オール電化の家は、電気代の3〜4割が「深夜のエコキュート沸き上げ」で決まります。だから電力会社は「夜間単価」と「その夜間が何時から何時までか」で選ぶのが正解です。東京電力の代表的なオール電化向けプラン「スマートライフS」は、午前1時〜6時が27.86円/kWh、それ以外の時間が35.76円/kWh(2026年時点・税込・燃料費調整額と再エネ賦課金は別)。新電力のオール電化向けプランと比べるときは、この2つの単価と時間帯の区切りを同じ土俵に並べて計算します。
設備・世帯・地域で結論がどう入れ替わるかの全体像は電力会社の選び方 2026|省エネ設備・世帯・地域で選ぶ乗り換え完全ガイドにまとめています。この記事はそのうち「オール電化の電力会社の選び方」に絞って掘り下げます。
電力会社は、住んでいる地域と使い方で料金を比べてから決める
どの会社が安いかは、地域と使用量で変わります。比較サイトで今のプランとの差を確かめてから切り替えると、失敗が少なくなります。切り替えの申し込みはWEBで済みます(広告主の案内)。
| こんな人 | 相談先(対応エリアは広告主の案内) | |
|---|---|---|
| 今のプランと比べて、安い会社を探したい | エネチェンジ(電力会社の比較・申し込み) お住まいの地域と使用量で比較(広告主の案内) | 料金を比べる |
| エコキュートが古くなっている | Cools(エコキュートの交換) 北海道・青森・秋田・新潟・沖縄をのぞく地域 | 見積もりを頼む |
この記事の要点
- オール電化の使用量は月400〜700kWhと多く、うち深夜の沸き上げが3〜4割。夜間単価の1円差が年3,000〜5,000円の差になる
- 比較の軸は3つ: ①夜間単価 ②夜間の時間帯(1〜6時か、23〜7時か) ③昼間単価。夜間が長いプランほど沸き上げを収めやすい
- 基本料金0円・一律単価型は、使用量が多いオール電化では不利になりやすい(一律単価>夜間単価)
- 市場連動型は冬の夕方〜夜が高騰しやすく、暖房が電気のオール電化とは相性が悪い
- 太陽光あり(自家消費)なら「昼は買わない」前提で、夜間単価だけで比べてよい
- 中部の電力会社おすすめ比較【2026年】中部電力ミライズと東邦ガスの年額
この記事の比較基準|公式単価のみ・アフィリエイト順位なし・情報基準日
- 料金は各社の公式サイトと供給約款に記載された単価だけを使って計算しています。実際の請求額は使用量・契約容量・燃料費調整額・再エネ賦課金で変わります。
- 紹介する順序や掲載の有無を広告の成果報酬で変えていません。提携のあるサービスを案内する場合は記事の冒頭にPR表記を置いています。
- 年額の差は前提の使用量と計算式を本文に明記し、条件によって結果が変わるため「最安」と断定する表現は使いません。
情報基準日: 2026-09-13(単価の改定を確認した場合は本文の表と基準日を更新します)
オール電化の電気代はどこで決まるか
オール電化住宅は、給湯(エコキュート)・調理(IH)・暖房(エアコンや蓄熱暖房)がすべて電気です。中でもエコキュートは、深夜に翌日分のお湯を沸き上げる仕組みで、家庭の電気使用量の3〜4割を占めます。4人家族なら月400〜700kWh、冬は800kWhに届く家もあります。使用量が多く、しかも深夜に集中する。この2つの性質が、オール電化の電力会社選びを一般家庭と分けます。
図1|オール電化住宅の電気使用の内訳(イメージ・冬)
東京電力「スマートライフS」を基準にする
比較の物差しとして、東京電力エナジーパートナーのオール電化向けプラン「スマートライフS」を置きます。電力量料金は午前1時〜午前6時が27.86円/kWh、午前6時〜翌午前1時が35.76円/kWh。基本料金は契約容量(kVA)に応じて決まります。ポイントは、夜間の割引時間が「1時〜6時の5時間」と短いことです。エコキュートの沸き上げはこの5時間に収まるよう設定しますが、冬の寒い日は沸き上げ時間が延び、6時以降の高い単価にはみ出すことがあります。
| 比較の軸 | 東京電力 スマートライフS | 新電力のオール電化向けプランで見るところ |
|---|---|---|
| 夜間単価 | 27.86円/kWh | これより低いか。1円の差=年3,000〜5,000円 |
| 夜間の時間帯 | 午前1時〜6時(5時間) | 23時〜7時など8時間型なら、冬の沸き上げがはみ出しにくい |
| 昼間単価 | 35.76円/kWh | 在宅時間が長い家は昼の単価も効く。太陽光ありなら重要度は低い |
| 基本料金 | 契約容量(kVA)制 | kVA単価の差と、最低契約容量の条件 |
| 燃料費調整の上限 | 自由料金(上限なし) | オール電化向けはいずれも自由料金が中心。上限付きは少ない |
※単価は2026年時点の東京電力EP公式料金表(税込)。燃料費調整額・再エネ賦課金(2026年度4.18円/kWh)は別途
夜間単価1円の差はいくらになるか
深夜の使用量を月200kWh(給湯中心)とすると、夜間単価が1円違えば月200円、年2,400円。冬に深夜使用が300kWhまで増える家なら年3,000〜5,000円の差になります。逆に、夜間単価が安くても昼間単価が高いプランは、在宅時間が長い家では総額で負けることがあります。「夜も昼も」で年間試算するのが基本です。
図2|夜間単価の差が年間電気代に与える影響(深夜使用200〜300kWh/月)
オール電化で避けたいプランの型
基本料金0円・一律単価型
一人暮らしや太陽光+蓄電池の家では有利な型ですが、月400kWh以上使うオール電化では、一律単価(30円台)が夜間単価(27円台)より高いぶん、深夜の沸き上げがまるごと割高になります。基本料金がゼロでも総額で負けるのが普通です。
市場連動型
スポット価格は冬の夕方〜夜と寒波の日に上がります。暖房も給湯も電気のオール電化は、まさにその時間に使用が増えるため、値動きをそのまま受ける市場連動型とは相性が悪い組み合わせです。仕組みは市場連動型の電気料金プランとはで解説しています。
夜間の時間帯が短い、または深夜割引がないプラン
一般家庭向けの時間帯別プランには、夜間割引が「23時〜7時」の8時間型もあれば、割引時間そのものがない一律型もあります。エコキュートの沸き上げ設定(時刻)とプランの夜間時間帯がずれると、割引が効かないまま沸き上げることになるため、契約前に給湯器の設定時刻を確認してください。
太陽光がある家のオール電化はどう考えるか
太陽光発電を併設している家は、昼の使用を自家消費でまかなえるので、昼間単価の重要度が下がり、比較はほぼ「夜間単価」だけで済みます。さらに、2026年度のFIT売電価格は最初の4年が24円/kWh、5年目以降は8.3円/kWhと下がるため、昼に余った電気でエコキュートを沸き上げる「おひさまエコキュート」型の運用に切り替える家も増えています。この場合は夜間の使用量自体が減るので、夜間単価の差よりも基本料金の低さが効くようになります。詳しくは太陽光がある家の電力会社の選び方を参照してください。
乗り換え前のチェックリスト
エコキュートの沸き上げ時刻と、プランの夜間時間帯が合っているか
1〜6時型なら沸き上げを深夜に固定。8時間型なら冬のはみ出しに強い
夜間単価と昼間単価の両方で年間試算したか
夜だけ安いプランは昼が高いことが多い。検針票12か月分で計算する
契約容量(kVA)と基本料金の条件
IHとエコキュート同時使用で10kVA前後。最低容量の条件で基本料金が上がることがある
燃料費調整額の上限と、解約金
オール電化向けは自由料金が中心で上限なし。解約金0円なら試しやすい
よくある質問
| 質問 | 3行で答えると |
|---|---|
| 何で選ぶか | 夜間単価と、その夜間が何時から何時までかの2点です。オール電化の電気代は3〜4割が深夜のエコキュートの沸き上げで決まります。 |
| 1円の差はいくらか | 深夜の使用量が月200kWhなら夜間単価1円で年2,400円、冬に月300kWhまで増える家なら年3,600円前後の差になります。 |
| 避けたい型は | 基本料金0円・一律単価型(一律30円台が夜間27円台より高い)と、冬の夕方から夜に高騰しやすい市場連動型です。 |
オール電化でも新電力に乗り換えられますか?
乗り換えできます。ただしオール電化向けの時間帯別プランを用意している新電力は限られ、一般向けプランに移ると深夜割引がなくなって高くなることがあります。必ず「オール電化向け」か「時間帯別」のプランを選んでください。
電化上手など旧プランから移るべきですか?
旧プラン(電化上手など)は新規受付を終了していますが、契約中の人は継続できます。夜間単価が現行プランより低い場合があるため、移る前に旧プランの単価と現行プランを比べてください。一度解約すると戻れません。
エコキュートの沸き上げを昼にすると安くなりますか?
太陽光がある家で余剰電力を使うなら安くなります。太陽光がない家では、昼間単価(35円台)で沸き上げることになり、夜間単価(27円台)より高くつきます。
オール電化に向かないプランの型はどれですか
3つあります。①基本料金0円・一律単価型は、一律単価が30円台で夜間単価の27円台より高いため、月400kWh以上使うオール電化では深夜の沸き上げがまるごと割高になります。②市場連動型は冬の夕方から夜と寒波の日にスポット価格が上がり、暖房も給湯も電気のオール電化とは使用が増える時間帯が重なります。③夜間割引の時間帯が短い、または割引そのものがないプランは、エコキュートの沸き上げ時刻とずれると割引が効きません。
夜間単価が1円安いと、年間でいくら変わりますか
深夜の使用量を月200kWhとすると月200円、年2,400円です。冬に深夜使用が月300kWhまで増える家なら年3,600円前後になります。昼間単価が同じ場合の編集部試算で、実際は昼間単価と基本料金の差も加わります。夜間単価が安くても昼間単価が高いプランは、在宅時間が長い家では総額で負けることがあります。
太陽光がある家は、どの単価を基準に選べばよいですか
昼の使用を自家消費でまかなえるため、昼間単価の重要度が下がり、比較はほぼ夜間単価だけで済みます。ただし2026年度のFIT売電価格は最初の4年が24円/kWh、5年目以降が8.3円/kWhと下がるため、昼の余剰で沸き上げる運用に切り替える家も増えています。その場合は夜間の使用量自体が減るので、夜間単価の差よりも基本料金の低さが効きます。
地域別の比較記事で確かめる
オール電化向けの夜間プランは、エリアの大手電力と新電力の組み合わせで選択肢が変わります。地域別の時間帯単価は次の記事で確かめられます。
- 関西の電力会社おすすめ比較【2026年】
なっトクでんきは関西電力の従量電灯Aより年3,066〜7,722円安いという試算を、使用量別に載せています。 - 中国電力エリアの電力会社おすすめ比較【2026年】
電化Styleコースが得になるかは夜間比率80%が分かれ目。時間帯別の単価表で確かめられます。 - 東京の都市ガス会社おすすめ比較【2026年】
東京ガスは11月検針分から基本料金が月150円上がります。切り替え先との年額差を一覧にしています。 - 大阪の都市ガス会社おすすめ比較【2026年】
一般料金は2026年9月30日で新規受付終了。10月からの一般料金Sとの違いを整理しています。
※年額差はいずれも各記事の想定条件にもとづく試算です。実際の請求額は使用量と燃料費調整額で変わります。
出典
- 東京電力エナジーパートナー「スマートライフ(オール電化)」(午前1〜6時 27.86円/kWh、その他 35.76円/kWh・2026年時点)
- 資源エネルギー庁「FIT・FIP制度 買取価格」(2026年度・10kW未満)
- 経済産業省「2026年度 再生可能エネルギー発電促進賦課金単価」(4.18円/kWh)
情報基準日: 2026年9月3日。使用内訳・年間差額は編集部のモデル試算です。
