エアコンの電気代を「窓」から下げる【2026年】すだれ・カーテン・内窓の削減額を実額比較

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結論から3行。
①冷房シーズンのエアコン代のうち、窓から入る熱が原因の分はおよそ7割(6畳用1台で年5,240円のうち約3,670円)です。
②同じ「日よけ」でも、窓の外側に付けるすだれ・シェードは室内側のレースカーテンの約3倍効き、削減額は年約2,880円と最大になります。
③内窓は冷房費だけでは回収できません。夏の削減額は透明ガラスなら年約380円、遮熱Low-Eでも約1,580円で、判断材料は冬の暖房費と補助金のほうです。

この記事の要点

  • 資源エネルギー庁は「夏の冷房時に室外から侵入する熱の約7割は窓などの開口部から」と明記している
  • 同庁の省エネ効果データ2件から逆算すると、冷房期間112日・1日9時間・28度設定の6畳用エアコン1台の消費電力量は年169kWh・約5,240円
  • 対策の効き目は日射熱取得率(イータ値)で比べられる。国交省国総研・建研監修のガイドラインに部材別の値が公表されている
  • 外付けすだれ0.19に対し遮熱レースカーテン0.56。エネ庁が言う「外側は内側の3倍近い効果」はこの数値で検算できる
  • 内窓は日射よりも熱の伝わり(貫流)を止める道具。夏だけを見て入れると期待外れになる
目次

エアコンの電気代は「窓」で決まる|冷房時に入る熱の約7割は開口部から

エアコンの設定温度を上げる、フィルターを掃除する、サーキュレーターを併用する。どれも効果はありますが、そもそも部屋に入ってくる熱を減らさないかぎり、エアコンは同じ量の熱をくみ出し続けます。

資源エネルギー庁の省エネポータルサイトは、住宅の熱の出入りについてこう書いています。「冬の暖房時に、室内に逃げ出す熱の約6割が窓などの開口部からで、夏の冷房時に、室外から侵入する熱は、約7割は窓などの開口部から」。つまり夏の冷房費を下げる作業は、ほぼそのまま窓の日射をどう止めるかという作業になります。

同じページには、対策の優先順位まで書かれています。「ブラインドなどを設置する場合は、窓の外側に取り付ける方が、内側に取り付けるよりも、3倍近くの効果があります」。ただし、この「3倍近く」が金額にするといくらなのかは公表されていません。そこでこの記事では、国が公表している数値だけを使って、対策ごとの削減額を円に直します。

まず基準額を出す|冷房シーズンのエアコン代は1台あたり約5,240円

削減額を計算するには、元の金額が必要です。資源エネルギー庁は冷房の消費電力量そのものは公表していませんが、省エネ行動の効果として次の2つを公表しています。いずれも冷房能力2.2kW(おおむね6畳用)・1日9時間・冷房期間112日(6月2日から9月21日)が前提です。

  • 設定温度を27度から28度へ1度上げた場合(外気31度)=年間30.24kWh・約940円の節約
  • 冷房を1日1時間短縮した場合(28度設定)=年間18.78kWh・約580円の節約

下の式は、この2つ目のデータを使った逆算です。1時間あたりの消費電力量が出れば、9時間×112日を掛けるだけでシーズン合計になります。

18.78kWh ÷ 112日 = 0.1677kWh/時間
0.1677kWh × 9時間 × 112日 = 169.0kWh/シーズン
169.0kWh × 31円/kWh = 約5,240円/シーズン

単価の31円は、エネ庁自身の記載から逆算した値です。30.24kWhが約940円、18.78kWhが約580円なので、どちらも1kWhあたり約31円になります。同ページの下部にある算出根拠には平成16年時点の22円が残っていますが、本文の節約額と合うのは31円のほうなので、こちらを採用しました。

この5,240円のうち、開口部から入った熱が原因の分は約7割。年およそ3,670円(118.3kWh)が「窓の電気代」という計算になります。以下の削減額は、すべてこの3,670円を母数にしています。

対策別の削減額|日射熱取得率を円に直した早見表

日射熱取得率(イータ値)は、窓の外の日射を1としたとき、室内にどれだけ入るかを表す0から1の数値です。小さいほど日射を止めます。国土交通省国土技術政策総合研究所と建築研究所が監修した「自立循環型住宅への設計ガイドライン」に、ガラスと日よけの組み合わせごとの値が公表されています。基準にするのは、日よけなしの普通単板ガラス0.88です。

対策(普通単板ガラスの窓に追加) 日射熱取得率 日射カット率 冷房費の削減額
(1シーズン)
1年で元が取れる
購入費の上限
対策なし(基準)0.88
外付けすだれ・外付けブラインド0.1978%約2,880円約2,880円
紙障子0.3857%約2,090円約2,090円
内付けブラインド0.4648%約1,750円約1,750円
レースカーテン0.5636%約1,330円約1,330円
内窓(遮熱型Low-E複層)※0.5043%約1,580円
内窓(断熱型Low-E複層)※0.7515%約540円
内窓(透明の複層ガラス)※0.7910%約380円
図1|日射熱取得率は国土交通省国土技術政策総合研究所・建築研究所監修「自立循環型住宅への設計ガイドライン」(2005年・庇や軒がない場合)の値。削減額は「窓由来の冷房費3,670円×(1−対策後の値÷0.88)」で算出した上限側の試算です。前提は、冷房能力2.2kW・1日9時間・28度設定・冷房期間112日・電気31円/kWh、部屋の窓をすべて同じ仕様にした場合。実際には壁や換気からの熱、室内の発熱もあるため、これより小さくなります。
※内窓の行は、ガイドラインのガラス仕様別の値を内窓のガラスに読み替えた近似値です。既存の単板ガラスが外側に1枚残るため、実際の効果は表よりやや小さく出ます。

表を眺めると、順番が直感と逆になっていることに気づきます。工事が要らず数千円で買えるすだれが最上位で、10万円台の内窓が最下位。夏の日射に関しては、値段の高い順に効くわけではないのです。

日射熱取得率(小さいほど日射を止める・普通単板ガラスの窓に追加した場合) 対策なし(単板) 0.88 内窓(透明複層) 0.79 内窓(断熱型Low-E) 0.75 レースカーテン 0.56 内窓(遮熱型Low-E) 0.50 内付けブラインド 0.46 外付けすだれ 0.19
図2|同じ「日よけ」でも、外側に付けるか室内側に付けるかで倍以上の差がつきます。紙障子(0.38)は図の見やすさのため省略しました。出典は図1と同じ。

なぜ「外側」が3倍効くのか|エネ庁の表現を数値で検算する

資源エネルギー庁は「窓の外側に取り付ける方が、内側に取り付けるよりも3倍近くの効果がある」と書いていますが、根拠の数値は示していません。ガイドラインの値で確かめてみます。

普通複層ガラスの場合|レースカーテン0.53 ÷ 外付けブラインド0.17 = 3.1倍
普通単板ガラスの場合|レースカーテン0.56 ÷ 外付けすだれ0.19 = 2.9倍

室内に入ってくる日射熱の量そのものを比べると、外付けは室内側カーテンのおよそ3分の1。エネ庁の「3倍近く」という表現は、この比とぴたりと合います。裏づけになっているのは、下の図のような熱の逃げ道の違いです。

日よけの位置で「吸った熱の行き先」が変わる 室内側に付けた場合(レースカーテン) ガラス カーテン 日射 吸った熱が室内へ放熱 屋外側に付けた場合(すだれ) ガラス すだれ 日射 吸った熱は屋外へ逃げる
図3|室内側の日よけは日射を受け止めたあと、その熱を室内へ放ちます。屋外側の日よけは同じ熱を屋外へ捨てられるため、同じ生地でも結果が変わります。(考え方の出典:日本サッシ協会「わかりやすいサッシ・ドアの性能 BASIS 2021」に基づくYKK AP技術資料)

この構造から、もうひとつ実務的な結論が出ます。賃貸や集合住宅で外側に何も付けられない部屋は、窓まわりの対策で得られる上限が最初から半分程度に決まってしまうということです。その場合は紙障子(0.38)や内付けブラインド(0.46)が現実的な最上位で、レースカーテンだけで済ませると差が広がります。

なお、庇や軒がある窓は、それだけで数値が下がります。真南に近い窓なら普通単板ガラスでも0.88から0.44へ半減します(太陽高度が高く、庇が影を落とす時間が長いため)。東西面では庇の効きが弱く、窓と平行に垂らすすだれやブラインドのほうが効きます。西日が入る部屋にすだれが効くのは、この方位の違いが理由です。

内窓は冷房費だけでは回収できない|冬と補助金を足して判断する

ここが、この記事でいちばん注意してほしいところです。内窓は「日射を止める道具」ではなく「熱の伝わりを止める道具」です。表のとおり、透明な複層ガラスの内窓では日射カットは1割前後にとどまります。夏の暑さ対策として内窓を検討している場合、入れるガラスを遮熱型(日射遮蔽型)Low-Eにしないと、期待した体感は得られません

一方で、冬の効果は大きく出ます。日本サッシ協会の窓の区分値では、アルミサッシ+単板ガラスの熱貫流率が6.51W/平方メートル・K、複層ガラス相当が4.07。内窓を足すとおおむね後者の水準になります。掃き出し窓1枚(1.8m×2.0m=3.6平方メートル)で計算すると次のとおりです。

(6.51−4.07)× 3.6平方メートル × 14K = 123W(室温20度・外気6度)
123W × 9時間 × 169日 = 187kWh(熱量)
187kWh ÷ 実効COP4.0 × 31円 = 約1,450円/ひと冬

夏(遮熱型Low-Eで約1,580円)と冬(約1,450円)を足しても、掃き出し窓1枚あたり年およそ3,000円。当サイトの内窓の実質負担早見表で確認したとおり、先進的窓リノベ2026の補助単価は「一般的に要する費用の2分の1以内」で設計されており、掃き出し窓(大サイズ・SSグレード)の補助8.9万円は工事費18万円前後を想定した水準です。補助後の実質負担を7万円としても、光熱費だけでの回収には20年以上かかります。

編集部の見解|内窓は「光熱費で選ぶ」と必ず期待外れになる

上の計算は、内窓を否定するものではありません。要するに内窓の価値は光熱費以外にあるということです。結露が減る、窓際の底冷えがなくなる、外の騒音が小さくなる。これらは金額に直せませんが、実際に入れた人の満足はほぼここに集中しています。逆に「冷房代が半分になる」と説明されたら、その見積もりは疑ったほうがいい、というのが編集部の見立てです。

※本欄は公式情報をもとにした省エネ住宅ナビ編集部の分析・見解です。最終的な判断は各制度・メーカーの公式情報をご確認ください。

どれを選ぶか|3つの質問で決まる

選択肢は多いようで、実際は上から順に3つ確かめるだけで決まります。予算ではなく「取り付けられる場所」から先に決めるのが、費用対効果を落とさないコツです。

窓からエアコン代を下げる|選び方の順番 外側に日よけを付けられる? はい 外付けすだれ・シェード 削減 年約2,880円 いいえ 障子のある和室? はい 紙障子を閉めて使う 削減 年約2,090円 いいえ 室内側で遮熱タイプを選ぶ 内付けブラインド/遮熱レース 削減 年約1,330〜1,750円 結露や窓際の底冷えも困っているなら、内窓を検討する段階です ただし判断材料は夏ではなく、冬の暖房費と補助金のほうになります
図4|削減額は図1の試算値。金額の前提は図1の注記のとおりです。

注意|「断熱」と「遮熱」は別の性能です

窓に貼る気泡タイプの断熱シートは、空気の層を1枚足して熱の伝わりを抑える道具で、日射をどれだけ止めるかの規格値は公表されていません。冬向けの製品を夏の日射対策として使うと、期待した結果になりにくいのが実情です。詳しくは窓の断熱シートは効果ある?空気層で下がる熱と「貼れない窓」にまとめています。

また、遮熱フィルムや断熱シートは網入りガラスやLow-E複層ガラスでは熱割れの原因になることがあります。貼る前に必ずガラスの種類を確認してください。日射遮蔽の性能で選びたい場合は、JIS A 4706:2021の日射熱取得性等級(N-2=0.50以下、N-3=0.35以下)が表示された製品が判断しやすくなります。

内窓の費用は「窓の数と種類」で大きく変わります

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なお、この記事の基準額に使った「冷房を1か月つけっぱなしにしたときの電気代」の中身は、冷房つけっぱなし1か月の電気代は約3,700円|「定格×24時間」が3.5倍になるカラクリで詳しく分解しています。窓の結露が気になる季節の対策は窓の結露対策の決定版|露点早見表でわかる分岐を、内窓の補助後の実額は内窓の実質負担額はいくら?サイズ別早見表2026をご覧ください。

よくある質問

遮熱カーテンと遮光カーテンは同じものですか?

別の性能です。遮光は「光を通さないこと」、遮熱は「日射熱を通しにくいこと」を指します。真っ黒な遮光カーテンでも、生地が日射を吸って熱くなればその熱は室内側に放たれるため、遮熱性能が高いとは限りません。数値で比べたい場合は、JIS A 4706:2021の日射熱取得性等級(N-2=0.50以下、N-3=0.35以下)の表示があるものを選ぶと判断しやすくなります。

賃貸で窓の外に何も付けられません。どこまで下げられますか?

この記事の試算では、室内側でできる対策の上限は紙障子の0.38(削減 年約2,090円)、次いで内付けブラインドの0.46(同 約1,750円)です。外付けすだれの0.19(同 約2,880円)には届きません。ただしベランダの手すりに掛けるタイプのシェードなら、窓枠に穴を開けずに屋外側へ設置できる場合があります。管理規約で外観に関わる設置が制限されていることがあるため、事前に確認してください。

南向きの窓と西向きの窓で、対策は変えるべきですか?

変えたほうが効きます。南向きは夏の太陽高度が高いため、庇や軒、オーニングのように上から張り出すものがよく効き、普通単板ガラスでも日射熱取得率が0.88から0.44へ半減します。一方、東西面は太陽高度が低く庇の影が窓に届きにくいため、窓と平行に垂らすすだれ・シェード・ブラインドのほうが効きます。西日で夕方だけ暑くなる部屋に庇を付けても効果が薄いのは、この違いによるものです。

出典

  • 資源エネルギー庁 省エネポータルサイト「省エネ住宅」(冷房時に侵入する熱の約7割は開口部から/外側の日よけは内側の3倍近い効果)2026年8月19日確認
  • 資源エネルギー庁 省エネポータルサイト「無理のない省エネ節約 空調」(冷房設定温度1度で年30.24kWh・約940円、冷房1日1時間短縮で年18.78kWh・約580円、冷房期間112日・1日9時間)2026年8月19日確認
  • 国土交通省国土技術政策総合研究所・建築研究所 監修「自立循環型住宅への設計ガイドライン」(2005年)ガラスと日射遮蔽部材の組み合わせ別 日射熱取得率/YKK AP技術資料「日射熱取得性」経由で確認 2026年8月19日
  • JIS A 4706:2021(サッシ)日射熱取得性の等級 N-1=1.00/N-2=0.50/N-3=0.35/一般社団法人リビングアメニティ協会「住宅部品の基礎知識」2026年8月19日確認
  • 一般社団法人日本サッシ協会「わかりやすいサッシ・ドアの性能 BASIS 2021」(窓の熱貫流率の区分値)
  • 環境省 先進的窓リノベ2026事業(補助単価は一般的に要する費用の2分の1以内で設定)
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この記事を書いた人

省エネ住宅ナビ編集部です。国・自治体の公式情報をもとに、補助金・太陽光・蓄電池・エコキュート・リフォームの「いくらかかる?いくら戻る?」を中立の立場で整理しています。数値・期限は必ず一次情報で確認し、情報基準日を明示する編集方針です。

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