冬の電気代はいつの検針分から上がるのか【2026年】値引きが消えるのは11月検針分・賦課金は2027年4月まで動かない

冬の朝の日本の住宅と外壁の電力量メーター

冬に向けて電気代が上がる最初のきっかけは、寒さではなく国の値引きが終わることです。2026年9月使用分(10月検針分)を最後に低圧3.5円/kWhの値引きが消えるため、使い方を変えなくても11月検針分から請求が増えます。

再エネ賦課金は4.18円/kWhで2027年4月検針分まで動きません。燃料費調整は3か月分の貿易統計価格を2か月後に反映する仕組みなので、冬の単価はすでに夏の相場で決まっています。冬に新しく動く変数は「値引きの有無」と「使用量」の2つだけです。

そして過去2回の冬の支援は、どちらも1月使用分からの開始でした。暖房が本格化する12月使用分(1月検針分)は2年続けて対象外です。この記事では、国の公表資料だけを使って「どの検針分に何が乗るのか」を月別に並べます。

この記事の要点

  • 2026年夏の電気・ガス料金支援は9月使用分(10月検針分)が最後。低圧の値引き3.5円/kWhが消えるのは11月検針分から
  • 国が一般的な世帯とする月400kWhなら、値引きが消えるだけで月1,400円の増加。都市ガス30立方メートルなら420円
  • 再エネ賦課金4.18円/kWhの適用は2026年5月検針分から2027年4月検針分まで。冬のあいだは1円も動かない
  • 燃料費調整単価は3か月間の貿易統計価格をもとに2か月後の料金へ反映されるため、12月分の単価は7〜9月の相場で決まっている
  • 暖房期間の始まりは平年10月28日。検針日を10日とすると、丸ごと1か月ぶんの暖房が乗るのは12月検針分から
  • 2026年1〜3月使用分・2025年1〜3月使用分と、冬の支援は2年続けて1月使用分から。12月使用分は2年とも対象外だった
目次

まず「使用分」と「検針分」を分ける|国の資料は使用分で書かれている

電気・ガス料金支援のニュースは「7月から9月まで」と伝えられますが、これは使用分の話です。実際に請求書で値引きが見えるのはその翌月の検針分になります。経済産業省の認可の資料には、適用期間の欄に使用分と検針分が併記されています。

この1か月のずれを踏まえないと、「9月まで支援があるから10月の請求までは安いはず」と読み違えます。正しくは、9月使用分は10月検針分に反映されるので、値引きのある最後の請求は10月検針分です。

図1|直近2回の電気・ガス料金支援の単価(経済産業省の認可資料より)

使用分 検針分 電気(低圧) 電気(高圧) 都市ガス
2026年1月2月検針分4.5円/kWh2.3円/kWh18.0円/立方メートル
2026年2月3月検針分4.5円/kWh2.3円/kWh18.0円/立方メートル
2026年3月4月検針分1.5円/kWh0.8円/kWh6.0円/立方メートル
2026年7月8月検針分3.5円/kWh1.8円/kWh14.0円/立方メートル
2026年8月9月検針分4.5円/kWh2.3円/kWh18.0円/立方メートル
2026年9月10月検針分3.5円/kWh1.8円/kWh14.0円/立方メートル
2026年10月以降11月検針分以降公表なし公表なし公表なし

2026年9月2日時点。10月使用分以降の支援について、経済産業省の公表はありません。

値上がりの1段目は11月検針分|低圧3.5円/kWhの値引きが消える

支援は電力量料金の単価から差し引く形で行われます。したがって値引きが終わると、使用量が前月とまったく同じでも請求は増えます。増える額は「使用量×3.5円」で、それ以上でもそれ以下でもありません。

基準にする使用量は自分で決められますが、国が使っているモデルがあります。経済産業省は賦課金単価の公表資料で、総務省家計調査に基づく一般的な世帯の1か月の電力使用量として400kWhを採用しています。この400kWhを軸に、上下の使用量も並べたのが図2です。

図2|値引きが消えることで増える額(低圧3.5円/kWh・都市ガス14.0円/立方メートル)

ひと月の使用量 10月検針分までの値引き 11月検針分から増える額 3か月ぶんの合計
電気 200kWh700円700円2,100円
電気 300kWh1,050円1,050円3,150円
電気 400kWh(国のモデル)1,400円1,400円4,200円
電気 500kWh1,750円1,750円5,250円
都市ガス 30立方メートル420円420円1,260円
都市ガス 50立方メートル700円700円2,100円

3か月ぶんの合計は、11月・12月・1月の各検針分で同じ使用量が続いた場合の試算です。

図3|使用量別・11月検針分から増える額

値引き3.5円/kWh・14.0円/立方メートルが消えた場合の増加額 電気 200kWh 700円 電気 300kWh 1,050円 電気 400kWh 1,400円 電気 500kWh 1,750円 都市ガス 30立方m 420円 出典の単価から筆者が計算。バーの長さは1,750円を300pxとした比例表示。

再エネ賦課金は冬のあいだ動かない|4.18円は2027年4月検針分まで

冬の値上がりの犯人として賦課金の名前が挙がることがありますが、時期が合いません。経済産業省は2026年度の賦課金単価を1kWhあたり4.18円と設定し、適用は2026年5月検針分の電気料金から2027年4月検針分の電気料金までと明記しています。

つまり11月検針分から3月検針分まで、賦課金の単価は1円も変わりません。動くのは単価ではなく使用量のほうです。同じ資料は月400kWhの需要家モデルで賦課金の負担額を月1,672円・年20,064円としています。暖房で使用量が100kWh増えれば賦課金も418円増えますが、これは値上げではなく使用量の増加です。

次に単価が動くのは2027年5月検針分です。冬を越えたあとの話なので、この冬の請求を読むときに賦課金を疑う必要はありません。

燃料費調整は2か月遅れ|冬の単価は夏の相場ですでに決まっている

燃料費調整額は毎月動きますが、動き方には決まった遅れがあります。東京電力エナジーパートナーは制度の説明で、各月分の燃料費調整単価は3か月間の貿易統計価格にもとづき算定し、2か月後の電気料金に反映すると書いています。

この規則をそのまま冬に当てはめると、12月分の燃料費調整単価を決めるのは7月から9月までの貿易統計価格です。寒波が来ても、その月の燃料相場がその月の請求に乗ることはありません。冬の燃料費調整は、この記事を読んでいる時点でほぼ確定済みだと考えて差し支えありません。

図4|燃料費調整が請求に届くまでの時間差

12月分の燃料費調整単価が決まるまで(東京電力エナジーパートナーの説明から導いた例) 2026年7〜9月 原油・液化天然ガス・石炭 3か月の貿易統計価格から 平均燃料価格を算定 2026年12月分の 燃料費調整単価として反映 算定から反映までは2か月。つまり冬の寒さや冬の燃料相場は、その冬の燃料費調整単価には入らない。 規制料金プランには燃料費調整額の変動単価に上限があるが、自由料金プランには上限がない。 同じ相場でも契約しているプランによって反映のされ方が変わる。

値上がりの2段目は使用量|丸ごと1か月ぶんの暖房が乗るのは12月検針分

資源エネルギー庁の省エネポータルサイトは、省エネ効果を計算するときの前提として暖房期間を5.5か月(10月28日から4月14日まで)の169日と定めています。これは平年の目安ですが、検針の区切りと重ねると、どの請求に暖房が何日ぶん乗るのかが見えます。

検針日は契約している地域や集合住宅によって違うので、ここでは毎月10日に検針される場合を例にします。自分の検針日は請求書に書かれているので、日付を入れ替えて読んでください。

図5|検針分ごとに乗る暖房日数(毎月10日検針・暖房期間10月28日〜4月14日の場合)

検針分 対象の使用期間 暖房期間に入る日数 期間に占める割合
10月検針分9月11日〜10月10日0日0%
11月検針分10月11日〜11月10日14日45.2%
12月検針分11月11日〜12月10日30日100%
1月検針分12月11日〜1月10日31日100%
2月検針分1月11日〜2月10日31日100%
3月検針分2月11日〜3月10日28日100%
4月検針分3月11日〜4月10日31日100%
5月検針分4月11日〜5月10日4日13.3%

暖房期間の日付は資源エネルギー庁の算出根拠。検針日と割合は毎月10日検針を仮定した筆者の計算です。

この表から分かることは2つあります。ひとつは、11月検針分は「値引きが消える」と「暖房が半月ぶん乗る」が重なる月だということ。もうひとつは、暖房が丸ごと1か月ぶん乗るのは12月検針分が最初だということです。11月検針分で驚いたあと、12月検針分でもう一段上がる形になります。

逆に春は、4月検針分までは暖房が満額で乗り、5月検針分で一気に下がります。暖房期間の終わりが4月14日なので、5月検針分に入る暖房は4日ぶんしかありません。「4月になったのに請求が下がらない」という感覚は、検針の区切りで説明がつきます。

12月使用分は過去2年とも支援の対象外だった

「冬にはまた支援が始まるだろう」と考える人は多いはずです。実際、冬の支援は2年続けて行われました。ただし開始はどちらも1月使用分からです。2026年1月から3月までの支援は2025年11月21日に閣議決定された経済対策にもとづくもので、認可は2025年12月16日でした。

ここから読み取れるのは、暖房のピークにあたる12月使用分は2年とも支援の対象になっていないという事実です。12月使用分は1月検針分に反映されるので、年明け最初の請求は満額になります。もし今年も同じ日程をたどるなら、支援がない検針分は10月使用分から12月使用分までの3か月ぶん、つまり11月・12月・1月の3回の検針分になります。

2026年9月2日の時点で、10月使用分以降の支援について経済産業省の公表はありません。過去の実績は将来を約束しないので、「1月使用分から再開する」と決めつけるのも誤りです。確実に言えるのは、11月検針分から値引きのない請求が届くこと、そして再開した場合でも反映は認可の翌々月ごろになる可能性が高いことです。

請求書を見るときの順番

  • 1 検針分と使用期間を確認する。ニュースの「○月まで」は使用分の話で、請求は1か月あとにずれる
  • 2 値引きの行が消えていないか見る。11月検針分から「電気・ガス料金支援」の行はなくなる見込み
  • 3 使用量を前年の同じ検針分と比べる。単価ではなく使用量が増えているなら、原因は暖房側にある
  • 4 賦課金は疑わない。2027年4月検針分まで4.18円/kWhで固定されている
  • 5 燃料費調整は今月の相場ではなく2か月前の算定結果。上下しても短期の節電では動かせない

よくある質問

冬の電気代はいつの請求から上がりますか?

単価の面では11月検針分からです。2026年9月使用分(10月検針分)を最後に低圧3.5円/kWhの値引きが終わるためで、使用量が同じでも請求は増えます。使用量の面では、暖房が丸ごと1か月ぶん乗る12月検針分から本格的に上がります。11月検針分と12月検針分の2段構えになると考えてください。

再エネ賦課金は冬に値上がりしますか?

値上がりしません。2026年度の賦課金単価4.18円/kWhは、2026年5月検針分の電気料金から2027年4月検針分の電気料金まで適用されると経済産業省が明記しています。冬のあいだに単価が動くことはなく、賦課金の請求額が増えるとすれば、それは使用量が増えたからです。

寒波が来ると燃料費調整額も上がりますか?

その月の請求には反映されません。燃料費調整単価は3か月間の貿易統計価格をもとに算定され、2か月後の電気料金に反映される仕組みです。たとえば12月分の単価を決めるのは7月から9月までの相場です。寒波の影響が出るとしても、それは翌々月以降の単価になります。

出典・参考

  • 経済産業省「2026年7月、8月及び9月使用分の電気・ガス料金支援の実施に伴い、電気・都市ガス料金の値引きを行うことができる特例認可・承認を行いました」(2026年6月12日/適用期間と使用分・検針分の対応、低圧3.5円・4.5円、都市ガス14.0円・18.0円)2026年9月2日確認
  • 経済産業省「2026年1月、2月及び3月使用分の電気・ガス料金支援の実施に伴い、電気・都市ガス料金の値引きを行うことができる特例認可・承認を行いました」(2025年12月16日/低圧4.5円・1.5円、都市ガス18.0円・6.0円、2025年11月21日閣議決定の経済対策にもとづく)2026年9月2日確認
  • 経済産業省「再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2026年度以降の買取価格等と2026年度の賦課金単価を設定します」(2026年3月19日/賦課金単価4.18円/kWh、2026年5月検針分から2027年4月検針分まで適用、月400kWhモデルで月額1,672円・年額20,064円)2026年9月2日確認
  • 東京電力エナジーパートナー「燃料費調整制度とは」(各月分の燃料費調整単価は3か月間の貿易統計価格にもとづき算定し2か月後の電気料金に反映、規制料金には変動単価の上限があり自由料金にはない)2026年9月2日確認
  • 資源エネルギー庁 省エネポータルサイト「省エネ効果の算出根拠」(暖房期間5.5か月=10月28日〜4月14日の169日、電気の金額換算単価31円/kWh)2026年9月2日確認

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この記事を書いた人

省エネ住宅ナビ編集部です。国・自治体の公式情報をもとに、補助金・太陽光・蓄電池・エコキュート・リフォームの「いくらかかる?いくら戻る?」を中立の立場で整理しています。数値・期限は必ず一次情報で確認し、情報基準日を明示する編集方針です。

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