、Sグレードでも52,000円で1か所から申請できます。窓を1か所だけ直したいなら、腰高窓ではなくリビングの掃き出し窓を選ぶほうが制度に乗りやすいということです。断熱の効果も面積の大きい窓のほうが大きいので、この選び方は制度と効果の両方に合っています。

図1 5万円の下限に届くまでに必要な箇所数・枚数内窓 S 大(掃き出し窓)1内窓 S 中(腰高窓)2内窓 S 小3ガラス交換 S 中3ガラス交換 S 小8ガラス交換 A 小10緑は1か所で申請できる組み合わせ。数字は必要な箇所数・枚数。
図1 戸建住宅の場合。棒が長いほど、下限に届くまでにまとめて工事する必要がある。算出は表1・表2と同じ前提。

ガラス交換は最大10枚まとめないと届かない

既存のサッシを残してガラスだけを交換する工事は、単価が内窓よりかなり低く設定されています。しかもガラス交換だけはAグレード(1.9以下)も対象に残っているため、下限に届くまでの枚数がいちばん多くなります。

表2 ガラス交換(戸建・低層集合)の補助額と必要枚数

性能区分特大
2.0㎡以上

1.4〜2.0㎡

0.8〜1.4㎡

0.1〜0.8㎡
P(SS)Uw1.1以下78,000円
1枚
52,000円
1枚
32,000円
2枚
11,000円
5枚
S Uw1.5以下53,000円
1枚
35,000円
2枚
23,000円
3枚
7,000円
8枚
A Uw1.9以下41,000円
2枚
27,000円
2枚
18,000円
3枚
5,000円
10枚

出典:先進的窓リノベ2026事業 公式サイト「対象工事の詳細【ガラス交換】」(2026年9月4日確認)。枚数は下限50,000円を1枚あたりの補助額で割って切り上げた当サイトの計算です。ガラスのサイズ区分は窓ではなくガラス1枚の面積で判定します。

トイレや浴室のような小窓(ガラス1枚が0.8平方メートル未満)をAグレードのガラスに替える場合、1枚5,000円なので10枚必要です。戸建住宅で小窓を10枚も持つ家は多くありません。ガラス交換だけで下限に届かせるなら、性能をSやP(SS)へ上げるか、大きい窓を含めて数えるかのどちらかになります。

性能を1段上げると必要な箇所数が減る

下限に届かせる方法は「数を増やす」だけではありません。同じサイズでも性能区分を上げると補助額が上がるため、必要な箇所数が減ります。内窓の「中」サイズなら、Sグレード2か所(68,000円)ではなくP(SS)グレード1か所(58,000円)でも申請が成立します。工事の規模を増やしたくない場合は、こちらのほうが現実的です。

腰高窓1か所だけ内窓にしたいときの3つの道

  • 性能を上げる:P(SS)グレード(Uw1.1以下)にすれば1か所58,000円で申請できる
  • 数を足す:Sグレードのまま同じ中サイズをもう1か所(合計68,000円)
  • 窓を替える:掃き出し窓(大)ならSグレードでも1か所52,000円で足りる

みらいエコ住宅2026事業と分けても合算できない

もうひとつ、下限に関して見落とされやすい規定があります。窓の工事を先進的窓リノベ2026事業とみらいエコ住宅2026事業に分けて申請する場合でも、先進的窓リノベ側だけで5万円以上ある必要があるという点です。事務局は「両事業の補助額を合算できません」と明記しています。窓とドアを両方直して合計で5万円を超えていても、窓リノベ側が4万円台なら申請できません。

下限のほかに、金額が0になる規定

  • 同一の開口部に複数の対象製品を設置しても、補助額に算入できるのは1つだけ
  • 既存の外窓1つに対して3つ以上の内窓を新たに取り付ける工事は対象外
  • 補助事業に要する経費が補助額に満たない工事(工事費より補助額が大きい場合)は対象外
  • 施主支給や材工分離による工事、中古品や展示品を用いた工事は対象外
  • ドア交換だけの工事、窓と別契約のドア交換は対象外

出典:先進的窓リノベ2026事業 公式サイト「対象要件の詳細(住宅)」(2026年9月4日確認)

なお、地方公共団体の補助制度は、国費が充当されているものを除いて併用できると事務局が明記しています。市区町村の窓断熱補助を足せば実質負担はさらに下がるので、下限に届かない規模の工事でも自治体側の制度だけは確認しておく価値があります。

工事期間は2025年11月28日以降の着手から2026年12月31日までの完了、交付申請は2026年3月下旬から遅くとも12月31日までです。ただし予算の消化状況によって前倒しになる場合があると公式が注記しています。

自分の窓がどの区分か、寸法から確かめる

サイズ区分は窓1か所の面積で決まります。掛け算だけで判定できるので、メジャーで幅と高さを測れば自分で確かめられます。よくあるサッシ寸法を区分に当てはめると次のようになります。

表3 よくある窓の寸法とサイズ区分(内窓・戸建・Sグレードの場合)

窓の種類幅×高さ(m)面積区分補助額必要箇所数
小窓(トイレ・浴室)0.60×0.900.54㎡22,000円3か所
腰高窓(引き違い)1.65×1.101.82㎡34,000円2か所
腰高窓(大きめ)1.80×1.302.34㎡34,000円2か所
掃き出し窓1.70×1.803.06㎡52,000円1か所
掃き出し窓(大)2.55×1.804.59㎡特大76,000円1か所

寸法はよくあるサッシの実寸例で、面積と区分は当サイトが計算したものです。実際の判定は事務局に登録された対象製品の性能証明書に記載された寸法で行われます。

図2 申請できるかを4段階で判定する1 窓1か所の面積を測る(幅×高さ)区分は特大4.0㎡以上/大2.8以上/中1.6以上/小0.2以上2 工事の種類と性能区分を決める内窓はSグレード(Uw1.5以下)以上のみ。ガラス交換はAも可3 表1・表2で1か所あたりの補助額を引く建て方(戸建・低層・中高層)で単価が変わる4 合計が50,000円以上かを確かめる届かなければ箇所数を増やすか性能を1段上げる
図2 4段階で判定できる。1か所の面積と性能区分が決まれば、補助額と必要箇所数は表から機械的に求まる。

申請は施主が直接行うことはできず、事務局に登録された「窓リノベ事業者」が代理で手続きします。見積もりを取る段階で「この工事だと補助額はいくらになりますか」と聞き、5万円を超えるかどうかを先に確認しておくと、工事が終わってから申請できないと分かる事態を避けられます。

外窓交換なら1か所でもほぼ下限を超える

下限の壁がいちばん低いのは外窓交換です。既存の窓枠の上から新しい枠をかぶせるカバー工法の場合、戸建住宅の補助額は最小のA区分・小サイズでも41,000円で、それ以外の12通りはすべて1か所で5万円を超えます。工事費そのものは内窓より高くなりますが、「1か所だけ直したい」という条件では制度に乗せやすい工法です。

表4 外窓交換(カバー工法・戸建/低層集合)の補助額と必要箇所数

性能区分特大
4.0㎡以上

2.8〜4.0㎡

1.6〜2.8㎡

0.2〜1.6㎡
P(SS)Uw1.1以下239,000円
1か所
188,000円
1か所
138,000円
1か所
89,000円
1か所
S Uw1.5以下156,000円
1か所
124,000円
1か所
92,000円
1か所
60,000円
1か所
A Uw1.9以下116,000円
1か所
88,000円
1か所
66,000円
1か所
41,000円
2か所

出典:先進的窓リノベ2026事業 公式サイト「対象工事の詳細【外窓交換(カバー工法)】」(2026年9月4日確認)。必要箇所数は当サイトの計算です。ドア交換の補助額は、同じ工法・同じ性能区分・同じサイズ区分の窓と同額と定められています。

同じ「窓1か所」でも、内窓のSグレード中サイズが34,000円、外窓交換カバー工法のSグレード中サイズが92,000円と2.7倍の開きがあります。補助額だけを見れば外窓交換が有利ですが、工事の規模も費用も大きく、既存窓と同規模・同数であることが条件で位置の変更は対象外です。補助額の大小ではなく、直したい窓の状態で工法を決めるのが先です。

よくある質問

内窓を1か所だけつけると補助金は出ませんか

サイズと性能によります。戸建住宅の場合、掃き出し窓サイズ(大)ならSグレードでも52,000円で1か所から申請できますが、腰高窓サイズ(中)のSグレードは34,000円なので1か所では下限の5万円に届きません。P(SS)グレードにすれば58,000円になり1か所で申請できます。

窓リノベとみらいエコ住宅で分けて申請すれば、合計で5万円を超えればよいのですか

いいえ。事務局は、両事業に分けて申請する場合でも先進的窓リノベ2026事業単独で5万円以上必要であり、両事業の補助額は合算できないと明記しています。

ガラス交換だけで5万円に届かせるには何枚必要ですか

戸建住宅の場合、Aグレードの小サイズ(ガラス1枚0.8平方メートル未満)は1枚5,000円なので10枚、Sグレードの小サイズは7,000円なので8枚必要です。特大サイズならP(SS)78,000円、S53,000円で1枚から申請できます。

出典

  • 先進的窓リノベ2026事業 公式サイト「対象要件の詳細(住宅)」(2026年9月4日確認)
  • 先進的窓リノベ2026事業 公式サイト「対象工事の詳細【内窓設置】」(2026年9月4日確認)
  • 先進的窓リノベ2026事業 公式サイト「対象工事の詳細【ガラス交換】」(2026年9月4日確認)
  • 先進的窓リノベ2026事業 公式サイト「対象工事の詳細【外窓交換(カバー工法)】」(2026年9月4日確認)
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この記事を書いた人

省エネ住宅ナビ編集部です。国・自治体の公式情報をもとに、補助金・太陽光・蓄電池・エコキュート・リフォームの「いくらかかる?いくら戻る?」を中立の立場で整理しています。数値・期限は必ず一次情報で確認し、情報基準日を明示する編集方針です。

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